LWA−009 2003年8月5日
| 蝉時雨とオカリナ |
今日も連日の30度以上の暑さなので緑陰主体の散策コースとなる。
横浜と川崎の境界の尾根道を経由して王禅寺に着いた。
王禅寺はこの界隈では名刹であり、
柿生の地名の由来である禅寺丸柿発祥の寺として有名である。
庭にある原木には今年も結実が見られた。
蝉時雨の中、早野の尾根道を下る。
蜩がカナカナカナ・・・と哀愁をこめて鳴いている。
蜩は秋の季語である。
そういえばまもなく立秋だ。
(今年は8月8日)
鳴いている蜩を探したがなかなか発見できない。
逃げられないように、スローモーションで近づき、
ようやく音源を探しあてた。
横伝いに動いて幹の裏側に隠れようとする。
追っかけて個体を撮ると観念したのか逃げなくなった。
それともストロボを使ったから目がくらんだのか?
ごめんなさい
目が慣れたせいかあちこちで見かけるようになった。
私を木と間違えて背中に止まるものが現れ
木陰を出るまでしばらく鳴いていた。
炭焼き小屋の裏側で音楽が聞こえる。
周囲の木々などに反響して快い音色である。
誰かがラジオを点けているのかと思い近づくと
女性がオカリナを吹いている。
水筒や団扇、蚊取り線香なども持参し
用意周到である。
「ご近所に迷惑をかけるから」と
わざわざバイクでここへ来て
練習をされているのだそうだ。
まだ始めて間もないとおっしゃる。
しばらく練習を聴かせていただいた。
テーブルの前方は広場となっており
いろいろ場所を変えてみる。
それぞれに木々や蝉時雨とオカリナが調和して
魅力的な響きとハーモニーを醸し出している。
話を伺うと
ボランティアで里山の自然保護をされているそうだ。
調和の理由が解った。
友達の自然と合奏をしているのだ!
禅寺丸之記
抑々当山者星宿山蓮華蔵院王禅寺と称し真言宗豊山派に属す
延喜21年高野山三世無空上人の開山にして
関東の高野山と称せられ東国鎮護の勅願寺となる
然るに元弘3年新田義貞鎌倉進攻の戦乱により一山悉く烏有にきす
斯くて応安3年久良岐郡金沢称名寺塔頭延命院住僧等海上人勅命により
再興せんとして資材探索中寺領山中に於て紅熟せる柿の果実を発見
其の甘味豊潤にして多に類例を見ず
依って寺庭に移植し更に近在の人々に栽植をすすめ王禅寺丸と命名せり
下って江戸幕府創立後は市場に多く出荷され
競賣の砌王を略して禅寺丸と称するに至ったのは元禄時代の事と伝えられる
処によっては丸柿或は黒熟とも云い隔年結果の習性を持っている
明治36年求めに応じ広島、岐阜、静岡、福島の各県に苗木を送ったが
福島では結果せるも渋柿に変わったと報告されている
明治42年秋柿生村々会議員一同は都筑郡々長を通じ
王禅寺2000番地森七郎氏の栽培品二百個を陛下に献上された
尚当寺は柿寺とも云はれ庭前の原木は今尚多くの着果を見せている
王禅寺境内の石碑より
(備考)
延喜21年=921年
元弘3年=1333年
応安3年=1370年
オカリナ ocarina
小さな鵞鳥の意。吹孔が鵞鳥の嘴に似るのでいう。
粘土または陶器製の気鳴楽器。
一端に突き出した吹孔を口に含んで気息を吹きいれ、
両手の指で8〜10孔を開閉して吹奏する。
1860年イタリア人ドナティ(G.Donati)の創製という。鳩笛
<広辞苑>