シェフズ・スペシャル
カレー伝道師特製オリジナル・レシピ

第13回 ウプマ〜超粗挽き小麦粉の炒り煮(南インドの軽食ティファンの一種)


 日本ではあまり知られていない南インドの軽食(ティファンと総称される)のひとつ。
 現地では、「サンバル(トロトロに煮込んだトゥール・ダールをベースに各種の野菜を具にした菜食カレー。南インドカレーの基本にして根幹のひとつ)」や「チャトニ(日本のチャツネとは異なり、スパイシーでホットなタレ。ココナッツ、コリアンダー、ミント、トマト、ゴマ、ピーナッツ、オニオン、ジンジャー、ガーリックほか、さまざまな種類がある)」とともに、朝食や軽い夕食に食べることが多い。
 正確には「ウプマ」にもセモリナのほか、バミセリ、パン、押し米など、さまざまなウプマがある。中でもセモリナのウプマは日本に類似した料理がなかなか見出せない変わったテイストで、その点でも印象に残る。しいていえば「そばがき」か「卯の花」に似ているかも。
 
 
《レシピE》ウプマ〜超粗挽き小麦粉の炒り煮(南インドの軽食ティファンの一種)


材料(1〜2人分) 

セモリナ1カップ、青唐辛子1本またはししとう2本(みじん切りにしたピーマンでもいい)、しょうがのみじん切り 小さじ1、塩 小さじ1/2強、サラダ油 大さじ1〜2、
ギーまたはバター 大さじ1、たまねぎ1/8ヶ、カシューナッツ5粒(なければ省略)、
レモン汁 少々、お湯2カップ
ホール・スパイス ウラド・ダールとチャナ・ダール 各小さじ1/2、
ヒング ひとふり(なければ省略)、カレー・リーフ5枚(なければ省略)、
マスタード・シード 小さじ1/2、たかのつめ1〜2本


 

【下ごしらえと調理】

@たまねぎはざくざくの粗みじん切りに。カシューナッツは少量のバターかギー(分量外)で炒っておく。青唐辛子またはししとうは小口切り。

Aフライパンを用意し、セモリナを空炒りする。その際ギーかバターを少量たらし込んでもいい(分量外)。

Bセモリナが少し色づいたら、ボールなどにとっておく。サラサラになっているはずだ。

Cフライパンの汚れを軽くふきとったら、再び火にかけ、サラダ油を入れる。火は弱めの中火。

Dホール・スパイスを加え(最初ダール2種とたかのつめを入れ、10〜15秒したらヒングとカレー・リーフを加えて一呼吸おいてから、最後にマスタード・シードを入れよう)、オイルに香りを移す。

Eマスタード・シードがパチパチはじけだしたら、しょうがと青唐辛子(あるいはししとうかピーマン)、たまねぎを入れ、たまねぎがしんなりするまで2〜3分炒める。

Fいったん炒めたセモリナとカシューナッツ、塩を加えて全体をサックリ混ぜたら、お湯を注ぎ、素早く、また力強く練り込む(このとき火を弱くして練るとやりやすい)。

Gさらにギーかバターを大さじ1程度加えながら(初心者の方はお湯を注ぐ前に入れた方がかんたんだ)、ダマがないように練り込んだらできあがり。レモン汁をさっとまわしかけ、塩加減をもう一度チェックしよう。


【おいしさのヒント】

・セモリナとお湯の量的配分、火加減でかたさが変化する。手でまとめられるかたさが現地式だ。
・ダマができないように弱火でミックスするといい。
・しょうがやたまねぎといっしょににんじん、じゃがいも、いんげん、グリンピースなどのみじん切りを炒めてもいい(チャーハンのイメージだ)。これらの材料に火が通ってからセモリナを加え、練り上げよう。






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