シェフズ・スペシャル
カレー伝道師特製オリジナル・レシピ

第11回 サンマのスパイス焼き


 今回は秋の風物詩サンマをインド風の味つけ、それもお手軽なレシピで焼いてみよう。

 じつはこのレシピ、前々回にご紹介した「メカジキのシンプル・マサラ・ロースト」とほぼ同じである。違うのは焼く前の材料の処理。内臓をとってよく洗い、切れ込みを入れ、味のノリや風味をよくしている。
 調理法はお好みで。今回は油をひいたフライパンで両面焼いたが、ガス台の魚焼きグリルで通常の塩焼きと同様に焼いてもいいし、焼き網、あるいはオーブンを使ってもいいだろう。
 もちろんイワシ、アジなどでつくってもおいしい。
 昔、カルカッタの裏通りの道端で見かけた、たっぷりの小イワシ(もちろん頭、内臓はつけたまま)に今回のようなマサラをぬりつけ、屋台の焼きそば用みたいな分厚い鉄板で焼いたやつなどメチャクチャおいしそうだった(急いでいたので口にできなかったのが、10年ほど経った今でも口惜しい)。 
 
 
《レシピ》 サンマのスパイス焼き

材料(いちおう2人分)
サンマ2尾、レモン汁 小さじ1/2、にんにくとしょうがのすりおろし 合わせて小さじ1/2〜1程度、塩 小さじ1/4強、サラダ油 大さじ2〜3

《パウダー・スパイス》
ターメリック 小さじ1/4、カイエン・ペパー 小さじ1/2〜1(お好みで加減)

 

【下ごしらえと調理】

@にんにく1/2〜1片としょうが同量を用意したら、おろし金などですりおろし、ひとつに混ぜておく。そのうち小さじ1〜2程度を使おう(もし余ったら、冷蔵庫に保管すれば、色がグリーンぽく変色するものの、1週間程度は中華料理なども含め、さまざまな調理に使えて重宝だ)。
Aサンマは縦半分に切ったら内臓をとり、薄い塩水できれいに洗って水気をふきとる(気になる方は頭も落としていい)。
Bさらにサンマの両面に縦に切れ込みを入れる。スパイスの絡みをよくするとともに、火の通りを早くするためだ。
Cサンマをボールに入れたら、にんにくとしょうがのすりおろし、レモン汁を加え、全体にまぶす。
Cさらにターメリック、カイエン・ペパー、塩も入れ、全体にまんべんなくまぶしつける。腹や切れ込みの中にもスパイスやにんにくとしょうがを入れるような気持ちでやろう。
Dそのまま15分程度おいておこう。
Eフライパンか中華鍋を用意し、熱く熱したら、サラダ油を入れ、全体になじませる。
Fサンマを入れ、中まで火が通るまで、両面こんがりと弱めの中火程度で焼き上げる。あまり何度も返すと、身くずれするから気をつけよう。
G器に移し、分量外のレモン汁を少量まわしかければできあがりだ。一度食べてみて塩が少なければ、さらにパラリとふればよい。


【おいしさのヒント】

・ふつうはイワシ、アジなどでつくる。
・ターメリックやカイエン・ペパーといったスパイスはこげやすい。こげそうだったら油を少し足しながら焼こう。
・ガス台の魚焼きグリルや焼き網であぶり焼きにしたり、オーブンでローストしてもいい。余分な脂も抜けて、そうしたほうがいいかも。
・お好みで、コリアンダー・パウダーやガラム・マサラもいっしょにまぶしたり、フライパンに油をひいたとき、クミン・シードやアジョワン・シード(どちらも北インド流)、あるいはマスタード・シード、フェネル・シード、カレー・リーフ(これらは南インド風)を足していっしょに焼いてもいい。


トップページへ戻る