Taste of India

特別企画 
2003年12月〜2004年1月 こんなもの食べましたinマドラス
(チェンナイ)

12月28日 



【朝食】

 
 マドラス到着翌日の朝食である(実際には、起き抜けにまずショウガのきいたチャイをいただき一日がスタート)。
 上の白いのはフワフワの「イドゥリ」。水に浸したウラド・ダールと米をそれぞれすりつぶしてつくったドロドロの生地をミックスし、さらに一晩外気に放置させて自然発酵、それを専用の蒸し器で蒸してできあがる。ちょっと酸味のある南インド独特の蒸しパンだ。この日のはタピオカ入り。当然日本にはない。いきなりラッキーだ。
 左下は生トマト、タマネギやニンニクのみじん切り、マスタード・シード、たかのつめ、青唐辛子、香菜、カレー・リーフなどを煮込んだシンプルなグレービー。トマトの酸味とオニオンの甘味をきかせた、いわば「煮込みチャトニ」だ。現地ではパチャディなどといわれる。
 イドゥリを辛いパチャディにつけて右手で食べると、インドにきた実感がズシリと舌から腹にしみわたる。美味だ。ほかにギー、ポディ(ローストしたひよこ豆の粉末にスパイスなどを混ぜたふりかけ状のパウダー)もいっしょに。

【昼食】

 昼はごはんとカレー類のミールス仕立て。
 左はカリフラワーの香味炒め。マスタード・シード、ウラド・ダール、少量のタマネギのみじん切り、青唐辛子などとカリフラワーを炒め合わせてある。いわゆる「ポリヤル」という料理法だ。それにしても、カリフラワー自体のうまみが日本のものとはまるで違って抜群。
 右はごはんと「サンバル」。ダイコンとナスが具になっている。下は鍋に入ったところ。それほど酸味はない。


 下はラッサム。サンバルを食べた後、ごはんにかける。
 とにかくサンバルとの色や濃度の相違に注目していただきたい。ラッサムはシャバシャバで薄味、これが本場の基本なのである。
 日本の南インド料理店で、ドロドロのラッサムを出すところがあるが、あれは個人的にはまるで評価できない。邪道だし、おいしくない。


 最後はカード(プレーン・ヨーグルト)をライスにかけて食べた。


【夕方、ちょっと外食してみた】

 インドではフライドチキンなどのファストフードも大繁盛。ここは「プライムロースター」という名前のお店。フライのほかローストチキンも扱っている。チキンはケンタッキーよりクリスピーで塩が強め。鶏自体がジューシーでやわらかなのはいい意味で意外だ。左はケチャップ。インド人はケチャップ好きなのである。ポテトがあったのにオーダーし忘れた。

【夕食】
 インド中、どこに行っても家庭の夕食は午後9時ぐらいでかなり遅め。だから軽いものですませることが多い。
 今夜は「チャナ・マサラ」と「パラタ」。
 ひよこ豆のカレー、チャナ・マサラはパンジャブ流の本家北インドスタイルとはまったく別のテイスト。ホール・スパイスはなし。みじん切りのタマネギ、トマト、香菜、青唐辛子、そしてココナッツで調味してある。甘辛酸っぱくて、いかにも南インドの典型的なグレービー(カレーソース)といった趣きだ。白いひよこ豆はやわらかでホクホク。口の中でホロリとくずれる絶妙な煮加減。
 全粒粉を使った折りこみ入りのパン、パラタも北インドのレストラン流とは異なる。折りこみ少なめでオイリーでもない。全粒粉の滋味がチャナ・マサラにピッタリだ。
 この組み合わせ、うまくて唸った。きわめて印象的な夕食といえよう。

                

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