長野市大豆島ゴミ問題を考える会
要望書

区長・審議員様


 検討会の問題点をふまえ、施設計画の結論を急がないよう要望します。
区長ならびに審議員の皆様におかれましては、日々、大豆島・松岡地区プラスチック製容器包装圧縮梱包施設計画の問題解決にご尽力いただき敬意を表します。


 
11月に開催された大豆島・松岡における住民説明会においては、施設の安全性への不安が区民の意見として出されました。ゴミ問題を考える会による「住民を含むガラス張りの検討委員会設置」の要望を受けて、長野市が、12月25日に学識者を集めた初の設置検討会(住民不参加、傍聴10名のみ)を開催したことはご承知のことと思います。

 検討会では、1時間ほどの市からされた施設計画説明と提出された資料に基づき、施設からの排水、化学物質、騒音、環境モニタリング等について討論され、1時間あまりの短い時間の中で様々な問題点が指摘されながらも「条件付きで建設計画は妥当」との結論が出されました。

 私たちは、「全く異物が混入しない分別収集、すなわち、“ゴミ”という本来の性質からいって不可能であることを前提にしなければ、大気汚染の危険が伴う」という今回の検討会の結論を受けて、ますます施設の安全性に対し不安を募らせております。

「長野市が実施した生活環境影響調査(アセスメント)では不充分であり、詳細な設計に基づいた精度の高いものでなければ生活環境への影響はわからない」と率直な意見を述べた検討委員の立場は、まさに、説明会で化学物質の調査もなしに「施設は安全ですから納得してください」と言われ、住民が困惑した状況に酷似しています。

 さらに気がかりなのは、検討会では立地条件にもよりますが、焼却場から排出されるものと圧縮梱包施設から発生するものとの複合汚染について触れられていなかったことです。

 今回の検討会の議論は、大豆島地区へのごみ関連施設の一極集中に対する是非は棚上げにしたままであり、そんなに安全な施設ならばどうして他の場所の建設ではだめなのかという私たちの素朴な疑問は払拭されておりませんし、最近、大豆島にゴミ処理施設ばかりできてきて本当に安全なのかという住民不安もあります。

 40数年間、松岡・大豆島地区の焼却場の煙突から排出されたものが土壌や川、植物や生き物たち、そして農地および農作物の中に微量であっても長い時間をかけて堆積し、どれほど環境に影響を与えているか、誰もわかりません。

 また、いくつかの重大な問題点の指摘がありながらも「施設計画は妥当」という結論は、いささか早計に過ぎたのではないでしょうか。区民の生命と財産、農地および農作物に深刻な影響をあたえることが心配される施設設置に対し、有識者からなる専門委員会がたった一時間程度の討議で設置の是非を判断することは、各委員の社会的なお立場からいってもふさわしいものではないでしょう。

 私たちは、今回の施設建設問題はまだまだ解決していないと考えます。

 区長ならびに審議員の皆様には、引き続き地区住民の意見・要望を吸い上げての大豆島・松岡地区プラスチック製容器包装圧縮梱包施設計画の問題解決の立場に立っていただき、審議員会においては慎重な議論お願いいたします。

 わたしたちは、区の役員の方々と協力しあい、地区住民の総意と納得によってこの問題が解決していくことを望み、大豆島地区の未来に禍根を残すものにならないように、知恵を出し尽くし全地区住民の手によって大豆島の安全な未来を築くことを期待します。
 
 以上の趣旨をご理解いただき、重ね重ね施設設置にあたりましては審議員会において慎重な議論いただき、結論は急がないようにお願い申し上げます。

                     長野市 大豆島ゴミ問題を考える会