シェフズ・スペシャル
カレー伝道師特製オリジナル・レシピ

第16回 北インドのひよこ豆カレー、チャナ・マサラ



 ホクホクとした食感が魅力のひよこ豆を使った代表的なカレーが「チャナ・マサラ」。いろいろなレシピがあるが、これはパンジャーブ風。
 写真のようにご飯と合わせたメニューは「チャナ・チャーワル」といって、北インドの食堂や屋台でも人気があるセットメニューのひとつだ。
 もちろん、チャパティやプーリ、ナーンといったパンでもおいしいし、バゲットやカンパーニュにも合う。


 

《レシピ》チャナ・マサラ

材料(4人分)
ひよこ豆 乾燥状態で1カップ強
【グレービーの材料】
マサラ・グレービー 別途レシピの分量にて用意(4〜6人分。ただし水の加え方やたまねぎの炒め具合でできあがりの量は変化するので注意)
トマト1/2ヶ(量は加減していい。こういうときのトマトはうまみと酸味を加える役割を担う)、ししとう4本、しょうがの千切り ひとつまみ、塩 適宜、カスリ・メティ(なければ省略)大さじ山盛り1、レモン汁 少々
パウダー・スパイス ガラム・マサラ 小さじ1


 

【下ごしらえ

@ひよこ豆はできれば一晩水につけてから、水をとりかえ、やわらかくなるまで水煮する(このとき分量外のターメリック少々を加え、さらにできあがり間近になったら塩少々も入れて、軽く塩味をつけるといい)。乾燥で1カップのひよこ豆が2倍以上まで増える。できれば、ゆで汁は捨てずにとっておこう。
Aマサラ・グレービーも用意する。さらにトマトは粗みじん切り。ししとうは小口切りに。
しょうがも千切りにしておこう。


【調理】

@厚手の鍋かフライパンにマサラ・グレービーを入れて温める。
Aゆでて軽く水を切ったひよこ豆、粗みじん切りのトマト、ししとう、しょうがの千切りを入れる。
B全体を混ぜ、もしグレービーが少なければ、ヒタヒタになるまでゆで汁か水、お湯を足す。
チキンカレーなどと同様、水気は加えすぎないように。
Cふたをして弱火で20分ほど煮込む。途中で煮つまりそうになったら、ゆで汁かお湯、水を少しずつ足そう。
D20分ほどしたらガラム・マサラ、あればカスリ・メティを手でもみこむようにして加える。
Eさらに5分煮込めばできあがり。塩加減をチェックして火を止め、レモン汁をサッと上からしぼり込み、あれば香菜を散らそう(分量外)。


【おいしさのヒント】


・しばらく置くとトマト味のグレービーがひよこ豆にしみて、ますますおいしくなる。
・グレービーはあまりシャバシャバにしないように。また一方、時間がたつとグレービーの濃度は増す。食べるときにはポテットするくらいがいいだろう。
・このレシピの決め手は独特の酸味と、さらにはカスリ・メティ。マンゴー・パウダーやカスリ・メティは無理にせよ、最低でもレモン汁は用意したい。



 

【マサラ・グレービーについて】

 この場合「マサラ(マサーラー)」とはカレーより汁気が少なくて、スパイスや生ハーブ、香味野菜のうまみがよりダイレクトにグッとのったスパイス料理を指す。ドロリとした「濃いカレー」といった感じで、肉からシーフード、野菜まで幅広く活用できる。ここではチャナ・マサラ専用といえるスタイルをご紹介しよう。


《レシピ》チャナ・マサラ用マサラ・グレービー

材料(4人分)

たまねぎ1.5〜2ヶ、にんにく1片、しょうが にんにくと同量、
ホール・トマト1カップ(トマトなら2ヶ)、香菜 大さじ山盛り1(なければ省略)、塩 小さじ2、
サラダ油 適宜(やや多めに)、お湯か水 2カップ程度
ホール・スパイス クミン・シード 小さじ1、グリーン・カルダモン4粒、
シナモン・スティック3センチ、ベイリーフ2枚、ブラック・ペパー5粒
パウダー・スパイス ターメリック 小さじ1/4、カイエン・ペパー 小さじ1、
コリアンダー 小さじ1、アムチュール(マンゴー・パウダー) 小さじ1(なければ同量のチャット・マサラ、または省略)

 
 

【下ごしらえ】

@たまねぎはみじん切りに。にんにくとしょうがはすりおろして、いっしょにしておく。生のトマトを使うときはザクザクと粗みじん切りにしておくこと。

【調理】

@鍋にヒタヒタのサラダ油を入れたら中火にして、まずクミン・シードを入れる。その後ほかのホール・スパイスも投入し、いい香りが出るまでこがさないよう熱する。
Aクミン・シードがチリチリとして油の中で泡を出し、グリーン・カルダモンも油を吸ってふくらんできたら、たまねぎのみじん切りを加え、最初なるべく強い火で炒める。
Bたまねぎのかさが減ってきたら火を中火に落とし、ハーフ・フライの状態(黄金色)までスピーディに炒めていく。ただし絶対にこがさないように。
Cたまねぎを黄金色まで炒めたら火を弱め、にんにくとしょうがのすりおろしを加え、全体をサッと混ぜる。
Dいい香りがしたらホール・トマトまたは生トマト、香菜を加え、中火に戻し1分ほど炒める。
E火を弱めパウダー・スパイスと塩を加えていく。ひとつ入れるごとに底をこそげるようにして鍋を混ぜよう。
Fスパイス全部と塩が入ったら、中火にしてさらに1〜2分炒め、お湯2カップを数回に分けて加えながら、そのつど沸騰させる。
Gお湯が全部入ったら、火加減を少し落とし、マサラに充分火が通るよう、ときどきかきまぜながら炒め煮しよう。
H10分ほどして、全体がポテッとしてオイルが上に浮かんだ感じになれば、マサラ・グレービーのできあがりだ。


【おいしさのヒント】

・たまねぎをうまく炒めることが基本。さらには全部の材料が入った後しっかり炒めて、きちんと火を通すこと。いずれにせよ、水っぽくないように仕上げよう。シャバシャバはダメ。
・このマサラ・グレービーはつくってから2〜3時間たったほうが、味がなじむ。また密閉できる容器に入れ冷蔵庫に保管すれば数日間はおいしく食べられる。



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