シェフズ・スペシャル
カレー伝道師特製オリジナル・レシピ


第5回 アヴィヤル


 最近ではアーユルヴェーダの要素を盛り込んだリゾートなどでも有名な南インド、ケララ地方を発祥とする野菜のヨーグルトとココナッツ煮込みがアヴィヤルだ。南インド全体で食べられるポピュラーな菜食カレーのひとつでもある。
 とりわけカボチャやサツマイモといった甘味のある野菜が、ヨーグルトの酸味やココナッツの風味とマッチするので、暑い夏のみならずこの季節もおすすめだ。調理の手順がシンプルなのもいい。
 一方ではたっぷりのヨーグルトを使った酸っぱいカレーをご飯にかけて味わうということで、けっこうクセのある料理ともいえる。
 どういう評価になるかは、みなさんの腕と舌でお確かめいただきたい。ともかくヘルシーな一品である。

 
 
アヴィヤル


材料(4〜5皿分)


ニンジンとジャガイモの拍子切り 各1カップ、カボチャの角切り1カップ、インゲンの小口切り1/2カップ、プレーンヨーグルト1カップ、レモン汁 大さじ1、水1カップ、塩 小さじ1強、サラダ油(あればココナッツ・オイルを使用) 大さじ2

《グリーン・マサラ用材料》

ココナッツ・ファイン 1/2カップ(なければ粉末のココナッツ・ミルク同量で代用)、クミン・シード 小さじ1(なければ同量のクミン・パウダー)、青唐辛子2本(なければししとう4本)、ぬるま湯1カップ

《テンパリング用スパイス》

マスタード・シード 小さじ1/2、カレー・リーフ10枚(なければ省略)




下準備

@ニンジンは小指程度の長さ、太さ5ミリ程度の拍子切り、ジャガイモは小指程度の長さと太さの拍子切りにする。
Aカボチャは2センチ程度の角切りにする。
Bインゲンは長さ1センチ程度の小口切りに。
Cヨーグルトをボールなどに入れ、水とレモン汁を加え、ダマのないようかき混ぜておく。
Dグリーン・マサラの材料をミキサーにかけ、トロトロのペーストにする。


調理

@厚手の鍋を用意し、ひとつまみの塩を加えたお湯で(どちらも分量外)、ニンジン、インゲン、ジャガイモ、カボチャを順に加え、固めにゆでる。
Aすべての野菜をゆでたら、いったんゆで汁を切る(もったいないと思う方は、別途スープなどに活用しよう)。
B鍋にゆでた野菜を戻し、水溶きヨーグルトとグリーン・マサラ、塩を加えたら、野菜がくずれないようそっと全体を軽く混ぜ、それから弱火で沸騰させ、そのまま10分ほど加熱する。
C10分ほど煮ると、最初よりトロミが出てくる。ここでもう仕上げだ。
D別に小さなフライパンを用意し、サラダ油(ココナッツ・オイルを使うのが本式。より香りが高くなる)を入れたら、マスタード・シードを加え、中火にする。
Eマスタード・シードがパチパチしはじめたら、カレー・リーフも加え、すぐにオイルごとフライパンの中味を鍋に投入する。ジュッというが驚かないように。
Fこれでできあがりだ。塩加減をチェックし、お好みで香菜(分量外)をパラリ。


おいしくするコツ

・使う野菜はお好みで。カボチャの代わりにサツマイモやサトイモ、、ジャガイモやニンジンの代わりに大根、インゲンの代わりにグリンピースなんていう手が考えられる。食べやすいサイズにカットしたオクラもいいだろう(上の写真にはオクラが入っている)。
・グレービーのトロミ、ヨーグルトの酸味、ココナッツの甘味のバランスでさまざまな風味に仕上がる。より酸味が欲しい方はレモン汁を、甘いのが好きな方はココナッツを足そう。
・あくまでご飯で食べるのが基本のカレーだ。ナンではおいしくない。
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