GROUNDHOG DAY (邦題: 恋はデジャヴ)©1993 Columbia Pictures CorporationDirector: Harold Ramis |
もう、笑うっきゃない、この映画。でも、よっく考えると、こういう日があってもいいかしら。『人生、元に戻してやり直しができたら』って、誰でも思うんじゃないかな。けど、それは、1回戻って、または、何回でもいいけど、自分で決定する、という前提があってこそ、と思う。この映画の主人公は、ある日から、『翌日』がなくなります。毎日、起きると同じ日なんです・・・。止められない。これはツライ。
主人公のフィル(Bill Murray)は、TVのお天気キャスター。ホントはアンカーマンをやりたい彼は、ブルースチールを前に、シニカルに、ふてくさって、仕方なく天気予報を伝える(いきなり笑える天気予報!)毎日。そこへ、毎年恒例の Groundhog Day (2月2日。 Groundhog は、アメリカモルモット、まぁ、日本人にはもぐら、にしか見えないこの小動物が、この日穴から出てきてその年の景気を予想する、っていう伝統行事らしい)のリポートを頼まれる。ド田舎のそんな祭りのリポートなんか、まっぴらゴメンと思ったけど、同行するディレクターが、リタ(Andie MacDowell) というので、まぁ、いっか。ってことで、カメラマンを含む3人で、寒〜いペンシルヴァニアへ。局が予約したダサいホテルにチェックイン。
翌朝。撮影の日。6時にセットした目覚ましとともに、"Happy Groundhog Day! yehh!!" という、ダサいDJのラジオ番組がはじまり、不機嫌な気分で目覚めるフィル。シャワーの故障で冷水を浴びてしまった彼は、更に不機嫌に。部屋を出ると、見知らぬ、カッペくさい客に声をかけられ、たんたんと『Groundhog Day を楽しみにしていた』ハナシを聞かされそうになり、逃げる。更に不機嫌に。食堂でコーヒーを飲み、出発。現地に向かう途中、もと同級生だという、保険のセールスマンにばったり会う。記憶がはっきりしないまま、急いでいるから、じゃっ!といって、慌てて逃れようとしたら、歩道との段差にあった水溜りに片足つっこんでしまい、更に更に不機嫌に。・・・・彼にとっては面白くもないリポートを終え、リタたちと打ち上げ気分で呑んで、就寝。明日は、とっとと、このド田舎から抜け出そう、と思いながら。
翌朝。目覚ましが鳴ると、"Happy Groundhog Day! yehh!!" という、聞き覚えのある番組が始まった。昨日とおんなじ録音テープ、使っていやがる、ったく、田舎はよぉ・・・。とぶつぶつ言いながらシャワーを浴びると、冷水が・・。し、しまった、壊れてたんだ。不機嫌なまま、部屋を出ると、昨日の朝、廊下で出会ったカッペくさいヤツと、全く同じ場所で出くわし、昨日と同じハナシを始める・・・。機嫌の悪いフィルは、さっさと逃げる。食堂へコーヒーを飲みにいくと、昨日と全く同じ挨拶をされ・・・。
フィルは、同じ日をまた、過ごすことになる。翌朝、目覚めると、まだ、2月2日。その次の日も、その次の日も、ずっと2月2日・・・。
自分だけ経験しているらしいこのミステリーに、もう、殆どノイローゼになってしまった彼は、飛び込み自殺を図る。これで、この苦しみから解放されると・・・。
しかし、朝、6時になると、彼は同じホテルの部屋のベッドで目覚める。もはや、不死身となってしまった彼。何をしても、このドツボから抜け出せない。自暴自棄になり始めてから・・・。彼は学習する。今日の失敗を、もう一度やってくる今日で繰り返さない(これは、ワタシも経験したいっ!)。朝6時のラジオ番組、DJの台詞を真似ながら・・・、冷水のシャワーは浴びない。ばったり会うことになっている同級生の名前を、復唱し、出会ったときには、『やあ、ネッド!もちろん、覚えているよ!』そして、長話が始まる前に、身を翻し、水溜りをよけて逃げさる。更に、全く趣味も違い、話も合わなかったリタを研究・・・毎日失言しながら、リタの好みの全てを把握して、やがて、まんまと、リタ好みの男になってしまう・・・。この過程(何日もかかるんですが)が、超、笑えます。
リタ役の Andie MacDowell は、あんまり好きな女優じゃないんだけど、この役の女性としては、よかったかな。