トールキン関連書 復刊投票のお願い

ふらりと立ち寄った復刊ドットコム。何となくトールキンで検索してみたら、あ、投票やってるじゃん!そうそう、これ、絶版なんだってねぇ・・・ 
2冊、いいのが投票中です。グワはどっちも持ってるよーん♪ (^_^)v  よし、じゃあ、うちでも宣伝しよう!ということで、張り切っていろいろ書きました。
さぁ皆さん、むずむずと欲しくなってきますよ〜・・・ ほ〜ら、欲しくなる欲しくなる欲しくなる・・・ 
みんなの力で復刊させよう!! へりおー!!

トールキンが好きな皆さん、下の2つ、ぜひ投票してください。復刊ドットコムのシステムは、投票した本が復刊したら絶対買わなきゃならないわけじゃないから、ちょっとでも興味があったらポチっとしといて。

100票超えると復刊交渉してもらえます。でも今までの例を見ていると、なかなか交渉は進展しません。100超えても本になるまで何年もかかるものもあります。しかし票の数が増えれば増えるほど、復刊の可能性は高くなるはずです。そして復刊ドットコムの実績はなかなかすごいものがあります。あのサイトのおかげて再び日の目を見た本はかなりの数に上るはずです。

復刊ドットコムは、楽天とブッキングが運営しています。
登録してない人は初めは面倒かもしれないけど、あのサイトはいろんな本を探せて便利だよ。
自分が投票した本に新たに投票があるとお知らせメールが来ます。何票まで伸びましたよ〜ってね。でもメールを受け取るかどうか選べるから、うるさいのがイヤな人は受け取らないようにも設定出来ます。
変な広告メールがどかどか来るわけじゃないし、復刊ドットコムはちゃんとした企画サイトなので参加しても大丈夫です。

ではどういう本なのか、ご紹介。



◆ トールキン神話の世界 ◆
● 復刊、実現しました!!!皆さま、投票してくれてありがとう!!●

 アマゾン→ トールキン神話の世界

復刊ドットコムのサイト→ 復刊実現ありがとう!!

グワイヒアの本棚の中で特に貴重な本を選べと言われたら、この本はトップ10の中に入る。
なぜなら、絶版で、売ってないから。
それで、内容も貴重だから。

まともな本でも、普通に売ってるのは多少高くてもまた手に入るからいいのだ。
一方、絶版になってても、中身がどーでもいいやつはどーでもいいのだ。
この本は、中身がまともなのに絶版。 あぁ。

「トールキン神話の世界」、これはなかなかの専門書です。そこら辺で売ってる、そんなもん売るな!と言いたくなるブーム便乗のなんちゃって本とは、天と地ほどの、アンドゥリルと爪楊枝ほどの、飛蔭とでんでんむしほどの、パランティアとラムネのビー玉ほどの差があります。

どうもトールキンの関連書は質が低いのが多い。原作の、圧倒される、あまりにも大きな存在のためか、余計にそう感じるのかもしれない。何となく物語の表面だけわかって書いても大したものにはならない。(ひとのことは言えないけど) 
しかし、この本はそういうのとは次元が違う。

日本語で読めるトールキン関連の評論として、これ以上の本はありません。正統派の、唯一のまともな本と言っても過言ではありません。
内容は、純粋な、本格的トールキン研究書です。
元々日本語の本だし、著者の文章力も高いし、他の本みたいに誤訳や変な日本語でぶちこわしになってる心配もありません。多少、誤植はあるけどね。

世の中、変な文を平気で書いて出版しちゃう大学の先生が多くて困ります。訳文がおかしいということは、英語も日本語も両方わかってないということです。たまに間違うのは誰でもあるけどさ。でも間違いの山の本を何冊も出してて平気なのはちょっとどうかな。
関連書をいろいろ訳してるのに、指輪やシルマリルを普通に読んでいれば間違うわけのない間違いをしている人もいる。
訳文でなくて、ご自分で書いた日本文も何だかおかしい人もいる。
そういうの出す出版社もどうかしてると思う。

が、神戸学院大の先生でいらっしゃる赤井敏夫さんはきちんとした方です。日本語はおかしくありません。日本語になってなくてイライラすることもありません。読み書きの訓練をかなりこなして、言葉を深く知っている人でないとこういう文章は書けません。グワイヒアは真似出来ないなぁ。
本には助教授となってますが、現在は教授でいらっしゃるようです。

引用されている指輪物語(赤井先生はタイトル通り「指輪の王」としている)、その他の本文の訳も、瀬田さんのがちょっとおかしいところも赤井先生のはちゃんとしてます。
邦訳が出てないものからも多数引用があります。

膨大な知識を基に、わかりやすくすっきりと理論立てて解説なさっています。出版されているトールキンの本、主要な関連書に全て目を通しているのがよくわかる。邦訳じゃないよ。原書の話。

斜め読みは出来ないかな。(^^;) 日本語自体がきちんとしてて、要するに、グワイヒアみたいなアホな書き方はしてないから。
大学の出版物や、幻想文学とかユリイカに載ったものを集めた本だから、きちんとしてるのは当たり前なのですが。それに書き下ろしのものも加わってます。
ユリイカは、映画が出来てからの特集号じゃなくて、昔の、92年のです。あの最近のは映画便乗って感じでイマイチだったけど、92年の7月号は段違いになかなか内容が濃いんだよ。あれも貴重品だな。詳しくは下を。
で、以前に何かに載った論文の加筆修正、っていう部分は、比べてみるとかなり直されて、長くなっています。
とにかく、内容が濃いので、じっくり読みたい本です。

何にしても、こういう日本語を横組みで読むのはちとつらいな。縦書きならだいぶ読みやすいはずなんだけど。 英文の引用がいろいろあるから横書きになるのは仕方ないんだけどね。でもそういうのでも縦組みにしている本もあるから、復刊したら縦書きにしていただきたいと、個人的には(個鷲的には) 思います。読みやすさってのは、縦にするか横にするか、これは内容にもよるし、行間の取り方でもまた変わるし、字体にもよるし、なかなか難しいものがあるね。読む人にもよるし。横の方がいいって人もいるだろうし。

とにかく、理路整然としていて、わかりやすい内容です。仰りたいことが、クリアに伝わってきます。学者さんというのはこうでなければ!って感じ。
引用部分の訳は、物語的に読みやすくわかりやすくって方向に行きすぎず、しかし古き良き日本語を自在に操られ、言葉の選び方も素晴らしいよ。

論考の中には、んー、それはちょっと違うんじゃないかな、というところもあります。でもそれは個人の考え方の差や、原作の文の捉え方、解釈の違いからくるもので、他の本みたいに、あのねぇ、指輪もちゃんと読んでないんでないの、っていうものとは一線を画しています。

トールキンとはどういう人だったのか、彼の創り出した世界がああなっているのはなぜなのか、トールキンの創作の仕方とはどういうものだったのか、シルマリルリオンとホビットと指輪はどういう関係性があるのか、わかりやすい解説がされています。
トールキンの書き方とは、計画をもって書き進むのではなく、さまざまなシーンを書くうちにその世界への理解が進み、そしてそれをまた興味と疑問をもって探求し、新たな原稿が生まれる。言語学的追求に似た方式でどこまでも広がっていったアルダは、作家が本業ではなかったトールキンだからこそ創り出し得た世界だったのだ、ということがよくわかる。

トールキンが若い頃から書き綴っていたシルマリルリオンの成立の過程、イルヴァタール、ヴァラール、エルフや人間の相関関係、その存在の意味、各階層の役割の変遷、トールキンの神話が既存の世界の神話伝説と比べどのような位置関係にあるのか、などなど、実に明快に語られています。
長年に渡って書かれたさまざまな草稿、現行出版バージョンとは違う異稿を詳しく分析した上での論文です。
これを読んでからシルマリルや指輪を読むと、アルダへの理解がまるで変わる。

ギムリのガラドリエルへの気持ちは、去りゆく地上の美を惜しむ哀歌へと昇華する。神話的世界が終わり、美しきものが姿を消す。それに対する哀しみが、全編を流れるゲネラルバスになっている、という表現も胸に響いた。ゲネラルバスってねぇ、グワは苦手でさ。あれ弾くの、自分で作りながら弾かなきゃならないからセンスが要求されるし。いやそういう話はトールキンとは関係ないけど。
そっか、ゴラムは初めは一つ目巨人と同じようなものだったのか。一つ目巨人ってね、ラモーのチェンバロの曲でいいのがあるんだよ。あれ好きさ。いやそれもトールキンとは関係ないけど。
ゴラムについては、初版と今の版の違いについて、注釈つきのホビット(原書房のやつ)にも結構詳しく載ってるから、あれを読めば大体つかめることですが、赤井先生の本では、それについての論考が非常に的確でオススメです。
RPGの意味も笑いました。「RPGの隆盛は明らかに、自らを物語りの中に置くという強引きわまりない手段を通じて・・・」 たしかに強引だ。
サムについてのところもわかりやすくて面白かったな。

最後の章、アラゴルンとフロドの立場の違いについての解説も哀しいものがあります。本文の最後のフレーズは、ここで紹介しないでおくから、復刊してから味わってください。

とにかくね、面白いんだよ。読み出したら一気に読めるよ。日本語でこういうのが読めるのは幸せなことです。
手に入ったら、自分の興味のあるところから読むのもいいと思います。とっつきやすく、サムのとこからとかね。

あとがきだけでも読む価値ありです。
トールキンの模倣をしているファンタジー群について、
「ごく一部の例外を除いて、これらの作品には物語るという行為に対する鋭利な意識が、つまりおのれの美意識と想像力のみをたのみとして独自の作品世界をまったくの無から紡ぎ出すというあのトールキンの超人的な営みへの洞察が、根本的に欠落して・・・」
グワも心からそう思う。真似したって本物にはならない。
「物語るという営為、あるいは物語に耳傾けるという行為には、ある種侵犯しがたい神聖さがともなうものであり、トールキンはこれを痛切に認識していた作家であった」
そう、根っこのところの心構えが並の作家とはまるで違うのだ。そして、だからこそ、現在の風潮は赤井先生の仰るように・・・

日本のトールキン関連で、安心して読めて、すごいなぁと素直に尊敬できる著者は、今までグワが読んだ中では、この赤井敏夫さんと杉山洋子さん。と思ってたら、あとがきを見ると赤井先生は杉山先生の教え子のようです。なるほどね。

ほら、ほら、読みたくなってきたでしょ。へへへ。(^ー^) 早速行って投票してこよう。

これは、たぶん出版時の部数がかなり少なかったんだと思います。うちにあるのは94年の初版だけれど、その後重刷されたのかどうかわからない。当時トールキンに興味のあった人だけが買って、大事にしている人は手放さないから古本屋でもなかなかない。図書館にもあんまりない。こういうのは絶版になると、もう読めなくなっちゃう。大抵の本は、いつかは絶版になるわけだけど、ある程度の部数が出回ってさえいれば、古本屋でも買えるし、図書館でも見つかる。

とにかくこの本はもう一度出してもらって、世の中に存在する数を増やさねばなりません。
読みたい人が読めないのは、この本の場合、日本人にとってすごく損なことだと思う。

しつこいですが、今出回っているどの関連書とも次元が違います。
まともなトールキン論です。日本語の本の中ではトップレベルです。目を開かれる論説が展開されています。
映画でトールキンがますます広く知られるようになったし、ここは大騒ぎしてたくさん投票してぜひ復刊させたいところです。

ミドルアースの風に出入りしている皆さん、グワイヒアがいいと言ってんだからいい本です。トールキン世界に関するまともな論評が日本語で書かれているものはなかなかありません。絶版のまんまにしておくのはもったいないぞ!!
ぜひ清き一票を!!!

世の中うまくいかないよねぇ。変なのが売られてて、まともなのが絶版なんだもん。

下のもどうぞよろしく。(^^)





ユリイカ トールキン特集号 ◆

Go!!→ ユリイカに載ってたのも復活させよう!!


さて、次は、上でもちょっと触れたユリイカ。1992年の7月号。トールキン生誕百年の記念特集号。
結構厚い。それが、初めの方と終わりの方のごく一部を除いて、ほぼ一冊まるごとトールキン関連の記事。

ユリイカは、映画公開時にもトールキン特集があったけれど、あれはあんまり感心しなかった。いや、いい記事もあったけど。でも、なんじゃらほい、っていうのも多かった。どんなものでも昔のものの方がまともなのかもしれないな。昔って言っても、10年ちょっと前だけど。
この92年のは、内容がかなり濃く、専門的で、書き手の方々も知識が上っ面ではなく深い。
ブームになるとファンが増えるからいいんだけど、浅くなるんだよね。
これが出た頃は、映画はなかったから、ほんとに原作追求のものだけで、純粋なトールキン論が展開されてます。
こういうのって、なかなか気持ちいい。

何よりの目玉は、トールキンの長編、「失われた道」の訳!!訳は赤井敏夫先生。すごい。未完の作品だから、原稿がある部分で話がつながってるところの全訳。
未完でもこれは面白いよ。主人公はトールキンなんだよ。名前は違うけど、モデルはトールキンそのもので、前半は自伝的物語になってる。トールキンの言葉の理解の過程はこうだったのだな、というのがわかる。話は、現代と第二紀がですね・・・いえ、これは読んでのお楽しみ。
この和訳は、この7月号でしか読めません。初の邦訳で、これにしか載ってない。はずです。
原文はHoMEの5巻に載ってます。英文が大丈夫な人は、ぜひ原書でどうぞ。Part One の III のところだよ。

さて、邦訳がないなら原書を読めば何とかなる、とはいっても、原書でも出版されてないものは読めない。で、書簡集(邦訳はない)に入ってない手紙が何通もこのユリイカには載っている。おぉ!!ばんざい!!
トールキンが子供の頃、いかに大変だったのか、この手紙から痛いほど伝わってくる。パパが死んじゃって、お金がなくて大変で、そしてママも逝っちゃって、それで大学教授にまで登り詰めたのは、並の努力じゃなかったはずだ。
晩年のトールキンが、幼い頃自分たち兄弟の面倒をみてくれた乳母の妹に、子供の頃のことを書いた手紙。どうしてこの手紙が書簡集に入らなかったのかな・・・ 訳した高宮利行さんも自分なら真っ先にこれを入れただろう、と書いている。
トールキンの弟のヒラリーの手紙も載ってるよ。
そして、トールキンが自分を描いた絵がまた笑えます。

A Secret Vice も、どどんと全訳が載ってます。密かなる悪徳。すごい!! 訳は松田隆美さん。そりゃね、原書は持ってますけどね、やっぱり日本語で読めるのは貴重です。
A Secret Viceは、The Monsters and the Critics and Other Essays っていう本に入ってるもので、トールキンの講演の記録です。言語をつくる、ということについていろいろと述べられています。鷲の頭じゃなかなか話についていけませんが、トールキンの思考回路がどのようなものだったのかを感じることが出来ます。
「よーし、対格は接頭辞で表すことにしよう♪」 最高ですな。

「領主と奥方の物語」というのも載っている。奥方っていうとガラドリエルかと思うかもしれないけど、これはガラさまとは違って、ケルト系の悲しい悲しい物語詩。

以上はトールキンの作品の訳です。他にもたくさん、さまざまな論説が載っています。
赤井先生の、「密かなる悪徳、その結末」っていう論説にいろいろ手を加えたのが上の「トールキン神話の世界」に入ってるのです。
他の著者の手になるものもなかなか読み応えあります。

これは雑誌だから、復刊と言っても、このまま92年7月号として出すわけにもいかないでしょう。
トールキン特集の部分だけ、単行本として出すような形がベストかと思います。
筆者が多数だから、いろいろ手続きは大変だろうし、全部を入れることは出来ないかもしれない。
しかし実現すれば、日本語の最高のトールキン関連書のひとつとなることは間違いない。
内容が秀逸で、これは、雑誌として一時期だけ売ってて、あとは手に入らないというものとするには、あまりにももったいない。これだけ中身が詰まってて、980円だったというのは、うっそみたいに安かったのだ。うっそ〜〜!!!
ユリイカは、さまざまな作家や文学などなどの特集をしている。他に単行本化した前例があるのかどうかはわからない。なかなかないだろうね。
ちょっと難しいかもしれないけれど、本になるといいなぁ。

とにかく、100票超えて、復刊交渉を、と言うか、この場合は出版交渉をしてもらえるよう、みんなで投票しよう。おー!!






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