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山笑う火剣山の里の花

遠州七坊の一つ、火剣坊大権現を祭る火剣山の急峻な南面に営まれる村落の春を里山を歩く会の皆さんと楽しんだ。

山笑ふふるさとびとの誰彼に     楠本憲吉
山笑ふ野はさざ波の光満ち      手塚 順

 
行きつ戻りつしていた春もやっと本格的となり、里の山もにぎやかに訪れた私たちを優しく微笑んで迎えてくれた。


久方のひかりのどけき春の日にしづ心なく花のちるらむ     紀友則

かすかに頬をなでて風がわたると、谷向こうの花の盛りの山桜から離れた白い花びらが、蝶の群れのように飛び立っていった。
「山桜の花びらはソメイヨシノの花びらの何倍も薄くて軽い。そやから、風のない日にも気流に乗って、どこまでも流れてゆけるのや」と語るのは京都の桜守、佐野藤右衛門さんである。


ソメイヨシノ Prunus X yedoensis コナラ Quercus serrata


タカオモミジ Acer palmatum タチツボスミレ Viola grypoceras


サルトリイバラ Smilax china クサイチゴ Rubus hirsutus


シャガ Iris japonica
 松むらのを暗きに咲く蝴蝶草の花
        ははるけきものを思はしめつつ
                            谷 鼎 
ヤマグワ(雄株) Morus australis(♂)
 我が家の庭にも小鳥の落し物から生えたヤマグワが1本ある。雌株で毎年実をつけるのだが近くに雄株は見当たらない。風はどこから花粉を運んできているのだろう。


ニオイタチツボスミレ Viola obtusa スミレ Viola mandshurica


サワハコベ Stellaria diversiflora
 名のとおり山谷の沢のほとりが好きなハコベで、よく目立つ葉柄と蟹の鋏みのような花びらが特徴的である。低山地では比較的稀ではないだろうか。
ヒゴスミレ Viola chaerophylloides
 エイザンスミレと似てはいるがより細かく葉が切れ込んでいて花の色が白い。宮城県以西に分布しているというが、この株は植栽したものだそうだ。


アケビ Akebia quina
 花びらはなく3枚の蕚がメシベ、オシベを抱いている。柱頭には花粉を捕らえる粘液がある。
ニワウメ Prunus japonica
 学名の種小名はjaponicaだが中国原産。命名者のチュンベリーが日本原産と思い込んだ。


キランソウ Ajuga decumbens シロスミレ Viola patrinii

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