SSPEについて


SSPEとは


疫学と原因

SSPE(亜急性硬化性全脳炎)は、麻疹に罹患したあと数年の潜伏期間(平均6〜7年)を経て発症する極めて稀な疾患で、発症率は麻疹罹患者100万人当たり約12人といわれ、全国の発生患者数は年間10数例程度(平均14例)とされています。
原因としては、1968年にSSPE患者の脳組織から麻疹様ウイルスが証明され、さらに血清中の麻疹抗体価の上昇が証明されて以来、麻疹ウイルスとの関連性が強く示唆され、麻疹ウイルスの変異株であるSSPEウイルスが脳内に持続感染することによるものと推定されています。しかし、ウイルスが脳内に長く潜在するのがウイルス側の要因によるのか、宿主側の免疫学的な要因によるのか、その発症機序の詳細は未だ明らかとはなっていません。

症状

SSPEは、麻疹罹患(2才以下の罹患が多い)後、数年の潜伏期間を経て発症します。性格変化、知能低下、運動障害などの症状で発症することが多く、次第に亜急性の経過で進行し、知能障害、運動障害が強くなり、ついには昏睡状態に陥ります。この間、発熱、発汗などの自立神経症を示すことが多い。死亡率が高く、極めて予後不良の疾患です。


このページは、
元 国立成育医療センター 神経科医長 二瓶健次先生の文献から引用させていただきました。
二瓶先生には引用について、ご快諾いただきましてありがとうございました。お礼申し上げます。

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