はい、こちらは対策本部です。本部長は鷲のグワイヒア。
部下は皆、聞き込みに行っております。ランドローヴァルの奴、捜査の基本は聞き込みだってエラそうに言って出てったよ。バタバタすればいいってもんじゃあないのになぁ。

ではグワはお茶でも飲みながらゆっくり考えることにしよう。灰色の脳細胞を働かせるのですよ。基本だよ、ワトソンくん。ふっふっふ。

ボルギルはアルデバランかベテルギウスか。うーん。うーん。困ったねぇ。

えっと、まずポイントは、Away high in the East swung Remmirath ってとこです。レムミラスはhigh なのです。プレアデスは昇ったばかりではなくて、結構上にある。そこへボルギルが昇る。

で、もうひとつのポイントは、その昇るときに、ただ地平線上に昇るのではなくて、霧の上に昇るということ。

その霧が消えるとメネルヴァゴールが見えるようになる。
グワの住所は霧降り山脈だからね、霧にはちっとうるさいんだよ。 下の図を見つつ、考えてみよう。星の位置関係を頭に入れてね。

ちなみに、ウルトラマンのマークの辺りにはM78星雲があります。関係ないけどさ。入れてみたかったわけ。シュワッチ!!





それぞれがボルギルだった場合の霧との関係
2つの候補について検証してみよう。
ボルギル=アルデバランの場合 ボルギル=ベテルギウスの場合
アルデバランはプレアデスの割と近くにあるから、レムミラスが高いところにあるのなら、アルデバランも結構上に昇っているはず。
霧の上にボルギルは昇るんだから、ずっと上も見えないくらいに霧がかかっていることになる。

で、霧が晴れると、霧の向こうにあったオリオンが見える。
ベテルギウスはプレアデスが昇ったあともしばらくは出てこない。ベテルギウスが昇るときにはプレアデスはかなり高いところにある。

そこへ昇ってくるベテルギウスが霧の上に見えるのだから、霧は下の方にだけかかっていることになる。

霧で全体の上の方しか見えなかったメネルヴァゴールは、霧が晴れると全体が見える。
ということで、霧のかかり方でどちらも可能なわけです。
霧が上の方にまでかかっていれば、アルデバランがボルギル。 
霧が低ければ、ベテルギウスがボルギル。


いる場所の高さによってどう見えるか
次のポイントは、フロドたちがいる場所です。
霧の高さが問題、ってことは、いる場所の高さも問題。
低いところにいれば 高いところにいれば
霧は自分の周りか自分より高いところにある。どっちにしても上は見えない。
自分の周りに立ちこめていれば、アルデバランだろうがベテルギウスだろうが見えない。
少し高いところに滞留している霧なら、アルデバランが見えなくて、オリオン座は霧の下に見える。
低い霧なら、自分は霧の上にいることになって、空を見渡すことが出来る。低いところにあるオリオン座は霧で見えない。でもオリオンの上の部分は見えてくる。ベテルギウスが霧の上に昇ってくるのが見える。レムミラスはもう高く上がっているんだから、アルデバランもとっくに霧の上。

高いところにかかる霧なら、その霧のかかっている高さによって見え方はいろいろ。
いる場所が高くても低くても、やっぱり霧が低いか高いかが問題だ。


地図を見て考えよう
ギルドールは、どこへ行くのかというフロドの問いに「For tonight we go to the woods on the hills above Woodhall. 今夜は館森(新訳では森間村)を見下ろす丘の森へ行く」と言います。瀬田訳では「山の林」となっています。hills だから、丘じゃなくって丘陵地帯って感じです。だから山の方が雰囲気でるね。ムチャクチャ高くはないんだけど、森間村を下に見ることが出来るところ。

では皆さん、本についてる地図を見よう! 

森間村、Woodhall を探そう。末つ森、WoodyEndの北東の端っこにあります。
グワの持ってる旧版の文庫の地図は、館森っていうのが変なとこにあって、館という字が館森のところに書いてあります。これは間違いだな。みんなの本はどうかな。
その辺りの拡大図です。

フロドたちは西から東へ向かっています。だから左から右へ歩いています。
の辺りで黒の乗り手が追ってきたのをやり過ごします。
途中で道は分かれ、左に向かうと切株村、右へ行くと森間村。フロドは右を選びます。
の辺りでまた黒の乗り手が現れます。そしてエルフの歌声が聞こえて、黒の乗り手は逃げていく。
フロドたちはエルフと一緒に行くことになって、そのまま東へ向かい、エルフたちは道を逸れて(━の線)、右の林に入り、山を登って、低地に突き出した山の上の平らなところ(shoulder)に出ます。のあたり。
東側は崖になっていて、その向こうには星空の下に平野が広がっています。近くには森間村の明かりが見えます。右に登ったから村が見えるのは左だよね。
のところが森間村。
フロドたちは、次の日は切り株川の方へ降りていくことになります。

( 関連書のところで紹介しているバーバラさんの地図は、ここのところはトールキンの記述とちょっと違います。Woodhallへ行く分かれ道の前に森へ入っていて、休むところも村からだいぶ離れていて、これでは村の明かりは見えません。バーバラ地図持ってる人は見てみよう )

ということで、要するに、高いところにいるわけ。
東の空からレムミラスとかが昇ってるのが見えるんだけど、そっちを向くと崖なわけ。落っこちると危ないわけ。高所恐怖症の人は、おっかなくて寝られないわけ。

霧というのは、カンタンな言い方をすれば、地表付近に降りた雲です。
山の頂上や中腹にかかることもあるよね。あれは下から見ると雲です。中に入ると霧です。
低地、盆地、谷間にはよく霧がたまります。低いところにある霧は、雲が降りてきたんじゃなくて、下から湧くのです。もくもくもく・・・・♪

さてここでもうひとつ、重要なポイントがあります。近くにがある。切株川。
東を向くと、右も左も谷なんだけど、右側は川。
訳書では「渓谷」となってる。原書では、「river-vally」です。
川があって谷間になってれば、川霧は谷間にたまります。よくある光景だ。
そしてその右側にある川は、左の方へ流れて行く。霧の発生源となる川が前を横切ることになる。
それから、東の低地はMarishです。次の日の記述に出てきます。湿地なのです。ますます霧がかかりやすい。

ってことは、霧は山にかかってるんじゃなくて、低いところだ。


おぉ、霧は下!!
フロドたちは高いところから低地を見下ろしている。霧は低地にかかっている。沢地と川から立ちのぼっているわけです。
ってことは、霧は下。
星の名前が出てくるちょっと前に、低地がかすんで広がっているとの記述があります。トールキンの頭にあった光景では、低いところが霞んでいたのです。

なんだ、考えなくても書いてあるじゃないか・・・

丘陵地帯はここら辺で終わりで、この先東の渡し場の方まで山はない。だから起伏はあるにせよ、平地が続いて見渡すことが出来る。

その位置関係だと、角度からいって、霧が遠い地平線に昇る星を上の方まで隠して見えないってことはないと思う。

だから、そこへ昇ってくるのが見えるのは、アルデバランより下にあるベテルギウス。

ってことで、★ボルギルはベテルギウス!!★

やった! 解決! パチパチパチ・・・!!!
うれしいですね〜  すっきりしますね〜 らんらん♪

他の理由としては、
・・・ということが挙げられます。どちらも一等星だけど、焔のように燃えてるんだからやっぱ目立つ方だよ。
ボルギルはメネルヴァゴール座の中の星である、という結論。


じゃ、その空を見に行ってみよう! 地図見ながら迷わないようにね。
着いたら、周りはエルフたち、とりあえず今夜は安心、という気分で空を眺めましょう。

上でグチャグチャ考えたの、合ってるかどうか見てみよう!
森間村の南の山へレッツゴー!!  ちょっと重いけどね・・・(280KB)