岩石の組織

中央アフリカ共和国

 中央アフリカ共和国2011年12月27日発行の小型シートには藍晶石クリノクレース(斜開銅鉱),石灰岩を描く3枚の切手が収められています。それぞれの切手には顕微鏡像も描かれています。特に石灰岩を描く切手はその構成粒子としてウーイド(ooid,魚卵石)が描かれています。これは貝殻などの破片や砂の粒子を核とし,その外側に炭酸カルシウム等が沈着,層をつくっているもので,直径2mm以下のものを指します(2mmを超えるとピソイドと呼びます)。結晶の伸びが球面に対して直角に,平行に配列しているのも特徴でここまで正確に描かれています。ウーイドを描く切手の発行は初めてかもしれません。

2011年12月27日発行

アファール・イサー

 アファール・イサーってどこ?・・・と思い調べたところ,紅海のインド洋側,アフリカ側あたりのようです。それにしても偏光顕微鏡像を切手図案にするとは思い切ったものです。こんなのは,あとローデシア(1971年発行)の切手くらいでしょうか?もっともローデシアの切手は偏光顕微鏡像(花崗岩)に加えて,白雲母のコノスコープ像というものまで切手にしていますからもっとすごいかも・・・

1971年発行

ローデシア

 そのローデシア発行の切手です。こちらはトップページに初日カバーを展示してあります。ローデシアの地質図等と計4種のセットで発行されました。この切手では何と言ってもコノスコープ像でしょう。コノスコープ像は偏光顕微鏡を使って鉱物の光学的性質(一軸性,二軸性正,二軸性負)を決定できるのですが・・・こんなマイナーなものが描かれるとは・・・いや〜凄いです!!!

1971年8月30日発行
花崗岩 白雲母のコノスコープ像

ダゲスタン 

 まだありました。偏光顕微鏡像の切手図案。・・・ダゲスタンってどこ?・・・ロシアの南西部,カスピ海に面したあたりのようです。これもアファール・イサーの切手と同じ火山岩の組織(斑状組織)ですね。

1998年発行

メキシコ 

 久しぶりに偏光顕微鏡像の切手が発行されました。Allende 隕石の背景に偏光顕微鏡像が描かれています。石質隕石(コンドライト)特有のコンドリュール(丸い結晶)がよく分かります。

2005年発行