CADILLAC MAN (邦題: キャディラック・マン)

 ©1990 Columbia Pictures Corporation

Director: Roger Donaldson
Cast: Robin Williams, Tim Robbins, Annabella Sciorra, Pamela Reed, ...


Robin Williams の映画は、殆ど好きなんで・・・。ちょっとマイナーなヤツを選んでみました。本筋は、どうでもよくて、ある一部分が、超おかしかっただけなので、お気に入り、って言えるかどうか・・・。でも、声出して笑っちゃいましたよ・・・。

主人公の Joey (Robin Williams) は、浮気が原因で、妻ティナ (Pamela Reed) に離婚されてしまう。仕事は、中古車のセールスマン。売上成績を上げたくて、いつ、どこで、どんな会合でも、誰に会っても、すれ違っても、名刺を渡すのを忘れない。仕事のことがかたときも離れないクセに、女遊びは、離婚とともに更にエスカレート。ガールフレンドの彼女は、自称ディザイナーのサイケな娘から、大金持ちの夫人との不倫から、二股、三股、・・・いくつ股?って状態。ある日、客が何人か物色に来ていた中古車センターに、職場の女性社員ドナ (Annabella Sciorra) のクレイジーな夫ラリー (Tim Robbins) が、妻の浮気に血が上り、マシンガンを持って乱入・・・。妻の浮気の相手は誰だっ!?と詰め寄る。ホントはオーナーの息子が浮気相手なんだけど。機転の利かないアホ息子では、取引もできない、と思い、ジョーイが『わ、わたしだ・・・』と名乗り出てしまう。案の定、ラリーは、ジョーイとだけハナシを始める。最初はブッ飛びそうなほどキレてたけど。ジョーイの(と言うより Robin Williams の)話術に引き込まれながら・・・、ラリーは丸め込まれていく。既に警察もかけつけ、ニュースで報道されてしまったため、ジョーイの彼女たちが心配して、現場近くに殺到する。当然、自分以外の女に会うことになり、ジョーイの不実がばれ、それもストーリーの一部か、まぁ、笑えるのだけれど。ジョーイがこのラリーを、アレや、コレやと説得して、結果的には、ジョーイ以外の人質を解放したあとで、ジョーイと共に投降することになる。

超、おかしくて、ゲラゲラ笑っちゃったのは。この、中古車センタの真向かいにある中国料理屋。特殊部隊が、この店に目をつけ、本部をおくことにするのだが。リーダーのメイスンが部下を連れて来て、一通りの説明を(英語で)すると、中国人オーナーのオヤジは、うなづきながら話を聞いていた。メイスンが、"Understand?" と確認し、オーナーが頷いたので、メイスンは、"Good!" と言い、部下を配置につかせるが、オーナーは、 "Are you dining?" (お食事ですか?)と聞く。それまでのメイスンのハナシは、まったくもって理解していなかったのだ(爆笑)。双方の行き違いを、双方が誤解したまんま、警察の連中は、餃子だの、シュウマイだのを、配膳されるままバンバン食いながら、向いの事件現場の監視を始める。ラリーの引きこもりが長引いたため、本庁から、メイスンの上司が、自分の部下を連れて応援にやってくる。この中国料理屋へ。ずかずか、と店の入り口から入り、メイスンのいるところまで行こうとすると、店のウエイトレス(当然中国人の女性)が、『お食事ですか』と尋ねる。この上司は、『いや、食事に来たのではない、メイスンの・・』と言いかけると、ウエイトレスは、『食事でなけりゃ、席はないよ。食事でも満席だから、並べ』という。上司は『・・・?なんのこっちゃ?』 口早にまくし立てる彼女に取り付く島もない。彼女は "No eat, No seat. Go home!" (食事しないヒトに席はない。帰れ!)と追い出そうとする。上司は『いや、それは困る。』というと。彼女は、"Okay, you eat. Then wait here 'till your seat will be ready ." (あ、お食事ね。じゃ、席があくまで、ここで待ってろ)と言う。圧巻は、事件が解決し、警察が引き上げようとしたとき。このウエイトレスがお勘定書き40何ドルをつきつけると、メイスンが『は??あれ、サービスじゃなかったの?食事しに来たわけじゃないぜ』って捨て台詞を残して、カネ払わずに部下を連れて立ち去ろうとしたとき、このウエイトレスは、"Don't move. I'll call police now." (動くんじゃない!今、警察を呼ぶから)と言い放つ。メイスンは、笑っちゃって、"What? Oh, you call police? We're...." (なんだって?警察呼ぶって?我々が・・)中国人らは、聞いちゃいない。911で警察を呼んでしまう。

本筋は、サスペンスもどきのコメディー(Robin Williams だもの。彼が話し始めたら、もう、コメディだわよね)なんだけれども、とにかく、この中国人たちが面白い。英語わかんないままビジネス始めちゃう、または、自国以外の土地でも、同国人同士のコミュニティでサバイバルなんか考えて移住する異邦人。このレストランは、和食のレストランでも良かったかもしれないのだ。ティム・ロビンスのクレイジーな男(夫)役も、よかったです。キレまくってたクセに、結構人情家だったりするところが、チラリと・・・(どっちか、っていうと、頭悪くて、洗脳されやすい、と言った方が正解かも)。ロビン・ウィリアムスのおしゃべりと、中国料理屋でのやりとりが面白いので、ぜひ、原語(吹き替え版でないやつ)で見ていただきたい一品です。