October

庭の花便り Garden Flora Report

~ 10月の花 Flowers in October ~


索引  アカバナワタ アマクリヌム アルガローボ イエローマジェスティー エッピンゲイ・グミ オオオナモミ
 オオベンケイソウ カセンキセワタ ガーリックバイン キクイモ キバナシュクシャ キョウチクトウスズメ
 クジャクアスター クラリンドウ クリドンナモドキ コートダジュール コガネタヌキマメ コスモス ゴボウ
 コンブレツム・コンストリクツム シコンノボタン ショウジョウソウ 白花のシュウメイギク シンジュ
 セイヨウカマツカ ソバカスソウ  タイニーマイス ダールベルグ・デイジー タマサンゴ ツタスミレ
 ツルバキア バジリコ ハナツリフネソウ ハートカズラ  パープル・マジェスティ パンパスグラス
 ヒトミソウ ヒメザクロ  ヒモゲイトウ  ピンクキッス  ピンクセージ  フェイジョア ブータンルリマツリ
 プレクトランサス  ベニツツバナ ベニバナサワギキョウ ホワイト・プロフュウジョン ホワイトベルベット
 ホンコンショウキラン マルバアメリカアサガオ マルバルコウソウ ミナ ムリエラエ・グラジオラス
 メキシカン・ブッシュセージ ヤナギバヒマワリ  リシマキア・コンゲスティフローラ  レモンバーベナ     
 


53) シンジュ  Ailanthus altissima (Mill.) Swingle         2013.10.01
 つい先日までは焼けつくように鋭かった西日も、ここ数日の間に少し優しく感じられるようになりました。そんな日差しを浴びて、街路樹のシンジュ神樹 : Ailanthus altissima (Mill.) Swingle) の実房と葉群が輝いていました。
 中国中部から北東部、北朝鮮と台湾が原産地といわれるニガキ科の高木です。中国では臭椿の名で呼ばれ、古くから樹皮・根皮・実を下痢止めや解熱に利用しています。環境への適応力が強い木で庭木や街路樹として世界のあちこちで植栽されています。ヨーロッパへ持ち込まれたのは1740年代ですが、原産地と隣り合う日本に導入されたのは牧野富太郎さんによると、なぜか明治10年ころのことだそうです。奈良平安時代以来中国の薬用・観賞用植物を積極的に取り入れてきた国としては奇異に思えるのは私だけでしょうか。
 ニワウルシという名で呼ばれることもありますが、葉の形が似ているだけでウルシ科ではありません。シンジュ(神樹)という名は英語名のTee of heaven の訳だそうです。


54) マルバルコウソウ Quamoclit coccinea (L.) Moench     2013.10.05
 菊川土手ではアメリカアサガオやホシアサガオやマメアサガオがあちこち咲いていますが、街中では街路樹のシラカシの根元を囲んで植えられたハナツクバネソウに絡んでマルバルコウソウQuamoclit coccinea (L.) Moench)が咲いていました。

 熱帯アメリカが原産といわれますが、いまでは世界各地に帰化しています。日本では関東以西で野生化していますが、江戸時代にはすでに観賞用に栽培されてい飯沼慾斎の『草木図説』にマルバルカウ(ルカウアサガホ)の名があります。しかし当てられたQ. angulata Boj. という学名の植物は別物です。成長が早く長く伸びる蔓は盛んに枝分かれし周りのものに絡みつきますので、家畜飼料用のトウモロコシ畑などでは有害雑草となっているそうです。
『野の花便り~秋』オオバアサガラを追加しました。



55) ゴボウ  Arctium lappa L.     2013.10.12
 ー昨日の東京は138年ぶりの10月の真夏日だったそうですね。そして今日も!
 遠州でも浜松などで30℃を越しました。庭ではメヒシバやエノコログサが我が物顔ですが、この暑さでは草むしりも思うに任せません。
とはいえ、早朝はやはり秋の風がわたり、野の道が私たちを誘います。今朝は昔農地だった薮の中を抜ける道で野生化したゴボウArctium lappa L.)を見つけました。ノラゴボウとも呼ばれます。
 ユーラシアのどこかが原産地といわれますが、日本には自生はなく、奈良時代以前に大陸からおそらく薬用植物として渡来したものと考えられています。平安時代には既に野菜として食用される品種が作出されていましたが、中国でもヨーロッパでも野菜としては利用されませんでした。太平洋戦争の末期、捕虜となった米兵におかずとしてゴボウの煮つけを与えた日本人が、戦後、木の根を食べさせたと虐待の罪で罰せられたのは文化の違いからくる悲しい誤解でした。
 日本ではノラゴボウにはなかなか出合えませんが、ヨーロッパではごく普通で、丸い頭花を覆う総苞片の先端が鉤状になっているので、子供たちは“ひっつき虫”として投げ合って遊ぶそうです。またロマの人たちはリューマチの予防になるとかでタネを袋に入れて首から下げていると聞きました。
『野の花便り~秋』ヌルデの雄株を追加しました。


56) オオオナモミ  Xanthium occidentale Bertol.     2013.10.21
 今年の天候の変化は想定外の連続ですね。被災された方々を思うと言葉を失います。
 私の町では昨日は秋の祭典で、小雨の中を老若男女がさまざまな思いを胸に、それでも元気をだして屋台を引きまわしていました。そして、一夜明けた今朝はよく晴れ、昇ったばかりの陽がさす土手の草の茂みでは季節はずれのオオオナモミXanthium occidentale Bertol.) の花が咲いていました。
 新大陸、おそらくはメキシコあたりが原産地といわれるキク科の一年草です。日本に渡ってきたのはいつか、正確な記録はありませんが、最初に採集されたのは岡山県下で1929年のことだそうです。
 いまでは世界のあちこちに帰化していますが、羊や牛にとっては毒草であるばかりか鉤棘のある実が毛に絡みつくため畜産家にとっては困った存在となっています。
『野の花便り~秋』に“ヒガンバナ~除草剤被曝度センサー”を追加しました。


57) ホンコンショウキラン L. aurea (L'Herit) Herb. var. typica    2013.10.31
 一気に秋が深まって、もう霜の心配をしなければならなくなったようです。庭ではヒガンバナ(リコリス)の仲間のホンコンショウキランL. aurea (L'Herit) Herb. var. typica)が満開です。
 リコリス類には7月上旬から咲き始めるオオキツネノカミソリなどがありますが、毎年のことですが、最後に咲き始めるのがこのホンコンショウキランです。ヒガンバナ同様に種子はできません。画像の株は20年ほどまえに香港島のビクトリアピークの林の中で採集した球根が増えたものです。
 黄色のリコリスはいろいろありますが、ホンコンショウキランの総苞片がどれよりも大きく花が上向きに咲き花期が一番遅いことなどで区別できます。
『野の花便り~秋』ハナトリカブトを追加しました。


50) フェイジョア Feijoa sellowiana O.Berg.            2012.10.04
 この夏の猛暑が幸いしたのか、庭のフェイジョアFeijoa sellowiana O.Berg.) がたくさんの花をつけましたが、そのかなりが結実しました。

 2年前のブログで、花の写真をアップし、自家和合性品種で実がとまると良いがと書きましたが、その年にもそして昨年も直ぐに散ってしまい、不和合性品種だったのかと思っていたので、意外でした。

 熟した果実はジューシーでとても甘いことで有名ですが、朝晩の気温が20℃をきるようになった庭で、このフェイジョアが熟してくれるかは心もとないのですが、期待だけはしておきます。
 わたしは未だ試してはいないのですが、肉質の花弁も甘みがあって、サラダなどに添えるとよいそうです。

『野の花便り~秋』ハンゴンソウを追加しました。


51) ブータンルリマツリ
      
 Ceratostigma grifithii C. B. Clarke ex Hook.
     2012.10.07
 7年ほど前に行きつけのクリーニング屋さんから分けていただいたブータンルリマツリCeratostigma grifithii C. B. Clarke ex Hook.)が今年もにぎやかに咲き始めました。

 ヒマラヤ東部から雲南地方に分布しているイソマツ科の低木で、耐寒性があり花も紅葉も美しく、ヨーロッパでは古くから栽培されていました。
 属名は“角の柱頭”という意味ですが、花が終わると針のように尖った小さな実ができるからでしょう。種小名はこの植物に最初に注目したイギリス人でインドのカルカッタ植物園に勤めていたWilliam Griffithに因んだものだそうです。
 いろいろな園芸名で呼ばれていますが、中国名は毛藍雪花です。ルリマツリモドキ(C. plumbaginoides)という和名の藍雪花によく似ていて葉や茎に毛が多いからです。
『野の花便り~秋』クサボタンを追加しました。


52) ヒトミソウ Lindernia grandiflora Nutt             2012.10.19
 家人が京王線沿線のとあるフラワーショップで直径3mmほどの花を咲かせたマット状の小鉢を買ってきました。

 ヒトミソウ(瞳草)の和名のあるリンデルニア・グランディフロラLindernia grandiflora Nutt.)でした。
 北米南東部、ジョージアからフロリダ州の湿地を中心に自生するアゼトウガラシ科(←ゴマノハグサ科)の多年草です。
 近縁のアメリカアゼナは昭和の初期から帰化しはじめ、いまでは北海道から沖縄まで広く分布していて在来種のアゼナと取って代わるいきおいです。
 さらに近年は除草剤抵抗性の系統も出現し、害草化しはじめています。

『野の花便り~秋』フジアザミハナイカリを追加しました。


45) アカバナワタ  Abelmoschus moschatus Medik             2011.10.01
 久しぶりに家人との思い出深い戸隠を訪ねる旅から帰宅すると、花が終わったので鉢から花壇へ下ろしておいたアカバナワタAbelmoschus moschatus Medik = Hibiscus abelmoschus L.) に終り花が咲いていました。朝の気温はもう15℃に近づいています。
 オーストラリア北部から東南アジアに亘る地域が原産地の1~2年生の植物です。
 種子から取れる油が麝香と同じ香がするためMusk Mallow と呼ばれ、かつては広く栽培されていたそうですが、今では化学合成香料に取って代わられ、もっぱら美しい花が観賞されています。
 和名は“赤花綿”ですが、ワタの仲間ではなく、トロロアオイやオクラなどに近いものです。ワタを食害するアカホシカメムシの好物で、その被害を少なくするためワタ畑に混植しますが、和名の由来はこのあたりにあるのでしょうか。
 インドでは薬用植物として利用していて、消化器官の不具合や淋病に処方されるといいます。


46) ベニツツバナ Odontonema strictum Kuntze     2011.10.15

 東電の黒塗りの報告書や事故直後の放射性物質飛散状態を隠して住民の多くを被曝させた政府・自治体や事実を把握しながら報道しなかったマスコミなどなどに暗然たる思いでいるうちに、日は過ぎてゆきました。
 パパイアやガジュマルの茂る大きな温室に入ると、クワズイモの葉の上に赤く細い筒状の花が散っていました。
振り仰ぐと、中天から射す陽を受けていくつもの紅の花穂が立っていました。
 中央アメリカが原産地というキツネノマゴ科のベニツツバナ(Firespike : ) でした。
長い花筒からもわかるように、自生地ではハチドリが花粉を媒介しています。
 世界中の暖地で栽培されていて、フロリダ半島などでは逸出して野生化しているそうです。


47) バジリコ  Ocimum basilicum L     2011:10.23

 日一日と秋が深まり、庭のセンダンの葉も黄色に変わり、散り始めています。
 雨の上がった朝、買い物に出て美味しそうなアサリが手に入ったので、久しぶりにボンゴレを作り、香付けのバジリコOcimum basilicum L.) の葉を摘みに行くと、長く伸びた花穂に純白の小花が連なっていました。
 熱帯アジアが原産といわれているこの香草は、いまでは世界中で栽培され食卓を飾りますが、古代の地中海域にはこの一年草にまつわるさまざまな迷信が広まっていたそうです。
 例えば古代ギリシャでは憎悪の象徴とみなし、悪態をつきながら蒔かないと発芽しないと思われていたようですし、ローマ時代には人をにらみ殺す怪獣のバジリスクの化身といわれました。
 しかしイタリアでは女性の愛のしるしと見られアモリーノ(小さな恋)とも呼ばれ、イタリア南部では女性がこの草を身に付ける風習もあったそうです。



48) エッピンゲイ・グミ  Elaeagnus x ebbingei      2011.10.26 
 今日は東京でも今年最初の木枯らしが吹いたそうですね。
遠州にも冷たい風が舞っています。
 その風に乗って、かすかに甘い香が流れてきました。エッピンゲイグミ(Elaeagnus x ebbingei) の花の香りでした。

 関東以西から中国南部に亘って分布している晩秋に開花するマルバグミ(斑入りグミ:E. macrophylla Thunb.) とナワシログミE. pungens Thunb.) とを交配して作出したという園芸品種で、海外でも広く栽培されています。
 花は目立ちませんが、この季節に香る数少ない花木の一つです。



49) パープルマジェスティ   Salvia cv. Purple Majisty       2011.10.29

 庭先ではツワブキの黄金色の花とダルマギクの空色の花が咲き始めました。
買い物のついでに立ち寄ったフラワーショップではパープルマジェスティSalvia cv. Purple Majisty) の紫青色の花穂が目にとまり、買いこんできました。

 帰宅してベッチー・クリーブッシュさんのサルビアの本で調べると、ハンティントン植物園のフッレッド・ブーティンさんがグアラニティカ・サルビアとゲスネリーフロラ・サルビアとを交配して1977に作出した園芸品種だとわかりました。
 耐寒性もあり、上手の育てると子供の背丈ほどにもなるそうです。
 来年の秋を楽しみにして直植えにしました。


1) パンパスグラス  Cortaderia argentea          2005.10.02
関東地方は季節外れの真夏日だったそうですね。
 この辺りは陽射しは強かったものの、吹き渡る風は肌に秋を教えてくれました。
 そんな爽やかの風のなかで、パンパス・グラスCortaderia argentea、白銀葦)の豊かな花穂が輝いていました。

 この壮大な草に出会ったのは半世紀近くも前の小石川植物園のエントランスでした。
 アルゼンチンのパンパスが原産だと知り、いつかその広大な草原に立つ夢を抱いたものでした。
 ヨーロッパに種子がもたらされたのは、ダーウィンがビーグル号での旅を始めたころだそうです。
 アルゼンティンの植物に魅入られて、50歳で彼の地に移住したエディンバラの造園家 J. Tweedie がリバープール植物園などに送ったものということです。

 みごとな草ではあるのですが、まだまだ日本の風景には溶け込めていないと、私には思えるのですが、皆様はいかがですか。


2) ヤナギバヒマワリ  Helianthus salicifolia          2006.10.02
 梅雨時を思わせるような天候がこのところ続いています。
 そんなわけで、今朝も傘を持っての散歩でしたが、幸い雨粒は落ちてきませんでした。
 というわけで、私にとっては目新しい花を撮影できました。ヤナギバヒマワリHelianthus salicifolia)です。

 アリゾナあたりから中米にかけてが原産地といわれるヒマワリ属の多年草です。
 柳のように細長い葉が特徴的で、ヒマワリとはずいぶんと違った印象を受けます。種子で盛んに増えるようです。

「菊の話」をHPにUPしました。お立ち寄りいただければ幸いです。


3) ベニバナサワギキョウ  Lobelia cardinalis       2005.10.05
 園芸店の広い展示場の片隅の、名札もとれて、忘れられたように放置されている一鉢のくたびれたベニバナサワギキョウLobelia cardinalis)に、一花だけが咲き残っていました。

 北アメリカ原産の多年草で Cardinal flower と呼ばれています。
 先住民のチェロキー族は根の煎じ汁を鎮痛剤として利用します。いっぽう、メスクワーキ族の人たちは根には愛情を深める効力があると信じていて離婚の危機にある二人に煎じ汁を飲ませるそうです。
 また死者の魂を鎮める力があるからと、この真っ赤な花を墓地に敷き詰めます。

「野の花便り~秋」にメドハギ、タカトウダイ、ノササゲ、ヌマダイコンを追加しました。



4) ソバカスソウ  Hypoestes phyllostacya          2005.10.06
 暗緑色の地にピンクの斑点がちりばめられた葉を持ったソバカスソウHypoestes phyllostacya)の花が咲きました。
 英語名は Polka-dot plant (水玉草)ですが、どちらの名前もよく特徴を捉えていて覚えやすいですね。

 キツネノマゴ科の多年草でマダガスカルが原産地です。
 この属には約40種があってアフリカからアジアにかけて分布しています。その内の1種でセネガルではバランタ・ングアンと呼んでいる H. verticillaris は用途が広く、根を染料に利用したり若葉を野菜として食用します。
庭に植えておくと、こぼれ種で盛んに繁殖します。


5) シコンノボタン  Tibochina urvilleana            2005.10.07
 花栽培の師匠のYさんが挿し木で殖やして分けてくれたシコンノボタン(紫紺野牡丹: Tibochina urvilleana) が目も覚めるような鮮やかな花を咲かせてくれました。
 ブラジリアン・グロウリイ・ブッシュの名もあるようにブラジルが原産のノボタン科の低木です。
ノボタンMelastoma candidum) と大変よく似ていますがこちらは東南アジアから奄美大島にかけてが故郷です。違いはシコンノボタンの仲間が乾いた蒴果をつけるのに対しノボタンの仲間は柔らかな液果をつけます。
 どちらもおしべの形が変わっていて、まるでカマキリの鎌のように見えます。なぜこんな形になったのでしょうね。
「野の花便り~秋」ツクバネを追加しました。


6) ガーリックバイン  Mansoa alliacea             2005.10.09

 葉の形態はずいぶんと違うのですが、花だけ見るとピンク・ノウゼンカズラ(ポドラネア)と間違いそうなガーリック・パインMansoa alliacea)の薄い桃色の筒状の花が束になって咲いています。

 中南米の熱帯圏が原産のノウゼンカズラ科のつる植物です。

 この属には15種類ほどが知られていますが、共通する性質は葉柄の基部と先端部にある腺体から分泌されるニンニク臭です。
 ペルーの先住民のアチュアル族の人たちはこの植物をアホ・サッチャと呼んでいて、その根をリューマチの治療に用います。



7) ムリエラエ・グラジオラス  Gladiolus murielae           2005.10.09
 ろくに肥料も与えなかったので、今年は咲いてくれないだろうなと半ばあきらめていたムリエラエ・グラジオラスGladiolus murielae)が恥ずかしそうに下を向いて咲きました。 そこでこちらが屈みこんで、そのみごとに均整の取れた姿を写させてもらいました。
 東アフリカのエチオピアからモザンビークにわたって分布するグラジオラスの1種ですが、以前はアキダンテラ・ビコロールAcidanthera bicolor)の学名が使われていました。 日が落ちると良く香り、原産地では大型のスズメガの類が花粉を媒介しているそうです。
 1896年にヨーロッパの園芸界へ紹介され、今では各地で栽培されています。


8) コートダジュール  Tibouchina cv Cote d'Azur'        2006.10.09
 花栽培のお師匠さんが持ってきてくれた、今年春に挿し木したというコートダジュールTibouchina cv Cote d'Azur')が咲き始めました。

 シコンノボタンとよく似てはいますが、倭性の潅木で葉も小型です。花の中心部のオシベとメシベが白いのも特徴の一つです。
 この属は南アメリカが原産で350種も記載されていますが、ブラジル産の種が多いようです。この栽培種の起源は調べてみたのですが分かりませんでした。ご存知の方はお教えください。

紅葉の話」をHPにUPしました。お暇な折にどうぞ。


9) ハナツリフネソウ  Impatiens balfourii               2005.10.10
 遠州の里にも南アルプスの秋の風が降りてきて、小鉢からこぼれそうなほどに咲いたハナツリフネソウImpatiens balfourii)の可愛い花を揺らしています。

 西ヒマラヤが原産地のようでカシミール・バルサムとも呼ばれています。

 1990年代に札幌周辺で帰化植物として定着したらしく、いまではあちこちのフラワーショップで手に入れることができます。
 ヨーロッパでは昔から栽培されていて、エディンバラ王立植物園の教授だった、Sir Isaac Bayley Balfour を記念して Bulfour's touch me not の名でも親しまれています。


10) ホワイトベルベット  Tradescantia sillamontana     2006.10.27
 温かそうな真っ白な長い毛で覆われた厚みのある葉に抱かれて、ムラサキツユクサによく似たホワイトベルベットTradescantia sillamontana)の花が咲いていました。
 メキシコ北東部が原産地のツユクサ科の匍匐性の草です。ムラサキツユクサなどと違ってオシベに毛がないので Cyanotis という別属に分類されることもあります。

 この草を最初に記載したのは大正11年にメキシコのチアパス州にあったエスペランサ農場を購入して移住した松田英二博士でした。

「野の花便り~秋~」チカラシバ を追加しました。


11) ダールベルグ・デイジー  Thymophylla tenuiloba     2005.10.14
東名高速のインターチェンジに近い空き地一面に、薄い緑色の糸くずの塊に小さな金色のボタンをたくさんの乗せたような感じでダールベルグ・デイジーDahlberg daisy: Thymophylla tenuiloba = Dyssodia tenuiloba)が咲いていました。
テキサスからメキシコにかけて自生するキク科の一年草です。近くの家の花壇から新天地を求めてたどり着いたのでしょう。
葉にはこの属に特有の、なにやら薬効のありそうな、かなり強い香りがあります。
ニューメキシコ州の先住民のIsleta族や西Keres族は風邪等で熱が出たときに、近縁種でよく似ているプリックリーリーフ・ドッグウイードPricklyleaf dogweed: T. acerosa) の葉の搾り汁で沐浴したり、タバコに混ぜて吸引します。


12) プレクトランサス“モナ・ラベンダーPlectranthus 'Mona Lavendula  2005.10.15

 昨年の浜名湖花博で出逢ったのだが、照明の低い室内だったのでブレ写真しか撮れなかったプレクトランサス”モナ・ラベンダー”(Plectranthus 'Mona Lavendula')の鉢を見つけて早速買い込んできました。

 暗緑色に茂る葉を最初に見た時は、とてもコリウス類と同じ属の植物とは思えなかったのですが、花を良く見ると納得できました。
 コリウスはその美しさを葉で表現し、こちらはそれを花で主張しているのでした。

 南アフリカ産の原種をもとに、交配を重ねて生まれた品種だそうです。



13) リシマキア・コンゲスティフローラ  Lysimachia congestiflora    2005.10.18
 最近その存在を知った素敵なフラワーショップ、一坪園さんのファームの片隅で忘れられたように咲いていた藂花過路黄Lysimachia congestiflora)に出会いました。

 サクラソウ科オカトラノオ属(Lysimachia)の多年草で中国南部が原産地です。
 園芸店ではリッシと呼んでいるそうです。
 同じ属のコナスビとよく似た草姿です。

 「野の花便り~秋」にヒメジソを追加しました。「今日のリコリスガーデン No.5」も更新しました。



14) ピンク・キッス  Antirrhinum Hybrid Cultivar          2005.10.22
 久し振りに好天が二日続いて花壇の手入れをしているうちに、ムスカリの縁取りがほしくなって、近くの園芸店へ出かけました。
 そこでピンク・キッスAntrrhinum Hybrid Cultivar)という気恥ずかしくなるような名前の、そしてその名に負けていない花と出逢ってしまいました。

 サントリーがキンギョソウの仲間をいじって作り出した新品種とのことです。
 アップにしてみたら、一瞬身を引いてしまったほどのキッスの迫力です。
 ピンクの他にパープルとホワイトという3っのキッスがあって、合わせて「ロミオのキッス」という商品名で売り出しているそうです。
 こちらのキッスもちょっと怖そう (^_^;)


15) ショウジョウソウ  Eupholbia heterophylla        2006.10.23
 旧東海道の駅路のにあった菊川の里が眼下に広がる峠の手前にぽつんとある農家の石垣に小春日和の日差しを浴びてショウジョウソウ猩々草Eupholbia heterophylla)が咲いていました。

 クサショウジョウとも呼ばれるトウダイグサ科の植物で、ブラジルが原産という説とメキシコだという説があります。
 古代からから栽培されていたせいでしょうか。ポインセチアとも似ているので英語名は annual poinsettia (一年草ポインセテチア)です。

「野の花便り~秋~」箱根十国峠の花 をUPしました。


16) ツルバギア  Tulbaghia simmleri              2005.10.24
 昨年は夏場に目を楽しませてくれたのに、今年は葉ばかり茂っていたツルバギアTulbaghia simmleri) が遅ればせながら咲き始めました。

 南アフリカが原産地のネギ科の多年草で、葉を切るとニンニク臭がします。しかし花には夜が来ると漂うよい香りがあります。そのためスイート・ガーリック Sweet Garic とも呼ばれています。環境によっては年に2回の花期があるそうです。
 この株は白花ですが、一般にはピンクの花の系統が流通しています。
 
 アフリカーンスはこの葉を煎じたものを頭痛を鎮めるために飲んでいたそうです。


17) レモンバーベナ  Aloysia citriodora             2005.10.26
 枝を揺らしただけでレモンの香りが漂うレモンバーベナ(Lemon-scented verbena : Aloysia citriodora)に花が咲きました。
 うっかりすると見落としてしまいそうな小さくて地味な花です。

 アルゼンチン、ウルグアイ、チリに自生するクマツズラ科の小低木です。
 葉に含まれるレモン臭の揮発油には鎮静作用があるので南米ではポットに入れて湯を注ぎお茶代わりに楽しみます。

 「野の花便り~秋」にはオオバコ変わり朝顔を追加しました。



18) ミナ  Ipomoea lobata = Mina lobata          2006.10.27
 通りかかった高校の春祭で園芸クラブの生徒さんがミナというラベルのついた花苗を売っていました。つる性の植物で葉の形からアサガオの仲間らしいのですが初めて聞く名前でした。
 生徒たちに尋ねてもアサガオとはぜんぜん違う形の花だというだけで要領を得ません。そこで買い上げて栽培することにしました。しかし、夏には花が咲くという話でしたがさっぱりでした。

 ところが、秋も終りに近づいた今になって待望の花が咲きました。
 なるほど生徒さんたちが言ったようにアサガオにはほど遠い花形でした。ラッパ状にはならずツボ型です。調べてみたところメキシコ原産のヒルガオ科のイポメア・ロバータIpomoea lobata = Mina lobata)でした。花の彩がスペインの国旗を連想させるというのでスパニッシュフラッグとも呼ばれます。



19) コガネタヌキマメ  Crotalaria assamica        2005.10.28
 最終日の昨日、国立国会図書館での特別展示『描かれた動物・植物~江戸時代の博物誌~』を楽しませてもらいました。

 鎖国下の江戸時代に、中国の本草学を下敷きに独自の発展を遂げた ”江戸博物誌” がやがてヨーロッパの植物学に影響され変容してきた様子が簡潔に展示されていました。

 その中に数日前に”街角の花園”で目にしたコガネタヌキマメCrotalaria assamica)の絵を見つけて嬉しくなりました。
山本亡羊説・山本渓山画の『植物図説雑纂』の一葉でした。

 この草は東南アジアが原産だそうですが、「嘉永ノ初、蘭人持渡ル」と書いてあり、1850年ころから栽培されていたことを始めて知りました。



20) タイニーマイス  Cuphea x purpurea            2005.10.30

 小鼠(Tiny mice)という意味の英語名で呼ばれている、かなり目をひく彩のクフェアCuphea x purpurea)を見ました。
 私にはこの花から小鼠を連想するのは難しいのですが、花びらの形がミッキーマウスの耳に似ているということのようです。

 ミソハギ科の多年草ですが、中南米に分布する C. llavea C. procumbens を交配して作り出した園芸品種だそうです。

「野の花便り~秋」にはサクラタデを追加してあります



21) 白花のシュウメイギク  Anemone hupehensis form alba     2007.10.01
 数日前までのあの暑さが信じられないほどに、急に涼しくなってしまいましたね。
 人間のほうもほっと一息つけた思いですが、葉の色の微妙な変わりようを見ると、植物もやれやれと感じているように思えます。これまで蕾の状態を続けていた白花のシュウメイギクAnemone hupehensis form alba)も安心したように咲き始めました。

 この品種は原種の打破碗花に近いのでしょうか、花びら(ガク片)の数が5枚のものもあります。
 赤紫色の典型的なシュウメイギク(貴船菊)に比べ、ひっそりとした静かさを感じさせられる花ですね。
      妹逝し庵の闇の白貴船   静


22) ピンクセージ Pink Sage:Orthosiphon labiatus        2007.10.09
 チェルシーガーデンに出かけた家人が、流氷の下で踊るクリオネのようにも見える可愛い花をつけたピンクセージ(Pink Sage:Orthosiphon labiatus)を買ってきました。

 セージの名がついてはいますがサルビア属ではなく、オーストラリア北東部が原産で最近はフラワーショップでもよく見かけるネコノヒゲ(O. aristatus)の仲間です。
 こちらは南アフリカ南東部からジンバブエにかけて岩がちの産地にまばらに分布しています。
よく育った株は人の背丈ほどになるそうです。


23) イエローマジェスティー  Yellow magesty:Salvia madrensis    2007.10.09
 柔らかな黄色の花を咲かせる日本を代表するサルビア、キバナアキギリにはめったに出会えなくなりましたが、今日は異国からやってきた黄花のサルビア、イエローマジェスティー(Yellow magesty:Salvia madrensis)の写真を撮ることができました。

 メキシコの高山地帯が故郷だそうです夏の暑さにも強く、茂れば2m近くになるといいます。

庭の花便り~10月をUPしました。お暇な折にどうぞ。


24) アルガローボ (イナゴマメ) Carob : Ceratonia siliqua     2007.10.16
 ガイドをしてくれたバルセロナ大学植物学科の学生さんが「この実は見かけは良くないのですが甘くておいしいですよ。野生の蜜とも呼ばれるアルガルローボ-Alrgarrobo-です」と黒くてべたつく豆鞘を渡してくれました。なるほど甘い果肉でした。その鞘の中に眠っていた種子が今我が家で咲いています。
 アルガルローボの和名はイナゴマメ(Carob : Ceratonia siliqua) で、地中海域が原産地ちです。雌雄異株で、写真は雌花です。
 アラビア語でキラットというそうですが、これはその種子が古代から貴金属秤の分銅として利用され、ダイアモンドの重さの単位のカラットの由来になっています。
 小石川植物園に居られた下園さんの実験によると熟して乾燥した種子1個の重さはまさに1カラット、200mgだったそうです。


25) クジャクアスター  Aster cv.                  2007.09.19
 この春に更地になったまま放置されている町の一角に、やさしげに秋風に揺れて白い花のクジャクアスターAster cv.)が咲いています。
 園芸書によると北米東部原産のユウゼンギク(A. novi-belgii) が母体の栽培品種のようです。花の色は原種に近い赤紫色から白色まで変化に富みます。
 英語名はユゼンギクも含めてミクルマス・デイジー(Michaelmas Daisy)です。
 9月の末の聖ミカエル祭のころ咲くことに因んだものですが、近縁でよく似たネバリノギク(A. novae-angliae)もあちらでは同じ名で呼ばれています。
 どちらも北海道では庭園から逃げ出して野生化しているそうです。


26) ハートカズラ Ceropegia woodii                  2007.10.23
 今まで時々目にすることはあったのですが、ずいぶんと地味な鉢物だな~と思って見過ごしてきたハートカズラCeropegia woodii) に小さな花が咲いていることに気づきました。

 南アフリカの東ケープ州からお隣のジンバブエに渡って分布しているガガイモ科のつる植物です。
 ウマノスズクサの仲間にも似た花の形からもわかるように、腐肉のようなにおいを放って、それに惹かれてやってきた昆虫を、しばしの間閉じ込め花粉を背負わせることができます。

野の花便り~秋~」にホトトギスを追加しました。


27) クラリンドウ  Clerodendrum wallichii           2007.10.27
 里ではクサギの実の青さが深くなり苞の紅も濃くなってきました。
 散歩がてら久しぶりにのぞいてみたフラワーショップにはヒマラヤ山系が原産地といわれているクサギの仲間のクラリンドウClerodendrum wallichii)の白い花が咲いていました。

 19世紀のはじめにカルカッタ植物園の管理者をしていたNathaniel Wallich さんがインド北部で見つけて観賞用に導入したそうです。
 花にはほのかに甘く香りますが、葉にクサギ臭はありません。
 クラリンドウという和名の由来は不明ですが、なんとなくClerodendorumに似ているようにも思えますね。

野の花便り~四尾連湖の秋の花~」をUPしました。お暇な折にどうぞ。


28) マルバアメリカアサガオ  Ipomoea hederacea var. integriuscula      2008.10.03
 遠州灘の水平線上の、夏と秋が綯い交ぜになったような雲が赤く染まるころ散歩に出ると、百舌がけたたましい高鳴きで迎えてくれます。

 ヒガンバナはすでに盛りを過ぎて、火が消えた燃え殻のようになった花びらが目立つようになってきました。

 そんな道野辺で出会ったのがマルバアメリカアサガオIpomoea hederacea var. integriuscula)です。

 アメリカアサオの丸葉型ですが、この辺りでは初めての出会いでした。     



29) キクイモ  Helianthus tuberosus                  2008.10.09
 街中にはキンモクセイの香りが流れ、茶畑の岡では金色の花糸の房を純白の褥でやさしく包んだ花が咲き初めています。
 岡を巡る小川の草の茂みの中からは、イヌタデやイシミカワを下にしてキクイモHelianthus tuberosus)が朝日を浴びていました。

 北米中部が原産のヒマワリの仲間で、安政年間に江戸高輪の東禅寺で栽培されたものが広まったといわれています。
 戦時中や戦後しばらくは根が肥大してイヌリンを含むイモが食料として利用されました。

今日のリコリスガーデン~No.11」をUPしました。



30) アマクリヌム  Amacrinum x howardii                 2008.10.13
 街路樹のイチョウの実が黄赤色に色づき、ソメイヨシノの夕焼け色の葉も散り急いでいるようです。
街角の花園もさびしくなってきましたが、今朝はこの季節としては珍しくとびきり艶やかな花に出合えました。
園芸品種のアマクリヌムAmacrinum x howardii)でした。
 20世紀初頭ににヨーロッパとアメリカのブリーダーたちが南アフリカ産のC. moorei Amaryllis belladonna を交配して作出されたものだそうです。学名はアメリカでこの雑種を最初期作ったFred Howardさんに因んだものです。片親のアマリリス・ベラドンナと同じような涼しく甘い香りがする花です。
 両親の美しさを兼ね備えた、耐寒性の品種ということですが、霜よけをするほうがよいそうです。
 はじめはクリヌム・ムーレイとクリヌム・バルビスペルムとの交配種のポウエリーハマオモトと思ってUPしましたが、suzukiさんからのご指摘で訂正しました。  


31) ツタスミレ Viola hederacea                  2008.10.17
 弥生時代の古墳が埋もれていた高田ヶ原丘陵地の西側の麓に沿って流れる寺田川のほとりを散策しました。
 この川は、かつては広々とした水田のための小川だったのですが、いまでは新興住宅地のための排水路に変わってしまっていました。
 川岸の歩道の際には、近くの方が植えたらしい何種類もの外来の植物が花を咲かせていましたが、その一つがこのツタに似た葉をつけたツタスミレViola hederacea) です。
 スミレ属の多くは北半球の温帯に分布していますが、ツタスミレはオーストラリア東部とタスマニアに分布し、樹林下の湿地にマット状に広がるスミレです。

「野の花便り~秋」ナンバンギセルを追加しました。


32) キバナシュクシャ  Hedychium gardneriaum             2008.10.24
 この春に家人が買い求めてきたキバナシュクシャHedychium gardneriaum)が咲きました。
 花屋さんでは純白の花を咲かせるシュクシャともどもジンジャーと呼んでいるようです。
 インドのシッキム~アッサム地方が原産です。世界中で園芸植物として植栽されていますが、帰化して迷惑がられている国もあるようです。例えばニュージーランドではオークランド以北の原生林に侵入し駆除の対象になっているそうです
 この美しい花は左右対称ですが、よく見れば3本の細いリボン状の外花被と3枚の内花被があり、単子葉植物とわかります。赤い針のようなものはオシベとメシベが合体したもので、先端には葯に挟まれてちょこんと柱頭が顔を出していますね。

野の花便り~秋」にウメモドキを追加しました。


33) ヒモゲイトウ Amaranthus caudatus   2009.10.03
 小谷村のトウモロコシ畑の横に、ひょろひょろと伸び上がったホウレンソウの茎に赤い毛糸の玉を連ねて垂らしたように見える野菜が栽培されていました。遠州では目にしたことなかったヒモゲイトウAmaranthus caudatus)でした。
 南アメリカのアンデス山系が原産地と考えられているヒユ科の植物で、インカ時代以前から芥子粒のように細かいものの栄養価の高い種子が食用されていました。
 アルゼンチン北西部の2000年ほど前の古墳からもヒモゲイトウが出土しているそうです。
 現在ではアフリカやインドもで広く栽培されています。大航海時代に各地へ運ばれたのでしょう。


34) コスモス  Cosmos bipinnatus    2009.10.08
 台風18号は真夜中に大暴れして、私が目覚めた頃には南アルプスを乗り越えるところだったようです。庭では先日定植したばかりのハボタンが風に振り回されて可哀相なことになっていましたが、近くの公園のコスモスCosmos bipinnatus)は何事もなかったような顔をしていました。風に逆らおうとしない花ですね。
 メキシコが原産地で19世紀初頭ににスペインに渡り、日本へは明治時代に入ったようです。確かな記録は見つかっていないようですが、今では松田修さんの想像したお雇い外人、東京美術学校講師ラグーザによる導入説が定説のように扱われていますね。
 アキザクラやオオハルシャギクという和名も付けられていますが、わたしはやはりコスモスという名が好きです。
「野の花便り~小谷村の秋の花と栂池自然園」をUPしました。お暇な折にどうぞ・・・。


35) ホワイト・プロフュウジョン Buddleja davidii cv.White Profusion   2009.10.17
 日一日と冬が近づいているようですね。今朝の最低気温は12℃でした。
 庭のカワズザクラはすっかり葉を落とし、栴檀の実が黄色に色づいてきました。初夏のころから休むことなく紫の花穂をつけていたハナフジウツギも沈黙してしまいましたが、なぜか鉢植えにしてあるホワイト・プロヒュウジョンBuddleja davidii cv.White Profusion)という品種はいまでも花をつけています。中国の中部から西部に自生するブッドレア・ダヴィディー(B. davidii)から作出された園芸品種だそうです。
 ブッドレアの仲間には蝶が良く集まるというので、バタフライ・ブッシュと総称されていますが、この花穂にも越冬に具えてか、アカタテハが吸蜜に訪れています。


36)  ヒメザクロ Punica granatum cv. 'Nana'         2009.10.24
 茶の花の盛りで、緑の畝の上に牡丹雪が降りかかっている風情です。
 しかし庭は花もさびしく、咲き残りのサンパティエンスとコバノセンナが目を引く程度ですが、ガマズミ、セイヨウカマツカ、コムラサキシキブなどの木の実は輝いています。真夏に次々と朱色の花を咲かせていたヒメザクロPunica granatum cv. 'Nana') の実も、熟して割れて透明感のある真っ赤な種をのぞかせています。
 ザクロの実生の倭性個体を元に選抜された園芸品種で、昭和の初めにヨーロッパから導入されたそうです。イッサイザクロ(一才石榴)とも呼ばれるように実生一年で開花します。最近はこの性質を利用してアグロバクテリウムを使った遺伝子導入実験などに使われています(S.Terakami et.al.,2007)。
「野の花便り~秋」に真鶴岬のキチジョウソウなどをUPしました。


37) クリドンナモドキ  X Amacrinum ?          2009.10.25
 散歩の途中で、休耕田の際に放置された作業小屋の横の秋草の茂みに咲く、場違いに艶やかな花に出合いました。

 クリヌムの仲間であることはすぐにわかりましたが、初めて見る花でした。

 花の形はモーレイC.mooreiにそっくりですが濃い花色と開花期が違います。開花期や葉の形はクリドンナ(アマクリヌム: X Amacrinum) に似ているのですが、花色が少し違うように思います。
 それで“クリドンナモドキ”としたのですが、どなたか正しい品種名をお教えください。


38) カエンキセワタ  Leonotis leonurus          2009.10.30
 3月にUPしたカエンキセワタLeonotis leonurus)を切り戻しておいたところ花茎が3本出てすくすくと延び、2m近い背丈になって、今月の中旬から咲きはじめました。オレンジ色の輪生した花が晩秋の日差しに映えています。
 最近入手した「Wild Flowers of South Africa」には開花期は8~10月とあります。3月に咲いていたのは園芸屋さんのマジックだったのでしょうか。それとも、2期咲きの性質があるのでしょうか。切り戻して温室に入れて試してみます。またワイルドダッガのほかにホソバミナレットフラワー(Narrow-leaved Minaret Flower)の名でも呼ばれるそうです。ミナレットはイスラム寺院の尖塔のことのようです。


39) セイヨウカマツカ Aronia albutifolia          2009.10.31
 いま庭の片隅でセイヨウカマツカAronia albutifolia) の実が真っ赤に色づいています。葉も紅葉してきれいです。
 2006年の4月にこの木の花の画像をUP~ http://lycoris.at.webry.info/200604/article
_11.html
~しましたが、そのさい、この木の英語名がレッドチョークベリーというからには、その実はさぞかしひどい味なのだろう、熟したら試食するつもりだ、と書きました。しかし、うっかりしていてその秋に気がついたときはすでに黒くしぼんでしまっていました。
 ところが今年はいやでも目に入るほどたくさん実がとまりましたので、思い出して試食してみました。一口めは甘味を感じたのですが、やはりその名のとおり渋味が強く、辟易しました。


40) コンブレツム・コンスツリクツム Combretum constrictum (Benth.) M.A.Lawson
                                              2010.10.02
 温室の中で、サザンカのそれに似た楕円形の葉が対生する細い枝先に咲いた、真っ赤な小さな手毬のような花を見ました。ニューギニア・ボトルブラッシュ、バーニングブッシュ、タイランド・パウダーパフなどさまざまな呼び名が付けられているコンブレツム・コンスツリクツム (Combretum constrictum (Benth.) M.A.Lawson)でした。

 世界の熱帯に約240種が知られているシクンシ科シクンシ属の1種で、ナイジェリアからケニア、タンザニア、モザンビークにかけて分布する低木です。海岸から標高1200m付近まで、河辺林などの比較的湿った場所に生育しているそうです。
 ナイジェリアのヨルバ族はこの花をオグン・イブレ(ọ̀gàn ìbúlẹ̀ )と呼びますが、これは“地上に降りた鉄の神オグンの血で染まった指”の意味で、戦勝を願う呪術の道具に使われたそうです。
 花が美しいので、今では観賞用植物として世界中で植栽されています。


41) オオベンケイソウ Hylotelephium spectabile (Boreau) H. Ohba 2010.10.10

 買い物の途中で、街角のブロック塀の上に無造作に置かれているプランターに、桃色の小花の束がいくつも乗っていました。オオベンケイソウHylotelephium spectabile (Boreau) H. Ohba)の花束でした。
 中国東北部と朝鮮半島が原産地とされる多肉植物で、日本にもたらされたのは明治末年から大正時代にかけてのことだそうです。
 日本に自生するベンケイソウ(H. erythrostictum)に似ていますが、オオベンケイソウではオシベが花弁より長く突出しているので区別できます。 平凡社の『世界有用植物事典』をみると、中国では若葉を食用するとあります。



42) タマサンゴ Solanum pseudo-capsicum L.   2010.10.14
 久しぶりに常葉の丘を越えて西方川の岸辺を散策しました。
 茶畑の緑のうねりは金色の蕊を抱いた純白の花に彩られ始め、刈り残されたセイタカアワダチソウも金色の鞭を朝日にきらめかせていました。
 ふと足元を見ると、草紅葉には似合わない鮮やかな緑の葉を茂らせた、草とも木ともつかない背の低い一株にも、いくつもの白い花が咲いていました。
どこかの庭から逃げ出してきたタマサンゴSolanum pseudo-capsicum L.)でした。
 ブラジル原産のナス科の低木で、観賞用に栽培されていますが、かなり耐寒性があるので関東以西の暖地では野生化している場所があります。日本に入ったのは明治の中頃といわれていて、フユサンゴとも呼ばれています。ソラノカプシンなどのアルカロイドを含む有毒植物で、人がこの実を食べると激しい嘔吐に襲われるそうです。犬や猫などにとっても危険な植物だそうですが、鳥の仲間には平気で実を啄ばむものもあるといいます。


43) メキシカン・ブッシュセージ  Salvia leucantha Cavanilles    2010.10.20
 好天に恵まれた氏神様の秋祭りも無事に終り、間もなく降霜を迎えますが、今庭では秋咲きのサルビア類が花の盛りです。
その一つがこのメキシカン・ブッシュセージSalvia leucantha Cavanilles) です。

 紫色の長い花穂が特徴的な、メキシコの中部から東部が原産地の多年生のサルビアの1種です。
 サルビアの仲間(アキギリ属)は汎世界的に分布していておよそ900種もが知られていますが、大部分は西南アジアから極東を経て北米大陸に分布しています。しかし多くの種の分布域は限られていて、例えばトルコに自生する86種のうち半数は固有種だそうです。


44) キョウチクトウスズメ                          2010.10.25
 今朝庭の鉢物に散水しているとき、サンユウカの葉を食べているドキッとするヤツに出会ってしまいました。
 青光りのする目玉模様が脅迫的な、緑色の大きな芋虫で、気をつけてみないと見落としがちで、私には初見でした。
 一見してスズメガの仲間と直感できる幼虫で、早速検索してみたところキョウチクトウスズメだとわかりました。
 元来はアフリカから東南アジアにかけての熱帯に分布していたものだそうですが、1966年に沖縄、1973年奄美大島、ついに1980年には鹿児島市で発生し、現在は関東地方でも散発的に現れるそうです。沖縄ではすでに帰化し、定着したようです。
 キョウチクトウ科の植物なら何でも食べるのかはわかりませんが、庭ではニチニチソウも食べられていました。
成虫の模様はなんとも複雑で、アフリカのシャーマンを連想させます。

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