Feldspar 長石

 長石類はカリ長石(Orthoclase,Or),曹長石(Albite,Ab),灰長石(Anorthite,An)の3つの成分が適当な割合で混じり合ったものです。その割合によって長石には多くの鉱物名がつけられており,大きくアルカリ長石グループ(Or成分とAb成分が混じった長石)と斜長石グループ(Ab成分とAn成分が混じった長石)に大別されます。
 切手としてはアルカリ長石グループは正長石,微斜長石(アマゾナイト・天河石含む),アノーソクレースが,斜長石グループでは曹長石,曹灰長石(ラブラドライト)が描かれています。また,このほかにNaやKの一部がBaに置換されたHyalophane(重土長石)や,サンストーン(日長石)も描かれています。サンストーン(日長石)は紅色の斜長石で結晶内部に含まれる物質により光が反射されるアベンチュリン効果により赤い色合いを生じたものです。また,タジキスタン(1999年)やマリ(1998年)の切手に描かれた曹長石は平板状結晶の集合体となっており,クリーブランド石と呼ばれています。メキシコ(2005年)発行のValencianiteは氷長石(正長石の一種で透明,白色のものが多い)の亜種です。ジブチ共和国2010年発行に描かれているアデュラリア(氷長石)は無色透明の正長石のことですが,実際はムーンストーンと同義として用いられることが多いそうです。ムーンストーンはアデュラレッセンスという効果を示しますが,この言葉の語源がアデュラリアだそうです。


アルジェリア 2002年7月24日

ジャージー 2007年1月23日

エチオピア 2007年12月25日
Orthoclase 正長石 KAlSi 単斜晶系

ジャージー 2010年3月9日発行

メキシコ 2005年

ジブチ共和国 2010年
 
スイス 1960年

サントメ・プリンシペ 2007年2月2日 
 
Microcline 微斜長石,アマゾナイト KAlSi 三斜晶系

ケニア 1977年12月13日

ニジェール共和国 2014年9月10日

モントセラト 2013年1月31日

ザンビア 1982年1月5日

仏領南極 1996年

チャド 1998年11月12日

ウガンダ 1988年

サントメ・プリンシペ 2007年2月2日
Anorthoclase アノーソクレース (Na,K)AlSi3O8 三斜晶系

ソマリア 1995年
Albite 曹長石 NaAlSiO8 三斜晶系

タジキスタン 1999年

マリ 1998年

ギニア・ビサウ 2009年4月10日

モナコ 1990年


キルギス 2001年

キルギス 2001年
Labradorite 曹灰長石 Ab50An50-Ab30An70 三斜晶系

ソマリア 2002年12月9日

マラウィ 2007年

ウクライナ 2010年12月31日

サントメ・プリンシペ民主共和国
2013年9月10日
Sun Stone 日長石(サンストーン) CaAlSiO 三斜晶系

マラウィ 1980年8月20日

モントセラト 2013年1月31日
Hyalophane 重土長石 (K,Ba)Al(Si,Al)O 単斜晶系

ボスニア・ヘルツェゴビナ 1988年