エルフ語を読む

青春出版社刊、「指輪物語 エルフ語を読む」、これは日本語の本として初のエルフ語の参考書です。言語学という視点からもいろいろ解説があります。
この本は日本語で読めるエルフ語の本として持っていて正解です。買って損はないですよ。いろんな説明が載ってるからね。

グワはトリ頭で言語学的なこと、エルフ語の解説は難しくてよくわからないし、一介の鷲が大先生に盾突く気もありません。
でもざざっと見たところ、引用された部分の和訳は鷲の頭ではわかりにくいです。日本語になってないところもあります。
些細なミスプリントは別にどうということはないです。よくあることです。
ひとの書いたものをどうこういう立場にはないので(いつも言ってますが ^^;;)、とりあえずテングワールについてだけ、ちょっと気になったことを書いてみるね。
ちょっと長いけど、ヒマな人は読んでみて。

こういう人工言語って、要するにお遊びだから、どうでもいいと言えばどうでもいいのかもしれない。ゴチャゴチャ言うことはないのかもしれない。

でも、グワねぇ、テングワール好きなのさ。だから覚えたい人には、どうせ覚えるんならトールキン式ので覚えてほしいのさ。
テングワールというのは、トールキンファンにとっては憧れの文字で、これをすらすら書いたり読めたり、っていうのは夢なわけで、それを何とかしようと思って練習したり、本やWebで勉強してみたり、っていう人がたくさんいる。
やっぱ正統派の書き方がいいでしょ。

文字って、どこの言葉でもそれぞれの美しさがある。様式美っていうのかな、読めない言葉でも美しく書いてあるのはきれいだな、って思える。ちょっと文字の並びが変わると見た目が変わって、違って見える。
テングワールは独特の雰囲気のある美しい字だと思う。その書き方は、アラビア文字にも通じるものがある。アラビア文字よりは遥かに単純化されてるけれど、あーおんなじだおんなじだ、っていうのがたくさんある。このことはトールキンの頭にあったはず。今度、そのことも書いてみようと思ってます。(←いつのことだか・・・^^;;)

テングワールをトールキンはどういう風に並べていたのか、他の人にも書いて見せたりしてたけど、みんなにどう書いて欲しかったのか、少しでもわかると、もっと「あぁ、きれいだな」って思えると思う。ちゃんとわかって読めた方が、いいにきまってるもんね。

テングワールは何とかモードっていうのがいくつもあって、いろいろ書き方があるわけで、同じ何とかモードの中でも書く人によっても違うし、同じ人が書いてもその日の気分で違うこともある。
同じ文字列でもいろいろな書き方が出来るから、他の並べ方でも間違いじゃないの。でもね、それはある程度の範囲の話で、慣れてくると、妙な並べ方をしてるのを見ると間違いではなくても何かやっぱり変なんだよ。

グワイヒアは、サイトに載せているものは、必ずトールキンの書いたもので確認をとり、トールキンの書き方そのままか、トールキンが書いているのが見あたらない単語は同じパターンの書き方に倣って書くようにしています。
トールキンが書いたのじゃなくて、息子のクリストファー先生の書いたのも相当数あるから、それも参考にします。クリストファー先生はちゃんとわかって書いてるから勉強になる。でもクリストファーさんのもね、deliberations が teliberations だったりとかあるんだよ。(SDのタイトルページ) うっかり、ってやつですな。線一本忘れただけだから。(^^)


言っときますが、このページは営業妨害(?)ではありません。(爆) 
本が、より役に立つように、というページです。これは他のエルフ語の本と同じで、持ってた方がいいよ。



★ 帯 ★

本の帯というのは、日本独自の文化のようで、カバーをつけたり帯を巻いたりするのは日本では当たり前だけど、他の国の本ではあまり見かけない。グワイヒアは、帯は読むときにずれてきて邪魔になるから、さっさと外して折って栞にしてしまう。
古本とかオークションとかでは帯つきというのは価値が上がるみたい。でも、本当は古いものになると帯をつけっぱなしだとその部分だけカバーの色が変色しないで元のままで、帯を外すと2色になってしまうから、昔ながらの古本屋さんではあまり喜ばれないものらしい。
何にしても、帯にはキャッチコピーがついている。何とか文学賞受賞作!とか、誰それ(有名人)が絶賛!とか。帯につられて買ってしまったりする。そのための帯なわけで、出版社の罠にはまってしまうのはなかなか悔しいものがある。でも買ってしまう。ははは

この本の帯にはテングワールが書いてある。
あの有名なエレンシラだ! 著者の手書きらしい。指輪ファンなら、これだけでついフラフラと買ってしまう。さすがは出版社、消費者の心理を心得ている。


さて、それで、この「エルフ語を読む」の本、初版についてる帯ですが、こうなってます↓


ルメンのnが1つになってるけど、まぁこれは大したことない。
でも何か変だなというのが2点。


☆その1 nt

オメンティエのntが分けて2文字使って書いてあります。これでも読めるし別に間違いじゃないですが、でもこの2子音文字は、普通は1つで済ませます。分けません。
 これを使います。ntです。
mbとかndとか、「ん〜」「む〜」って感じの、いわゆる鼻音とか閉鎖音ってやつはクウェンヤでは1文字で書く。結構大事。
シンダリン式の場合は mb の字は b で、nd は d になって、1文字では書けない。でも鼻音を表すにはやっぱり2文字にしない。どうするかというと、〜を上につける。
この〜については、テングワール攻略大作戦の、その6を見に行ってください。



☆その2 VとB

vとbは別の音です。日本語だと同じになっちゃうし、グワはてきとーにその日の気分でヴォもボって書いちゃったりもする。日本語の辞書も大抵はバビブベボで統一している。
でも、ほんとは全然違う発音です。
Vは唇を閉じないで歯を下唇に当てた音で、Bは唇を閉じて出す音です。
カタカナで書くと、普通はVはヴで、Bはブとしたりして、書き分けるよね。だからほら、Beethovenは昔はよくベートーベンと書いたけど、今は大抵ベートーヴェンになってる。

ヴは、日本語には元々ない音だから、バビブベボで書いてもいいけど、バビブベボであるべきところをヴで書いてはいけません。
ヴェートーヴェンとすると、間違いです。Veethovenになっちゃうからです。
アルファベットで書くときにVとBが逆だと困る。


帯には、テングワールに振り仮名がついてて、オメンティエルヴォとなっている。Vだから、ちゃんとヴォになっている。
でもその上のテングワールは b の字で書いてある。omentielbo。
それで、このbの字は、シンダリンだと Bですが、クゥエンヤだと MB なんです。
この本の166ページに、クウェンヤには b の字はなくて、必ず mb の音を表す、とあります。そうです。上で言ったのと同じ、結構大事な閉鎖音の字です。
だから帯のは、omentielmboオメンティエルムボになってしまう。

もしかして何かこだわりがあってこういう書き方なのかもしれませんが。


でも普通の皆さんは、書くときには、普通にこれで書きましょう↓


これがクゥエンヤ式の正しい普通の書き方です。世界中、一般的にこれが流通(?)しています。
詳しくは、一つ星が〜書き方を見に行ってください。グワはいつもそのページの3番で書いて遊んでますが、一般的には1番です。
クウェンヤ式では、vはで書く。トールキンの書いたものは、nt も v も普通の書き方です。


それから、意味は、この本では、グワの書いた一つ星が〜意味のところのオメンティエルボ(←ヴォにするべきだな^^; 今度直します)の複数の説明、2の解釈になっています。これは研究者によって違うからいいんです。2が正しいのかもしれません。

このvの字のは、シンダリンではmで、英語式ではwになる。いろいろ変身する。
で、英語のときだと、普通にwが入った単語にはもちろん、youを書くのにも使える。youって、wの字は入ってないけどね。でもほら、発音的には終わりはwなわけ。 このは「〜ゥ」っていう母音扱いにも出来るのさ。
←これがトールキン式の you になる。はじめのがyで、oの点がついてて、w。

でもこれは、いろいろに書けるから、この本の172ページ(5)のyouは間違いじゃないよ。トールキン式はちょっとマニアックかも。
あと、(4)のdayも、トールキンは英文をベレリアンドモードっぽく書くことが多くて、その場合は二重母音になるのは別の書き方がある。でもこの本は初心者向けだから、わかりやすくこれでいいと思います。

なんか話が逸れた。は 英語では w だけど、クウェンヤでは v ですよ、って話でした。
だからクウェンヤのomentielvo はで書く。



★めでたい!★

172ページ、テングワールの例が載ってます。
日本語の言葉をテングワールで書いて遊んでみよ〜♪ これはいい企画です。(^^) みんなもこれを参考にして遊びましょう。
これだけじゃよくわかんない、って人は、ローマ字式で書くとどうなるか、赤龍館さんちに表があるよ。こちらの下の方にリンクがあります。4種類。
いろんな書き方できるよね。その4種類の通りでなくても、こういうのは人によって違っていいんだよ。遊んでみよう。

で、本ですが、下の方、英文を書くとどうなるかが載ってる。英文の場合はトールキンがいろいろ書いてるから、それに外れたことをするとやっぱり気になる。
Congratulation に s がついてないけど、これはグワもよくやるから人のことは言えない。(^^;;) だって忘れるんだもん。学生の皆さん、おめでとう!ってときは、s がつくから気をつけよう。

さて、その(6)、めでたい Congratulations のテングワールは、前のページのヒントのところに英語のc と k は発音が同じなら区別しないとあります。そうです。c が k と同じ音なら k で書けばいいんです。要は、カキクケコの音は、c であろうが k であろうがで書くの。だから、
←本はこうなってますが
←こっちの方がいいと思います。
←でも、これの方がいいかな。

コのCは、普通はです。
グワイヒアの知る限り、カキクケコの音のCは、英文においてトールキンは横棒つきの字で書いている。横棒なしは、チャチュチョの音のchに使う。

リチャードRichardのチャはで書くとトールキンは言っている。
169ページにの説明があって、それは正しい。西方語ではkではないとあります。英文は西方語のパターンで書くからね。でもそこを読んでこの文字列を見ると混乱する。

この2つの字の違いは、追補編を見てもわかる。

ngも英語のときは普通は横棒つき。横棒なしのは西方語モードだと ny になる。
このの字は英語ではまず出てこないと思っていい。英語モードでこれを使う単語ってほとんどないんじゃないかな。
manyとかは違うんだよ。あれはメニィで、イになるから、そういう時の ny は、n と i として、って書く。ニィって感じ。あんまり伸ばさないときなら、短い棒にした方がいいね。でも終わらざりし本のタイトルページでクリストファーさんが書いてるmanyは、スペル通りのです。 ね、いろいろ書けるの。

manyでもponyでもanyでも使わない、このnyは何なのかというと、テングワールの表の5の段は、みんな鼻音なのさ。鼻音って舌や唇で口を通せんぼして鼻に通して出す音ね。
ny も ng も n には変わりない。ただ、舌の位置が違う。このny、ngの書き方ってすごく当たり前の話で、nはnでも次に来るのがyならnyで、次に来るのがgならngなわけ。

舌の真ん中辺(どっちかっていうと前寄り)を上につけて「ん〜」って言うのと、舌の後ろの方を上につけて「ん〜」っていうのとやってみよう。
そして「が」とか「や」とかって言ってみよう。
どっちが「が」って言いやすい? どっちが「や」って言いやすい?

同じ「ん」でもちょっと違うでしょ。それがこの2つの字の違いなのさ。

真ん中辺を上げるとyが続く。 その鼻音がny。
後ろの方を上げるとgが続く。 その鼻音がng。

簡単に言えばの話だよ。ちゃんと詳しく知りたい人は音声学でも勉強して下さい。こういうのは言語によっても違うしね。
あーそれで、ny が出てくる単語・・・canyon ってそうかもしれない。あれって、カタカナだとキャニオンでニだけど、実際の発音はなかなか違う。あと、union もそうかな。途中の発音、ny だよね。
でも canyon をテングワールで書いたのは見たことないし。英語の鼻音って、n, m, ng の3種類ってされてるからねぇ。
トールキンやクリストファさんの書いた英文モードテングワールで公開されているものの中にははないはずです。たぶん。

それで、Congratulationsの ng は、どうしたらいいか。

はよく ring とか king とかについている。語の最後にくる ng と、finger とかって途中にくる ng は発音的には違うんだけど、でもどっちにしてもにしてしまう。
でもこのCongratulationsみたいに、king とかと違って g をちゃんと発音するときは、g に鼻音の〜をつけたにすべきかもしれない。 tengwar って書くときの ng も普通、で書くし。こっちかな。
どっちにしても、テングワールに慣れれば慣れるほど、英語モードの ng はだとおかしい。

を使って書くと、コングラチュレーションじゃなくて、チョンニュラチュレーションっぽく見えてしまう。と思う。


でも、シンダリンではkは横棒なしだし、いいんだけどね。
見ればCongratulationsなのはわかるから。でも一般的ではないな。


クウェンヤ式、シンダリン式、英語式、それぞれ、同じ字でも使い方が違うのは、うちのサイトのエルフ語のテングワールのところにはちゃんと書いてません。一通りやってみんなが字に慣れてから表にしようと思ってて、全然進んでない・・・(^^;;) すみません。

それぞれのパターンでは何の音にあたるのか、緑の表紙のエルフ語の本にも表があるし、この青春出版社刊にも表があります。便利だから参考にしてください。


テングワール、気合い入れてちゃんとまとめようかな、って気になってきました。おー!(←気合い)
でもちゃんとまとめるとおそろしく長くなるんだけど。よっぽと時間がないと出来ないなぁ・・・ おー・・・!





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