Director: Campbell Scott, Stanley Tucci
Cast: Stanley Tucci, Tony Shallhoub, Isabella Rossellini, Campbel
Scott, ...
主人公、イタリア移民の2兄弟の弟役をやっている Stanley Tucci は、80年代、TVドラマ(Miami Vice 等)のチョイ役でちらちら見かけたのを記憶している。ディレクターのもうひとり、Campbell Scott と一緒に出演している映画がいくつかあり、ん? と思ったら。このふたり、学生時代からの友人で、仲良しみたい。Campbell Scott の父親は、クセのある俳優(パットン大佐など)の George C. Scott だ。
イタリアからアメリカにやってきた兄弟、プリモとセコンド(名前からふざけてる。『第一』『第二』だって!)は、ニューヨークでレストランを始める。兄、プリモは、こだわりを持つ、必殺料理人(信条は、"To eat good food is to be close to God")。そのため、客の期待する(カジュアルな?)料理が作れない、いや、作りたくない(彼は、アメリカ人の味覚をバカにしているので、そ〜ゆ〜要望に耳を貸す必要はない、と思っている)。かたや、お洒落で口達者な弟セコンドの役割は、店での接客。
店のきりもりをしているセコンドは、財政危機を乗り切るのに必死、もっと客が喜ぶステーキとか、メニューに加えよう、という。しかし、兄プリモは、『ステーキ? それは料理じゃない!』と、全く聞く耳をもたない。そして、利益に関して無頓着なこの兄は、"Give people time, they will learn. (そのうち、奴らも(よい食べ物がどんなものなのか)判るだろう。)" と、のん気なことを。セコンドはキレる。"This is a restaurant! This is not a fucking school! (ここはレストランだっ。学校じゃねぇ〜っつぅのっ!)"
店は、この兄のこだわりから、経営が危うい。まして、近所にファミレスもどきの派手なレストランを開業されて、ピンチに陥る。・・・で、店に有名ジャズ・ミュージシャンを招くことにした。宣伝のため。もくろみは(たぶん)成功、当日(Big Night)噂を聞きつけた人たちが、なだれこむ。しかし・・・、というハナシ。
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このセコンド(Stanley Tucci) のおしゃべりのスピードと『間』が、常に絶妙で、笑えるところが多々ある。本国アメリカでは、ドラマにカテゴライズされていて、ちょっとびっくり。
有名人を呼ぶというアイディアが気に入らない兄が、"People should come for the food." (余興じゃなくて)食べにくるのでなければ、というと、セコンドが、"I know that. I know. But, THEY DON'T!" それは、わかってる。ぼくはね。けど客は違うのっ!
最初の方でいきなり笑ってしまったのは、客とのやりとり。ご主人が肉料理を、奥方がスパゲティを注文した。ご主人の肉料理にはリゾットがついてきた。奥方が、セコンドを呼びつける。『ワタシのリゾットは?』『ご注文されてませんが?』『だって、メニューにリゾットつき、ってあるじゃない。主人のにはつけて、どうして私にはないの?』『ご主人のは、お肉料理で、お肉料理にはリゾットをおつけします。サイドディッシュとして。でも、お客様のは、スパゲッティですから。スパゲッティにリゾットはヘンでしょう。』『何故ヘンなの!』『(ため息)あのですね。スパゲッティは炭水化物。リゾットも炭水化物。炭水化物に炭水化物は必要ないでしょう?』・・・大阪の人にはわからないかもしれない。ゴハンのおかずにお好み焼き、が『ヘン』だと思っていないらしいから・・・。