シェフズ・スペシャル
カレー伝道師特製オリジナル・レシピ


第9回 メカジキのシンプル・マサラ・ロースト



 脂ののった白身魚として、もっともスパイスによく合い、食べておいしい素材のひとつがメカジキである。
 日本のインド料理店でも「フィッシュ・ティッカ(ヨーグルトとスパイスでマリネした一口大カット魚のタンドール窯ロースト)」を供する際、メカジキを使用することが多い。
 一方、インド亜大陸にはカレーやタンドール焼き以外にも、魚を使った揚げ物や焼き物メニューが数多くある。大半はスパイシーな調味を施した上、フライパンや中華鍋のような鉄板上で焼くか、油を張った中でフライすることが多いのだが、中にはバナナの葉に包んで中国料理のように蒸し上げるものもある。

 今回はスーパー等でもよく見かけるメカジキの切り身を、もっとも手軽なスパイス焼きにして楽しんでみよう。
 調味に使う素材は最小限の種類に抑えているが、味は想像以上に美味なはず。ごはんのおかずに、酒の肴に、あるいはお弁当の惣菜にも活用できる。
 新鮮なメカジキが手に入ったら、ぜひお試しいただきたい。 

 
《レシピ》 メカジキのシンプル・マサラ・ロースト

材料(2人分
メカジキの切り身200グラム、レモン汁 小さじ1/2、にんにくとしょうがのすりおろし 合わせて小さじ1〜2、塩 小さじ1/4強程度、サラダ油 大さじ2〜3、サラダ油 ひとたらし(小さじ1/2程度)

《パウダー・スパイス》
ターメリック 小さじ1/4、カイエン・ペパー 小さじ1(お好みで加減)

 

下準備と調理

@にんにく1/2〜1片としょうが同量を用意したら、おろし金などですりおろし、ひとつに混ぜておく。そのうち小さじ1〜2程度を使おう(もし余ったら、冷蔵庫に保管すれば、色がグリーンぽく変色するものの、1週間程度は中華料理なども含め、さまざまな調理に使えて重宝だ)。
Aメカジキはサッと洗って水気をふきとったら、一口大にカットし、ボールなどに入れる。
Bボールに入れたメカジキのカットににんにくとしょうがのすりおろし、レモン汁を加え、全体を軽く和える。
Cさらにターメリック、カイエン・ペパー、塩、サラダ油ひとたらしも入れ、全体にまんべんなくまぶしつける。
Dそのまま15分程度おいておこう。
Eフライパンか中華鍋を用意し、熱く熱したら、適量のサラダ油を入れ、全体になじませる。
Fメカジキの切り身を入れ、中まで火が通るまで、両面こんがりと弱めの中火程度で焼き上げる。あまり何度も返すと、身くずれするから気をつけよう。
G器に移し、分量外のレモン汁を少量まわしかければできあがりだ。一度食べてみて塩が少なければ、さらにパラリとふればよい。


おいしくするコツ

・メカジキのほか、スズキ、黒ムツ、タラ、タイなど、、白身っぽくて小骨の少ない魚の切り身ならば、どんなものにも合う。エビやイカ、サケ、サバなどでやってもいいだろう。
・15分ほど置いたときにもし魚から水気が出たら、焼く直前にペーパータオルでふきとり、さらに塩とカイエン・ペパーを足して焼いてもいい。
・ターメリックやカイエン・ペパーはこげやすい。こげそうだったら油を少し足しながら焼こう。
・レモン汁のほか、市販の「チャット・マサラ」をかけたり、ミントや香菜のグリーン・チャトニ(たとえば刻んだ香菜1/2カップ、ミントの葉1/4カップ、ヨーグルト1/2カップ、塩、レモン汁適量、クミン・シード 小さじ1/4をミキサーにかければ、お手軽グリーン・チャトニのできあがりである。あれば青唐辛子も2、3本放り込めば、さらにおいしいはず。ミキサーが回らなければ、ヨーグルトやレモン汁を足すか、少量ずつ水を差そう)、あるいは塩味をつけたヨーグルトや野菜のライタをつけながら召し上がってもおいしいものだ。


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