さて、窓閉めて、鎧戸も閉めて、お休みのお時間になりました。
寝る子は育つ♪ グワみたいに大きくなるぞ!!

では寝る前に昔のお話を・・・

北斗七星、たしかに鎌にも見えるよね。
ひしゃく星とも言うけど。the Big Dipper。これは発想が穏やかだな。ひしゃくは武器にはならんし。 
叩けば痛いけどさ。サムのフライパンみたいに。

この北斗七星、エルフ語では「ヴァラキアカ」といいます。クゥエンヤで「ヴァラールの鎌」という意味。
ヴァラールってのは、ヴァラの複数形。 要するに神さまたちですな。

神さまたちが鎌持って何するんだろ。稲刈りでもするのか・・・? 

いえ、秋の刈り取りに使うんじゃないのです。それはトラクターでやります。(←ちがう!)
この鎌は、メルコールに対して振り上げられた鎌です。

メルコールってのは、モルゴスのこと。サウロンのかつての親分。サウロンより悪い奴。おっかない暗黒の存在。
メルコールとは「力にて立つ者」、モルゴスとは「暗黒なる敵」っていう意味。 Black Enemy だよ。物騒な名前・・・

よかった、グワは「風を統べる者」で。 なんと爽やかな名前♪

メルコールは一番力のあるヴァラでありながら、みんなと和やかに過ごさず、ひとりでメチャクチャやって、世界をハチャメチャにして、ケチョンケチョンにした張本人。その下でうろうろしてたのがサウロン。メルコールと比べればサウロンなんて洟垂れ小僧。

そのおっかないメルコールに対し、他のまともなヴァラたちが振り上げた鎌がヴァラキアカ、北斗七星なわけ。メルコールへ挑む鎌、滅びのしるしの鎌。
これを空にかけたのは、ヴァルダです。ヴァルダって誰さ? っていう人は、理解度アップ講座初級コースのエルベレス、ギルソニエルをどうぞ。
モルゴスの没落を願うしるしとして、ヴァルダが北の空にかけた七つ星が、ヴァラキアカ。


フロドは、森間村の近くでは、メネルヴァゴール(オリオン)を見た。そして、ブリーではヴァラキアカが輝いてるのを見る。

これは、なんとなく書かれたものではありません。・・・とグワは思います。トールキンはちゃんと理由があってこのシーンを入れている。

ホビット庄を出て、大変な旅が始まる。末つ森やブリーの辺りなんて、いくらナズグルが追っかけてきてるとはいえ、まだまだ序の口。
その旅の始まりの部分で、ヴァラールの鎌がちゃんと見守っている。守り刀みたいなもんかな。きっとね。
メルコールに対して振り上げた鎌は、メルコールの子分のサウロンにも向いているから。
それを目にすれば、それはきっと見た者の力になる。フロドがそのことに気がついていなくてもね。

メネルヴァゴールは最後の戦いを予告する者。そして暗黒が滅ぶことを示すヴァラキアカ。
この2つが旅の始まりで出てくる。
ここら辺を読むときは、心して読みましょう。ヴァルダさまを忘れずに。


詳しくはシルマリルの物語をどうぞ。ちなみに原文は↓
And high in the north as a challenge to Melkor she set the crown of seven mighty stars to swing, Valacirca, the Sickle of Valar and sign of doom.
(Quenta Silmarillion 3, Of the coming of the Elves and the captivity of Melkor)

北の空高くにメルコールへの挑戦として、ヴァルダは七つの強き星々を冠した。このヴァラキアカは、ヴァラールの鎌、滅びのしるしである。


And in answer he sang a song of challenge that he had made in praise of the Seven Stars, the Sickle of the Valar that Varda hung above the North as a sign for the fall of Morgoth.
(Quenta Silmarillion 19, Of Beren and Luthien)

ベレンは、七つ星を讃えて作った挑みの歌を歌い、それに答えた。七つ星とは、モルゴスが没落することのしるしとしてヴァルダが北の空高くにかけたヴァラールの鎌である。

(グワ訳)

↑これだけじゃ何のことだかわからん!って人は、シルマリル読みましょう。

ヴァラキアカは、ウェインとも言います。Wain です。これは英語で、古風な言い方で、荷車のことで、北斗七星を指します。英語の辞書引いてみて。大きめの辞書なら出てると思うよ。

ミドルアースでもこのウェインという呼び方は出てくる。ホビットの冒険、第10章。ホビット持ってる人は探してみよう!!

北の空にはいつもヴァラキアカが地上を見守っているのでした。
北極星のまわりをぐるぐる回ってるけど、中緯度以上の北半球では沈むことなくいつも見える。そのいつも見える北斗七星にトールキンはこういう意味を与えたんだよ。
歳差を考えると動きが変わっちゃうけど、どっちにしてもヴァラキアカはいつも北の空に見えるのさ。

鋤になったり、鎌になったり、ひしゃくになったり、荷車になったり忙しい七つ星です。
グワにはやっぱ、ひしゃくに見えるなぁ。

ではお休みなさい。



次はまた南の空