Director/Writer: P. J. Hogan
Cast: Toni Collette, Bill Hunter, Rachel Griffiths, Daniel
Lapaine
この映画は、ワタシが初めてオーストラリアに行ったとき、現地で劇場公開されていたものです。米国には友人も沢山おり、ちょこちょこ行っていたのですが、目先を変えて南半球に行ってみた。海外で(いや、米国で、が正しいかな)必ず立ち寄るのが、CD屋。日本では劇場公開前の面白そうな映画のビデオが既に販売されていたりする。音楽CDも、かなり安い。粗悪品もあるけど。で、豪州でも立ち寄ってみた。何軒か。驚いちゃったのは、どこの店に行っても、日本では殆ど忘れ去られていた ABBA のベスト版が、ランキング1位で飾ってあったこと。なんだこの国?? って思っていた矢先、友人の薦めもあって、映画館でみることになった映画が、コレ。主人公のミュリエルがABBAファンで、全編に渡ってABBAの懐かしい曲が、ふんだんに使われていたのだ。
主人公は、ちょと太めの女の子ミュリエル(Toni Collette; 実は、この女優、この映画のために、なんと20キロも体重増やしたのだと!!20キロ増やして、ちょっと太め、ですから・・・。ホントの彼女は超スリム。Bruce Willis の映画 "Sixth Sence" の死人の霊が見えてしまう子供の母親役で、スリムな彼女が見れます)。将来の夢、と聞かれたら、いまどき、幼稚園児くらいしか答えないだろう、『お嫁さん』をユメみて日々生活している。父親は市長。やさしいけど、トロい母親。イジワルな妹・弟たち。ABBAファンには申し訳ないが、この映画で、ミュリエルのかなりズレてる加減を表現してたのが、ユメの『お嫁さん』と、好きなミュージシャン『ABBA』という設定です。どちらも、今どき・・・!!っていう・・・。そんなワケで、級友とも、ファッションから話題から、全く合わなくて(本人は、一生懸命合わせようとしているのですが、合わせようと努力しなくちゃならない現実がそこにある)、疎遠にされてしまう。父親は結構派手な女性と、浮気しているのがミエミエで、でもトロイ母はそれに気付いているのかいないのか。夫の友人だと思わされている。この愛人は、家族が外食してると、必ず、『まぁ〜!なんて偶然!』と言って現れ(笑えるシーンです)、友人の顔で、同席する。どこにも就職できないミュリエルは、父の愛人の会社で化粧品セールスの仕事をもらう。支度金をそっくり、同級生の旅行先を追いかけていくのに使ってしまう。行き先で出会った、仲間ではなかったけどもと同級生のロンダ。ちょっと、不良っぽい彼女は、ミュリエルが一緒にいたがった同級生たちのような、チャラチャラした女ではなかった。その、チャラチャラ女たちに邪険にされているミュリエルを見かねた彼女は、その夜、宿泊先のホテルの素人物まね大会(?)に、ミュリエルと出場。演目は、勿論、ABBAのうた。ABBAのプロモ・ビデオをご覧になった方々は、もう、笑うしかない、ってくらいそっくり、っていうか。まんま、っていうか。(ミュリエルが太っているから、まんまダンスが超おかしい!)しかし、楽しかった休日も終わり、やがて、使い込みがバレて、父親に勘当されてしまう。
そして彼女は家を出る。ロンダと一緒に憧れの大都市、シドニーへ。(けどさぁ、シドニーって、オーストラリア一番の大都市、っていうには、ちょっと・・・・。じゃ、他はなに、村?ってくらい、たいしたことない町でした。日本人なら、やっぱ、ブリスベーンの方がスキなんじゃないかなぁ) レコード屋に職を得た彼女は、ある日、客のひとり(結構まじめそうな、若い男の子)に気に入られる。初めてできたボーイフレンドとのお付き合いも、ホント、笑えるシーンばかり。しかし、ある日、オリンピックに出たい南アの水泳選手が、オーストラリアの市民権を得るために花嫁を募集したのに飛びついた彼女。お嫁さんになるのがユメ。形だけ、とはいえ、立派な結婚式ができるし、水泳選手もなかなかのハンサム。選手の方が彼女を見て、『えっ・・、いくら書類上でも彼女はちょっと』と躊躇するところを、条件はなんでもいいから、お嫁さんになりたい、という彼女が利用価値大、と判断したコーチに無理やり説得されて、盛大な結婚式を・・・。純粋な気持ちで彼女を好きになってくれた初めてのボーイフレンドを捨てて結婚する価値があったのか、どうか。まぁ、彼女としては、大威張りで、邪険にした友人たちを、立派な教会に招待して、時の人、となって花嫁に・・・・。