法話
 

法 悦



「光陰矢のごとし」とはよく言ったもので、つい先日新年を迎えたと思っていましたら、気が付いてみると今年も終わろうとしています。
「日々之好日」とは先人の言葉ですが、なかなかその様には今年も日暮出来ませんでした。後悔と懺悔の日々でした。その中で私の信仰に光明が差す出来事がありました。

私のお寺では恒例の四国八十八ケ所巡拝を、今年10月に檀信徒の方々と一緒にお参りしてきました。
七十五番、善通寺に巡拝した時の事です。バスを降り本殿に向かって皆さんと歩みを進めている時、「何々寺のご住職ではないでしょうか?」と若い男女のカップルに声をかけられました。
当寺では、お大師さまのご誕生を記念して、毎年6月15日「青葉まつり」の法要をおこなっております。
今年の法要当日若い男女のカップルが北海道三十三観音巡拝の為訪れ、その熱心な礼拝の様子に心打たれた世話役方の勧で、そのお二人が法要に参加して半日留まって信仰して下さったというご縁が有りました。
声をかけて下さったのが、そのお二人でした。お大師様誕生会の「青葉まつり」にご縁をえたお二人に、お大師さま誕生の聖地、善通寺でこのような形で再会できるとは、想像を超えたご縁でした。正にお大師様の粋なお計らい、導き、いや、そのお二人自身がお大師様だったと、皆さんと心打たれ感激し唯手を合わせ喜びました。

「ありがたや、行くも帰るも留まるも、我は大師と二人ずれなり」という歌がありますが、我々は何時もお大師様と2人連れの生活をしている、つまり「同行二人」その生活の中にお大師様は私たちに喜び感激を与えて下さり、良き世界に導いて下さいます。
来年こそは迷いなく「お大師と二人ずれ」の生活をしょうと誓っています。