シェフズ・スペシャル
カレー伝道師特製オリジナル・レシピ

第4回 かんたんマトン・カレー


 
たまにはガツンと肉を食べたいという気分のとき、
こんなマトン・カレーをつくってみてはいかが?
 写真はきわめて安価な骨付きラムのスネ肉で私が手慰み的に調理したものだが、
ぜいたくにラムチョップを使ったり、羊が手に入らない方はインドのイスラム教徒やクリスチャンのように、牛肉の角切りでちょっと背徳的な「ビーフ・カレー」に仕立ててもいい。
 基本的には北インド、デリーやラクナウのイスラム家庭に伝わるレシピだが、
ここではよりシンプルで手軽な形にアレンジしてある。
 意外にあっさりとした風味がライスにもパンにも合うはずだ。

 
かんたんマトン・カレー

材料(4〜5皿分)

マトンやラム肉5〜600グラム(骨付きがベター。なければ牛肉の角切りで代用)、たまねぎの薄切りスライス1ヶ分、にんにく一片としょうが親指大のすりおろし、ヨーグルト1/2カップ、塩 小さじ1強、サラダ油 大さじ3〜4、香菜のみじん切り 大さじ山盛り1〜2(お好みで加減)、ミントの葉 2枝分程度、トマト1/2ヶ、お湯2カップ半程度
《ホール・スパイス》
グリーン・カルダモン2粒、ビッグ・カルダモン1粒(なければ省略)、シナモン・スティック2センチ、ブラック・ペパー5粒、ベイリーフ2枚
《パウダー・スパイス》
ターメリック 小さじ1/4、カイエン・ペパー 小さじ1、コリアンダー 小さじ1、ガラム・マサラ 小さじ1(市販品でも可能。抜群な風味になる秘伝の配合については拙著『誰も知らないインド料理』を参照のこと)


下準備


@肉はサッと水洗いして、水切りしておく。冷凍肉を使う時は流水などでしっかり血抜きする。
Aたまねぎは繊維を断ち切る方向(通常のスライスとは逆ということになる)に薄切りしておく。にんにくとしょうがはおろし金などですりおろし、ひとつに混ぜておく。トマトは粗みじん切りに。
Bヨーグルトはダマのないようかき混ぜておく。
 
調理

@厚手の鍋にサラダ油を入れたら強火にして、すぐにたまねぎを入れる。
Aとにかく最初は強火で炒めはじめる。
B途中から中火、さらには最終的には弱火に落としつつも、なるべく強めの火加減で黄金色に炒める。所要時間は20分程度か(思ったより短時間でしょ)。
Cたまねぎが黄金色になったら、弱火のまま、にんにくとしょうがのすりおろし、ホール・スパイスを加え、サッと炒め合わせる。
Dにんにくとしょうがのいい香りがしたら、鍋の火を一度止め、ヨーグルトを入れる。
Eふたたび弱火にして、よく全体をかき混ぜる。
Fガラム・マサラを除くパウダー・スパイスと塩、香菜、ミントの葉、半カップ程の水かお湯を加え、火加減を弱めの中火にアップし、5〜10分程かき混ぜながら煮込む。途中でこげそうになったら、少しだけ水かお湯を足そう。
G表面にスパイス色の油が浮き出したら、肉を加え、強めの中火にアップし、肉の表面が白くなるまで炒める。
H肉の表面が白く変わってきたら、2〜3分の間隔を空けながら、数回に分けて、ヒタヒタまでお湯を足す。絶対にヒタヒタ以上の水加減にしないこと。
Iお湯をヒタヒタまで加え、沸騰させたら、弱火に落とし、ふたをして煮込む。45分ぐらいか。
J30分程したら、ガラム・マサラとトマトの粗みじん切りを入れる。
K45分程度たって肉がやわらかになる頃にはグレービーがトロッとし、色も最初からずい分濃くなっているはず。そうしたらできあがりだ。塩加減をきっちりつけて仕上げよう。

 
おいしくするコツ

・とにかく水やお湯を入れすぎないことが最大のポイントである。
・肉を鍋に入れたら、なるべく水分を加えずにしばらくじっくり炒めること。これもまた重要だ。
・ガラム・マサラが手に入らないときは省略可能である。また香菜やミントがない時も、仕方がないが省略だ。
・たまねぎ炒めは極力強めの火加減でこなそう。時間も省略されるし、できあがりの風味もいい。ただし、くれぐれもたまねぎをこがさないように。




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