Taste of India

特別企画 
2003年12月〜2004年1月 こんなもの食べましたinマドラス
(チェンナイ)

1月5日


【朝食】

  
はじめて食べる料理がいきなり朝食に登場。胸が高まる。
 薄黄色いのがそれ、パーボイルドの押し米アワルAvalの「ウプマ」だ。マスタード・シード、ウラド・ダール、たかのつめなどが入っている。ライムもしぼってあるようだ。「パラパラ、そしてネチッ」という不思議な食感でイケる。うまい。
 上の茶色いのが、パーム・シュガーを使ったポンガル。独特の甘味と香り。お寺のお供物らしい。正月らしいめでたい味。。
【家で食べるおいしいランチ】
 昨日は外でバツグンなグジャラート定食も食べたが、今日は家でタミルの家庭料理を満喫。
 まずはごはんといっしょに「モール・コザンブ」。
 ふつうのコザンブ(正確にはタマリンドを使った「バッタル・コザンブ」として分類される)はサンバルに似た酸っぱいカレーだが(『カレーな薬膳』にレシピあり)、ヨーグルトを意味するモールを冠したコザンブはケララ起源のアヴィヤル(『カレーな薬膳』の「冬瓜のヨーグルト煮込みカレー」を参照)によく似た味つけになる(ただしマサラ・ペーストの内容が異なる)。
 ここでは、具にドラムスティックとスティック状にカットしたウリ(コールラビの可能性もあり)のほか、うれしいことにチャナ・ダールでつくったお団子(ダンプリングという)まで入っている。黒っぽいのはマスタード・シードとクミン・シード。ほかにウラド・ダールの粒々なども見えかくれ。 ヨーグルトの酸味とココナッツの甘味のバランスがバツグンのハーモニー、マイルドでコクのある風味はライスに合うこと、この上ない。



 下のきれいなパープル・カラーは「ビーツのポリヤル」。昔からビーツはインドで人気の食材だ。初のインド、カルカッタの路上で食べた「ビーツのコロッケ」以来、私も、日本ではなじみの薄いこの野菜のファンである(ボルシチの色づけに使うことなど、一部料理ファンには知られているだろう)。ここでは1センチ角に切ったビーツをマスタード・シード、ウラド・ダール、カレー・リーフ、ココナッツなどと炒め合わせてある。オニオン、ショウガ、ニンニクは未使用らしい。やさしい味でおいしい。
 左にチラリと見えるのは「キャベツのポリヤル」。ビーツ同様、タマネギ、ニンニク、ショウガは使っていないようだ。キャベツのうまみや甘味がよく出て、やはり美味。
 ほかにもシャバシャバのラッサムやカード(ヨーグルト)をごはんにかけて、たいらげた。満腹で満足。
  
 
【夕暮れのティファン】

 チェンナイの有名な音楽や舞踊のホール、「ナラダ・ガーナ・サバ」敷地内にある屋外屋根なし食堂「NEW WOODLAND」で軽くスナックを(南インド式のこうした軽食は「ティファン」と総称される)。
 これは「オニオン・ラバ・ドーサONION RAVA DOSA」。ラバというのはセモリナのこと。ふつうのドーサと違い無発酵の生地を、これまた通常のドーサとは異なる手つきで調理する。生地にはクミン・シード、ブラック・ペパー、刻んだ青唐辛子のほか、オニオンのチョップなどがミックスされる。皿の左の白っぽいのはココナッツ・チャトニ。さらに写真には見えないが、カップに入ったサンバルもたれがわりにしていただく。
 カリサクの軽い歯ざわりで、ココナッツ・チャトニやサンバルとの相性も最高。通常のドーサ、あるいはマサラ・ドーサとは異なる、ラバ・ドーサ独特のおいしさは個人的にも大好きだ。
 食後に南インド式のコーヒーも飲む。濃くてうまい。
【ライトだが充実した夕食】


今夜も夕食は趣向を変えることに。
 私ははじめて訪れる、北インド料理の専門店BAYLEAFでテイク・アウトした(現地式にはTAKEAWAYだ)、本来カルカッタ名物の「チキン・ロール」(左)と「マトン・ロール」(右)。これらを家に持ち帰って、水やコーラで食べる(ほんとうはビールといいたいところだが、アルコールは御法度のお宅なので、ここはひたすら我慢である)。
 皮のようにして包んであるのはナンではなくて「パラタ」。
「チキン・ロール」の中味はタンドゥーリで香ばしくローストした「チキン・ティッカ」に、オニオン、青唐辛子、香菜などをそれぞれスライスあるいはチョップしてから塩や酢を使ってマリネした「アチャール」を少々。コッテリとしてスパイシーなチキンとさわやかなアチャールのバランスが絶妙。ウーム、カルカッタやデリーで食べたロールをほうふつとさせるに十分なうまさだ。
「マトン・ロール」のほうは、マトンカレーのようなマトンの煮込みを使ったところが少しユニーク(ふつうはチキン同様、タンドゥールでコンガリとローストした一口サイズの肉を使う)。
 じつは「ロール屋」をやりたいと考えるほどのロール好きな私であるが、これはどちらも満足。いい店をまたひとつ見つけた。
    
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