★過去の記録・Boys 1

数年前。12月がもうすぐ終わるというころ。会社の納会が終わってから、いつも呑みに行く連中と、
『ホントの忘年会』をすることになっていた。自由が丘で。

他の連中は事業部も違うので、ワタシはひとりで自由が丘に向った。武蔵小杉の駅で乗り換え。

東横線のホームに上がる階段に足をかけると、『すみません!』と声がする。
誰もぶつかってないし。特に気にも留めず階段を上り始めると。
今度は、肩に手がかかり、『あの、すみません。』と言う。迷子かい、って思い、

『はい?』と振り返ると・・・。

よだれの出そうな程、イイ男。でも若い。ご用はなんだろか、南武線はどっちですか、とか、
そういうことだろうと思ったのだが。

『あの・・・。一緒に飲みに行きませんか。

はぁ〜〜〜〜??? ナンパ? ワタシを? キミ、頭、大丈夫? (うっ、でも惜しい! いや、ウレシイ!)

『ごめんなさい、(おばさんは)これから行くところがあって。』(Arggggggg!! いいじゃん、いつもの奴らなんて、ドタキャンすりゃあ!)

『どこですか?』

『・・・自由が丘・・・ですけど。』

『じゃ、一緒に自由が丘行きましょう。お友達も一緒で。』

『いや・・・。それが、会社の宴会だもんで・・・。一緒に来てもつまらないわよ。』
(そうそう、女性の団体を期待しているのなら、ね。おそらく女性はワタシひとり、だと思うから。)

『・・・そうですか。・・・じゃ、またの機会に・・。』(あるのかよぉ〜、そんなもん!)

意外にあっさり引き下がった、ってのは・・・。やっぱねぇ・・・。
後ろから声掛けちゃいかんよ。振り返ったワタシを見て、『うっ、失敗!』って思ったんでしょう?
(すまん、ワタシ、若作りです。10代の娘みたいな、短いスカートはいてるし・・・。気も若いですが。
だもんで、キミより少なくとも6つか7つか8つか以上は年上だと思います!)

しかし・・・。あの日、たぶん、あちこちの会社が最終日だった、と思うのだ。
あんなにハンサムな坊やが、なんで『ひとり』だったのだろう。
残念なことしちゃったよなぁ・・・。

この日、友人の職場の先輩とかいう、私の知らない人もいっぱいやって来て。
(こんなことなら、あの坊や、連れてきちゃえば良かった!)
2次会、3次会(だって、明日からお休みだも〜ん!)と呑みまくり、歌いまくり、
お開きになったのは、午前4時だった。タクシーで帰宅して、バタンキュー。

タイヘンなことをしてしまった。翌日(いや、もう当日)友人何人かを招いて、
ウチでパーティーすることになっていたのに。仕込みどころではない。寝てしまって。
起きたのは・・・。昼過ぎ。
慌てて掃除をし、シャワーを浴び、買い物に行き。調理を始める前に全員が到着してしまった。
・・・ので、自慢のキッシュは・・・。作れなかった。(単なる酒盛りになっちまった・・・。)