シェフズ・スペシャル
カレー伝道師特製オリジナル・レシピ
第7回 『カレーな薬膳』掲載のゴーヤのマサラ・フライは私がつくるとこんな感じ
今回から、拙著等ですでにご紹介した料理の写真も随時アップしていくことにした。当然、ビジュアルがあったほうがレシピも理解しやすいからである。大いに活用していただければ、うれしいものだ。
さて、上は日本でも夏場においしい野菜の代表、ゴーヤを使ったかんたん料理「ゴーヤのマサラ・フライ」のできあがり写真。
種もとらずに薄切りしたゴーヤにターメリック、塩、さらにはカイエン・ペパーをふりかけ、多めのサラダ油で揚げ炒めするという、とりわけ南インドではポピュラーなシンプルおかずだ。
注目していただきたいのは、その色味である。
カリカリのチップスまではいかずとも(ゴーヤのチップスはインドはもちろん、沖縄にもおいしいのがある)、かなり色が濃い目の仕上がり、じつはこれが本場流なのだ。
ジューシーな日本のゴーヤならば、やらわかに仕上げてもそれはそれでおいしいが、もともと水分少なめで日本のゴーヤを上回る苦味を持つインドのbittergourdを調理する際は、しっかりと火を通す手法がよく用いられる。この写真もそうした流儀に習ったものだ。
ダール、サンバル、ラッサムといった家庭的な汁カレー、あるいはチキンやキーマといったノンベジカレーといっしょにごはんで味わうと、絶妙なコントラストを醸し出してくれる。ビールの肴にも最適だ。
これからの暑い季節、熱に破壊されにくいゴーヤのビタミンCを十分に活用しよう。
★「ゴーヤのマサラ・フライ」のレシピは晶文社刊『カレーな薬膳』88ページを参照。
(2004.5・31記)
トップページへ戻る
|