アステキゥム・ヒントニー Aztekium hintonii |
本種の発見は1990年。1965年にユーベルマニア・ペクチニフェラ
Uebelmannia pectinifera がブラジルで発見されて以来のビッグニュースであった。長年孤立の存在だった花篭に強力なパートナーが出来たわけである。自生地は花篭と同じヌエボレオン州で、しかもそれ程遠くない地区と聞いて驚く。 全体の感じは誰が見てもアステキゥム属と納得出来る。花篭との違いは稜背が薄く稜線がすっきりしていること。育つ過程で稜線は白毛で飾られる。 体色は花篭より濃い緑色。花色は鮮やかな紫紅色。最大の違いは球体の大きさで、文献には10cmと記されているが、何本かまとめて入手した人の裁培品の中には体径20cmに及ぶものがあった。花篭より遥かに根張りがよく生育も早い。 |
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同時に同じ場所で新しいカクタスが発見され、ゲオヒントニア・メキシカナ Geohintonia mexicana と名付けられた。灰白色の肌で稜背は薄い。 明らかに別種であるが、花はこのヒントニーに酷似している。ヒントニーと混生する自生写真を見て、両者間の雑種が出来ないのを不思議に思う。昔、ヒントニーと他の何かとが交雑してゲオヒントニアが生じた、とする説もある。 自生地では村人達が、ヒントニー詣での外国人を閉め出す算段をしたり、案内料と称してドルを強要したり、とか不穏な話が聞こえてくる。伝手無しではこの部落に近づかないほうがいい。 |