Taste of India
特別企画
2003年12月〜2004年1月 こんなもの食べましたinマドラス(チェンナイ)
1月7日
【朝食】
またもはじめて食べる料理。当然、レストランや食堂では見たことがないメニューだ。
極細パスタのバミセリを「レモン・ライス」(拙著にレシピあり)とおなじ味つけで調理したもの。いわば「バミセリのレモン仕立て」である。ただしレモン・ライスとは異なりショウガは入っていない。きれいな黄色でさわやかな美味。
上の白いのはココナッツのチャトニ。マスタード・シードとカレー・リーフでテンパリングしてある。バミセリと合うこと、この上ない。
【タージ・コロマンデル・ホテルで超豪華ランチ】
チェンナイ随一の高級ホテル内にある南インド料理レストラン「SOUTHERN SPICE」で、今回の滞在を総括するようなゴージャス・ランチ。
まず、上はチャトニの盛り合わせ。これに「パパド」や東南アジアのエビセンに似た「ウェハー」をディップのようにつけて食べる。おしゃれで食べ応えありうれしい前菜だ。食べ放題でもある。
右から、白くてマイルドな「ココナッツ・チャトニ」、赤茶色で意外に甘味たっぷりの「オニオン・チャトニ」、ミントと香菜の「グリーン・チャトニ」、緑がかった灰色で青唐辛子のみじん切りの入った「ジンジャー・チャトニ」。どれもバツグンの風味。日本にはないねえ、こんな前菜。
そしてウェルカム・ドリンクとして「ラッサム」。北インドならば「ジャル・ジーラ」あたりになるところ、ラッサムをドリンク仕立てにするのが、いかにも南っぽくていい。当然、ラッサムはシャバシャバである。
で、これがメインの図。
家庭でベジメニューばかり堪能してきた反動か、思いっきりノンベジ料理のオンパレードである。ちなみに右上にチラリと見えるのはビールの大瓶。
まず、どうしても気になるのが、このフワフワの薄焼き。インドではケララを起源とする「アッパムAPPAM」である。米をすりつぶしたものとココナッツのミルクを中心とした生地を静置発酵させ、それを中華鍋を小さくしたような特製の鍋で焼く。周囲は薄くてカリサク、真ん中はフワフワで薄甘というナイスなテイスト。ケララではココナッツをきかせた「シチュー」や汁気の多いカレーに浸して食べることが多いが、今や南インド全土、さらにはスリランカにもホッパーとして定着している。ここでは女性シェフが客席の一角で一枚ずつ焼いてくれた。
おかずその一。「ウプ・カリuppu kari(マトン・ロースト)」と呼ばれる、南インドを代表する肉料理のひとつ。マスタード・シード、カレー・リーフ、ガーリックでマトンを炒め煮してある。街のノンベジ安食堂でもオーダーできるが、さすがここのは濃厚でうまみたっぷり、しかも上品。ビールとアッパム、どちらにもバッチリ。
これまた、はじめて食べる料理。骨付きチキンのドラム・スティックを南インドのマサラにつけてからタンドゥーリで焼いた、「チキンの南インド風ロースト」。
この店にくるたび、たいてい必ずオーダーするお気に入り、「アレッピー・フィッシュ・カレー」(アレッピーはケララ州にある街の名前)。きれいなオレンジ色で、辛味と甘さ、酸味のバランスがすばらしい。アッパムともベスト・マッチ。写真を見るとまた食べたくなる。
ほかにも折り込みバッチリのパラタ、素焼きのつぼに入ったカードなども食べ、3人分でビールも含めトータル2000ルピー弱。
【最後の夕食】
チェンナイ最後の食事は「ラバ・ウプマ」に、マサラ風の「煮込みトマト・チャトニ」。ウプマは今回もっともお世話になった調理法だし、辛くて酸っぱいマサラ風「チャトニ」もおなじくよく食べた。感慨深い名コンビだ。
ラバは超強力セモリナ小麦粉の粗挽きタイプ。グリンピース、ニンジン、ショウガが入っている。ほかにはマスタード・シード、カレー・リーフ、青唐辛子、ウラド・ダールなども。黄色いのはターメリック。
いやあ、今回もいろいろ食べました。大満足の大満腹!
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