黒斜子(クロナナコ) Echinopsis famatimensis |
小型ながら特徴のある種。直径4〜5cm、高さ7cmくらいの長卵形。体色は灰色がかった暗緑色で、十分に陽光を浴びるとコーヒー色を帯びる。体表面には細かい疣が密に並ぶ稜が走る。稜数は30余り。 刺は黄褐色でデリケート、長さ約3mm。花は鮮黄色、外弁は幾分赤褐色を持つことがある。花径は約3.5cm。春〜初夏咲き。 花つきは余り良いほうではない。めでたく開花したらじっくり観賞するのがよい。根部は塊根状。成長は遅い。 原産地はアルゼンチン。日本への渡来は1932年ころ。本種は一般に接木で育てられている。台木をはずして正木にする(接ぎおろしという)試みをしたことがあるが、発根はむづかしい。 本種は外見の特異性の故か、分類上の地位が何回も変遷した。ブリトン・ローズ分類ではMalacocarpus reichei、バッケルベルク分類ではReicheocactus preudoreicheanusと記載されたが、現在は写真の上に記した様にエキノプシスとされる。但しこの学名には"陽盛丸"という和名が対照されており、現実的には別の植物が流通しているので釈然としないものがある。 |
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