トールキンが子供たちのために書いたものを2つ。人類の宝物、かな。




ではまず1つ目。



ブリスさん

J.R.R.トールキン
評論社
¥2345
トールキンが自分の子どもたちのために作った絵本です。
出版するつもりで作ったものではないのですが、トールキンの没後出版され、各国で翻訳され、こんなに東の島国でも楽しめるようになりました。トールキン先生はきっと喜んでくれてると思います。

ブリスさんは車を買います。黄色いの。車輪は赤。おぉ、なんとハデなこと。世の中、目立った方がいいですからね。
さて、新車に乗って出かけたブリスさん。いろいろありまして・・・あぁなって、こうなって、大変。いろんな人や、人じゃないのや、たくさん出てきて大変。それで帰ってきたはいいんだけど、また大変。

ナンセンス絵本です。もぅ、なんかさ、楽しきゃいいの!って感じ。
絵が洒落てます。ミドルアースのような世界を創りつつ、こういうことをして遊んでいたトールキンって何と魅力的な人だったのでしょう。

本の中はこんな感じ↓ ね、いいでしょ。
右のページに絵と文があります。トールキンの書いたまんまです。トールキン自筆の文字が並んでますよ。これだけでも感動。左のページには訳があります。でもページ割りの関係上、前後のページにずれてるところもあります。自筆原稿がページによって文字数が少なかったり、上のみたいに多かったりするので、ピッタリ対応はしてません。上の例では、上半分くらいの訳は前のページにあります。
トールキンは自分でページの番号まで入れて、本の形に綴じたそうです。48ページまで番号がふられてて、もう一枚絵があるぞ、と最後に書いてあります。で、めくると楽しい絵がついてる。
字だけのページは4ページだけ、あとはみんなトールキンの透明感のある面白い絵がついてます。結構読み応えあるよ。別にどうという内容ではないんだけど、可笑しい。何やってんだろ、みんな・・・・ いいなぁ、こういう生活。

出版がどうこうというつもりはなく、ただ子どもたちを喜ばせたかっただけ。だから本当の楽しさと味わいがあり、絵も字も生き生きとして、不思議な空間が生まれています。ブリスさんもキリンウサギも、どこかにいるんだよ・・・・きっとね。

英米で出版されてるものは、左のページにアルファベットを活字にしたものがついているようですが、トールキンの字は結構読みやすいです。まぁ、子どもが読めるように書いたわけだから、何書いてあるのかわかんないという状態ではないです。だから、訳本だと、原文も訳文も楽しめるよ。

それから、途中で、「えっ???」っていうところがあるよ。人の名前が。ふふふ。
ぜひどうぞ。(^^)


   
       

↓ではもう1つ。 というか2つ。 というか3つ。 というか4つ。というか5つ・・・
グワイヒアはこれが大好きなのさ。(^o^)

まず、原書、2種類。

Letters from Father Christmas
J.R.R. Tolkien
HarperCollins

£16.99

Houghton Mifflin
$20.00 

(2009秋現在、日本アマゾンに新品はないらしい)

Letters from Father Christmas
Letters from Father Christmas
J.R.R. Tolkien
HarperCollins


これは新品あります。
HarperCollinsでは、青本じゃなくて
この赤本が主となったようです。

これはペーパーバックもあります。
HarperCollinsのはこちら

Houghton Mifflinのはこちら。

なんとCDもあります♪

それから、訳書を3種類。


ファーザー・クリスマス
サンタ・クロースからの手紙

J.R.R.トールキン
ベイリー・トールキン 編
瀬田貞二/田中明子 訳
¥2940
評論社

サンタ・クロースからの手紙
J.R.R.トールキン
ベイリー・トールキン 編
せた ていじ 訳
¥1470
評論社

クリスマス・レターつき
サンタ・クロースからの手紙

J.R.R.トールキン
ベイリー・トールキン 編
瀬田貞二/田中明子 訳
¥2243
評論社

トールキンは毎年クリスマスに子供たち宛の手紙を書きました。トールキンからではありません。サンタクロースから。
子供たちがサンタさんに書いた手紙は、暖炉のところに置いてありましたが、いつのまにか消えます。そしてクリスマス、プレゼントとサンタさんからの手紙が届きます。床には雪がついた足跡。

トールキンの4人の子供たちはこの素晴らしい演出のため、すっかりサンタクロースの存在を信じ込み、プレゼントよりもその手紙に夢中になったといいます。一年に一度きりの手紙ですが、話はずっとつながっています。毎年、今までの話とつながるように、子供たちがわくわくするように、時間をかけて丁寧に仕上げた手紙は正に宝物。

まず、絵がいい。トールキンの絵って独特でしょう。それが毎年ついてる。すごく楽しい。
次、字がいい。サンタさんは何せ若くはないし北極は寒いんで字が震えてる。この震えた字で結構長いこの文章を書くのはかなり大変だったことでしょう。字を書いて、絵を描いて、一体何時間かけて仕上げたことか!きっとねぇ、何日も何日もかかったと思うよ。秋頃から準備してたのかも。
ちゃんと北極の切手が貼ってあるんだよ。いいなぁ、いいなぁ・・・

こんな素敵な贈り物をしてくれるお父さまがいたなんて、本当に羨ましい!!
なんと素晴らしい家族なのかと感心します。
トールキンの没後、三男のクリストファーさんの奥さまのベイリーさんが本の形にまとめたものです。おかげで世界中の人がサンタの手紙を読めるようになりました。トールキンにはそんな気がなかったとはいえ、北極のサンタさんからのメッセージをたくさんの人々が受け取ることになったのです。

サンタクロースは北極に住んでます。寒いんだよ。雪がたくさん降る。で、北極には北極熊がいる。サンタさんの家にもいる。このクマさんがトラブルメーカーで、毎年何かやらかしてくれる。

そして、そして・・・・・あぁ喋りたいなぁ、でも本を手にしてからのお楽しみ・・・かな。
とにかく、これは指輪の世界なのですよ。ミドルアースの原型がここにあります。そのものです。みんな、このサンタの手紙の中にトールキンの世界は凝縮されています。

面白いよ〜! えー、わー、きゃー、って感じだよ。花火もあるし。 あ、喋っちゃった。
それからねぇ、震えてない字のもあるんだよ。サンタさんが書いたんじゃないのが。誰が書いたかっていうと・・・あ〜喋りたい・・・・
遺された手紙を整理してまとめたベイリーさんは、このサンタクロースはガンダルフなのよ、と仰っています。たしかにそうです。


で、なぜ、本が何種類もあるのか。
どれを買うべきか。

困りましたねぇ。グワイヒアは初め緑を買って、でもうずうずして、どうにも我慢出来ずにレターつきも買ってしまいました。そして青の原書を買って狂喜し、そうこうしているうちに、赤いのが出ました。赤は訳本も出ました。

で、鷲は原書2種、訳書3種持ってるわけですが、1冊で何とか間に合わせたい人は、下を読んでどれにするか決めましょう。

赤はキラキラです。青もキラキラです。めくると緑で、赤本の場合、赤と緑のクリスマスカラーになるわけで、それに金文字が踊り、これが本屋に並んでいたら、無意識にレジに持って行ってしまうことでしょう。商売上手!!

青と赤は、完全版です。赤は、訳書もあります。
緑とレターつきは、省略版です。

で、買うなら、完全版がいいです。

なぜなら、省略版と完全版は、内容が天と地ほどの差があります。絵が素晴らしいです。省略版は、文もほんの一部だし、絵も全部載ってません。
訳書を買うんなら、ちょっとくらい高くても、赤いやつにしましょう。グワイヒアが言うんだから、絶対です。

完全版は、絵がたーくさん載ってる。
開くとまず、切手が並んでいます。北極の切手だよ〜 これが貼ってある手紙を貰ってたなんて、いいなぁ、いいなぁ・・・
緑の省略版では抜けてる手紙も、23年と24年のが載ってる。
手紙は1943年まで続いています。

1920年から20年以上!!

そんな長期に渡って続いたこの物語、今は本で一気に読めるけど、毎年ちょっとずつ読むからこそ、楽しかったんだろうね。トールキン家の子供たち、なんと贅沢なクリスマス☆


サンタさんの震える字の手紙もたくさん載ってるし、青本では封筒の宛名書きもたくさん見ることができます。ページをめくる度に「おーーーーっ!!」となります。
きれいなんだよ。字のところもね、飾り文字を入れてこれだけ書くのは大変だったと思うな。なんてすごい父上だったんだろう。

絵本としての構成が素晴らしいです。活字が並んでるところにも、トールキンの字や絵がふんだんに飾られています。活字しかないページはありません。

サンタになりすまして子ども達へ書いた手紙がこれだけの量になり、それも夢でいっぱいで、絵も字も全てが完璧に世界を形作っている。これは立派な文学作品であり、かつ素晴らしい芸術です。

これは、読まずに見ているだけでも凄いです。

完全版の方が楽しいのは、やはり省略がないから。
クマの書き込みも全部載っています。活字のところはサンタさんの文の間に太字で入れられています。トールキンの書いた震える字の便せんも相当数載っていますが、それを見ると、サンタさんが書いた後、クマがそれを読んで、余白にいろいろ付け加えて書き込んでいるのがわかります。要するに、チャチャを入れてるわけ。
トールキンはサンタになりすましただけじゃなく、クマにもなって、一人で何役もこなしていたのです。

完全版は結構長い。毎年一度の手紙なのに、ずーーーーっと話がちゃんとつながっているのがすごい。
トールキンは、前の年に何を書いたのか、今までどういう話にしてあったのか、全部覚えてて、毎年子供たちに書き続けていたのです。
こんなパパってあんまりいないと思う。

つながってるのは、話だけじゃなくて、絵もなんだよ。前年に壊れて修理したものは、次の年にもちゃんとその通りの絵になっている。ちょっとしたところが可笑しくて可笑しくて・・・



じゃあ、完全版の話。
凄い。わくわく。びっくり。トールキンのサンタワールドは素晴らしい☆

ページ数は、青が157ページ、赤が111ページ。
英語が大丈夫な人は、原書買った方がいいです。
なぜなら、赤の訳本は誤訳があるからです。なんか変なとこがいろいろあって、まぁ話の進み具合にそんなに影響がないからいいのかもしれないけど、でも原文で読めるなら、原書の方がいい。

英語はそんなに難しくないから、高校生くらいの英語力があれば結構読めると思うよ。だってほら、子供たちに宛てたものだからね。
通して読むのもいいし、ときどき寝る前とかに一節ずつ読むのも楽しいよ。

プレゼントにもいいと思うな。クリスマスに貰ったら最高だよね。


お値段は、Houghton Mifflinの方が安いです。グワが持ってるのは、HarperCollinsです。紙質とか違うかもしれません。
要するにイギリス版(HarperCollins)かアメリカ版(Houghton Mifflin)かということです。
中身は変わらないとは思いますが、下の説明は全てHarperCollinsのハードカバー版に基づいたものです。ペーパーバックは持ってないから、どんな感じかわかんない。中は同じだと思うけどね。安くていいよね。


青本には、Includes Unpublished Letters & Drawings
(未出版の手紙と絵も入ってます〜)
と表紙に書いてあって、その通り、内容がどーんと増えてます。それまでは原書も緑だったから省略版だったんだよね。

後から出た赤本は、青本とほぼ同じ内容です。

赤の中身は、ほぼ青本そのままですが、赤は青本より小さいです。だから絵も小さめ。

やっぱ、大きい方がいいねぇ。並べてみると、絵の迫力が全然違う。手紙の画像も、字の大きさがだいぶ違って、当然大きい方が読みやすい。サンタさんの手紙は、普通の書体じゃないから、縮小されちゃうと見づらいんだよ。
で、青本よりページ数が少ないのは、やはり省略されてるページがあるからでした。

カットされてるのは、封筒のページで、ほぼ全部ありません。
青本は、それぞれの年、まず封筒がどどーんとあって、それも見開き2ページ分たっぷり取って載せてあって、もうそれだけで幸せになる。めくると中の手紙を活字にしたものと手紙の画像があって、普通の字とくねくねの字で読めるようになってる。
赤本は、その扉になるべき封筒のページがカット。
どーせ出すなら入れればよかったのにと思うけどねぇ。封筒は、切手も素敵だし、宛名も素敵だし、消印なんかも凝ってて、封筒だけでもずいぶん時間をかけて作ってたのがわかるし、やっぱ載せればよかったのに。
だってさぁ、手紙って、まず封筒を見て、それから中を見るんだからさ。封筒で、わぁ♪って思ってから中を読む、という疑似体験が出来るわけですよ。
でも赤は一応、カバーの後ろに写真はついてる。だからそこで「わぁ♪」ってしてください。

それでもまだ文句を言えば、それぞれの年のところに封筒がないと意味不明のところもあるんだよ。
SnowManが宛名書きを手伝った年の封筒は・・・どれかな? 赤本買った人は、カバーの後ろで探してね。

でも、中身の手紙の画像は、青本にあるものはほぼ全部入ってます。サンタさんのくねくねの字がたくさーん読めるよ♪

画像のあるなしを比べると、
1928年のBoxing Dayの手紙は、赤本には手紙の写真がありません。活字にはなってるけどね。青本には大きく載せてあって、くねくね字で読めます。
1931年、この年は画像が多いんだけど、赤は青より手紙の写真が2枚少ないです。

どちらも完全版ではあるけど、そういう違いがあります。


★注目!    

しかしですね、皆さん、聞いてください。いくら文句言っても、赤本にはそれを帳消しにする素晴らしさがあるのです!!

青に載ってなかった手紙の写真があります。赤本、87ページ。

しかも、これは邦訳の方だけなの!! 

青本と、赤本の原書には、同じ場所に封筒の画像があって、その封筒はそんなに凝ったものじゃないからカットしてもまぁいいやつなのさ。

で、評論社の赤本には、そこに手紙の画像があるのです。

そのおかげで、グワイヒアは長年の疑問が氷解し、すっきりし、大喜びし、1人で(1羽で)ニヘラニヘラしております。見つけたときには叫んだもん。「あーーーーっっ!!!そうだったんだっっ!!」
詳しくはこちら。

いやー、よかった。素晴らしい。
その疑問氷解の点を除いても、その写真はとてもたのしい手紙です。

だから、この点だけでも、評論社の赤本は買う価値ありです。完全版だしね。いくら誤訳があってもまぁいいか。よし。

原書も何刷目かによって違うのかもしれないな。日本版出すときに向こうから提供があるわけだからねぇ。
自分の赤の原書はこうなってるよ、っていうの、持ってる人は教えてね。手紙の写真に入れ替えてあるの、あるかもしれないな。

    


このサンタクロースの物語を書きつつ、トールキン自身が毎年のクリスマスを心から楽しんでいたのがわかります。
長男のジョンさんは早々にサンタクロースを卒業したらしく、サンタさんは「ジョンから手紙が来ない」と何度も書いてる。手紙こないと寂しいよねぇ。
一番サンタさんとやりとりしていたのは、三男のクリストファーさんのようです。今も父上の原稿を引き継いで、その仕事を完成させて世に広めてくださっているクリストファーさんは、四人の子供たちの中でも特にお父さまとの繋がりが深かったのかなと思います。

手紙に出てくる子供たちの名前がジョン、マイケル、クリストファー、プリシラと段々移り変わっていくことで、トールキン一家の成長が見て取れます。トールキンはずっと手紙を書きたかったんじゃないかな。子供たちがいつまでも小さいままでいたら困るけど、大きくなるとこういう楽しみはなくなっちゃうんだよね。
上の子たちから手紙が来なくなってもサンタさんは、ジョンによろしく、マイケルによろしく、クリストファーによろしく・・・と書いています。父としてのトールキンの暖かさがいっぱい詰まっています。

家族というのはいいものだなぁ、というのが改めてよくわかる本です。





では、省略版2種は、どこがどう違うのか、比べてみたので参考にしてね。
本の横幅はほぼ同じです。
普通の絵本という作りです。 封筒がページに貼りつけてあって、その中に手紙が入っています。
その紙に載せきれないものは、普通のページに手紙の内容を短く説明したものを加えてあります。
これは、結構大きい本です。ってことは、絵も大きいです。これはこの本にとってすごーく重要です。見ればわかりますが、絵の比重がとても高い内容なのです。 こっちはちょっと小さい本です。ってことは、絵も小さいです。これはなかなか致命的です。ばーんとした大きい絵も小さくなると印象が変わります。それから、いろいろな絵を組み合わせた手紙の場合、そのいろいろな絵が、本に組み入れるために分けられてしまっています。本来は並んでいて、それがいい雰囲気になっているのがバラバラになってしまうと、なんか違って見えてしまう。
封筒の後ろにワンポイントとしてついている絵は、ほんとは封筒に描かれていたものではありません。大きな絵から一部を抜き出してあしらったものです。
サンタの震える字は1920年と1933年の手紙で見ることが出来ます。これが全部載ってればカンペキなんだけど。
封筒は3つ載っています。
こちらは、手紙が封筒に入ってるので、それを出すと、ちゃんと震える字が並んでいます。ちょっと感動です。トールキンが1行ずつ丁寧に書いていったサンタの手紙を、コピーとはいえ目にすることが出来るというのは、なんと便利な時代であることよ。
裏には日本語訳があります。
Aには一番初めの手紙の訳は出てませんが、こちらは手紙の裏に訳があります。
封筒がどんなだったかも、宛名書きがどんなだったのかも数多く見ることが出来ます。
全部で封筒は10。だから入ってる手紙も10枚。
このサンタ自筆の手紙、封筒に入っているのはそれぞれ一枚ずつなので、元が長いものはその一部のみです。震える字を一生懸命読んでいくと、途中でプッツリ切れちゃう。
手紙の初めの方が省略されているものでは、ご丁寧にくねくね文字も省略してあります。でも「親愛なる子どもたちへ」の部分はちゃんとあるので合成してあるのがありありとわかってちょっと不満。
↑わかります?説明ヘタでごめん・・・
1920年が初めの手紙です。そこから数年とばして(なぜないのかわかんないけど)、1925年から1938年までの手紙がずっと欠けることなく全部載っています。そして最後の手紙。これは何年のものか書いてないんだけど、39年ではないのかな。(と思ったら違いました。下の方の青本参照)

文章もほぼ全部載っているものと思われます。(と思ったら違いました。下の方の青本参照)

かなり長いです。パッと読めるものではありません。
手紙の初めにある「親愛なる子供たちへ」という挨拶書きは省略されています。
「親愛なる子供たちへ」は書いてありますが、肝心な内容がこっちは全部載ってません。大体、そっくりない年があります。それも1つではありません。

←Aの欄を見ればわかりますが、1920年、1925〜1938年、そして最後の手紙、ってことはですよ、全部で16あるはずでしょ。でも上の欄に書いた通り、封筒は10しかないのです。

おまけに、載っている年のものも、文章はかなりの部分が省略されています。何もそんなに削らなくても・・・と思います。こちらだけ読んだ人は、この一連の手紙の面白さがあまりわからないのではと心配になります。
何年のものというのは明記されています。時代の移り変わりを感じることが出来ます。 年号は外されています。震える字の手紙には残っていますが、訳文のも絵のも、19△◇年、という文字は徹底的に消されています。特に絵が気になる。
これは、年代特定をせずに普遍的なものとして楽しむようにとの作りなのだと思います。
でも無理に削ってあるので、他の部分まで半端にカットされてしまっている絵もあります。
クマの字の一覧と、それを使って書いた手紙があります。このクマの字は、クマが他の種族の字を真似て作ったもので、その種族とは・・・あ〜喋りたいよぉ・・・ こっちにはそんな字は影も形もありません。その字の元となる字が並んでいる絵も当然省略されています。
紙の質感がグワは好きです。
絵の部分も、無理に白に補正することなく、当時の雰囲気が出ています。
紙が真っ白です。今はコンピュータでいくらでも色の補正が出来るので、絵もとてもキレイにされています。でもさぁ、こういうのはそんなにキレイにすると変わっちゃうじゃないか・・・トールキンがこんなに「まっしろ」な紙に書いたわけないじゃないか・・・
文句を書いた方が長くなるものなんだねぇ・・・

さて次は、Bのレターつきが年によってどういうことになってるか、調べてみました。何がどうなって、どこが省略されているのか、気になったもので。 せっかく調べたので一覧にしてみました。
掲載度は、グワが見たところ、なんとなくこのくらい、と思った割合です。Aと比べての割合です。

封筒 Aと比べた掲載度 Bの状況
1920 100% 一番初めの短い、でも暖かい手紙です。これを受け取ったジョンさんはどんなに嬉しかったことでしょうか。これは、Aの方には訳がないので、Bの勝ち。
1925 100% これだけなぜか年号があります。これは文章も全部載っていて、Aにはない始めと終わりの挨拶もついています。
1926 100% 全部載ってます。
1927 × 10% 簡単にまとめたものが普通のページにあります。
1928 85% 一部省略。省略部分は短く書き換えられたのが普通のページにありますが、勝手に作られた文章までついています。月が笑っているとなってますが、その笑っている月の絵は、25年の手紙の絵から抜き出したものです。
1929 × 10% みじか〜〜〜く、書き直してまとめたのが普通のページにあります。ここの絵は綺麗にレイアウトしてあるものなのですが、バラバラにされてしまいました。壁に地図がかかってる・・・!
1930 50% 後半省略。省略部分は、絵の説明として少しだけついています。
1931 30% はじめの部分と後半、半分以上省略。それもいいところが省略。せっかく可愛いのが出てくるのにな。
1932 × 0% すごく長い、一番長い手紙なのですが、丸ごとないです。絵はひとつ載っていて、それにちょこっとだけ説明がついてます。でもこれじゃ何が何だかわからない。ここは非常に重要な場面なんだけど。
1933 30% 約3分の2が省略。略したところは、絵の説明としてみじかーいのがついています。
1934 0% 封筒に入ってるのは絵だけです。文章は全部省略です。短くまとめた説明もありません。絵も年号が消してあります。この絵は、絵だけでは何なのかちゃんとわかりません。これは誰で名前は何というのか、この色のついた綺麗なのは何なのか、とかがわかんない。
1935 × 30% 短く抜き出したのが普通のページにあります。
1936 10% これも封筒の中は絵だけ。そしてこれも年号は消してある。説明文は、抜き出したのではなく、書き直されたもの。
1937 40% 半分以上省略。これは絵に説明が書いてあって、それが訳されて活字になっています。この絵はAではトールキンが書いた字がそのまま載っています。9つある絵は元々くっついているのですが、Bではそのうち3つが分けられて離れて載っています。
前の方の手紙で省略されていた登場人物(人じゃないけど)が突然出てくるので、Aを知らない人は何の事やらわからないと思います。
1938 × 0% まるっきり無視されています。ここは他の手紙とちょっと違っていいところなのですが。
最後 × 5% 結構長い内容のものですが、終わりの段落の一部のみになっています。


だから省略版にするなら、Aだね。
Aの方が安いしさ。
どうしても震える字をたくさん見たい人は、Bをどうぞ。でも話は全部わかんないよ。半分もわかんない。
Bを持ってるよ、という人は、ぜひAも完全版も読んでみて。え〜、こういうことになってたんだ、というのがわかるよ。

何せ省略部分が多いから、登場人物(?)もBでは全部出てきません。もったいない・・・ 全部出てこないってことはですよ、サンタさんがどういう近所づきあいをして暮らしてるかがちゃんとわかんないわけです。
Bは、クリスマスっぽいところ、北極熊をメインとした軽いノリのところだけを抜き出したという感じです。

封筒に手紙が入ってるという仕掛け絵本なわけですが、じっくり読むというより手軽に面白い部分だけを味わえるように、という意図だと思われます。

近くの本屋にはないし、通販だと現物が見られないし、でもどうしても気になって注文したBの手紙入り封筒つきは、上記のように文の量的には不満でしたが、サンタの手紙のコピーが何枚も入っていたのは収穫でした。震える字を眺めていると、すごく楽しい。

完全版だと、ページに印刷されてるから、手紙を手に取って読めるっていうBみたいな面白さはないのかもしれないな。そういう点ではBの勝ち。
Bは原書もあるから、原書の方が雰囲気出ると思います。

Bの手紙つきの方しか知らない人には、「ほんとはこれこれこうなんだよ〜」と教えてあげましょう。

ちなみに、緑本で最後の手紙となっているのは、39年以降のものをまとめてあるものです。
緑本の絵も、中には分解されているものもあります。Bのレターつきほどひどくはないけど。








では、緑の訳本と青の原書の比較対照です。年毎に見てみました。あまりネタバレにならないように書いてあります。掲載度は、ちゃんと語数を数えたわけじゃなく、なんとな〜くそのくらいかな〜、という、グワがてきとーに判断した数字です。青と赤は、中身はそう変わらないから、赤本買う人も参考にしてください。ページ数は、赤より青の方が多いです。

緑本 青本
本の大きさはほぼ同じです。
青本と比べた掲載度↓ ページ数
1920 序文のところに載ってます。訳はありませんけど。 100% 4 長男ジョン宛の初めての手紙。
1923 なし 0% 6 少し長くなってくる。
1924 なし 0% 2 ジョンとマイケルに別々に書いた手紙。
1925 一人一人に宛てたんじゃなくて、まとめて書いたという部分が省略。クマの追伸は全部なし。 80% 2 6 クマのPSがかわいい。meという絵がある。
サンタ自筆は全部あり。
1926 後半省略。 60% 2 6 後半はクマの書き込み。楽しいぞ。
サンタ自筆は全部あり。
1927 活字の下の絵は、本当は封筒についていたもの。はじめの部分省略。クマの書き込みが途中4カ所あるのが省略。後半省略。
全体の半分以上がない。月男のこと、サンタのコースのことなども・・・
40% 2 6 サンタ自筆の手紙はうしろ3分の1くらいが載ってます。
1928 はじめがない。うしろ半分も省略。
追伸もなし。
40% 2 8 サンタ自筆は前の方半分くらいあり。
追伸のもあり。
1929 クマの手紙省略。
サンタの手紙は初めの部分少し、サンタが廻る国名、うしろ3分の1くらいがカット。
クリストファーに特別に描いた絵も省略。
60% 2 8 封筒の切手は2枚。いいなぁ。こういうの、サンタさん、グワにも送ってくれないかな・・・
クマの手紙つき。Karhuって名前と手形あり! かぁいい!!
スペルミスがまた可愛い!!
1930 11月の手紙は省略。
12月、クリスマスの手紙は初めが少し省略。
85% 2 6 この辺から、クリスマス1〜2ヶ月前に出してる手紙があります。何が欲しいのかはっきりしろとか、サンタさんちの近況とか。子供達の手紙への返事です。待ちきれなくて秋からサンタさんに手紙出してたんだね。
この年は11月末の手紙つき。
1931 10月の手紙はなし。
クリスマスのは、初めの一部と終わりのところ省略。
70% 4 12 10月末の手紙もあり。クマの書き込みつき。面白いよ。
1932 11月のはなし。
12月のは、途中がちょいちょい抜けて、絵の説明のとこも省略。なぜならその絵がカットされてるから。
あと、終わりの部分もどーんとなし。クマの字とかの説明のところ。
クマのゴブリンの字の手紙は、本の終わりのふろくのところに移されてます。
まぁ、省略されてても結構長いんだけど、青本ではもーーーっと長いのでした。
65% 5 14 11月末の手紙あり。この年は大事件発生で、クリスマス本番の手紙もすっごく長い。その前置きになるのが11月の手紙。
1933 12月初めのと、クリスマスのは最後の部分がないけど、大体全部。 90% 3 6 12月初めの手紙あり。
1934 速達はなし。クリスマスのは、はじめと終わりのところが省略。 65% 2 6 クリストファー宛ての速達がある。
1935 所々、抜き書きをしたって感じ。順序が違うところもあり。
絵は、手紙の字の途中に描いてあるものを抜き出したもの。
35% 2 10 サンタ自筆のが全部載ってます。絵がちりばめられて楽しい☆
緑本にない絵もいろいろあるし。
4枚にわたる手紙で、ちゃんとページ番号がふってあります。字も色とりどりで楽しいよ。
1936 イルベレスの一部がちょいちょいと省略。クマの手紙も省略。
ゴブリン・アルファベットは本の終わりのふろくのところに移されています。
85% 2 8 サンタさんとクマとイルベレスの共同作品。筆跡が違うのが楽しい。
1937 サンタの文が短くなってるけど、ほんとは結構長いんだよ。それがほとんどカットになってる。クマが書いてるのは全部カット。 50% 3 8 これもサンタさんとクマとイルベレスの共同作品。
で、途中でね、「ぅおっ!!」って思うところがあるよ。そうなんだよ、この年だったんだよね・・・
緑本には「ぅおっ!!」っていうところはありません。省略。
青本買ったら、どうぞ「ぅおっ!!」としてください。
1938 詩になってるところの一部があるだけ。ほんとはその前に普通の手紙があります。詩も初めの方はカット。 50% 3 10 普通の文に続いて、韻を踏んだ詩がずーーーっと続きます。サンタさんだけのじゃありません。
終わりのみんなの署名がいい!
1939 最後の手紙と題されたものがひとつ。
このうち大部分を占めるのは、1941年の手紙からの抜粋です。終わりの部分は1943年の手紙から取られています。
2 4 なかなか素敵な絵があります。
1940 6 ここの絵も好きだな。
1941 4 ドンパチやってます。
1942 6 平和です。
1943 6 あー、終わっちゃった・・・

こうして読み比べてみると、確かに緑本は唐突に始まって尻切れトンボで終わるのが多いんだよ。青本読む前は、あれで満足してたんだけどね。上の方のレターつきってやつは、その唐突尻切れトンボ緑本よりもーっともっと省略してあるんだから、もうなんか、サンプルみたいなものなわけ。
掲載度を見ればわかると思うけど、例えば1937年は青本の50%が緑本で、その40%がレターつき。・・・ってぇことはだよ、元の20%になっちゃうじゃないか! ま、あれはあれで楽しいんだけどさ。でもあれじゃ、やっぱり話がわかんない。

まとめ
青本 すばらしいっす!
赤本 すばらしいっす!!
緑本 まぁ、すばらしいっす! でもねぇ、尻切れトンボだからねぇ。
レターつき クリスマスっぽいところだけをちょこちょこ書き抜いたサンプルであります。はい。でも、ほんとにお手紙もらった雰囲気にはなります。









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