わが子を託す事ができますか?

「この先私が高齢になって陽子の介護をする事ができなくなったら、誰にこの子を託したらいいのだろうか?」障害のある子供を持った親なら誰でも思うことです。
とても切実な問題です。
健康に気をつけてできるだけ長く介護を続けていきたいと思っていますが、いつ私が健康を害するか解らないわけですから常に考えて備えておかなければならない事です。
私の場合、車で5分のところに重症心身障害児(者)施設があり、いつでもショートステイを利用できますし、将来入所を希望すれば入所できるはずです。(入所を希望して待機している人が何人もいて、何年も待たなければ入所できないかも知れませんが・・・)

でも、問題はそんな事ではありません。
この施設がわが子を託すことのできる所であるかどうかということです。
何度かショートステイを利用させていただいて内情は少しは解っているつもりです。
はっきり言ってここに私の命と同じくらい大切な娘を預けるのは嫌です。私が介護できなくなったらここに預けるしか方法はない訳で、お世話になるのにはっきり言うのは気がひけるのですが・・・。
こんな事を言ったら、もしかしたら施設のドクターやナースは「これだけ一生懸命に親身になってケアしてるのにまだ文句あるのか。」と言われそうです。確かにここのドクターやナースはとてもよくしてくださいます。何よりどんな重症の子供にも慣れていて適切なケアをしてくださいます。

それなら何が気に入らないのかと思われるでしょう。その答えの代わりに私はこう言いたいです。「あなたはここで一日でも生活できますか?体を全く動かす事ができず、意思表示が全くできない状態でここにいて一日でも過ごすことができますか?」と。
私なら我慢できません。陽子にも我慢させたくありません。
そう言うと「施設なんだから仕方がないさ。そんなに何もかも思うようになるはずないでしょう。」と言うでしょう。でも、どうして障害者だから施設に入所しているから健康な人が当たり前にしている事を我慢しなければいけないのですか?障害者であっても施設の中であってもそこは生活の場なのだから健康な人が当たり前にしていることを同じようにしてほしいのです。
よく言われます。「お母さんが思うようには行きません。お母さんが一番の介護者なのだから家と同じようにする事は無理ですよ。」と。
でも、私はこう言いたい。「病院や施設では、介護や看護のプロが大勢揃っているのだから家にいるより手厚いケアを受けて当たり前ではないか。」と。
介護移住まで考えましたが今はこの施設を同じような立場にある人たちと一緒になって、ドクターやナースや介護職員の協力をいただいてよりよい施設にしていきたいと思っています。


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