この物語は…
この地球の平和の為に、愛する者がいる世界を護る為に、命を掛けて戦う正義のヒーロー達の
愛と正義と感動の青春ストーリーである。
第1話 行け!我らが]戦隊ヘヴドラレンジャーよ!!
本日の空は『]戦隊ヘブドラレンジャー』第一回目連載を祝福するかのように雲一つない清々しい青空。
―――ではなく、降水確率40%という何とも微妙な灰色。
平たく言うと曇り空であった。
さぁ!無駄にちょっと長ったらしいような気がしないでもない前置き置いといて本編をスタートさせよう!
ここは奇人、変人の宝庫 CLAMP学園。
この物語の主人公 司狼神威 は只今幼馴染である小鳥と一緒にお昼ご飯の真っ最中だ。
普段ならクラスメイトであり、親友でもある昴流とその双子の姉北都も一緒なのだが、今日昴流は仕事があり学校を休んでいる。
ちなみに北都は昴流がいなければお昼を一緒しない。
本人曰く『私は馬に蹴られて死ぬなんてまっぴらよv』とのこと。
小鳥が作ってくれたお弁当を食べながら『この卵焼きうまいなぁ〜』などと<]>の世界の中でシリアス真っ盛り、激戦区真っ只中に身を置いているような人物とは思えない程のほほんとしたことを考えている神威であった。
しかし、それでは話が進まないので神威の日々のささやかな幸せをぶち壊す為の某女性の元気な歌声がメロディーに合わせてCLAMP学園全土に放送を通して響き渡った。
≪わたしはかわいい団地づ〜ま♪ 水・金燃えないゴミの日よ〜♪ 町内会にもにもちゃんと出るぅ〜♪≫
「・・・・・・・・・・・・・・・」
幸せ一色だった神威の顔がみるみる暗いものなっていく。
この曲は『呼び出し』のサインであった。
何故いつも人がこう幸せな気分にいる時に限って邪魔をしてくるのだろか?
わざとやっているような気がする。
実際、わざとやっているのだが、根が素直な神威は気づかない。
神威が溜め息をついてる横で小鳥は元気よく満面の笑みで「いってらっしゃい」と言っている。
仕方無しに神威は食べかけのお弁当を胃袋に流し込んで慌てて指示されている集合場所に向かった。
―――CLAMP学園の敷地内にある、とある場所の地下。
ここの場所は企業秘密なので今は公表を控えておこう。
決して、作者が秘密基地の場所を未だに決めていないからとかではないので悪しからず。
神威はいつものように更衣室に駆け込んだ。
『脱いだ服は綺麗に畳むのは最低限のマナーです。』と書かれてあるロッカーを開け、慌しく着替える。
一応言っておくが、ボタンを押したら変身!などという今の化学力を完全に無視した芸当など出来るわけないので、皆頑張って自力で着替えております。
「神威!遅いわよ!!そんなんじゃリーダー失格よ!」
これでも早く着替えてオペレーション室にやってきた神威である。
それを何故かオペレーターをやってる(まぁ〜趣味でやってるんだろうが)北都に罵倒された。
別に好きでリーダーになったわけじゃない。 と心の中で思うが、この親友の姉には敵わないことなど今までの学園生活において骨の髄までわからされてるので思うだけで留まっている。
すると、
「せや!そんなんやと世界の平和は守られへんで!」
「神威さん一緒に頑張りましょうね!!」
「でも神威君、今日は42秒で着替えましたよ。早くなったじゃないですか」
「ですがここまで来る時間がかかりすぎてます。次回からは全力疾走で来てください」
などと、自分と同じ宿命に生まれた(巻き込まれた)仲間達の声が聞こえてきた。
ちなみに彼らは既に着替えを済ませて、準備万端であった。
(速過ぎるだろ…)とかなり猛スピードで来たのにも関わらずビリッケツ(死語)になった神威は思わずに入られない。
(っと言うかタイムまで計ってるし…)更にそんなことを思うのだが口には出さない。
だから周りに流されてこんな面倒な役をやらされることになるのだが、本人に自覚は無い。苦労人の性である。
『やぁ♪諸君。揃ってくれたようだね。』
その時このオペレーション室に似つかわしい無駄にバカデカく金かけてそうなモニターに
金髪の金持ちオーラを漂わせているフェミニスト顔の少年(勿論扇子完備)と
書類の束を持ってその金髪少年を睨みながら頭に怒りマークを付けた青髪に少年、
それからいつもボケボケしてそうな満面の微笑みをかもし出してる黒髪の少年が映し出されていた。
因みに彼らの横にあるテーブルに美味しそうなケーキと紅茶があることは言うまでも無い。
「「「長官!」」」
全員がモニターに向かって敬礼をする。それは某独裁国家並にの数_の狂いも無く揃った敬礼であった。
それを見て(何でそんなやる気満々なんだよ…)と神威が心の中で突っ込んだのも言うまでも無い。
『急に呼び出して申し訳無い。学生の君達にとって昼休みという時間は至福の時間であることはわかっている。しかし事件が発生したからには時と場所を選んでる暇は無い!』
金髪の長官が申し訳無いと言いつつ実に楽しそうに言い放つ。
神威は訝しげにモニターに映る長官の見るが、彼はそんな瞳など気にも留めない。
『火煉君』
長官が呼ぶと、オペレーターの火煉はPCを操作した。
すると今まで大画面で長官が映っていたモニターに、新しい扉(ウィンド)が飛び出しそこにCLAMP学園全体の地図が表示される。地図のある部分が目立つように赤色になっている。
『今回の任務地はここだ!』
赤色で示された部分が拡大表示される。
『今この場所にやっかいな敵が大量発生している!ちなみにLv(レベル)は42だ』
その中途半端な数字はなんやねん!?と読者からの突っ込みを無視してこの話は進む。
『君達の任務は彼らに《正義》とは何か?ということを彼らに教えてくれたまえ!
――]戦隊ヘヴドラレンジャー出動でよ!』
いっせいに敬礼するメンバー達。正義の味方!]戦隊ヘヴドラレンジャーの任務開始である。
「どうでもええけど第1話なんやったら登場人物の紹介すんのが礼儀ちゃうん?」
え?そんなのめんどくさいから嫌ですよ。
「・・・・・・・・・・・・・」
登場人物の紹介はご自分で《設定》を見て確認してくださいねv
別に作者が手を抜いて書いてるわけじゃないよ?本当だよ?
―――CLAMP学園正門前
神威を筆頭にヘヴドラレンジャーの皆は先ほど長官に指示された場所。
学園に5つあるCLAMP学園の出入り口の1つ、幼等部付近の正門近くに来ていた。
物陰に隠れて正門の様子を伺う。
自称(笑)正義の味方であるヘヴドラレンジャー。しかし、はたから見ればコスプレ変態集団が怪しい行動をしているようにしか見えないのは言ってはならない暗黙の約束である。
「敵さんはあそこやな」
黄色(空汰)が正門を見つめる。
正門では何人もの『敵』が騒がしくしている様子が見えた。
「どうやら複数犯のようですね」
「赤(神威)さんどうしますか?」
「早くしないとお昼休み終わって授業始まってしまいますよ?」
全員が赤(神威)に熱い視線を注ぐ。
「えぇ〜と…じゃあとりあえず、行ってみようか…」
それに対する赤(神威)の答えは戸惑っているようだった。
赤(神威)が、一応リーダーの自覚があったのか先頭に立って出ていこうとするのを黄色(空汰)がその腕を掴んで引き止めた。
「赤(神威)あかんでぇ!ヒーローは高い所から登場するのが絶対条件や!」
そう言う黄色(空汰)の瞳の奥は熱かった。
黄色(空汰)は懐から打鉤(うちかぎ)またの名を鉤縄(かぎなわ)と呼ばれている数百年前に滅んだと思われる忍者の道具を取り出した。
ちなみに、『打鉤』って何!?『鉤縄』って何!?と思われる方。
説明するのは難しいので自分で検索でもして調べてくれたまえ(マテやコラ)
決して作者が手を抜いてる(以下省略)
赤(神威)は、そんなもん何で持ってるんだよ!?という驚きの目を黄色(空汰)に向ける。
「うわぁ〜♪黄色(空汰)さんそれどうしたんですか!?」
同じく疑問を持ったピンク(護刃)がTVの某アニメ番組でしか見たこと無い道具を目の前にして興奮気味に聞く。
「これはわいの『空ちゃん七つ道具(仮)』のひとつや♪」
こんなもんを後、七つも隠し持ってるのかはわからないが、よく見ると黄色(空汰)が持ってる打鉤には『鷹村』という名前が刻まれてあることは気づかなかったことにしよう。
黄色(空汰)が持っていた自称『空ちゃんの七つ道具(仮)』のひとつ打鉤を使って、ヘヴドラレンジャーの皆は敵に気づかれないように正門の上に登った。
そしてポジションを確認し、準備万端で戦闘体制に入る。
「いまや!」
リーダーではないが仕切る黄色(空汰)の声で皆が一斉に正門の上に立ち上がる。
※注意・よい子だろうがわるい子だろうが危険ですのでマネするなら周りの人にバレないようにしてください。なお、怪我しようが、意識吹っ飛んで重傷になろうが、天へ召されようが私は一切責任はとりませんv
それはさておき、我等がヘヴドラレンジャーは正門の上でバランスと取りながら高らかに敵に言い放つ!
赤(神威)「そこまでだ!!!」
お決まりのセリフから入るのも戦隊モノの絶対の法則である。
黄色(空汰)「どこどいつやか知らんけど」
ピンク(護刃)「奇人・変人の多いこのCLAMP学園の平和を」
オレンジ(嵐)「そして私達が愛する地球の平和を脅かすことは」
青(蒼軌)「この僕達が許しませんよ!」
赤(神威)「えぇ〜と…『愛と正義の…セー』ってえ?セーラー服って何?」
赤(神威)が以前、セリフだ!と言われた時に手渡された紙を見ながら困惑した様子を示す。
青(蒼軌)「赤(神威)君、ちゃんとセリフは覚えてなくちゃダメですよ」
赤(神威)「あ、すいません。あの…でもこれって…」
またこのネタかよ…という突っ込みは無視して先へ進もう。
決して作者が他にネタが浮かばないとか、手を抜いてる(以下省略)
赤(神威)は考えた。
今は決めセリフを言う最中だ(たぶん)
コレが無ければ一人前の戦隊モノとして認められない(と思い込んでいる)
だが、以前に手渡された紙に書いてあるセリフは明らかに間違っている(しかもパクリ)
新たなセリフを今即席で考えなければならない(カッコイイのを)
しかし、誰も自分に手を差し伸べてくれる者はここにはいない(皆薄情者)
混乱した頭が頂点に達した時に赤(神威)は閃いた!!
これならば皆が納得し、戦隊モノファンにも太鼓判を貰えるだろうと思う決めセリフが出来たのだ!!
赤(神威)は今まさに思いついたばかりのセリフを高らかに宣言しようとしたその時。
黄色(空汰)「まぁ〜なんでもええわ!『わい等!]戦隊ヘヴドラレンジャーが成敗したるでぇ!!』」
あまりに赤(神威)が遅いので、黄色(空汰)に1番おいしい場面を持っていかれた。
出遅れた赤(神威)は発せられなくなった言葉を飲み込み、しばらく口をぽかんと開けたままの状態でいるしかなった。
何ともタイミングの悪い、情けない薄幸リーダーであった。
そんなリーダーはほっといて話を進めよう。
突然現れた自称正義の味方ヘヴドラレンジャーに今回の『敵』から歓声のお声が飛び交う。
「わぁー!!!」
「本当に来たー!!!」
「しゅごーい!!!」
「僕もあそこ登るー!!!」
「危ないからダメだよ〜」
「あの人たちは正義の見方だから登れるんだよ。」
「皆も危ないからやっちゃダメだよ〜」
「「「「はぁ〜い!!!」」」」
『敵がいる』と言われて来た正門付近にはどう見ても『敵』には見えない幼等部の子供達とその先生と思われる大人が数人いた。
子供達はまるで遊園地で行われるヒーローショーを見るような視線をヘヴドラレンジャーの皆に向けている。
園児の約1名が「あら、私の20面相の方が素敵よ」と言っていた気がするが聞かなかったことにしよう。
「・・・・・・・・・・」
目が点。とはこのことである。
「あの…長官…」
赤(神威)は混乱した頭で悩みつつ、この事態の繊細を聞くために通信機(小型モニター完備)で長官に呼びかける。
『こちら]戦隊ヘヴトラレンジャー、本部司令室、長官。赤(神威)君何かね?』
何か問題でもあったのかと問う長官に赤(神威)は答える。
「あの…今回の敵って…どう見ても…あれって子供じゃ…」
内心汗ダラダラな赤(神威)をよそに、長官は高らかに宣言する。
『赤(神威)君まだまだだな!いくら正義の味方と言っても敵を倒すだけが任務ではない!!』
そうだ!後楽園遊園地で子供と握手するのだって立派なヒーローの任務なのである!
『あれを見たまえ!』
赤(神威)は(モニターで)言われた方角を見る。
よく見ると子供たちがいる辺りの正門の壁にはクレヨンか何かで描かれた複数のラクガキが施されていた。
CLAMP学園の壁にラクガキなど珍しいことだ。
まず、超難解な妹乃山家特製のセキリティーを潜り抜けてなければならないのだから。ラクガキひとつで命がけである。
勿論例外はある。CLAMP学園の壁に芸術を感じて是非その壁に絵を描きたい!!というような生徒には心置きなく描けるように協力は惜しまない。
そんな生徒など、『普通』の学校にはいないだろうが、ここはCLAMP学園。何でもありだ。
話が脱線してしまった。平たく言うと『CLAMP学園にラクガキなんて珍しい』と言いたかっただけだ。
では物語を進めよう。
「……あの…あれって…」
どう見てもそこにいる子供達のやったものだ。
『君達にもあったであろう!子供の時に隣近所の家の塀にラクガキをしてみたいと思ったことが』
もう、何がなんだか解らない赤(神威)に、更にわけわからんことを続ける長官の声が届く。
『今の世の中。子供の時に満たされなかった欲求が青少年時代になった時に爆発して、非行という道義にはずれた行為に走ってしまう者が増えてしまうのではないか』
モニターの長官は右手に持っていた扇子を音を立てて開く。
その扇子には【長官素敵v】と書いてるが、今はそんなのどうでもいい。
『そこで君達の出番なのだよ。赤(神威)君』
長官は更に左手から手品のように扇子を取り出す。
その扇子にも【長官最高!】と書いてあるが(もう、以下略)
『彼等が我が学園の壁にラクガキをすることによって子供心の欲求を満たし、尚且つ、この場で君達《正義の味方》が現れることによって、彼等はこの行為(ラクガキ)はイケナイコトと知り、清く正しく美しく成長していけるというわけだよ!』
自信満々の長官の瞳の色は燃えていた。モニターの後ろで控えている黒髪の少年の『素敵です会長!』という声が聞こえる。
「何て子供思いなんや!!」
「長官さん素敵です!!」
「流石です」
「やはり長官は心意気が大きい方ですね」
長官とリーダーのやり取りを聞いていたヘヴドラレンジャーの仲間が感動して声を荒げる。
涙を流している者までいる。誰とまでは言わないが(笑)
「長官の気持ちに応える為にも頑張るでぇ!!!」
「「「えいえい、おー!!」」」
何時の間にやら主人公差し置いて円陣囲んでるメンバー達。
円陣を囲んだ後メンバーは次々に正門の上から子供達の前へ飛び降りた。
まだ正門の上にいたのかよ。という突っ込みはしないでくれたまえ。
皆、シュタッ。という音と共に降り立つ。
約1名ドテッ。という音を立てて土まみれになったのは言うまでも無い。
〜戦闘開始〜
ピンク(護刃)「良い子の皆!壁や物にラクガキしちゃダメなんだよ!」
オレンジ(嵐)「絵を描きたいのでしたらお絵描き帳にしましょう」
【ヘヴドラレンジャーは必殺技No.29『《正義》のお説教』で敵を攻撃した】
「「「はぁ〜い!!」」」
【敵は素直に改心した】
青(蒼軌)「じゃあ良い子の君達にこのお絵描き帳をプレゼントだ」
【ヘヴドラレンジャーは念のため敵を餌付けしておいた】
「「「ヘヴドラレンジャーありがとう!!!」」」
【ヘヴドラレンジャーは勝利した】
〜戦闘終了〜
戦闘を終え、園児達は先生に引率されながら幼等部の校舎(園舎?)に戻っていった。
「なかなかの死闘やったな」
「そうですね!でも子供達が素直で良かったですね!!」
「これであの子達も無事、真っ直ぐに育つことでしょう」
「素敵な事件でしたね。お陰でいい記事がかけそうです」
戻っていく子供達を暖かい目で見送るヘヴドラレンジャーのメンバー。
色々突っ込みたいセリフもあったが、そんな些細なこと気にしていたらハゲるので辞めておこう。
ちなみにリーダーは未だに正門の上でボー然としていた。
『皆お疲れ様♪ナイスな戦いっぷりだっわよ!』
オペレーターの北都の声が通信機から聞こえる。彼女は続けざま、『赤(神威)!いつまでもそんなとこにつったってんじゃないわよ!』と怒鳴るのも忘れない。
『さぁ皆♪本番はこれからよv』
赤(神威)がしぶしぶ降りてきたのを見計らって、北都が満面の微笑みで言い放った。
午後の授業の始まりのチャイムがCLAMP学園全体に響き渡る。
ここはCLAMP学園幼等部正門。
この場にそぐわないコスプレ集団が、これまたそのコスプレにそぐわない洗剤と雑巾を持って、さきほど幼等部の子供達に描かれたラクガキを必死に消していた。
「これって普通特撮ヒーローがやることじゃないと思う」
ボソっと呟く赤(神威)に何を今更だと思うオレンジ(嵐)が注意する。
「赤(神威)。口を動かす前に手を動かしてください」
「そうですよ、赤(神威)さん!!これだって立派な正義の味方のお仕事ですよ!!」
ピンク(護刃)もオレンジ(嵐)に続く。2人がかりで言われては反論など出るわけも無い。
赤(神威)はそっとため息を漏らした。
先ほど北都と通信した直後、何時の間にか用意されていた、洗剤とバケツ、そして雑巾に気づいた。
これでラクガキを消せ!と命令した北都といえば、
『じゃあ、皆頑張ってね♪私は午後の授業があるからばいばぁ〜い♪』と、さっさと教室へ戻っていった。
勿論長官一同も学生であるので同じだ。『では諸君、正義の為に頑張ってくれた前』と扇子を開くと後ろに構えていた青髪の少年に引きずられるようにして司令室を後にした。
赤(神威)はラクガキされた壁を見渡した。…先はまだまだ長そうである。
「赤(神威)!もっと力入れてやりぃ!」
赤(神威)には理解出来なかった。何故そこまでこんな雑用に燃えられるのか。
っというか、これは明らかに『正義の為』という言葉を使って雑用を押し付けられているような気がする。
勿論、その事実に気づいてるのは赤(神威)のみである(たぶん)
「おっしゃー!皆気合入れて消すんやでぇ!!!」
「「「おー!!!」」」
「…お〜…」
気合を入れ直した途端に頬に冷たい感触がした。
「へ?」
驚いて空を見上げると天から恵みの雨がザーザーと勢いつけて降り始めた。
「…………」
「雨にも負けず、風にも負けず、皆さん頑張りましょう!」
「「「おー!!!」」」
雨が降ってもなお続けようとする仲間を見て、赤(神威)は今日最も深いため息をついた。
願わくば、今日の午後からの授業のノートを小鳥が取っておいてくれること祈る。
――頑張れヘヴドラレンジャー!! 風邪をひく前に終わらせるのだ!!
君達の戦いは文字通りこれからだから!!
CLAMP学園の(雑用)平和を守る為! 愛する者を守る為!!
行け!我らが]戦隊ヘヴドラレンジャーよ!! ――
END
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