March

庭の花便り Garden Flora Reports

〜 3月の花  Flowers in March 〜

 索引   アーモンド アコール アスタルテア・ファスキュラリス アメリカイワナンテン  アメリカスミレサイシン
 アルクトーティス アルメリア・ムスカリ アンズ アンブレラブッシュ イワヤツデ  イワヤツデー2
 ウインターセイボリー ウツボカズラ   ウンナンサクラソウ  オステオスペルムム 
 オステオスペルムムー2 オランダミミナグサ オルベア・バリエガタ カエンカズラ  カエンキセワタ 
 カトレア・クローバー カランコエ・プミラ カリフォルニア・ライラック カルセオラリア  キチョウジ
 キバナアマ キバナクンシラン キャッサバ キンコウセイ  グリーンフラッシュ  サフロン・ブッシュ
 サンゴアロエ  ジャノメエリカ シャンデリアプラント  シロアミメグサ ジンチョウゲ スターピンク
 スノーフレーク スイセンアヤメ ダルメシアナ・ヒメハギ ディオニシア・レモンアレッタ
 デヴォシアナ・ルイラソウ  トーチジンジャー  トキワマンサク  ナツメヤシ
 ネソコドン・マウリティアヌス バージニアストック バイモ バタフライオーキッド ハナアナナス 
 ハナニラ  パナマローズ ハナモモ  ピタンガ ヒマラヤユキノシタ  ヒメサザンカ 
 ヒメリュウキンカ ヒメリュウキンカ−2 ヒヤシンス  ピンクアイ ピンク・エバーラスティング
 ファイヤークラッカー ブカレストアイリス  フジモドキ   フトモモ フブキバナ フリージア・ラクサ
 プリムラ・ビアリ ブルーアイス=ヒメシャクナゲ ブレクシア・マダガスカリエンシス
 ヘッジホッグ・カクティ ベニバナクサギ ヘリオトロープ  ボール・エバーラスティング ボロニア
 ボロニア・ルテア  ホワイト・サポーテ  ホンコンドウダン  ミラクルフルーツ 
 ムーンライト・フレイグランス ムラサキナズナ リップヴァンウインクル  リビングストンデイジー
 レンテンローズ   
 


1) レンテンローズ   Helleborus orientalis             2006.03.04

 お師匠さんが株分けして持ってきてくれたレンテンローズ(Lenten Rose、Helleborus orientalis)が花盛りです。春分前の四旬節のころに咲くことに因んだ名です。
でも、日本ではクリスマスに咲くわけでもないのに通称のクリスマスローズの方がよく知られていますね。
 貧しい少女のマデロンが生まれたばかりのイエスに捧げるために摘んだという純白のクリスマスローズ(H. niger:種小名は黒いという意味ですが、これは根茎の色に因んだもの)より先に、このレンテンローズが輸入されて、”クリスマスローズの1種”ということで市中に出回ったのでしょうね。
 ヘレボルスという属名は”食べると死ぬもの”という意味ですが、これは根に毒性の強いステロイドのヘレブリンなどが含まれるからでしょう。



2) スイセンアヤメ  Sparaxis tricolor            2006.03.04

 「スイセンアヤメ(スパラクシス・トリコロル)」について

 電脳中年Aさん、ご無沙汰しました。TBありがとうございました。
 ニューヨーク便りを楽しませていただきました。ホホバははじめてみました。ほんとうに何故 chinensis なんでしょうね。

 写真の白いスパラクシスは隣町の側溝の縁を飾っているたものです。



3) ヒメリュウキンカ    Ranunculus ficaria - 1          2005.03.02

 市街地の中に取り残された休耕田の草むらのタンポポに混じって、500円玉ほどの大きさのきらきら輝く黄色の花が咲いていました。
 キンポウゲの仲間のヒメリュウキンカでした。

 ヨーロッパが原産地で、イングランドなどでは小川の辺や湿地、生垣の下などでよく見かける草です。
 地面に張り付くように広がる葉が矢じり形なのでパイル・ウォート(矢じり草)と呼ばれていました。
 帰化植物図鑑を見ると日本で記録されたのは1997年が最初だそうです。海外旅行をした人についてきたのでしょうか。



4) ヒマラヤユキノシタ  Bergenia x schmidtii               2006.03.08
 これもまたお師匠さんからの戴きもののヒマラヤユキノシタBergenia x schmidtii)が咲き始めました

 ヒマラヤユキノシタ属には約8種が知られていてアフガニスタンからヒマラヤ地方、チベット、中国西部とミャンマー北部にかけて分布しています。
 この仲間を英語圏では”ブタキーキー、pigsqueak”と呼ぶことがあります。厚い葉をぬらして指で挟んでこすり合わせたときの音がブタの泣き声に似ているからだそうです。
 ネパールでは近縁のシリアータ・ヒマラヤユキノシタB. ciliata)の花を茹でて食べます。薬草としても利用していて、乾燥させた根茎を粉にして腹痛や下痢に処方するようです。



5) オランダミミナグサ  Cerastium gromelatum           2005.03.03

春の便り その21−2」について

 ぽんぽこさん、私もこの花(写真)には悩みました。
 オランダミミナグサの変種なのかな〜とあれこれ図鑑や検索表を見たのですがわからなかったのです。
 でも、もう一度実物に当たって解決しました。
ぽんぽこさんも花びらをそっと触ってみてください。しっかり割れ目があるのです。寒いので(かどうかはわかりませんが)しっかりと寄り添って裂け目が見えなかったのです。
 で、結論はオランダミミナグサ!でした。



6) ウインター・セイボリー  Satureja montana            2005.03.05

 Nさんのお宅でウインター・セイボリーが咲いていました。
ローズマリーによく似ていますが、よく見れば花も葉の形も違います。

 地中海沿岸からウクライナ辺りに自生するシソ科の低木です。
 花や葉は昔から肉料理などに使うハーブとして利用するほか、南ヨーロッパではローズマリーと同じように精油を採る目的で栽培されています。
 学名は Satureja montana, 通称セイボリー(Savory)です。

HPの「野の花便り」〜早春〜 http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/nonohana.dayori.
soushun.html
を更新しました。
 今日はカラスノエンドウです。



7) ハナモモ  Prunus persica                          2005.03.06
 ひな祭りの間は蕾だったハナモモがやっと咲きました。

 紅白で可愛いですね。

 若枝は緑色で二年目からは褐色になるそうです。



8) ウツボカズラ (ネペンテス)  Nepenthes rafflesiana       2005.03.08
 食虫植物に凝っているPさんの温室でウツボカズラ(ネペンテス)の花が咲きました。
 あの蓋付きの捕虫嚢のことは知っていましたが、花を見たのは初めてで、ちょっと驚かされました。
 写真は雄花です。

 ウツボカズラの仲間は東南アジア、オセアニア、マダガスカルに分布していて、約70種が知られています。
 小鳥や小さなネズミが捕まってしまうほどの大きな捕虫嚢もあるそうですね。
 スリランカやマレイシアではこの草でバスケットを編んだりロープを作ったりします。


9) ムーンライト・フレイグランス  Zaluzianaskya capensis        2005.03.10
 家人が素敵な花を見つけてきました。
 ムーンライト・フレイグランスという洒落た名前がついています。
 夜になると月の光に甘く香るのだそうです。

 南アフリカの西ケープ地方を中心に約50種があるというゴマノハグサ科の Zaluzianskya 属の1種、Z. capensis です。
 現地ではこの花の蕾の形からドラムスティックと呼んでいました。

 ナマクワランドで見た同じ属のサザン・ライラック・ドラムスティックの写真は http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/
s.africa-hana-3.html
にあります。


10) アンブレラ・ブッシュ  Acacia lingulata             2006.03.09
 この冬の厳しい寒さにも耐えて、いまアカシアの1種のアンブレラ・ブッシュAcacia lingulata)が花盛りです。
 アカシア属には1200種もあるそうですが、そうちの750種がオーストラリアに分布しています。アンブレラ・ブッシュもオーストラリアが原産地です。
 幅が1cm弱、長さは7cm前後の葉は、ちょっと変わっていて偽葉(フィロード)といわれます。葉柄にあたる部分が扁平になり、本来の葉身は退化しています。乾燥に対する適応なのでしょう。

 ひな祭りは過ぎてしまいましたが、「桃の話」をUPしました。


11) アメリカイワナンテン  Leucothoe fontanesiana         2005.03.11
3D>アメリカイワナンテンというのか」について

 もう満開状態ですね。

 こちらの庭のものは未だ固い蕾の状態です。
 咲くのが待ち遠しいです。

 アメリカ先住民のチェロキー族の人たちはこの仲間の葉を煎じてリューマチの薬にするそうです。


12) オステオスペルムム  Osteospermum sp.          2005.03.12
 直径が5cmほどもある純白の花が咲いていました。
 ディモルホテカ(アフリカンデイジー)によく似たオステオスペルムムでした。

 アフリカを中心に約70種が知られていて、中東に2種、セントヘレナに1種が分布しているそうです。属名は「骨のように硬い種子」の意味で、英語名は直訳のボーンシードです。

 花や葉はディモルホテカに大変よく似ていて区別が難しいのですが、ディモルの花は夜になると閉じますがオステオは逆に反転する性質があります。種子の形でも区別ができます。


13) ブカレスト・アイリス  Iris bucharica            2006.03.13
 とても珍しいものがあったからと、家人が”房咲きアイリス”のラベルの付いた小鉢を買ってきました。 黒海の西岸域からアフガニスタンにかけて分布しているブカレスト・アイリスIris bucharica)でした。
 外側の3枚の花びらは上半分が淡い黄色で、花びらの中央が鶏冠状になっていて、内側の3枚は半透明で細く垂れ下がり、花びら状のオシベがツンと立ち上がっています。東欧の民族衣装を着けた少女のような印象の花ですね。
 柔らかな葉の様子も特徴的で、倭性のトウモロコシのようです。

野の花便り〜仲春〜」に ヒサカキショウジョウバカマ を追加しました。


14) オステオスペルムム 〜 2  Osteospermum sp. 〜2     2005.03.13
 花猫さんからコメントいただいて、昨日投稿した花の夜の姿を確認していないことが気になり、今日確かめてみました。
 写真は夕方暗くなり始めた頃のものです。 なんと、閉じ始めているではありませんか(-_-;)、そして今20時前ですが、完全に閉じてしまいました。
 そこでもう一度あれこれと調べてみました。
 その結果わかったことは、反転(というより下側にカール)するのはオステオスペルムム属の中でも多年性のグループで、一年性のものはディモルホテカ同様に閉じるのだそうです。また、オステオ類の花茎には葉がついているが、ディモルにはないのも区別点だと書いてありました。花が終わって、骨のように硬い種子がこの株にできるのかどうかも確かめてみたいとおもいます。


15) ハナニラ  Ipheion uniflorum                2005.03.15

 道端のいろいろな帰化植物に混じって、ハナニラ(Ipheion uniflora)が咲き出しました。

 アルゼンチンが故郷だそうですが、園芸植物として導入したものが世界各地で庭から逃げ出して、元気に育っています。日本には明治時代に入ったようです。

 名前のように葉には強いニラの臭いがあります。



16) カルセオラリア  Calceolaria corymbosa            2005.03.16

 カルセオラリアと初めて出会ったのは、もう30年以上も昔のことになります。
 今は亡きM君が、当時は未だ珍しかったこの花を娘の誕生祝にと持ってきてくれたのです。
 喉元を膨らせた蛙のようでもありますが、日本名はキンチャクソウ(巾着草)というのだと教えてもらい、なるほどと感心したことを思い出します。フラワーショップに並ぶカルセオラリアは数種類の原種の交配によって作出されたものです。
 ニュージーランドに分布する2種のほかは、200種以上が中米から南米にかけて自生しているゴマノハグサ科の植物です。
 パタゴニアで出逢ったカルセオラリアは http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/
chile-hana-3.htm
にUPしてあります。



17) スノーフレーク  Leucojum aestivum             2005.03.18
 「このお花の中にはピンチとパンチという小さな妖精が住んでいるのだけど、恥ずかしがり屋さんで、皆が眠ってしまわないと出てこないのよ」と、お花屋さんの店先でおしゃまなオチビさんが教えてくれたのはサマー・スノーフレークでした。

 日本名はオオマツユキソウまたはスズランズイセンです。

 ヒガンバナ科でスノードロップ(マツユキソウ)に似ていますが、花が花茎に3〜4個つくことや花びらの長さが揃っていて外側の3枚(外花被片)の先端にも緑の斑点があるなどで区別しています。
南ヨーロッパから中東にかけて自生しているそうです。


18) アーモンド  Prunus dulcis                  2005.03.19
アーモンドの花」について

 アーモンドの花を見るとシルクロードのおおらかな娘さんが連想されます。
 西アジアが原産地で有史前にはすでに地中海域で栽培されていたそうです。
 日本に入ったのは明治時代でハタンキョウ(巴旦杏)と呼ばれました。

 昨年の春は家の庭でも咲いてくれたのですが、かわいそうなことにカミキリムシ(?)の幼虫に住みつかれて枯れてしまいました。

 写真は今は亡きアーモンドさんです。


19) ジンチョウゲ  Daphne odora                 2005.03.19

満開の沈丁花(じんちょうげ)  スクラム組んで」について

 花猫さんのジンチョウゲを見ていると、甘い香りが漂ってきました。わが家でも花の盛りになりました。

 昨日撮った写真のアングルが、嬉しいことに花猫さんのそれとそっくりでした。見てやってください。



20) ヘリオトロープ  Heliotropium peruvianum           2005.03.20

 日が射して気温が上がってきたので小さな温室のドアを開けると、いつもはさほどでもないのですが、なぜか今朝はヘリオトロープ(Heliotropium peruvianum)が強く香っていました。

 木立瑠璃草の名でも呼ばれる、エクアドルやペルーが原産地のこのムラサキ科の低木の花には独特の甘くそれでいて爽やかな香りがあります。
 そのため昔から香水の原料として栽培しています。
そういえば、この香水は明治時代から有名らしく、美禰子とよし子の買い物に付き合わされた三四郎が選んだのもヘリオトロープ香水でしたね。



21) ボロニア・ピンナータ  Boronia pinnata           2005.03.21
 花の後に刈り込んで温室に入れておいたボロニアにたくさんの蕾がつきました。
 ピンクの砂糖菓子のような蕾はふっくらと膨らんで、いつのまにかポンと4枚の薄桃色の花びらが開きます。

 原産地のオーストラリアには70種以上も仲間が分布しているそうです。
 ミカン科なので花には甘い香りがありますが、葉をもむと特有の強い精油成分の臭いがします。
 主に海辺近くに生えていて、シドニー湾の入り組んだ入り江の奥にあるクーリンガイの植物保護区の中を歩くとあちこちで出会えます。



22) フジモドキ  Daphne genkwa                   2006.03.19
 ジンチョウゲの仲間のフジモドキDaphne genkwa)が春の嵐の中で咲き始めました。
チョウジザクラあるいはサツマフジとも呼ばれています。

 中国の長江流域が原産地の落葉低木で、日本には江戸時代の初めに渡来したといわれています。
中国名は芫花、種小名の genkwa は中国名の日本読みで、シーボルトとツッカリーニの命名です。シーボルトの『日本植物誌』にはこの花の美しい絵が載っています。
 花にはよい香りがありますがゲンカニンなどの有毒成分を含みます。中国では痰切りや利尿に薬用されています。


23) バージニアストック  Malcomia maritima             2006.03.22

 JEのフラワーコーナーに直径1cmたらずの小さな十字花をたくさん咲かせたポットが並んでいました。花の色は咲き初めが白で、間もなく青味と赤味が差してくるようです。ラベルにはバージニアストックMalcomia maritima)と書いてありました。

 ギリシャとアルバニアの沿海地帯が原産地の一年草で、いまでは西部地中海域や北アフリカにも帰化しているそうです。

 最初は、北米原産でもないのにどうしてバージニアなのだろうと不思議に思ったのですが、地名ではなく可愛い女の子を意味するバージニアなのでしょう。とすると、ヒメアラセイトウという和名がお似合いですね。

「野の花便り〜仲春〜」に 連翹 を追加しました。



24) アルメニア・ムスカリ  Muscari armeniacum        2006.03.27 
 昨年の秋に植え込んだアルメニア・ムスカリMuscari armeniacum)が咲きはじめました。

 早速やってきたミツバチが白く縁どられた花筒の中へ小さな頭をもぐりこませようとしていました。

 ムスカリの仲間は地中海域と西アジアに30種ほど知られていますが、この種はユーゴスラビアの南部からイラン北部にかけて分布しています。ヒヤシンス科の小球根植物です。

 花序の様子からブドウヒヤシンスとも呼ばれています。
ムスカリという属名は麝香のラテン語、muscus に由来します。トルコ西南部とエーゲ海の島々に自生する1種に強い麝香臭があるからだそうです。

野の花便り〜仲春〜」に ヒメウズスモモ を追加しました。


25) ヒヤシンス  Hyacinthus orientalis               2006.03.29
 街角の花園でも色とりどりのヒアシンスHyacinthus orientalis)が花の盛りです。春風が甘い香りを運んできてくれます。
 地中海東岸域のシリア、レバノンなどからトルコにかけて自生しています。昔はヒアシンス属にはアフリカ産のものなども含めて30種もが記載されていましたが、現在は中近東に分布する3種にまで整理されています。
 トルコからもたらされたこの植物がヨーロッパで広く栽培されるようになったのは1500年代の中頃からだと書かれています。
日本に渡来したのは江戸時代で、1860年前後のようです。当時はヒアシントと呼んでいたそうです。
 現在目にするさまざまな色合いと花形の園芸品種の多くはオランダで作出されたものです。
 美少年ヒュアキントスの化身がこの花だというギリシャ神話は有名ですが、聖書の雅歌に登場する「谷間のユリ」はスズランではなくヒアシンスのことだという説もあります。でも、本当のところはどうだったのか、タイムマシンでもないと決着はつかないかもしれませんね。

野の花便り〜仲春〜」に ソメイヨシノ台所畑の花 を追加しました。


26) ホンコンドウダン Enkinanthus quinqueflorus          2007.03.03
 果樹温室を出ると、目の前では駿河湾が春の陽をきらきらと反射していました。
 植栽されたリュウゼツランに挟まれて、真っ赤な芽立ちが人目を引く潅木がありました。
 近づいてみるとドウダンツツジの仲間のホンコンドウダンEnkinanthus quinqueflorus) でした。

 香港、広東、江西チワン自治区、雲南などが原産地で、中国名は吊鐘花あるいは鈴児花だそうです。

 蝋細工のような花ですね。


27) ベニバナクサギ Clerodendrum splendens           2007.03.05

 ボート形に仕立てた大きなブーゲンビレアの株が頭上を覆う第一温室は湿度が高くレンズの曇りが消えるまでだいぶん待たされましたが、いくつもの花が迎えてくれました。
 その一つがベニバナクサギClerodendrum splendens)でした。
 西アフリカが原産地のクマツズラ科の低木です。
 枝が長く伸びて、つる植物のような樹形でした。
 ザイールなどではこの仲間の根を潰して魚毒として利用しているそうです。


28) ホワイト・サポーテ  Casimiroa edulis              2007.03.01
 熱帯果樹類を集めた温室には初めて目にする花がいろいろ咲いていました。
 その一つがホワイト・サポーテCasimiroa edulis)です。 メキシカン・アップルとも呼ばれます。
 メキシコから中米の高地が原産地のミカン科の果樹で、大きなものは樹高が18mにもなるそうです。
 直径10cm前後の丸い果実はビタミンAとCに富み糖度も高く美味で、カリフォルニア州では盛んに栽培されています。
 また、樹皮や種子には血圧を下げたりリュウマチの痛みを緩和する作用のあるカシミロシンという配糖体が含まれていて、アステク族は古代から利用していたといいます。


29)  ピタンガ  Eugenia uniflora             2007.03.02
 もう一つ、熱帯果樹温室のメンバーを紹介します。
スリナム、ガイアナ、フレンチギアナからブラジル南部とパラグアイが原産地のフトモモ科のピタンガEugenia uniflora) です。
 ブラジル・チェリースリナム・チェリーとも呼ばれ、タチバナアデクという和名もあります。ピタンガは”赤い実”というブラジル先住民のツピー語だそうです。

 オシベだけが目に付く花は小さく、1cmほどで、葉腋に一つついていました。直径3cmほどの赤い実は艶やかでカボチャのような形です。完熟すると濃い栗色になるそうです。
 高いところにあったので望遠で撮ったのですが、ちょっと手ブレした画像になってしまいました。

 鹿の子模様になる幹や樹形が美しいので熱帯各地の庭園にも植栽されています。



30)  キチョウジ  Cestrum aurantiacum               2007.03.05

 温室の中にはさまざまな香りが漂っていて、どれがどの花のものかは顔を寄せて見ないとわかりません。
 甘い香りのするこの花は幸い顔の高さに咲いていました。
 メキシコからグアテマラ、コスタリカにわたる中米が原産地のキチョウジ(黄丁子: Cestrum aurantiacum) です。 ヤコウボク(夜香木: C. nocturnum)も仲間の1種です。
 いまでは世界各地の熱帯で植栽されています。

野の花便り〜仲春〜」に ハルノノゲシ を追加しました。



31) ハナアナナス Tillandsia linedenii                2007.03.06
 熱帯睡蓮を集めた温室の側壁の植え込みの中に、剣状の花穂に一つのムラサキツユクサのような色合いの柔らかそうな花弁の花が咲いていました。
 エクアドルとペルーが原産地のパイナップル科のハナアナナスTillandsia linedenii)でした。
 この属、Tillandsia、の植物は完全な着生生活者で、サルオカセモドキ(T. usuneoides) のように街中の電線などにぶら下がっているものもあります。
 根は発芽したばかりの幼植物にはありますが直ぐに退化して特殊な細胞が空気中から水分を吸収するようになります。それで、エアプラント(air plant) とも呼ばれます。


32)  パナマローズ  Rondeletia leucophylla             2007.03.08
 オオオニバスの池の横の潅木に、濃い桃色の、ちょっとランタナに似た花が咲いていました。葉の裏は白い軟毛で覆われていました。
 中米が原産地のアカネ科のパナマローズ(Panama Rose : Rondeletia leucophylla) でした。
 この植物は探検博物学者としてよく知られたAlexander von Humboldtが1803年にメキシコのパパガヨ川の近くの丘で見つけたものだそうです。
 この標本を新種として記載したのはK.S. Kunthで1818年のことでした。
 Rondeletiaという属名は16世紀の南フランス、エロー県のモンプリエ大学で教鞭を執って多くの学者を育てた自然史学者のG. Rondeletを讃えてリンネがたてたものです。


33)  トーチジンジャー  Etlingera elatior var. alba       2007.03.09
 日本では最初に開花したとエントランスに宣伝してあった白花のトーチジンジャーEtlingera elatior var. alba) はオオオニバスの池のほとりに咲いていました。純白の蝋細工のような花でした。
 インドネシアとマレーシアが原産地のショウガ科の多年草です。
 東南アジアでは Bunga kantan, Bunga siantan, kaalaaa などと呼ばれていて、香りの良い若芽を食用しています。
 あちこちの温室で目にする真っ赤なトーチジンジャーとは一味違ったというか、いささか不気味な雰囲気の花でした。


34) フトモモ  Syzygium jambos                   2007.03.1
 もう一つ熱帯果樹温室に咲いていた花を紹介します。
 薄いクリーム色のオシベの束が花火のように広がったフトモモSyzygium jambos) の花です。 4枚の小さな白い花びらは散りやすいのでオシベだけが目立ちます。
 アジアの熱帯に広く分布するフトモモ科の高木で、日本では屋久島以南で栽培され、逃げ出して野生化したものも見られます。
 果実は香りは高いのですが甘みはなく果汁も乏しいのでゼリーなどに加工して食べられています。
 東南アジアではジャンブー(jambu)と呼ばれています。和名のフトモモはどうやら中国名の蒲桃(プータオ)に由来するようです。


35)  キバナアマ  Reinwardtia indica                 2007.03.11
 たくさんの珍しい花を楽しませてくれたバナナワニ園を後にして伊豆熱川駅から踊り子号に乗って帰路に着きました。
 出札口への階段を下りようとしたとき、生垣に明るい黄色の花が咲いていました。キバナアマReinwardtia indica) でした。
 インド北部から中国南部に分布するアマ科の低木です。

 日本へは明治の初期に導入されたそうですが、実物に出合ったのは初めてでした。
でも、oldマザーさんのお話では熱海をはじめ伊豆地方ではあちこちで栽培されているそうです。


36)  フリージア・ラクサ Freesia laxa                2007.03.12
 久し振りに出合った花を紹介させてください。
 10年ほど前まではラペイロウシア属(Lapeirousia)に分類されていましたが、現在はフリージア属にまとめられているフリージア・ラクサFreesia laxa) です。
 南アフリカのモザンビーク、スワジランド、ザンビア、ジンバブエなどに分布するアヤメ科の球根植物です。
 日本に紹介されたのは明治時代のようですが、ヨーロッパには1830年に導入されているそうです。 典型的な野生種の花色は薄いオレンジ色ですが、栽培種には白やピンクのものもあります。


37)  サンゴアロエ  Aloe striata                  2007.03.13
 5年前に家人が買ってきた、名前のわからない手のひらほどの大きさで葉縁が白く縁どられたアロエの苗が大きく育って、今年1月に花茎を出し、いま咲き始めています。

 花を見て確認できたのですが、南アフリカの東ケープ地方が原産地のサンゴアロエ(Coral aloe : Aloe striata)でした。
現地のアフリカーンス語ではBlouaalwyn (青いアロエ)などと呼ばれています。
 2亜種に分類されていて、この写真の個体は subsp. karabergensis です。
 愛好家の間では慈光錦とも口紅アロエとも呼ぶそうです。


38)  シャンデリア・プラント  Bryophyllum manginii         2007.03.16
 壁際の釣り鉢からオレンジ色のビーズを連ねたように、つぼ型で小指の先ほどの大きさの花が垂れ下がっていました。
 マダガスカル島の中央高地が原産のシャンデリア・プラント(Chandelier plant : Bryophyllum manginii)でした。
 多くの分類学者はブリオフィルム属(Bryophyllum)をカランコエ属(Kalanchoe)にまとめてしまいますが、最近はマダガスカル島に固有で葉縁に無性芽をつけるものをブリオフィルム属として区別する人が多いようです。

野の花便り〜仲春〜」 に ツクシヒメカンスゲ を追加しました。


39)  ネソコドン・マウリティアヌス  Nesocodon mauritianus      2007.03.17
 モーリシャス島の謎の花として文献の上では知っていたもののお目にかかる機会がなかった花にやっと出合えました。 真っ赤な蜜腺を持ったネソコドン・マウリティアヌスNesocodon mauritianus)です。
 モーリシャス島に固有の1属1種のキキョウ科の潅木です。 1979年にヒナギキョウ属(Wahlenbergia)の1種として記載されたのですが、詳しい研究の結果1980年に独立した新属Nesocodonに移されました。
 赤い蜜腺は例外的な存在で、なぜ赤い蜜腺が進化したのか謎でした。警告色では?という説もありましたが説得力に欠けます。
 最近の研究により、既に絶滅してしまったこの花の花粉媒介者であった小鳥との共進化の産物らしいということになりました。
 ドードーの悲しい話は有名ですが、1500年代にヨーロッパから人間が移り住んで以来この島の多くの生物が絶滅しています。この花粉媒介者の小鳥もその一つでしょう。ネソコドンも外来昆虫の食害を受け、現地では絶滅したのではないかといわれています。


40)  シロアミメグサ  Fittonia verschaffeltii var. argyroneura   2007.03.18
 あちこちの温室にグランドカバーとして植栽されているシロアミメグサFittonia verschaffeltii var. argyroneura)の花をはじめて見ることができました。
 というより、あまりに地味で小さな花ですので、いままで気がつかなかったのかもしれませんね。

 アマゾン川源流域のエクアドルやペルーの熱帯降雨林の林床が原産のキツネノマゴ科の常緑多年草です。

 10℃以下には耐えられないそうですから、東海地方での戸外での栽培は残念ながらできません。


41)  バイモ  Fritilllaria thunbergii               2007.03.19
 昨年の秋に球根を植え込んだバイモFritilllaria thunbergii) が咲きました。 中国原産の植物で古代から薬用植物として利用されていて、日本には奈良時代にはすでに渡来していたといわれています。 平安時代に編まれた『本草和名』には、和名は”波々久利”だとあります。
 江戸時代になるとアミガサユリ(編笠百合)とも呼ばれるようになりました。この名を聞いたときなぜ編笠なのだろうと思いました。
 寝そべって下からのぞいたとき、なるほど!と合点した次第です。
 外側の3本のオシベが先に熟すことと柱頭が3つに分かれていることもこのとき知りました。


42)  カランコエ・プミラ  Kalanchoe pumila                2007.03.21
 鋸歯のある白青色の小さな多肉葉の集まりの中から薄いピンクの4弁の花をいくつもつけた花茎が立ち上がっていました。
 Dwarf Blue(青い一寸法師)の名もあるカランコエ・プミラKalanchoe pumila)でした。

 マダガスカル島の中央高地が原産地のベンケイソウ科の多年草です。
 ”白銀の舞”という和名もあるそうです。

 水のやりすぎに注意せすればよく育ち、挿し木で殖やすことができるそうです。


43)  ダルメシアナ・ヒメハギ  Polygara X dalmaisiana    2007.03.23
 巨大なヒメハギ〜 といっても日本産のヒメハギと比べてのことですが 〜がフラワーショップの店先に5鉢ほど並んでいました。
 その艶やかさに目を奪われて、気がついたらレジに並んでいました。ラベルにはグランディフロラ、原産地は世界中とプリントしてありました。?世界中???・・・・・

 帰宅して調べてみたところ、地中海域から南アフリカの沿岸地帯に分布するミルティフォリア ヒメハギPolygala myrtifolia)と南アフリカ産のオポジティフォリア ヒメハギP. oppositifolia = P. furticosa)を交配して作出した品種でダルメシア ヒメハギP. X dalmaisiana)だとわかりました。

 産地は世界中というのは、なるほど嘘ではないのだと納得した次第です。


44)  アスタルテェア・ファスキクラリス  Astertea fascicularia    2007.03.24
 離れたところから見たときは花つきがまばらなニワウメかなと思ったのですが、ジェラルトン・ワックスフラワー(Chamaelacium uncinatum)やデザート・ベケア(Baeckea crassifolis)とよく似た花のアスタルテア ファスキクラリス(False Baeckea: Astertea fascicularia)でした。
 パースより南の西オーストラリア原産のフトモモ科の小型の潅木です。現地では秋から春先にわたって咲いています。
 この属はオーストラリア固有で7種が記載されているだけだそうです。
属名のアスタルテアはフェニキアの女神の名に因んだもの、種小名は葉の集まった様子を表しているようです。


45)  ボール・エバーラスティング Ozothamnus diosmifolius   2007.03.26
 このところ街角の花園では南アフリカ生まれの花をおさえてオーストラリア生まれが目に付くようになってきました。

 このボール エバーラスティング(Ball Everlasting : Ozothamnus diosmifolius) もその一つです。

 南太平洋に面したクイーズランド州からニューサウスウエールズ州にわたって分布しているキク科の潅木で、大きな株は高さが5mに達します。

 明るいユウカリの疎林の中や降雨林の林縁で見ることができます。


46)  ピンク・エバーラスティング  Schoenia cassiniana       2007.03.27
 ボール エバーラスティングの次はピンク エバーラスティング(Pink Everlasting : Schoenia cassiniana)に出合えました。

 西オーストラリア州の乾燥した内陸部からノーザンテリトリー州にかけて分布する良い香りのするキク科の一年草です。アリススプリング プラントとも呼ばれます。
 かつてはヘリクリサム属(Helychrysum)に分類されていました。

 ピンクの花弁のように見えるものは総苞片で、中央の黄色の粒々の一つ一つが花です。


47) ウンナンサクラソウ Primula filchnerae                2008.03.03
 雛壇に飾っても似合いそうな桜草の一つがこの淡い桃色の花びらのウンナンサクラソウ(雲南桜草:Primula filchnerae)です。


 それにしても誰が雲南桜草という和名をつけたのでしょうか。
 中国名の峡西羽葉報春からもわかるように、原産地は雲南省ではなく、秦嶺山脈などのある峡西省なのですが・・・・。

葉を触るとちょっと変わった香りが漂います。「薬くさい」という人もいます。


48) スターピンク Crowea HC "Starpink                 2008.03.06
 昨年の秋から、柔らかなピンクの5枚の花びらのスターピンクCrowea HC "Starpink")が咲き続けています。

 クロウエア属はオーストラリア原産でNSW地方に3種が知られています。
 スターピンクの花形はC. exalataによく似ていますが、葉の性質はC. salignaてきです。園芸書「日本の花名鑑」によると、この2種の交配によって作出されたもののようです。

 「Australian Plants Online」ではこの2種の交配種には”Festival"という品種名をつけていました。


49) ヒメリュウキンカ - 2  Ranunculus ficaria -       2008.03.09
↑こちらは典型的な小型のタイプです ↑こちらは大型の株です。

 枯れ果てていた庭の片隅でヒメリュウキンカRanunculus ficaria)が咲き始めました。
 葉や花のサイズが違う大型と小型の株があります。
              
 小型の株は、花の直径は〜2.5cm、葉身の長さは〜4cmで重なり合った花被片は〜12枚です。
 2倍体(2n=16)の R. ficaria var.ficaria と思われます。
 大型株は、花の直径は〜6cm、葉身は〜8cm、花被片は細めで重なりが少なく花被片は〜8枚です。
 4倍体(2n=32) の R. ficaria var. bulbifer と思われます。

 ヨーロッパから西アジアが原産地のキツネノボタン科の多年草で、日本やUSAなどでは園芸植物として栽培され、逸出したものは帰化しています。
 有毒植物と思っていたのでちょっと驚いたのですが、Usher,G(1974), Facciola,S.(1990)などによるとヨーロッパでは若葉をサラダとしたりゆでて食べたりするそうです。もっとも、花が終わって実がつくころには毒性が強くなって食用できなくなるといいいます。
 毒は薬でもあるわけで、Chevallier,A.(1996)によればこの植物は古代から痔や潰瘍の治療に薬用されていました。


50) トキワマンサク Loropetalum chinense              2008.03.15

 昨日は一足飛びに4月に入ったような暖かな一日でした。といっても、昼前から雷鳴とともに土砂降りとなり、近くの町では風速30mもの突風が吹き、かなりの家屋が被害を受けたようです。
 そんな天気でしたが、軒先のトキワマンサクLoropetalum chinense)は気持ちよさそうでした。
 インド東部から中国南部を経て日本まで分布するマンサク科の低木です。
 かつては日本には分布していないと思われていたのですが、1931年に伊勢神宮の森に自生していることがわかったそうです。いまでは、熊本や静岡などでも自生個体が知られています。 小石川植物園には樹高10mに近い大木があって、4月中旬を過ぎると満開になります。
 幕府の小石川薬草園だったころからのものでしょうか。



51) ピンク・アイ Tetratheca ciliata              2008.03.18
 いかにも「オーストラリアからやってきました」といった風情の濃いピンクの花が満開です。
 ピンク・アイと呼ばれているテトラテカ・シリアータTetratheca ciliata)です。

 オーストラリアに固有のトレマンドラ科(Treamandraceae)のヒース状の高さ80cm足らずの低潅木で、NSW州南部からタスマニア、西オーストラリアにかけて分布しています。
 最近は観賞用の小鉢に植えたものが出回っているようです。

 HPに「ヒガンバナ属の核型の変異と進化」をUPしました。


52) ボロニア・ルテア Boronia megastigma f. lutea          2008.03.21

 A. C. クラークさんの訃報を読みました。遠い昔、SFマガジンの創刊号に掲載されていた「太陽系最後の日」に感動させられた遠いあの日を思いだしていました。
 ふと気がつくと、卓上には数日前に買ってきた小鉢から、ボロニア・ルテアBoronia megastigma f. lutea) のベル形の小さな花が星屑のように散っていました。
 主に西オーストラリアのアルバニー地方に分布するミカン科の潅木です。野生のものには黄色花は稀で、チョコレート色の花のほうが普通だそうです。 種小名が表すように、この仲間としては大きな柱頭を持っています。

 HPに「ヒガンバナ属の核型の変異と進化」をUPしました。


53) イワヤツデ Mukdenia rossii                    2008.03.29
 お隣さんが「お友達にもらったのですが、この花の名前、わかりますか」と小さな平鉢をもってきました。

 まだ葉は展開しておらず10cmたらずの花茎の先にたくさんのつぼみが集まり、いくつかは開き始めていました。盆栽仕立てで矮化しているイワヤツデMukdenia rossii)でした。

 中国の遼寧省、吉林省と北朝鮮の国境を走る長白山脈地帯が原産地で渓谷の岩場に生えているそうです。
 ユキノシタ科の多年草です。日本では岩八手と書きますが中国名は槭葉草です。槭はカエデのことです。

 「野の花便り〜仲春」にニワウメを追加しました。


54) グリーンフラッシュ Hebe diosmifolia cv. "Green Flash    2009.03.02

 家人がフラワーショップで見つけてきたグリーンフラッシュHebe diosmifolia cv. "Green Flash)の細かな少しピンクがかかった白い花が満開になってきました。

 H. diosmifolia はニュージーランド北島の北部のカウェカ山地が原産地のゴマノハグサ科の低木ですが、これはその園芸品種だそうです。
 原種は分布域が狭く、個体数も多くはないようです。2倍体(2n=40)と4倍体(2n=80)が棲み分けていますが、外部形態での識別は難しいといわれています。
 この属には100種ほどがありますが、ほとんどはニュージーランドに固有で、一部がオーストラリア、ニューギニアと南アメリカの温帯に分布しています。



55) フブキバナ Tetradenia riparia = Ibozoa reparia        2009.03.06
 一昨日の淡雪は今は跡形も退く消え果ましたが、その雪の名残のような花が、温室の中に咲いていました。ほのかに紫を帯びた白い花穂がふうわりと頭上から下がっていました。フブキバナTetradenia riparia = Ibozoa reparia)でした。
 南アフリカのナタール地方が原産地のシソ科の低木です。雌雄異株で雄株の花のほうが見ごたえがあります。花もよい香りですが、葉をもむとジンジャーのような匂いがし、ジンジャーブッシュの名もあります。
 属名の一つのIbozoraは原産地の先住民のズールー族の“香草”を意味する呼び名に因んだものだそうです。
 先住民は昔から薬草として利用し、胃の痛み、頭痛、リューマチなどさまざまな病に処方されています。また、タバコのように吸引して幻覚を楽しむこともしたようです。 近年の科学的な研究でも強い抗菌作用のある物質が検出されています。


56) カエンキセワタ  Leonotis leonurus              2009.03.09

 一週間分の食糧を買い込みにでかけたスーパーマーケットの花屋さんで、懐かしい花に出合えました。
オレンジ色の、一見したところカガリビバナに似ているカエンキセワタLeonotis leonurus)です。

 南アフリカの南部、フィンボスと呼ばれる植生帯に広く分布しているシソ科の、人の背丈よりやや大きく育つ低木です。強い香りを放ち、薬草として利用されています。外用薬としてはヘビにかまれた傷や湿疹などに、煎じ汁は風邪や、気管支炎、喘息などの呼吸器病に服用しているそうです。
 “ライオンの尻尾”とか“ライオンの耳”と呼ばれますが、“ワイルドダッガ Wild Dagga"という名もあります。ダッガは南アフリカでのマリファナの呼び名ですが、この草にも軽い幻覚作用を引き起こす成分が含まれるからだそうです。

HPに「ヒガンバナの渡来説再考〜3」をUPしました。お暇な折にどうぞ・・・・・。



57) カエンカズラ  Pyrostegia venusta                2009.03.11
 春と冬が行ったり来たりですね。
 今朝は4℃まで下がり、年寄りの冷や水といわれそうなので、庭仕事はやめました。というわけで、今回も温室の美しい花、カエンカズラ(火焔葛:Pyrostegia venusta)をご覧ください。
 ブラジル、ウルグアイ、ボリビアなどが原産地のノウゼンカズラ科の蔓植物です。
 熱帯地方ではパーゴラや壁に這わせて庭を飾ります。栽培し易いので、暖温帯や寒帯でも観賞用の温室植物として利用されています。

「ヒガンバナの民俗・植物誌」にエピローグと参考文献を追加しました。お暇な折にどうぞ・・・・。



58) アンズ  Prunus arumeniaca var. ansu               2009.03.13
 今朝も外気温は3℃まで下がりましたが、昨年に比べればやはり春の訪れは足早のようです。 夜の間に少し降った雨の雫を柔らかで暖かそうな花びらにとどめて、アンズPrunus ansu)が咲きました。

 中近東から中国東北部にわたって分布していて、古代から観賞・薬用・食用に栽培されていたと考えられています。日本へは中国からウメとともに奈良時代以前に移入されたという説とウメに遅れて平安時代に渡来したという説があります。ウメに比べて花つきにむらがあるせいでしょうか、このあたりでは栽培している人が少ないようです。

  いかにして匂ひそめけん日のもとの
    わが国ならぬからももの花 藤原家良

         唐桃とも呼ばれました。


59) ミラクルフルーツ  Synsepalum dulciferum           2009.03.18
 温室の片隅に厚い葉を茂らせた潅木が植えてありました。 ラベルにはミラクルフルーツSynsepalum dulciferum)でした。赤いコーヒーの実のような小さな実が一つだけ残っていました。酸味や塩味を甘味に変えてしまう不思議な実として有名ですね。

 西アフリカが原産地のアカテツ科(Sapotaceae)のシンセパルム属の植物です。2〜3mになる低木で低湿地を好み西はシエラレオネから西カメルーン、コンゴ盆地にわたって分布しています。
 ガーナなどでは薪として切られて、個体数が激減しているそうです。
 ガーナではタアマミツオ(taamamitsho)とかタムラミ(tamlami)、ナイジェリアではアリーロ(alilo)などと呼ばれています。
「野の花便り〜仲春」イヌガシを追加しました。


60) デウォシアナ・ルイラソウ  Ruellia devosiana            2009.02.21
 温室のグラウンドマットに植栽されている、きれいな白い斑の入ったデウォシアナ・ルイラソウRuellia devosiana)に薄紫の花が咲いていました。

 ブラジル原産のキツネノマゴ科の多年草です。
フロリダやハワイでは逸出帰化して、迷惑がられるほどに繁茂しているそうです。
 葉の形態だけでは混同されがちなのが近縁のポルテラエ・ルイラソウ(R. portellae)ですが、こちらにはピンクの花が咲きます。

野の花便り〜仲春」に ヒュウガミズキ を追加しました。


61) アルクトーティス  Arctotis gumbletonii               2009.03.27
 今朝は牧の原台地に霜注意報が出ていましたが、幸い家の庭は4℃止まりでした。咲き始めたソメイヨシノも身を縮めていることでしょう。日が昇って気温が上がると花壇のアルクトーティスArctotis gumbletonii)が開きました

 アフリカン・デイジーとも呼ばれる南アフリカが原産の多年草です。
 南アフリカからアンゴラにかけて分布するこの属には50種ほどが記載されていますが、交配による園芸品種もたくさん創られているようです。
 良く似た植物にベニディウム属(Venidium)がありますが、研究者によってはこちらもアルクトーティス属に含めています。


62)  イワヤツデー2  Mukdenia rossii                2009.03.31
 昨年の3月にお隣さんから分けていただいたイワヤツデMukdenia rossii) が咲きました。
 以前にも書きましたが、中国遼寧省から韓国の慶尚北道太白山系にわたって分布するユキノシタ科の多年草です。
 日本では葉の形をヤツデのそれに見立てて岩八手と呼びますが、韓国では中国同様に葉の形をカエデ形と見立ててトルタンプン(突丹楓)と呼んでいます。
 属名のMukdeniaは命名者の小泉が採集地の奉天(Mukden)に因んだものですが、最初の属名はAceriphyllumで、こちらはカエデ形の葉を表わしています。


63) ナツメヤシ Phenix dactylifera L            2010.03.03
 柔らかに起伏する淡赤褐色の砂の世界の中を、緩やかに蛇行しながら滔々と流れるナイル川のほとりは濃い緑で縁どられていた。
 その緑の一部は古代から植栽されてきたナツメヤシDate Palm: Phenix dactylifera L.) でした。

 現在は主に西アフリカからインドにかけて広く栽培されていて、一部が野生化していますが、サハラの北東部からアラビア半島にかけてが原産地だろうといわれています。
 栽培の歴史は古く、約4500年前のイラクのウル遺跡の“月の神の神殿”の建材に使われ、モヘンジョダロ遺跡の倉庫跡からは4000年前のものといわれる種子が見つかっているそうです。また、大英博物館所蔵のアッシリアのレリーフには手桶に集めた花粉で雌花を受粉させているようすが刻まれています。すでに当時から植物の性が理解されていたわけですね。


64) アコール (ギリシャの巡礼者) Alhagi graecorum Boiss    2010.03.04
 ルクソールはカルナック神殿は圧巻でした。ことに、大列柱室では、地球上に設えられた異星の重力が支配する空間に迷い込んだような、そんな落ち着かない気分を味わいましたが、壁を抜けて明るく開けた聖池のほとりに立つと、近くには時の流れに崩れ落ちて修復を待つ日干し煉瓦が無造作に積まれていました。

 その煉瓦の間に鋭い棘のある枝に小さなねじれたような花を咲かせた草とも木とも決めかねる植物がありました。
 花のアップを撮影しようと瓦礫の中に踏み込もうとしたところ、案内してくれたアリ君にサソリや毒蛇が多いからと制止されてしまいました。
 エジプトではアコール(Aquol) と呼ぶ、マメ科のアルハギ・グラエコルム(Alhagi graecorum Boiss)でした。ナイル川沿岸の藪や市街地のに普通に見られるそうです。分布域は北アフリカから西アジアに渡っています。
 属名は“Al-Haggi”つまり巡礼者に因んだものです。種小名は“ギリシャの”という意味です。
こんなに鋭い棘があってもラクダやヤギには好物らしく英語名は Camel Thorn です。


65) キンコウセイ(錦晃星) Echeveria pulvinata Rose ex Hook. f.  2010.03.07
 銀色の細かな毛が密生する、ころりとした感じの葉の形が、10年以上も栽培しているのに未だ一度も花を咲かせてくれないマダガスカル島原産の月兎耳(Kalanchoe tomentosa) と良く似ている多肉植物が温室の中で咲き始めました。
 緑の蕾が5裂して中からオレンジ色の花筒がせり上がってきました。覗いてみると10個の葯と5つに割れた柱頭が見えました。

 メキシコのオアハカ地方サンフェリッヂ山地のトメジン渓谷が原産地といわれている、ベンケイソウ科のキンコウセイ(錦晃星:Echeveria pulvinata Rose ex Hook. f.) です。キンギョノハナ(金魚花)とも呼ばれます。


66) リビングストンデイジー Dorotheanthus bellidiformis (Burm.f.) N.E.Br 2010.03、17
 昨年の秋、私の花の師匠が種をまいて育てたリビングストン・デイジー(Livingstone Daisy: Dorotheanthus bellidiformis (Burm.f.) N.E.Br)の苗を4株分けてもらいました。
 3株は1月14日朝の氷点下2℃に耐えられず枯死してしまいましたが、風当たりの少ない場所に植えてあった株が生き残りました。
 その株が、いま花を次々と開いています。

 南アフリカのケープ地方からナマクワランドに固有のツルナ科の一年草です。
 主に海岸に沿った砂丘に分布していますが、一部は多肉植物が優占する内陸にも見られます。



67) リップヴァンウインクル Narcissus minor (L.) Baker var. pumilus A. Fernand
                                               2010.03.21
 雨が続いたり外出が多かったりで、しばらく放っていた花壇にはいつの間にかオランダミミナグサが茂りハルシオンが背丈を伸ばし始めていました。
 その中に、うっかりすると見落としてしまいそうな、草丈が20cmに満たないほどの、地味な八重咲き水仙が咲いていました。数年前に家人が求めてきたリップ・ヴァン・ウインクル(Rip van Winkle : Narcissus minor (L.) Baker var. pumilus A. Fernand.)でした。
 アメリカ版浦島太郎の名をつけられた理由はわかりませんが、ピレネー山地からスペイン北部にかけての山地草原や崖地に自生するというNarcissus minorから作出された園芸品種です。一説にはN. pseudonarcissusN. astriensisとの雑種とも言います。


68) ヒメサザンカ  Camellia lutchuensis T. Ito ex Matumura   2010.03.30
 フラワーショップの50%OFFの棚の中から、一つだけ蕾が残っている“姫椿”を家人が見つけてきました。
私の知っている、大木になるヒメツバキ(イジュ)とは違う植物なのですが、ラベルの記載も簡単で、確かにツバキ属ではあるのですが、種名がわかりませんでした。
 10日後、少しずつ膨らんできていたその蕾が開きました。
 直径3cmたらずの、少し紅をさした小さな花でした。
西南諸島以南に自生するヒメサザンカCamellia lutchuensis T. Ito ex Matumura)でした。
 3日後、サザンカのように花びらが散るのではなく、ヤブツバキなどのように子房を残してぽろりと落ちました。 別称のリュウキュウツバキの方が似合うように思いました。


69) プレクシア・マダガスカリエンシス 
    Brexia madagascariensis (Lam.) Ker Gawl         2011.03.01

 4月になったような暖かな日が続きましたが、昨日からまた冬に逆戻りですね。
 ベルリンはダーレムの植物園で緑色の花をみました。
 初めて出合ったブレクシア・マダガスカリエンシスBrexia madagascariensis (Lam.) Ker Gawl.)でした。

 東アフリカの沿海部の湿った低地林とマダガスカル島やセーシェル諸島が原産地のニシキギ科の植物です。かつての形態による分類体系ではユキノシタ科に入れられていました。
 果実が食用され、アフリカではムークフーク(mfukufuku)と呼んでいるそうです。
 ハワイやフロリダでは帰化していて、ことにハワイでは土着の植生の脅威となっています。
野の花便り〜早春」にカワズザクラを追加しました。


70) キャッサバ  Manihot esculenta Crantz.        2011.03.06

 ダーレム植物園の、高さ25mでフロアー面積は30mX60mで世界一という巨大温室の中で出合ったキャッサバ(Cassava:Manihot esculenta Crantz.)です。 タピオカ、マニオカ、ユカなど地域によってさまざまな呼び名があり、イモノキという和名もあります。
 世界中の熱帯でデンプン源として栽培されているトウダイグサ科の木本植物です。
 サツマイモに似た、根が肥大した芋をたくさんつけますが、青酸配糖体を含むので毒抜きの必要があります。中米から南米北部が原産地といわれています。数万年前に北米を南下して中米に達した人類はデンプン量豊富なこの植物を見つけて栽培するようになったに違いありません。
 15世紀末に南米に到達したヨーロッパの人々もいち早くその有用性に気づき、彼らの植民地へ導入していきました。記録によればまずベニン湾沿岸の西アフリカに広まり、16世紀末までには東海岸地帯へ、1800年初頭にはインドでも栽培されるようになったそうです。


71) サフロン・ブッシュ   Gnidia polystachya Berfgius     2011.03.09
 世界一を誇るダーレムの巨大温室の中の、人目につきにくい一隅に、ひょろひょろと伸びて針状の葉をまとった細長い茎の先端に、ガンピによく似た淡い黄緑色のたくさんの小花を咲かせたサフロン・ブッシュ(Saffron Bush: Gnidia polystachya Berfgius) が植栽されていました。

 南アフリカのインド洋に面したケープ地方の海岸沿いに点在するジンチョウゲ科の潅木です。
 夜が来るとよい香を漂わせるということです。
 この属には160種ほどが知られていて、ミナミアフリカ〜マダガスカル〜スリランカなどに分布していて、西インド諸島からも報告されています。
 東アフリカ産のG. glauca Steud. は上質紙の原料として知られています。


72) カリフォルニア・ライラック Ceanothus thyrsiflorus Eschsch.  2011.03.11
 食糧を買い込みに出かけたついでに、ドラッグストアーに併設されているフラーワーショップに立ち寄ってみました。
 3号ポットに植えられた、ひときわ鮮やかな空色の小花を集めた草とも木ともつかない苗が目にとまりました。
 カリフォルニア・ライラックというラベルがついていました。

 しかし、ライラックの仲間ではなく、カリフォルニア州とオレゴン州南部のチャパラルと呼ばれる乾生植物帯に固有のクロウメモドキ科ソリチャ属の低木のブルーブロッサム・ケアノサス(Blue blossom ceanothus: Ceanothus thyrsiflorus Eschsch) の園芸品種でした。

 ソリチャ属には55種が知られていますが、自然状態でも容易に交雑し、しかもその雑種のほとんどは稔性があり、分類には悩まされるそうです。
 先住民はこの仲間のニュージャジーティー(S. americana)などの葉を煎じたものを飲用していましたが、紅茶の輸入が滞った独立戦争を契機にヨーロッパからの入植者も利用するようになったということです。
 また鹿などの野生動物たちも葉を好んで食べ、種子はリスたちの食糧です。


73) オルベア・バリエガータ  Orbea variegata (L.) Haw.    2011.03.24
 11日以降、あまりにも悲しい惨状に、ブログに花の話しなど書き綴る気持ちになれませんでしたが、今日は気を取り直してキーを叩いています。
 この画像のオルベア・バリエガータOrbea variegata (L.) Haw.) もダーレム植物園で出合えた植物です。
 南アフリカのケープ地方の沿海部の花崗岩や頁岩の露頭に生えるガガイモ科の多肉植物です。
 いち早くヨーロッパに持ち込まれたケープ植物の一つで、1624年に描かれた図が残っているそうです。
なにとはなく不気味な雰囲気の花で、しかも動物の腐肉の臭いがすると聞いていたので、嗅いでみたかったのですが、顔を寄せるほどには近づけなくて残念でした。ハエなどが花粉媒介者です。
 花の形がヒトデに似ているのでStarfish cactus、花の斑点模様から蝦蟇を連想してToad cactus、あるいはカリオンを想像してCarrion flowerなどとも呼ばれています。



74) ヘッジホッグ・カクティー
    Echinocereus stramineus (Englem.) Ruempler       2011.03.27

 ダーレム植物園の乾生植物温室ではたくさんのサボテン類やユーフォルビア類を見ましたが、これはその一つで、ラベルには Echinocereus stramineus (Englem.) Ruempler とありました。ヘッジホッグ・カクティ(Hedgehog Cacti) と総称される仲間の1種です。

 西南USA、とくにソノラ砂漠からメキシコにかけて分布する種のようですが、図鑑で見るとよく似た種がたくさんあって難しいグループです。

 福島原発は発表されるたびに事態が悪化しているようですね。「夢であって欲しい」という被災者の言葉は切実です。放射線を浴びながら作業している人々の恐怖も思いやれますが、一日も早く押さえ込んでもらいたいと願っています。


75) ファイヤークラッカープラント
        Echeveria setosa Rose et Purpus      2011.03.28

 この多肉植物も乾生植物温室の中で咲いていました。
 ラベルには Echeveria setosa Rose et Purpus と書いてありました。
 葉は細かな白毛で覆われていました。

 メキシコ原産で、メキシコシティーの東のプエブラ州に分布の中心がある、ベンケイソウ科の植物です。
 いくつもの園芸品種がありますが、ファイヤークラッカー プラントないしはメキシカン・ファイヤークラッカーと総称されています。
 日本では錦司晃、青い渚などの品種が栽培されているそうです。

 福島原発3号機にMOX燃料が使われているということですが、東電も政府もマスコミもプルトニウムにはまったく触れていませんね。心配です。浜岡原発でもMOX燃料を使う予定でしたが、延期するといっています。


76) アメリカスミレサイシン  Viola sororia Willd.        2012.03.05
 今日は啓蟄ですね。
 庭先にもやっと春が来て、サンシュユやカワズザクラなど、この冬の寒さに耐えてきた木々の蕾が開き始めました。
 山法師通りの舗装の切れ目には、どこか近くの花壇から飛び出してきたらしいアメリカスミレサイシンViola sororia Willd.)が咲いています。
 北米東部が原産地でコモン・ブルーバイオレットと呼ばれ、日本ではかなり以前から園芸植物として栽培されていたようですが、逸出し帰化植物として認識されるようになったのは1980年代だそうです。
 和名はスミレサイシンのように太い根茎があることに因んだものです。先住民は全草を食用・薬用します。また、面白いことにオマハ族の子供たちは、チームに分かれて集めてきた花を絡めて引き合って、千切れた方が負けという遊びをするそうです。日本の“相撲取り草”遊びとそっくりですね。
「野の花便り〜早春」アオモジを追加しました。


77) ブルーアイス=ヒメシャクナゲ  Andromeda poliffolia L.   2012.03.26
 昨夜放映された「平清盛」を見ていると、蜩の声の流れるなかで死んでいった壇れいさん演じる璋子の胸に水仙が置かれていました。水仙は鎌倉時代に渡来したといわれています。時代考証と共に季節考証もしてもらいたいですね。ま、しかし、薄幸の美女には水仙がよく似合うということはわかりました。
初めから脱線してしまいましたね。
 画像は散歩の途中で立ち寄ったフラワーショップで買ってきたブルーアイスという品種名のヒメシャクナゲAndromeda poliffolia L.) です。
 北半球の寒冷地に広く分布していて、日本では中部山岳地帯以北で見られます。湿原などに生えるので英語圏では bog rosemary と呼んでいます。
蜜腺には血圧低下や呼吸障害を誘発するアンドロメドトキシン(=グアヤノトキシン)という成分が含まれるそうです。
「野の花便り〜仲春」タネツケバナカキドオシを追加しました。


78) ジャノメエリカ  Erica canaliculata Andr.    2012.03.31
 激しい雨と風をつれて不連続線が西から東へと足早に過ぎていきました。

 庭では風の通り道にあった花の盛りの黄水仙が倒れたていどで、ほとんど被害もなく、暮れから咲き続けているジャノメエリカErica canaliculata Andr.)のピンクの花房も昨日と変わらず射しはじめた西日を受けています。

 エリカ属には860種もが記載されていて、そのほとんどが南アフリカに分布します。ことに集中しているのが南西ケープ地域で、658種が知られ、うち96%が固有種だそうです。
 なかでもこのジャノメエリカは適応力が大きく、小鉢から定植した我が家の株も4mほどに育っています。
「野の花便り〜仲春」イカリソウを追加しました。



79) プリムラ・ビアリ Primula vialii Delavay ex Franch.  2013.03.10

 今朝目5時過ぎに覚めたときの外気温はなんと14℃もありました。そして日中は汗ばむほど。
そのせいでしょう、やっと数日前から咲き始めたカワズザクラが満開状態になり、花壇のプリムラ・ビアリPrimula vialii Delavay ex Franch.)も薄紫の小花を開きました。

 葉を見ればサクラソウの仲間と直ぐわかるのですが、長い花穂と筒状の小花は見慣れたサクラソウの仲間とはずいぶん違いますね。
 英国ではこの花姿がダクチロリザ属などのランに似ていることからオーキイド・プリムロズと呼んでいます。
 日本のフラワーショップでは“妖精のろうそく”と名づけているようです。
 雲南省北西部と四川省南西部が原産地で、標高2800m〜4000mの草地の湿地や谷間の水辺に生え、草食獣が食べないため大きな群落となっているところがあるそうです。
 この一風変わったサクラソウの1種を1888年に記載したのはフランス人宣教師のDelavay. P.ですが、種小名は彼の同僚のVial, P.にちなんだものです。
 「野の花便り〜仲春」カワズザクラを追加しました。



80) ディオニシア・レモンアリエッタ Dionysia aretioides Boiss.  2013.03.17
 ここ遠州では早朝はかなり冷え込む日が続いていますが、日中はすっかり春の陽気です。
 この冬の記録的な寒さで開花が遅れるのだろうと思っていたソメイヨシノがこちらでも開き始めています。
振り返ってみれば、2006年にも同じような思いをしました。
 それはさておき、今日はスパーストアーの花屋さんでディオニシア・レモンアリエッタDionysia aretioides Boiss.)という始めてみる小鉢を買ってきました。
 イラン北部の高山で1770年に採集された標本を元にBoissier, P.E.が1846年に記載したサクラソウ科のマット植物です。
 この植物が採集されたザグロス山地のアルボルツ山には現在でも美しい群落が見られるそうです。
「野の花便り〜仲春」一葉松 を追加しました。


81) カトレア・クローバー Trifolium burchellianum Ser.    2013.03.24
 上野のお花見はずいぶんと賑わっているようですね。
 静岡市でも昨日満開宣言がでましたが、常葉の丘のソメイヨシノはまだちらほら咲きです。
 庭では先日フラワーショップで見つけてきたカトレア・クローバーTrifolium burchellianum Ser.)の小さな藤色の手毬のような花が咲いています。
 南アフリカが原産地で、ケープ地方のインド洋沿岸地帯からナタールにかけてと内陸のオレンジ自由州などに分布しています。
 花色には濃いものから薄いものまで、地理的な変異が知られています。
「野の花便り〜仲春」ケヤキ を追加しました。


82) バタフライ・オ−キッド  Psychopsis papilio (Lindl.) H. Jones   2014・03・06
 先年ベルリンのダーレム植物園でカメラに収めたものの、名前がわからなかった美しいランが何者なのかがやっとわかりました。

 ランに詳しい若い友人にバタフライ・オーキッド(Psychopsis papilio (Lindl.) H. Jones)だと教えてもらいました。

 南米に4種が記載されている小さな属ですが、この種はトリニダード・ベネズエラ・コロンビア・エクアドル・ペルーが原産地で、標高800m〜1200mの山地に分布しているそうです。

 直径が15cmにもなる大型の花で、形も変わっていますから早くから注目され、ヨーロッパには1826年にトリニダードから導入されました。

 私はこの写真を撮ったときに初めて見たのですが、毎年開かれるラン展などではお目にかかれるかもしれませんね。

『野の花便り〜仲春』マンサクを追加しました。


83) キバナクンシラン Clivia miniata (Lindl.) Regel. var. citrina    2014・03・21
 昨日は春雨というにはいささか冷たすぎる雨の一日でしたが、家人の付き添いで出かけたクリニックの待合室に咲き始めたキバナクンシランClivia miniata (Lindl.) Regel. var. citrina) の鉢がありました。
 母種のウケザキクンシランは19世紀の初頭に南アフリカのインド洋に面したナタール州からビクトリア朝時代のイギリスにもたらされもてはやされたたものですが、この淡い黄色の変種は19世紀の末に発見されたものだそうです。
 熱川バナナワニ園の清水秀男さんの「学芸員の独り言」によると、同園にはすばらしいキバナクンシランのコレクションがあります。
「野の花便り〜仲春」カケガワザクラを追加しました。


84) ムラサキナズナ  Aubrietia deltoidea (L.) DC    2014・03・27
 ホームセンターの花売り場でオードリーというラベルの入った、明るい青紫色の小さな花をマット状に咲かせている小鉢をみつけました。
 帰宅して調べたところムラサキナズナという和名のあるアウブリエティアAubrietia deltoidea (L.) DC.)とわかりました。
 ギリシャ南部〜シシリー〜クレタ島が原産地で、神々の住むというオリンポス山などの峻険な崖などに生えているそうです。
 ヨーロッパでは古くから庭園に植栽されていてフランスやイギリスなどっでは野生化しています。
 園芸品種もいくつか知られていて、赤花や白花もあります。
『野の花便り〜仲春』ユキヤナギを追加しました。

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