■ 太古、月と太陽は ■


さて、困ったところで歴史の勉強です。

この時代、月と地球の自転も位置関係も、今とは違ったのかもしれない。
それなら説明もつく。あぁ、よかった。

いや、しかし。

シルマリルの物語で太陽と月がどのようにして出来たかが述べられています。

ヴァラールの二本の木が完全に枯れる前のこと。
ヤヴァンナの歌に応え、テルペリオンには銀の花が咲き、ラウレリンには金の果実が生りました。
銀の花と金の実を摘み取ると、木は力を使い果たし、とうとう死んでしまいます。

ヴァラたちは、この花と実の輝きが失せないよう、うつわに収め、天の明かりとするため空を旅させることにします。

テルペリオンの花は、イシル、そしてラウレリンの実は、アナールと名付けられました。

これが月の太陽の始まりです。 トールキンワールドでは、そういうことになってます。

イシル(月)を導くのは、ティリオンという狩人です。
アナール(太陽)を導くのは、アリアンという火の精です。

先に出発したのは、イシルの方。
で、なんと、西から発進したのです!!! 
東まで行くと戻ってきます。 裏側にまわるわけではありません。また空を横切って西へ。
うそーーー・・・

東にいるとき、アナールの準備が出来て、アナール発進! これも西から。
この2つは西←→東と、行ったり来たりしていたわけです。

ところが、ティリオンは、てきとーな性格で、決められた進路を守らずフラフラしておりました。

さて、両方がいつも空にいたのでは、明るくってしようがありません。
そこで、夜を作ることにした。
月も太陽も西に着くと、地球の下をくぐって東へまわり、また空に現れるようにしたのです。
そして、太陽が西に降りた後に東から月が昇るように、との話だったのです。そうすれば、いつもどちらかが空にいることになる。

ところが、ティリオンの性格はてきとーなままなので、相変わらずイシルはフラフラしてて、らららのらで、太陽に近づいたり離れたりする。

それが今でも続いているのです。
・・・というのがトールキンの神話です。

ですからね、東から昇って西に沈むのは、むかーしむかしからの話なのですよ。

そして、第三紀もやっぱり同じ。

霧ふり山脈でオークの洞穴から脱出したビルボは、日が山の向こうへ沈むのを見て、自分が東側に出てきたことを知ります。お日さまは西に沈んだから、東側に出た、とわかったわけです。
デューリンの日の描写でも、秘密の入り口は山の西側で、壁に張りついているビルボたちは東の空は見えないはず。そしてその見えている西の空に日は沈み、月も沈む。
そして、たての湖の東に月が昇る。
だから、お日さまもお月さまも、東から昇って西に沈む。
今と同じじゃん。

デューリンの日は、月と太陽が両方見える日です。
両方見える日っていうのは、あんまりないわけです。同時に空にいる日はたくさんありますけど、太陽が高いと明るいから、月はほとんど見えない。
太陽が低くなってるときでないと、同時には見えない。

ラウレリンとテルペリオンの光が同時に見える日。
これって、とても意味のある日なんだよ。 きっと。
二本の木は、今も生きていて、そしてたまーに同時に見ることが出来る。
そして、その大事な日に、はなれ山の入り口を教えてくれる。

ラウレリンとテルペリオンは死んじゃったけど、カンペキに死んだわけではなくて、ずっと、アルダを助けてくれている。

ってことを言いたかったんだと思うな。

だけど、どーして月の動きが変なのさ。
ティリオンが酔っぱらって間違えたのか? そうかもしれない・・・


だから結局どうなるかというと