ヘルルインが初めて空に昇ったとき。

初めて、って、すごい。

そしてその時、エルフが現れた。すごい。それまでエルフはいなかったんだよ。いなかったっていうか、それまでずっと眠ってたわけだけど。


シリウスが昇ったら、というのは、古代において、とても大きな意味があった。
全天で一番明るい恒星が久々に姿を見せるのは、ビッグニュースだった。新年にふさわしい一大イベントなのだ。

21世紀では、世の中は派手になりすぎて、イルミネーションが瞬きすぎて、電球のコードを巻きつけられた並木なんかは夜もずっと落ち着かなくて眠れず、あれは絶対可哀相だと思う。そりゃ綺麗だけどさ。でも木だって休ませなきゃ。もうちょっと期間を短くしてあげればいいのにな。冬中点けとくのは長すぎる。
そしてテレビもパソコンもあるし、みんなしてケータイの画面ばかり見ているし、スポーツの大会も派手だし、旅行は当たり前だし、買い物もドカドカしちゃって、みんな派手な日常に慣れきって、シリウスが顔を出したからって、それがどーした、って感じかもしれない。星を見ることなんて忘れてる人が多いのかもしれない。

でもそれは、麻痺してるんだと思う。トールキンがこの本で語っている回復ということを思い出してみよう。
そして、しばらく見えなかったシリウスが再び姿を現すということが、どれだけインパクトを持ち、感動であり、心を躍らせる出来事であったのか、少しでも感じてもらえたらと思う。

電気がなかった頃の夜は、星と月と、燃やす火だけが灯りだった。真っ暗な中、天の灯りは、どれ程に美しく胸に染み入るものだったろう。
夜のイルミネーションを綺麗と感じるのは、そんな祖先の遠い記憶が刷り込まれているからなのかもしれない。
天の火を真似して地上を照らしている電気にばかり目を向けず、たまには元々の、真の美しさの源である星を見上げてみてはいかがだろう。
まーそりゃね、都会だとあんまり見えないけどさ。シリウスはおっきいから見えるかな。


そのシリウスに、トールキンは太古のミドルアースにおいても、同じ様に重要な役割をさせている。

エルフが生まれたのは、ヴァルダさまが星々を作り、ヘルルインが初めて空に輝いたときだ。
それも、「はい、出来ました」、って、ポンと空に填め込んだときじゃなくて、初めて地平線上に昇ってきたとき。メネルマカールが地の縁を乗り越えて空へ昇り、その後からヘルルインが昇る。

他の星じゃなくて、一番明るい、あのシリウスが昇ったとき。
なんと素晴らしい。考えただけで、心までヘルルインみたいに光る感じがする。

すごいよね。あのオリオンとシリウス、メネルマカールとヘルルインが初めて空に昇ったときなんだよ。


そして、世界は変わったのだ。エルフという種族が、正にその時、現れる。
時代は新しく動き出す。
究極のヘリアカル・ライジング。


星の民と呼ばれるエルフたちが目にしたヘルルインは、どれほど光り輝いていたことだろう。大気汚染もないし。光害もないし。
満天の星を見、エルフたちの体と心にはその光が染み渡り、それがエルフの命となったのだ。
そんな風に、星の光を真っ直ぐに受け取れる心を失わぬようにしたい。と思ったりする。


ではアバウトに19900年前、BC17900年ということで、場所は今のカイロの緯度で見てみよう。
なんでいきなりカイロかというと、ロンドンの辺りはだいぶ北だから、BC17900年だとシリウスはすごく低いところにちょっと顔出すだけで、そんなに上まで昇らないの。トールキンはヘルルインが高く昇っていくのを思い描いてたんだろうからね。
クウィヴィエーネンはずーっと東の方で、北の方だったはずなんだけど、当時は地球は丸くなかったらしいから、緯度が低くてもよかろうということで、エジプトの話も出たことだし、カイロにしました。

太陽さんはないから何時頃とかいうのはなし。季節もなしだけど下の空は7月です。歳差でずれてるから、今でいう冬の時期はシリウスは見えません。

エルフになったつもりで見るんだよ。その気になるって大事だからね。はい、あなたはエルフになるエルフになる・・・・・なった?
ではどうぞ。

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エルフが目覚めたクウィヴィエーネン、湖の入り江から、南東の空。 

メネルマカールが初めて天へ昇る。ひとまたぎに。よっこらせ!
この体勢だと起きあがるのが大変そうですが。




ヘルルインの青い炎が、地の縁の上の靄にまたたく。そしてこの時、エルフたちが目覚める。




クイヴィエーネンのほとりで、目覚めたエルフたちが初めて目にしたのは、星々であった。



で、歳差ってのは全体的に方角が変わるんだけど、星々もそれぞれちょっとずつ動いているから星座の形もだいぶ変わる。昔だなぁ・・・って感じがして、非常にいい雰囲気です。
オリオンは、時代によって昇ってくるときの姿勢が変わるの。今はもうちょっと起きあがった姿勢で見えてくるよね。

下のはBC17900年。
ポインタ載せると2006年に変わります。

メネルマカールと牡牛はあんまり変わらない。レムミラスもほぼ同じ場所にある。
シリウスがぶっ飛んでる。プロキオンも。わんこはどっちもずいぶん違う。シリウスの前って名前のはずのプロキオンはシリウスより後に昇るし。 これは少し昇ってからの向きだからわかりづらいかな。首、右に曲げて見ると、昇る順番が微妙に変わるのがわかるかと思います。
ヘルルインは、今は三ツ星を延ばしていった線の少し下になるけど、当時はその線の少し上になる。



この周辺は、オリオンはまるで誰かがデザインして並べたような形で(ヴァルダさまが並べたんです)、シリウスは夜空で一番明るく輝き、プレアデスはこれまた美しく、星団としては全天で一番印象的で、アルデバランとベテルギウスは他と違ってかなり赤く、ベテルギウスと三ツ星を挟んで向き合っているリゲルもきれいで、オリオン大星雲は目のいい人なら肉眼でも見える。
要するにこの一角は、夜空で、それも四季を通して一番目立つ。その一番目立つところをトールキンは物語に組み込んでいる。

エルフという種族が目覚めたのは星空のもとで、彼らが初めて目にしたのは星空で、だからエルフは星の民と呼ばれる。そして星の民が目覚めたのは、星々の中で一番明るく大きなシリウスが姿を現したとき。彼らにふさわしい幕開けなのだ。
これが他のちっこい星だとイマイチピンとこない。やはり、シリウスでなければならない。ヘルルインは素晴らしい。


ということで、太古の空もまた、すてきなのでした。
メネルヴァゴールやヘルルインは北半球では冬になるとよく見える。シーズンになったら、眺めてわくわくしてみてね。

シリウスは、ヘルルインの青い氷か、ニエルルインの青い蜂か、狼の目か、それともわんこか、アナタには何に見えるかな?

冬空の下は寒いから、カゼひかないように、はちみつをお湯で溶いて、あったかくしてどうぞ。


さて・・・


   

ぶんぶんぶん 鷲がとぶ
ハチミツなめなめ 気分はサイコー
ぶんぶんぶん 鷲がとぶ

    

ラン おいおい・・・
グワ うわ、ランドローヴァル!!いつも突然現れるな。
ラン 鷲って、ぶんぶんぶん、って飛ぶのか?
グワ あー、そうか、バサバサバサ♪かな。
♪バサバサバサ 鷲がとぶ
♪ハチミツなめなめ・・・・
ラン で、そのハチミツ、って?
グワ え?
ラン メネルドールに言われて追っかけて来たんだけど。
グワ え?(ぎく)
ラン グワイヒアさんが一瓶くらいいいだろって舐めてないか、見張っててください、ってさ。
グワ あ、あー、そうか、なるほど。
ラン なーにがなるほどだよ。いくつ舐めちまったんだ?
グワ 人聞き悪いな、そんなに意地汚くないぞ。
ほら、まだ一瓶目、さっき、ちょっと味見しただけだもんね。
ラン なにが味見しただけだもんね、だ。
グワ ひとつ貰ってもいいだろ、配達して働いてんだからさ。
ラン まぁ、メネルドールもこうなることはわかってるだろうからいいけどな。
グワ 大体、味がわかってないと営業にも差し支えるし。
ラン はいはい、そういう理屈も成り立つわな。
グワ お前も一口どうだ?美味しいぞ。
ラン って、共犯にする気だろ。
グワ って、ほんとは欲しいくせに。
ラン うん。
グワ だろ。
ラン+グワ ひひひひひ
グワ じゃ、あの辺に降りていただこうぜ。


 バサバサバサ・・・・


ラン へー、これがニエルルインハチミツか。
わぁ、ふたがいいなぁ。ガラスのお星さまだ。ヘルルインだなぁ。
グワ 入れ物は、はなれ山に発注したらしいよ。
ラン ふーん。このビン、空いたら、欲しいな。
グワ あぁ、やるよ。何入れるんだ?
ラン ないしょ。 さ、味見、味見♪




グワ その葉っぱですくうのか?
ラン だってそんな枝につけたってロクに取れないだろ。
グワ そんな葉っぱじゃ、ヘナヘナして言うこと聞かないぜ。
ラン やってみなきゃわかんないもんねーだ。
グワ スプーン持ってくればよかったなぁ。どっかで借りるか。
ラン 鷲の王が「すいません、ハチミツなめたいんでスプーン貸してください」って言うのか?
グワ みっともないかな。
ラン 当たり前だろ。
グワ じゃあこれで頑張るしかないな。んー、あまい♪ あ、一滴落ちた!
ラン だめだなぁ。どれどれ、よっ・・・よし、ほら、葉っぱの方がたくさんつくぜ。あ、こぼれた!
グワ 何やってんだ、もったいない、貸してみろ、こうやってだな・・・


その頃、西の配達をさっさと済ませたメネルドールは、南方面の配達をチェックするべく、後を追っておりました。



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