理想の電気風呂


 最近よく行くのが、車で15分ほどのところにある日帰り温泉である。(お湯は、天然温泉と真湯を浴槽ごとに使い分けている。)
 この温泉の良さは、距離的に近いということや低料金(石鹸等の備え付けなしで390円)というところにもあるが、その最大の魅力は電気風呂である。
 ここの電気風呂は真湯で、浴槽は腰位まで深さがあり、3人位で定員、6人位で芋洗い状態という広さである。
 浴槽の内側壁面に放電板が付いており、そこから電流が間歇的に出ている。
 放電板に近づくにつれビリビリとした電流を感じることができる。
 この電流は、整形外科や整骨院等に置かれている低周波治療器を彷彿とさせるものがある。
 めんめじろうは数年前、椎間板ヘルニアで通院したことがあるが、そのとき痛んだスジに電流が通ると「痛気持ちいい」のである。
 入浴の仕方は、放電版に腰や尻を近づけ左右姿勢を変えながら数分間入っている。
 最近は、馴れてきたのか、あるいは症状が改善したのか、痛みの感覚が弱くなった気がしている。
 少なくとも電池式の家庭用低周波治療器よりも効くように思われる。
 神経痛や腰痛の経験者には人気があるに違いない。
 事実、電気風呂には、いつも数人の客がいて、芋洗い状態になっていることも少なくない。(ただし、これはめんめじろうが訪れる休日午後の状況である。)
 他の入浴施設の状況は、よく分からないのであるが、上記のような状況を踏まえて理想の電気風呂について、若干述べてみたい。

1.一人分のスペースを確保するため仕切りを設置するのが理想である。

 特に芋洗い状態になると隣の人が気になり思い通りの姿勢をとることができなくなる。出来れば仕切りのある一人分のスペースが欲しいところである。

2.このような仕切りをした上で、電流の強弱を調節できる装置があれば有難い。

 現在は、体と放電板との距離を微妙に変えて強さを調整しているが、体が少しでも動くと強さが変わり不安定である。
 特に電流が強く流れると文字通りしびれるので、自分に合った強さに調整したいところである。

3.放電板の高さも調節できると良い。

 現在、体の姿勢を変えて調節しているが、高さを調節できれば楽な姿勢で入浴することができる。

4.通電間隔も調節できると良い。

 現在の通電は間隔が短く、せわしない印象を受ける。病院の治療器と同じ位に通電の間隔を長くして欲しいところである。

5.タイマーもあると便利である。

 電気風呂は、他の風呂よりも早く疲労感が出てくるように思われる。
 めんめじろうの感覚では、数分から十数分程度が適当なところで、それ以上入っていると浴槽から出た後にドッと疲れを感じるような気がする。
 思い返せば病院の治療器にもタイマーが付いていた。電気風呂にもあれば便利であろう。

6.上半身の通電について工夫できると良い。

 肩など上半身に通電させようとすると、意図しない内臓や指先までビリビリと来てしまう。
 このためであろうが、浴室の注意書きには心臓の弱い人は電気風呂を利用しないよう書かれている。
 電流の強弱を調節できれば問題は解決するかもしれないが、他に技術的な解決方法があればその方が有難い。
 もっとも、ここまでくると低周波治療器を利用しろと言われるかもしれない。

 以上、理想の電気風呂について述べてみたわけであるが、今後、腰痛のある人などを中心に電気風呂の人気は、ますます高まるように思われる。
 身体の即物的な癒しという点では、天然温泉以上に効果が期待できる場合が少なくないからである。
 ただ、時の流れを忘れさせるような精神的な癒しという面では今ひとつということになろうが、そもそも電気風呂にそのような効果を求める人もいないであろ う。

めんめ じろう 平成18年 7月)



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