大根飯五臓六腑に染み渡る |
年追う程に昔を偲ぶ |
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参観日振り返る吾子に手を上げて |
サイン送ればハニカミ笑う |
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ただいまーの声を聞きつつ物陰に |
おどけ隠れて肩笑わせ待つ |
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スーパーで我が故郷の言葉聞き |
見知らぬ老女に握手求めおり |
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偽物の乳房の下に汗かきて |
風吹かぬ日はなお暑さ増す |
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たちまちに前窓濡らす夕立に |
日差し受ければ夏虹となる |
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転生の母かも知れぬ朝蜘蛛を |
懐に入れて温め歩む |
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砂浜や潮風肌に心地好く |
夕日静かに海に落ち行く |
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電車内唇寄せ合う若き男女 |
映画の如き吾は見ており |
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夜更ければ橋立て駅も静なり |
暗き海面船の灯浮かぶ |
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癌と言う言葉無造作に飛び交ひし |
傷持つ吾を知る由もなく |
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話しつつ自転車で来し少年等 |
自販機のうどん食みて過ぎ行く |
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業界も金に絡まる政界も |
醜きニュースで日々通り行く |
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学校の中庭ほどの距離に居て |
遅刻するなと吾子を急がせし |
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皇太子妃内定の吉報駆け巡り |
暗き世政に湧き立つ列島 |
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