July

庭の花便り  Garden Flora Reports

〜 7月の花  Flowers in July 〜

  索引   アガパンサス アガパンサス・スノーボール アスチルベ・アレンジー アパラチアン・ベアードタン アマ
 アルカネット イエローカモミール イカダカズラ イリオモテアサガオ  インディアン・フィグ  ウモウケイトウ
 エキザカム  エルサレムセージ  エンキクリア・フラグランス  オオハマオモト  オオバハブソウ
 オレガノゴールデン  カサブランカ  カリブラコア ガンピ キバナイペー  ギンバイカ クサキョウチクトウ
 クダモノトケイソウ クリスマスブッシュ クロッサンドラ  ケーパー  コダカラベンケイ サボンソウ
 サンユウカ シマトネリコ シロタエヒマワリ 白花のユウゲショウ スズカケソウ スズランノキ
 ストーケシア セイヨウニンジンボク セイヨウフウチョウソウ セイヨウマツムシソウ セイロン・ランティア
 センニチコウ  ソラナンテラ・ベゴニア  タチアオイ ダリア  ダンゴギク ナツメ  ニチニチソウ
 ニューギニア・インパティエンス パイナップル・リリー パキポデューム・ホロベンス パセリ
 ハナスベリヒユー2 ハルシャギク ヒメイワダレソウ  ヒメノカリス ヒメヒオウギズイセン ヒャクニチソウ
 ビヨウタコノキ ブラックベリー フレンチマリーゴールド ブルーワンダー  ベロニカ・スピカータ
 マウンテンミント マホガニーミジェット マルキンカン  ムギワラギク 八重咲ブーゲンビレア ヤコウボク 
 ヤロー・イエロー  ルコウソウ レッサーカラミント レディースマントル  レプトスペルムム・ペテルソニイ
 
ワタチョロギ 

1)  ヤロー・イエロー Achillea filipendulina 'Gold Plate'         2005.07.01

 これもK子さんのハーブガーデンに咲いていた花です。
 先日紹介した赤花のヤローと同じ属のヤロー・イエローAchillea filipendulina)です。
”黄金の板 Gold Plate" という品種だそうですが、うなづけるネーミングですね。
 コーカサス地方が故郷で、他のヤローともども古代から薬草として利用されてきたのですが、鮮やかな黄色色素は染物にも利用されたそうです。
 属名のAchilleaはギリシャ神話の英雄アキレスがトロイ戦争で負傷した兵士の傷の手当てにこの草を使ったという伝説に因んだもののようです。
 今日の野の花便りにはヨルガオを書きました。



2)  ヒャクニチソウ Zinnia elegans                     2005.07.02
 草友達で私たちの園芸の師匠でもあるYさんからいただいたヒャクニチソウ (Zinnia elegans) の苗が大きく育って、みごとな花を咲かせています。
 最近は百日草というクラシックな名前よりジニアZinnia)という属名のほうが通りがよいようです。
 この仲間はメキシコを中心に北アメリカ西南部からアルゼンチンにかけて約20種が分布しています。
 日本に入ったのは幕末で、花の寿命が長いのでチョウキュウソウ(長久草)とかウラシマソウ(浦島草)とも呼ばれました。英語圏には "Youth and Old Age"という名もあります。
 今日の野の花便りにはハンゲショウをUPしました。


3)  ケーパー Capparis spinosa                   2005.07.03
 100年ぶりの渇水だともいわれていた瀬戸内や北九州は、今朝は打って変わって洪水に襲われていますが、こちら東海地方では薄日も射していました。K子さんのハーブガーデンの雨よけのある片隅では、夜の内に開いた薄いピンクのケーパーCapparis spinosa)の花を見ることができました。
 地中海域に広く分布しているフウチョウソウ科の匍匐性のある刺を持った潅木です。
 蕾は昔から食用にされていて、乾燥すると香りが抜けてしまうので酢漬けにして魚料理に付け合せたりします。私が実物のケーパーの花を見たのは、スモークサーモンに添えられたケーパーの蕾の味に舌鼓を打ってからずいぶんと経ってからでした。


4)  ニチニチソウ Catharanthus roseus                2005.07.04
 渡辺桂子さんの「紅さしてはぢらふ花の日日草」の句はこの花のことに違いない、と私は決め込んだ。そんな優しげなニチニチソウの一鉢をいただいた。
 白い肌に薄く紅を引いたような、少しなまめかしい花です。
 ニチニチソウ(Catharanthus roseus)はマダガスカル島の原産で、今では世界中で栽培され多くの品種が選別されています。
 キョウチクトウ科で細胞分裂を阻害するビンブラスチンなどのアルカロイドを含んでいて、悪性リンパ芽肉腫や小児白血病に有効だといわれています。
 原産地で見た野生のニチニチソウの写真はマダガスカルで出逢った花にUPしてあります。


5)  ニューギニア・インパティエンス Impatiens hawkeri         2005.07.05

 「自宅のニューギニア・インパチェンスの花」について
 綺麗なニューギニア・インパティエンスですね。

 確かに、参照されているHPの情報は混乱していますね。私の認識ではニューギニア・インパティエンスの方はImpatiens hawkeri(ニューギニア原産)の園芸品種群で、アフリカ・インパの方はI. walleriana(東アフリカ原産)起源の園芸品種群です。花や葉の形質で区別できると思います。
 参考のため今庭で咲いているアフリカ・インパティエンスのUPしてみました。



6) クダモノトケイソウ  Passiflora edulis                 2005.07.05
 雲が切れて真夏の太陽が顔をのぞかせると、待っていたようにクダモノトケイソウPassiflora edulis)が花ひらきました。
 ちょっと見はトケイソウとよく似ているのですが、こちらは副花冠がよれよれで長く、ガクと花びらはその下に隠れています。

 ブラジルが原産地で、その果実が皆様ご存知のパッションフルーツです。
 熟すと自然に蔓から離れ落ちます。
 霜に当てると枯れてしまいますので、鉢植えにして冬は室内に取り込んでおけば、遠州辺りでも毎年あの甘酸っぱいよい香りを楽しむことが出来ます。


7) クロッサンドラ Crossandra                      2005.07.06

 髪が伸びて鬱陶しいわよ、などといわれる前にと思い、小雨の中をいつもお世話になっているT理髪店へでかけました。
 そのパーキングスペースの脇に、花好きのご主人が丹精しているプランターが並んでいて、その一つでクロッサンドラCrossandra)が咲き始めていました。

 アフリカ東海岸からアラビア半島とインドにかけて50種ほどが分布しているキツネノマゴ科ヘリトリオシベ属の1種で、サマーキャンドルと呼ばれる園芸品種です。

 今日の野の花便りナガエコミカンソウです。



8)  アガパンサス Agapanthus africanus               2005.07.07
 アガパンサスAgapanthus africanus)の少し紫のかかった淡い空色の花が、開いた花火のように咲いています。
 葉の形が君子蘭のそれに似ていること(私にはあまり似ているとは思えませんが・・・)と花の色に因んで紫君子蘭という和名があります。
 南アフリカが原産の植物です。
 Agapanthusという属名はギリシャ語のagapao(愛)とanthos(花)の合体です。
 先住民のコーサ族の人たちにとっては”まじない草”で、花嫁さんはたくさんの子供に恵まれることを願って、この草の根茎を身にまとうそうです。
 南アフリカから最初にヨーロッパに入った植物で、1687年にライデン植物園に導入された記録があります。


9)  ブルーワンダー Campanula Hybr. 'Wonder Bells Blue'     2005.07.09
 小さな空色の八重の花が小枝に鈴なりに咲いている小鉢をフラワーショップで見つけました。
 ブルーワンダーというラベルがついているのですが、さて困ったことには何の仲間か見当がつきません。葉の感じはブルーベルの仲間のようにも見えます。
 その場でいじりまわすわけにもいきませんので、買って帰りました。
 家でルーペを持ち出して、しおれかかった花を一つ切り取って、開いてみました。
 八重は八重でもオシベが花びらに代わった八重桜のようなつくりではなく、釣鐘状の花筒を36度ずつずらしていくつも積み重ねた八重でした。切り取った枝からは白い乳液がにじみました。
 つまり、キキョウ科ツリガネニンジン属の1種とわかりました。英語名を"Wonder Bells Blue"という交配による園芸品種でした。



10)  ヒメノカリス・ナルキッシフローラ Hymenocallis narcissiflora   2005.07.12

 ラッパズイセンのように副花冠が発達したヒメノカリス・ナルキッシフローラHymenocallis narcissiflora)が咲き始めました。 顔を寄せると爽やかな甘い香りがしました。 ペルーアンデスが原産地のヒガンバナ科の球根植物です。
 かつてはイスメネ・カラティナIsmene calathina)と呼ばれたので、園芸店では今もイスメネの方が通りがよいようです。 バスケットフラワーあるいはペルーラッパズイセンとも呼ばれます。
 地中海域にが原産のパンクラチューブ・マリティムム(Pancratium maritumum)と花の形はよく似ていますが、こちらは花の最盛期には葉が枯れるので区別できます。
 野の花便りには浜岡砂丘の花、6種を載せました。



11)  パイナップル・リリー Eucomis comosa            2005.07.13
 辺縁が波打っている明るい緑の大型の葉に囲まれた太い花穂をすっくと立てて、パイナップル・リリーEucomis comosa)が咲いています。

 南アフリカのインド洋に面した東ケープからナタールにかけての地が故郷で、そこでは12月が花盛りです。しかし12月といっても、南半球のことですから夏の盛りです。

 ヨーロッパに導入されたのは1783年のことだそうですが、彼女たちの体内時計を6ヶ月ほど遅らせて北半球の気候に合わせて7月に咲くようになるまではしばらくかかったことでしょう。

 一見その花穂の形が引き伸ばしたパイナップルのようなのでパイナップル・リリーと呼ばれますがパイナップルの仲間ではなくツルボやオーニソガラムに近縁の植物です。

今日の「野の花便り」にはモッコクについて書きました。


12)  ダンゴギク Helenium autumnale               2005.07.14
 Yさんのお庭にこの当たりでは見たことのないキクの仲間が咲いていました。
 名前を伺うと、ダンゴギクではないだろうかのことでした。 調べてみたところ黄色の花を咲かせるダンゴギクHelenium autumnale)を片親とした交配種でヴァルトトラウト(Waldtraut)という園芸品種のようです。花屋さんではヘレニウムの名で売っています。 北アメリカが原産で、クシャミグサ(sneezeweed)と呼ばれていますが、花にくしゃみが出るような香があるというわけではなく、先住民がこの花を粉にして嗅ぎタバコとして利用していたからだそうです。
 大きな花というのではないのですが、結構存在感のある花です。


13)  ヒメヒオウギズイセン Crocosmia X crocosmiiflora     2005.07.16  
 あちこちの藪陰で野生化したヒメヒオウギズイセンが咲いています。この辺りではボンバナ(お盆の花)と呼び習わされています。
 この属(Crocosmia)には7種が知られていて南アフリカを中心に分布しています。
 ヒメヒオウギズイセンC. X crocosmiiflora)はサバンナに生えるヒオウギズイセンC. aurea)と川岸など水辺が好きなヒメトウショウブC. pottsii)との雑種で、1879年にフランスで作出され、間もなく日本にも導入されています。 モントブレティア(Montbretia)と呼ばれることもありますが、この名はナポレオンのエジプト遠征に随行したこともあるフランスの植物学者に因んだものです。今では世界のあちこちで野生化していて大群落を作ることもあります。


14)  インディアン・フィグ Opuntia ficus-indica            2005.07.17

 廃屋の生垣を押しつぶすほどに育ったサボテンに大きな花がたくさん咲いていました。
 ウチワサボテン属Opuntia)の1種のインディアン・フィグO. ficus-indica)でした。
 遠州では四半世紀前あたりまで、霜除けをしないと戸外では枯れてしまったものですが、近年は平気で越冬しています。温暖化が進んだ証でしょう。
 メキシコが原産地で今では世界各地の暖地で栽培され、一部は野生化しています。
 日本には慶長ないしは寛永年間にオランダ船により長崎に運ばれたといわれています。江戸の川柳に「さぼてんを買って女房に叱られる」などと詠われたところをみると当時は高価な珍品だったのでしょう。そういえば、私も「○×を買って女房に叱られた」ことがありました。昔も今も花好きは似たもの同士だったのですね。



15)  キバナイペー Tabebuia chrysotricha            2006.07.16
 ご無沙汰いたしました。一ヶ月ぶりの投稿です。

 ブラジルをほぼ縦断し、ベネズエラのギアナ高地を訪ねる旅をしてきました。
 アルゼンチンとの国境に近いイグアスの滝の周辺では、ブラジルの国花の桃色や黄色のイペーが咲き始めていました。
 ノウゼンカズラ科の高木でブラジルとベネズエラが原産地です。
 写真は巨大な人造湖イタイプーのほとりに咲いていたキバナイペーTabebuia chrysotricha)です。


16)  パキポディウム・ホロンベンス Pachypodium horombense   2005.07.18
 7年ほど前に千葉県の館山にある南房パラダイスで”地湧金蓮”が咲いたというので見学に出かけた折に買ってきたパキポディウムに一つだけ花がつきました。
 親指ほどの太さの高さ10cmほどの苗でしたが元気に育ってくれました。

 ラベルが付いていなかったのですが、花が咲いてやっと種名が特定できました。

 マダガスカル中西部が故郷のパキポディウム・ホロンベンスPachypodium horombense)でした。
 成長しきったものは高さ1.5mほどになるそうです。
 だいじに育てようと思っています。


17)  シロタエヒマワリ Helianthus argophyllus            2005.07.19

 梅雨明けの猛暑によく似合うシロタエヒマワリHelianthus argophyllus)が咲いています。
 銀白色の葉は断熱効果がありそうです。
原産地はアメリカの南部、フロリダからテキサスの辺りだろうといわれています。
 あちらでは Silverleaf sunflower と呼ぶのが普通です。
 一年草で種子で繁殖するので、あちこちで帰化植物となっているようです。

 今日の「野の花便り」には白い花の桔梗、ペクトラジを書きました。



18)  カリブラコア Calibrachoa HC.               2005.07.22

 最近になって街角の花園でペチュニアによく似てはいますが、花も葉も少し小振りの植物ををよく目にするようになりました。
 ペチュニアと同じナス科のカリブラコアCalibrachoa HC.)です。
 ペチュニアと同様にペルーからアルゼンチンにかけて分布しています。
 以前は同じペチュニア属にまとめられていましたが、染色体数と種子の形の違いで区別でき、遺伝的にも隔たったものとわかり別属に移されました。
最近になってカリブラコア属も草本性のものと木本性のものの2つのグループに分けられるようになりました。
 今日の「野の花便り」にはイヌビユの写真をUPしました



19)  カサブランカ Lilium HC. 'Casablanca'             2005.07.24

 昨夜、masaさんのブログカサブランカを楽しませていただきましたので、いま庭に咲いている「白い館」を紹介させていただきます。
 昔、初めてこの花をフラワーショップで見たとき、白いドレスの広がりのような花びらに白い針のようなオシベが包まれている姿から、花粉袋が出来ない新品種かと驚きました。白いドレスが赤い花粉で汚れるのを嫌って、花屋さんが花粉袋を取り去ったとは思いもかけませんでした。
 交配を重ねてオランダの育種かが1984年に作出した品種だそうです。
 カノコユリとヤマユリを掛け合わせたものにさらにカノコユリを交配したJammboreeという品種にウケユリないしはタモトユリを交配したものということです。



20)  フレンチ・マリーゴールド  Tagetes patula        2005.07.24

 真夏の花壇で元気よく咲く花は比較的少ないのですが、マリゴールドTagetes)はその一つです。
 あまりにありふれた存在になったせいでしょうか、一時は花壇に植え込む方が減ったように思いますが、最近は華麗な品種も多くなり、また頻繁に目にするようになりました。
 メキシコから中南米を中心に分布している属ですが、ヨーロッパでは17世紀から盛んに栽培され、聖母マリアの黄金(Mary's Gold→Marigold)と呼ばれました。
 フレンチ・マリゴールドと呼ばれる園芸品種はメキシコ原産のマンジュギク(万寿菊、T. erecta)とヒメコウオウソウT. tenuifolia)の雑種のコウオウソウ(紅黄草、T. patula)が元になっているそうです。



21)  エンキクリア・フラグランス Encyclia fraglance         2005.07.26

エンキクリア・ラディアタ」について
 エンキクリア!
 懐かしい花です。コスタリカの、時おり溶岩の流れ落ちるアレナル火山の麓に咲いていました。よい香りの花でした。
 エンキクリア・フラグランスという別の種類ですが、よく似ていますね。
http://www5e.biglobe.ne.jp/~lycoris/costarica
-hana-3.html



22)  ウモウケイトウ Celosia argentea var. cristata       2005.07.27
台風一過の青空の下で真っ赤なウモウケイトウCelosia argentea var. cristata)が生き生きとしています。
今まで一つ一つの小さな花を見ることなく赤い花穂にばかり気をとられていたので、今朝は目一杯近寄って見ました。

赤く染めた羽毛のように見えますが、よくみれば5枚のガクと基部が合着した5本のオシベと長い花柱のメシベからなる細かな赤い花の集まりです。
なるほどヒユ科の花だと納得しました。

野の花便りにはサギソウについて書きました。


23)  センニチコウ Gomphrena globosa              2005.07.28

 クマゼミの声がこれから始まる暑い一日を喜ぶようにかしましい朝の庭で、千日紅が微笑んでいます。 この花はラヴェンダー・レイディという品種のようです。
 センニチコウGomphrena globosa)はパナマからグアテマラにかけてが原産地のヒユ科の一年草です。
日本に渡来したのは江戸時代の初めの1680年代だといわれています。
 中国でも1600年代には既に栽培されていて、花は冬になってもしぼまないので女性が髪に飾ったと書かれています。
 新大陸が発見されてから200年足らずで、ヨーロッパからアジアへと伝播してきたことになりますね。



24)  イカダカズラ Bouganvillea spectabilis               2005.07.30
 台風が通り過ぎてから庭に来てくれる蝶の種類が増えました。
 アゲハ、キアゲハ、モンキアゲハ、アオスジアゲハ、そしてツマグロヒョウモンとダイミョウセセリなどが目立ちます。
 今朝もゆったりと羽ばたいて花の品定めをしていたモンキアゲハが、真っ赤なイカダカズラBouganvillea spectabilis)の花にとまって吸蜜し、風に乗って舞い立っていきました。
 ブラジルが原産地のオシロイバナ科の低木で、霜にあたらなければこの辺りでも一年を通して咲いています。赤い総苞の中心に咲く花の形をよく見れば、なるほどオシロイバナによく似ています。


25)  エキザカム Exacum affine                  2006.07.26
 このところいろいろあって、まさに光陰矢のごとしを実感しています。

 梅雨明け間近を思わせる火のような陽射しの中で、エキザカムペルシアン・バイオレットExacum affine)が咲いています。
 旧世界の熱帯を中心に分布するリンドウ科の属で、25種ほどが知られているそうです。
 写真のペルシアン・バイオレットは紅海の入り口近くに浮かぶソコトラ島に自生するものです。

 野の花便り〜盛夏〜マンリョウを追加しました。


26)  レッサーカラミント Calamintha nepeta            2006.07.27

 ゴールデンウイークが幕を閉じたころから咲き始めていたレッサーカラミントCalamintha nepeta)が、少し花穂が間延びしたものの、未だ元気よく咲いています。

 イングランドとスペインからトルコにかけての地中海域に広く分布していますが、沿岸地帯より山地が本来の自生地だそうです。
 古代からハーブティーとして利用されてきたシソ科の多年草です。



27) レプトスペルムム ペテルソニイ Leptospermum petersonii  2007.07.02
 あの喫茶店の前庭に植栽されているレプトスペルムム ペテルソニイLeptospermum petersonii)の白い花が咲き始めていました。
 オーストラリアのクイーンズランド州とニューサウスウエルズ州に原産するフトモモ科の低木ですが、大きなものは樹高5mになるそうです。あちらではレモンセンテッド ティーツリー(Lemon-scented Teatree)と呼んでいます。ティーツリーという名はキャプテンクックが1777に著した本の中に記したもので、この木の仲間の葉をを船員たちがお茶代わりにしたのだそうです。

野の花便り〜初夏」に クチナシとイチョウの実 を追加しました。


28) ギンバイカ Myrtus communis                   2007.07.07
 縁が白く斑入りになっていて光沢のある小さな葉の茂みに、純白のオシベを無数につけたギンバイカ(銀梅花:Common Martle: Myrtus communis) が花盛りです。

 フトモモ科の低木で、地中海沿岸の各地で見られますが、原産地は西アジアと考えられています。現在でもパレスチナやレバノンに密に分布しているそうです。ヘブライ語ではハダスと呼びます。
 聖書やギリシャ神話などにも頻繁に登場する、葉が良い香りを放つ植物で、英語圏ではマートル(Myrtle)の名で通っています。


29) ナツメ Ziziphus jujuba                      2007.07.09
 いつも立ち寄る公園の片隅に大きなナツメZiziphus jujuba)の木があります。でも、その存在に気づくのは実が色づいているときで、花時は見過ごしがちでした。
 今日はやっとその花を撮ることができました。地味な花ですが、なかなか風情がありますね。
 原産地は中近東とも中国とも言われますが、中国での栽培改良の歴史がもっとも古いようです。古典では『詩経』にすでに詠われています。
 日本にも奈良時代以前に渡来していたようで、万葉集にもこの木を詠む歌が2首ありますね。

 棗盛る古き藍絵のよき小鉢 
               杉田久女


30) マルキンカン F. japonica                   2007.07.11
 小さな可愛い蜜柑の花が咲いています。
正確に言えばミカン属(Citrus)ではなくキンカン属Fortunella)の花です。
 日本では5種類ほどのキンカン類が栽培されているようですが、これは多分マルキンカンF. japonica)だと思います。実が熟す頃に確認するつもりです。
 原産地は中国で、日本に渡来したのは14世紀のころだと言われています。
 属名のFortunellaは幕末に来日して『江戸と北京』を著したプラントハンターのロバート・フォーチュンに因んだものです。
野の花便り〜盛夏〜」に ハマボウ を追加しました。


31) ヤコウボク Cestrum nocturnum                2007.07.13
 夜中に目覚めて階段を下りてゆくと、階下はむせ返るような甘い花の香りで満たされていました。台風4号の余波の風雨を心配して玄関先に取り込んでおいた鉢植えのヤコウボクCestrum nocturnum)の香りでした。ヤコウカ(夜香花)とも呼びます。
 メキシコからパナマにかけてと西インド洋諸島に分布するナス科の低木です。
薄い黄緑いろの筒状の花は昼間はつぼんでいますが、日が落ちると開いて香り始めます。コスタリカのアレナル火山の麓の草原でこの花に出会ったのは昼間だったので、これほどの強い香りを放つとは思いませんでした。
キチョウジはやはり中米に分布する近縁種です。


32) ベロニカ・スピカータ Veronica spicata           2007.07.14
 南ヨーロッパ原産で、ルリトラノオに似た空色の花を咲かせるベロニカ スピカータVeronica spicata)の園芸品種の一つのレッドフォックス(Red Fox)が咲いています。

 ベロニカ(Veronica クワガタソウ属)は北半球の温帯に広く分布していてオオイヌノフグリなど190種ほどが記載されていますが、学者によってはいくつかに細分していてスピカータなど尾のように長い穂状花序をつけるものはルリトラノオ属(Pseudolysimachion)に分類しています。



33) セイヨウマツムシソウ cabiosa atropurpurea        2007.07.17
 高原の草むらで見慣れた日本のマツムシソウとはずいぶんと面持ちの違うセイヨウマツムシソウScabiosa atropurpurea)が咲いています。

 南ヨーロッパが原産地で、古くから栽培されさまざまな色合いの園芸品種が作出されています。野生種の花は濃い紅紫色です。
 日本には明治時代の始めに渡来したといわれています。
 セイヨウマツムシソウと呼ばれてはいますが、この属にはヨーロッパだけでも40種近くがありますのでなんとなく釈然としない和名ですね。
 英語圏では’Egyptian Rose’’Mournful Widow'などとも呼ばれています。


34) クサキョウチクトウ Phlox paniculata             2007.07.17
 ダーウィンジョイス(Darwin's Joyce)という品種名の葉に白斑の入ったクサキョウチクトウPhlox paniculata)が咲いています。

 ハナシノブ科の多年草で北米東部が原産地です。1730年代の初頭に英国に移入され、現在では300近い園芸品種が知られているそうです。日本には明治時代に渡来したといわれていますが、正確な記録はないようですね。

 オイランソウとも呼ばれますが、こちらの名の方が通りがよいかもしれません。花魁のつけている白粉の匂いがするからだといいますが、その白粉の匂いを知らない私には(@_@;)です。
 それよりも、花の姿が花魁の髪飾りに似ているような気がしますが、いかがでしょう。



35) セイロン・ランティア Wrightia antidysenterica       2007.07.18
 真っ白な小振りの花が咲いた鉢植えの潅木がありました。

 ミカンの仲間かと思ったのですが、葉が対生しメシベの形が違っていました。

 調べてみるスリランカ(セイロン)が原産というキョウチクトウ科のセイロン ランティアWrightia antidysenterica)とわかりました。

 この属には24種が知られていて、アフリカから中国南部にかけて分布しています。

 ネパールでは近縁種のアルボレア ランティア樹皮を胃の薬にし、樹液から黄色染料を採り、材から櫛を作ったりしています。


36) アガパンサス・スノーボール Agapanthus africanus cv. Alba  2007.07.20
 丘の麓の住宅街の中を流れる側溝に沿って作られた花壇の中に、ひときわ目立つ真っ白な毬のような花房がありました。
 アガパンサスの園芸品種のスノーボールAgapanthus africanus cv. Alba)でした。
 原種は南アフリカ西ケープ南部の冬季降雨地帯に分布しています。ヨーロッパに入ったのは1629年だったといわれています。
 最近はこの種の学名に A. praecox subsp. orientalis をあてる研究者が多いようです。
 進化(類縁関係)に興味のない向きには古い名の方が便利ですね。


37) ソラナンテラ Begonia solananthera              2007.07.26
 箱根塔ノ沢のベゴニア園を見学してきました。
 12300平米の温室に600種10000株が栽培されているとのことで、実に華やかでした。
 でもラベルが付いているものが少なく、ちょっと残念。

 このシンプルな可愛い花にはソラナンテラBegonia solananthera) というラベルが付いていました。
 ブラジルが原産地の匍匐性のベゴニアです。


38) マウンテン・ミント Pycnanthemum sp                 2008.07.01
 庭の片隅に植えておいて失念していたマウンテン・ミントPycnanthemum sp.) に小さな花が咲いていました。
 アメリカン・マウンテンミントと呼ばれるこの属には、主にUSAの東部、メイン州、ミシガン州からテキサス州にかけて21種が知られていますがよく似たものが多く、しかも雑種もできていて分類が難しいようです。
 画像の株はヒロハマウンテンミント(P. muticum) に近いようですが、葉の幅がやや狭いようで、バージニア・マウンテンミント(P. virginiana) の遺伝子が混じっているようにも見えますが、確かなことはわかりません。
アメリカ先住民の人々は昔からこの仲間を薬草として利用していました。
 例えばスタンディング・ロック保護区のラコタ族は風邪薬に、チェロキー族は鎮痛剤として使っています。


39) ムギワラギク  Bracteantha bracteata              2008.07.02
 奄美大島方面が梅雨明けしたそうですがこちらはまだまだのようです。
でも今朝は久しぶりに青空がのぞいて気温も上がり、雨に耐えて閉じていたムギワラギクBracteantha bracteata)の花が開き始めました。

 オーストラリア全域に分布している原種の総苞は金色ですが、園芸品種にはさまざまな色合いのものがあります。
 画像の株は“SundazeBronze”という品種のようです。
 カイザイクと呼ぶ人もいますが、分類学上のカイザイクAmmobium alatum)は別種です。茎に翼があるので区別は容易です。こちらもオーストラリア原産ですが分布域はクイーズランド州とニューサウスウエルス州に限られています。
 ムギワラギクが渡来したのは明治時代初頭だそうです。


40) セイヨウニンジンボク  Vitex agnus-castus              2008.07.04
 ヨーロッパでは貞節の木(chaste tree) と呼ばれるセイヨウニンジンボク(Vitex agnus-castus) が咲き始めました。
 地中海沿岸域に広く分布しているクマツズラ科の低木で、香の良い有用植物として古代から利用されていました。
 そのため、この植物にまつわる神話や伝説がいろいろと知られています。
 例えば、オリンポスの火を盗んでゼウスの怒りにふれコーカサスの山頂に鎖で繋がれたプロメテウスは、ヘラクレスに救い出されたときその苦しみを忘れないためセイヨウニンジンボクのしなやか枝で編んだ冠を被ったといいます。
 そして、ゼウスの妻ヘラはこの木の下で生まれたと伝えられサモス島のヘラの神殿の入口にも植えられています。
 またディオスコリデスの『薬物誌』にはその薬効と共に、大地の女神ケレスの生贄の儀式で貞節な既婚の婦人達がこの木の枝を生贄の子羊の下に敷いたという習俗が紹介されています。種小名のagnusはこの羊の意味で、castusは貞節を意味します。
修道士の胡椒(Monk's Pepper) とも呼ばれますが、これは実が胡椒に代用されたことがあったからだそうです。


41) スズカケソウ  Veronicastrum villosolum              2008.07.05
 外来の植物ではありませんが、大変珍しい花が咲きましたので紹介させていただきます。
 絶滅危惧種のスズカケソウVeronicastrum villosolum) です。
山地草原などでよく目にするクガイソウと同じ属に分類されていますが、花の構造を除けばとても同属とは思えないほど違って見えますね。
 江戸時代初頭に刊行された『和漢三才図会』にすでにその名と姿が見られるように古くから栽培されていたようですが、明治の末まで自生地が知られていなかったそうです。
 『徳島県植物誌』によれば明治42年に牧野富太郎を招いて開催された剣山植物採集講習会に祖谷産の株が持ち込まれた記録があるそうです。
 しかし、自生株か逸出株かは牧野先生も決めかねたようです。中国では長江下流域に広く分布していて、古代から切り傷などの治療に利用されていたためでしょう。
 その後、鳥取と岐阜で自生らしき個体が見つかり、徳島では20年ほど前に貞光町で発見されています。徳島のものは種子繁殖もしていて地元の皆瀬小学校の皆さんが保護しているそうです。
 土着種か渡来種かについては現在でも論議があるようですが、よく似たキノクニスズカケが紀伊半島南部に、トラノオスズカケが四国南部と九州に分布しますから、スズカケソウも自生種とみてよいのではないでしょうか。


42) オレガノ・ゴールデン  Origanum vulgare cv. 'Aureum'     2008.07.12
今朝の天気予報では数日で梅雨空に戻るとのことですが、いまは雲もなく、太陽に地球が近寄ったのではないかと思うほどの強烈な日差しです。
 でも、花壇のオレガノ・ゴールデンOriganum vulgare cv. 'Aureum') はうれしそうに咲いてコハナバチを迎えています。
 画像は花のアップで、ゴールデンの名の由来の黄色の葉はぼけていますが、葉を密につけて匍匐する枝が地表を覆って格好のグラウンドガバーになる品種です。
 オレガノというのは古代ギリシャ語で「山の喜び」と言う意味だそうですが、香りのよい草で地中海料理には欠かせないハーブの一つです。


43) サンユウカ  Tabernaemontana divaricata            2008.07.18
 八重咲きのクチナシに似ているキョウチクトウ科のサンユウカTabernaemontana divaricata)が咲きました。しっとりとした手触りの純白の花は夜に開いて、甘い香りを漂わせます。
 月明かりがよく似合う花です。
 熱帯圏で広く栽培されていますが、原産地は東南アジアだといわれています。
 インドでは子供たちが人の集まる駅やバス停でこの花の開き始めた蕾をつづった首飾りを売っていました。 名前を聞くと、タガールという名の花だと教えてくれました。
 和名のサンユウカは“三友花”と書きますが、この三友は白居易の「北窓三友」、つまり詩・琴・酒に因んだものでしょうか。夕闇に中に浮かんで香るこの花を見ていると、なんとなく納得できるネーミングだと思うのは、私だけかもしれませんが・・・。 中国名には“豆腐花”というのもありますが、これはずいぶんと即物的ですね。



44) アパラチアン・ベアードタン
    
Apparachian beardtongue : Pensstemon canescens        2008.07.21
 最近のフラワーショップにはいろいろな種類のペンステモンが並んでいますね。
これはその一つのアパラチアン・ベアードタンPensstemon canescens)です。 北米の東南部、主のアパラチア山系に分布するゴマノハグサ科の小型の多年草です。
 花の色は濃い赤紫のものから白色に近いものまであるようです。
 Eastern beardtongueとも呼ばれます。ベアードタンは一見雌しべかと思う細毛の生えた仮雄蕊に因んだものだそうです。
PCのクラッシュに見舞われてお休みしていたHPの「野の花便り」に“戸隠高原の6月の花”をUPしました。


45) ダリア  Dahlia pinnata                          2008.07.29
 遠い昔、あれは戦後間もない、空腹の少年時代のことだったと思うのですが、この花の芋も食べられるぞと餓鬼大将から教わったのがテンジクボタン(天竺牡丹)、今に言うダリア(Dahlia pinnata)でした。
最近は栽培する家も少なくなりましたが、今朝ある農家の畑地の角で咲いていました。
 中南米がこの仲間の原産地で20種ほどが知られていますが、18世紀の末にメキシコからスペインに送られた株が元になって現在の多様な園芸品種が生まれたそうです。 日本へは天保年間に渡来し、インドが原産地と思い込んでテンジクボタンと名づけられたようです。

「野の花便り〜高山・市民の森の7月の花」をUPしました。よろしかったらどうぞ。


46) イリオモテアサガオ  Ipomoea congesta                2008.07.30
 待ち遠しかった梅雨明けを迎えて喜んだのは数日間で、あとは目が回るほどの強い日差しと高温で、こんどは一日も早い秋の訪れを願うという、なんともご都合主義の私ですが、花たちはそんな私を慰めるように咲いてくれます。
 今朝はきつい朝日の中でも涼しげに咲いているイリオモテアサガオIpomoea congesta) に出合えました。
 奄美大島以南東南アジアに自生するアサガオで、リュウキュウアサガオとかノアサガオとも呼ばれています。
 耐寒性は弱いのですが、このあたりでも地下部が凍らなければ越冬できるようです。


47) ヒメイワダレソウ  Phyla canescens              2009.07.01

 またまた逆さ睫が生えてきて鬱陶しくなり、いつもの眼科へ出かけました。
 その眼科の駐車場のそばには小さなビオトープがあって、その周りに芝生状に広がって可愛い花を咲かせたつる草が茂っていました。ヒメイワダレソウPhyla canescens)でした。

 カリフォルニアから南米のアルゼンチン・チリにかけて自生しているクマツズラ科の多年草です。
各地で芝生代わりに庭園に植え込まれていて、その花も観賞の対象です。
 オーストラリアでは野生化して土着の植物を脅かす存在となっています。実験(A.T.Daley et. al., 2005) によるとこの草はマメ科の植物の発芽を強く抑制する物質を生産しているそうです。

『野の花便り〜初夏』ナンキンハゼを追加しました。



48) ハナスベリヒユー2  Portulaca oleracea         2009.07.06

 本格的な梅雨空が続きますが、気まぐれに顔を出す太陽は中天で燃えています。

 雨滴による土跳で汚れては可哀相なのでハンギングバスケットへ植えてみたハナスベリヒユPortulaca oleracea)が、その日差しを喜んでいます。

 花の姿や茎・葉の形態もずいぶん違って見えるのですが、畑雑草の一つで昔から食用にもされてきたスベリヒユと同種として扱われています。園芸品種として選抜されたもののようですが、倍数体や異数体があるそうです。

 それにしても、どんな遺伝子の変異で、あの小さな黄色の花からこんな大きなピンクの花ができるのでしょうね。

『野の花便り〜盛夏』ヤブガラシを追加しました。



49) アスチルベ・アレンジー Astilbe X arendsii           2009.07.10
 昨年の夏の厳しい日差しと乾燥で枯らしてしまったものとあきらめていたアスチルベAstilbe)が今年も花を咲かせてくれました。

 チダケサシなど、このアスチルベ属のほとんどの種(約12種)は東アジアに分布していますが、2種が北米のアパラチア山地に隔離分布しています。氷河期に分断された名残だといわれています。

 園芸家はこれらの種を交配して様々な園芸品種を作出していますが、このアスチルベ・アレンヂーA. X arendsii) と総称されるものが主流のようですね。図鑑で見ると、画像の品種はガートルード・ブリックス(Gertrude Brix)と呼ばれているようです。

『野の花便り〜盛夏』“ヤブガラシの花”を追加しました。



50) スズランノキ  Oxydendrum arboreum              2009.07.13
 昨年の晩秋、驚くほどみごとに紅葉したスズランノキOxydendrum arboreum)が植えられていた果樹園があったことを思い出して訪ねてみました。
 予想通り、スズランに似た形の小さな花が咲いていました。
 北米東部のアパラチア山地を中心に分布しているツツジ科の高木で、紅葉のみごとさから庭園樹として植栽され、最近は日本でも珍しくないようです。
 北米先住民の生活には親しい植物で、例えばカタウバ族の人々は樹液を婦人病、おもに月経不順の治療に処方しているそうです。またチェロキー族の人々は樹皮の絞り汁を虫刺されや口内炎に処方するようです。



51) セイヨウフウチョウソウ  Cleome spinosa             2009.07.24
 いつになったら梅雨が明けるのでしょうね。今朝も明け方まで激しく降っていましたが、今は雲の切れ間から青い空が見えます。クマゼミもかしましく鳴いています。
散歩道の途中、農家の前庭に今を盛りと咲いているセイヨウフウチョウソウCleome spinosa)がありました。
 ブラジル南東部からアルゼンチンにかけての地に原産するフウチョウソウ科の一年草です。日本には明治時代の始めに渡来したといわれています。
 クレオメ属には約250種が知られていてメキシコ産のチャパラエナクレオメのように水中に生えているものもあります。
『野の花便り〜千框の里の夏の花』をUPしました。お暇な折にどうぞ・・・


52) コダカラベンケイ  Kalanchoe daigremontiana       2009.07.30
 数年前に花師匠が分けてくれたコダカラベンケイ(子宝弁慶:Kalanchoe daigremontiana)が軒下で冬を越していて、今年もたくさんの子供をつくっています。

 マダガスカル原産のベンケイソウ科の植物ですが、葉の縁に数珠繋ぎのように無性芽をつけます。これがぽろぽろと地表にこぼれて新しい株になります。
 シコロベンケイ(錣弁慶)とも呼ばれるようです。葉とその縁に並ぶ無性芽とのようすを兜の錣に見立てたのでしょうか?

「折節の花〜真夏に咲く花」マツヨイグサを追加しました。


53) エルサレムセージ  Phlomis fruticosa L.     2010.07.03

 刈り残された道端の草の茂みにオドリコソウの花形によく似た、見慣れぬ濃い黄色の花が咲いていました。
 エルサレムセージ(Jersalem sage: Phlomis fruticosa L.)でした。

 地中海のサルディニア島からイタリア半島、クレタ島、キプロス島からトルコにわたる地域が原産地といわれるシソ科オオキセワタ属の常緑の低木です。海岸の崖地や道端によく見られるそうです。

 ヨーロッパでは古くから観賞用に栽培されていて、最近は日本のフラワーショップで目にすることができます。キバナキセワタという名前もあるようです。

 画像の個体は近くの住宅地の花壇から逃げ出してきたのでしょうか。



54) サボンソウ  Saponaria officinalis L             2010.07.04
 今日は懐かしい花に出合いました。
 昔はあちこちの花壇に植えられていましたが、どちらかといえば地味な花で、最近はオーストラリアや南アメリカ生まれの色鮮やかな花に追いやられて、ほとんど目にすることがなくなっていました。
 サボンソウ、あるいはシャボンソウという、懐かしい響きの名を持つソープワート(Soapwort: Saponaria officinalis L.) です。
 ヨーロッパ原産のナデシコ科の多年草で、日本へは明治時代の初めに渡ってきたそうです。
 全草にサポニンが含まれていて、ヨーロッパでは古代から天然の石鹸として利用していました。現代でも、遠い昔に織られたタペストリーを洗うときには、化学洗剤よりこの草から作った石鹸水が好まれるといいます。 薬草としても知られ、広く打身と切り傷の治療に使われました。また、アイルランドでは肺炎に処方し、ロマニーの人々は目の周りの黒い痣を消すために使ったそうです。


55) アマ  Linum usitatissimum L.                2010.07.07

 亜麻布またはリンネルをご存知の方は少なくないと思いますが、今日はその繊維を取るアマ(flax: Linum usitatissimum) の花を見ました。
 梅雨の晴れ間にのぞいた青空のような花でした。
 世界の亜熱帯から温帯に広く分布するアマ科の一年草で、ヨーロッパから中東にかけてが原産地と考えられています。
 ご存知のように、この植物の繊維は3万年ほどまえのグルジアの新石器時代の遺跡やスイスのドウェラー湖の居住跡から発掘されています。有史前から利用されていたわけです。現在栽培されているアマには地域ごとに多数の品種がありますが、地中海域を中心に見られる繊維を採るためのFlaxとアフガニスタンやインドに起源するらしい油を採るためのLinseedに大別できるそうです。細胞遺伝学的な研究からは現在の野生種、ホソバアマ(L. angustifolium)に近縁だと考えられています。

 ツタンカーメンの墓で見つかった、アマで織ったタペストリー手袋は有名ですね。
 余談ですが、"ヴィレッジ・シンガース"のヒット曲「亜麻色の髪の乙女 」の風に優しく包まれる長い髪は、当然のことながら、ブルーの花の色ではなく、布地のもつ“薄い灰色がかった栗色”なのでしょう。


56) イエローカモミール Anthemis tinctoria           2010.07.09
 昨年はナツシロギクを栽培されていた方の畑に、今年はイエローカモミール(Yellow chamomile: Anthemis tinctoria) の金色の花も咲いていました。

 地中海の島々をのぞいて、フランスからトルコまでの範囲が原生地というキク科の多年草です。
 フラワーショップにはダイヤーズ・カモミールという名で出ていることが多いのですが、これは“Dyer's chamomile”、つまり“染物屋さんのカモミール”ということで、かつてヨーロッパではこの金色の花から黄色の染料をとっていたことに因む名です。和名の一つにコウヤカミツレがあります。コウヤって何?と若い方は首をかしげるかもしれませんが、“紺屋”のことです。カミツレは=カモミールです。
 日本へは明治時代に渡来したそうですが、神奈川県など所々に逸出帰化しているそうです。


57)  アルカネット Anchusa officinalis L.              2010.07.16
 ホームセンターの園芸コーナーの小さな鉢の中で綺麗な青紫の花が咲いていました。
アルカネット(Alkanet: Anchusa officinalis L.)でした。
 南ヨーロッパからトルコにかけてが原産地のムラサキ科の越年草です。
地中海域では古代からこの植物の根から赤色染料を採り、化粧品として利用していたそうです。アルカネットという通称も西アジアで今でも使われている、爪や髪を染めるヘンナのアラビア語のアルカナに由来するようです。
 アルカネット染料は、大理石をピンクに染めたり、ポートワインの着色にも使われました。また花は食用され、サラダの彩りなどにもなります。


58)  ワタチョロギ  Stacys byzantina K. Koch        2010.07.23

 東名の富士ICで下りて、富士宮道路を北上し、釣り人でにぎわう精進湖を掠めて358号線を下り、中央自動車道に入り、須玉ICを出て清里高原にたどり着き、野の花と庭の花を楽しんできました。
 低地では初夏に咲く花が、ここでは今咲いていました。その一つのワタチョロギStacys byzantina K. Koch) です。

 トルコからイランに渡って自生するシソ科の多年草です。画像に見るように銀色の綿毛で覆われた葉や茎が美しく、ヨーロッパでは昔から園芸植物として栽培されてきました。“子羊の耳 Lamb's ear”ともいいますが、なるほどと思う命名ですね。

 和名はチョロギの仲間で綿毛に覆われているからですが、芽立ちの若葉にはほとんど毛がありません。

 なお、Stacys という属名はギリシャ語の穀類のことですが、花穂の形に由来します。種小名の byzantina は原産地がかつてのビザンティン帝国領だったことを表わします。



59) レディース・マントル  Alchemilla mollis (Buser) Rothm    2010.07.30
 北と南アルプス、そして北海道に分布するハゴロモグサの仲間で、ヨーロッパ生まれの園芸植物として広く栽培されているレイディース・マントル(Lady's-mantle:Alchemilla mollis (Buser) Rothm.)が清里高原に咲いていました。
 ハゴロモグサの仲間は主に北半球に分布していて1000種以上が記載されていますが、そのほとんどが無融合生殖をする微小種で、外部形態での識別は至難の業のようです。そのためもあって、葉の形が婦人の肩掛けマントに似ているものを Lady's-mantle と総称しています。
 ハゴロモグサという和名は英語名から牧野富太郎さんが思いついたものだといわれていますが、Alchemilla という属名は錬金術(archemy)に因んだものだそうです。錬金術では、この草の丸い皿状の葉に溜まる露の玉の中には、葉から滲みだす神秘物質が含まれているので、これを集めてある秘儀をほどこすと鉛などを金に変えることができるといわれていたのです。


60) シマトネリコ  Fraxinea griffithii C.B.Clarke        2011.07.04

 今日もよく晴れて気温は鰻登りです。
 朝早く草取りに挑戦したのですが、太陽に背を焼かれ早々に撤退しました。
 シャワーを浴びた後、自治会の連絡ででかけた会長さんの庭ではシマトネリコ Fraxinea griffithii C.B.Clarke) の絹細工のような花穂が青い空を背景に風に揺らいでいました。

 沖縄以南、台湾、東南アジア、インド、セーシェル諸島などに分布するモクセイ科の常緑樹で、最近は東海地方でもあちこちで庭木として植栽されています。
 雌雄異株ですが、このお宅のそれは画像で見られるとおり雄株です。花のサイズに似合わない大きな褐色の葯が目立ちますね。
与那国島にはウヌハガギーという里呼び名がありますが、斧の刃を欠かす木の意味だそうです。それほど材が硬いということですね。


61) ガンピ  Lychnis coronata Thunb.           2011.07.12

 目くるめく炎天の下、里山を歩く会の皆さんと掛川市倉真の里地里山を楽しんできました。
 途中で立ち寄った、市指定保存樹木のサザンカとスイリュウヒバがある曹洞宗華厳寺世楽院の庭で、木漏れ日の中に咲くガンピ(岩菲: Lychnis coronata Thunb.) に久しぶりに出合うことができました。

 真夏の山歩きで時々出合うことのある日本特産のフシグロセンノウ(節黒仙翁:L.miqueliana Rohrb.) に近縁のナデシコ科の多年草で、中国原産です。
 日本に渡来した時期はよくわかっていませんが、『枕草子』の67段「草の花は・・」に登場する“かにひ”がガンピのことと考えられるので、平安時代にはすでにあちこちで植栽されていたのでしょう。



62) ルコウソウ  Ipomoea quamoclit L           2011.07.17

 今日も朝から30℃を越す暑さで、日向に出ると目が回りそうです。
 しかし植物たちは元気で、花師匠にいただいたルコウソウIpomoea quamoclit L.) も元気に咲いています。

 南アメリカ北部から中米、メキシコにかけてが原産の地のアサガオの仲間です。
 日本に渡来した時期ははっきりしませんが、『大和本草』では寛永年間(1624-44)に長崎に入ったとあります。カホチャアサガオという和名をつけていますから、東南アジア原産と思っていたのでしょう。また『地錦抄付録』は天和貞享年間(1681−88)異国より渡来とあります。
 現在は世界のあちこちに帰化していて、オーストラリアではトウモロコシ畑の雑草として迷惑がられているそうです。



63) パセリ Petroselinum crispum (Mill.) Nym. ex A.W.Hill.    2011.07.30

 アジとジャガイモのオリーブオイルワイン蒸しを作ったところで、庭の片隅にパセリPetroselinum crispum (Mill.) Nym. ex A.W.Hill.) を植えておいたのを思い出して葉をつまみにゆくと、数匹のころりと太ったキアゲハの幼虫がとまった茎だけになっていて、その数本の茎の先端に、やや黄色味を帯びた細かな花が咲いていました。
 地中海域原産といわれるセリ科の草本でギリシャ・ローマ時代にはすでに香味料や薬草として利用していたようです。日本には江戸時代中期には渡来していてオランダゼリと呼ばれましたが、香草として本格的に栽培されるようになるのは明治時代になってからです。


64) クリスマスブッシュ  Ceratopetalum gummiferum Sm    2012.07.07
 今日は七夕ですね。雨雲が通り過ぎた後の天空では真夏の太陽が燃え盛っています。
そんな日本の夏のフラワーショップに、季節に不似合いな名前の赤い花が飾ってありました。クリスマスブッシュCeratopetalum gummiferum Sm.)でした。

 カタバミ科やホルトノキ科に近縁のクノニア科の低木で、オーストラリアのNSW州の固有種で、タスマン海に面した大分水嶺の東側に分布しています。

 原産地では10月に入ると白い花が咲き始め、クリスマスのころになると真赤に色づくのだそうです。オーストラリアの真夏です。
 日本の7月に咲くのは、気温の変化に呼応して花芽形成をしているということですね。
『野の花便り〜盛夏』ヤマモモを追加しました。


65) ストーケシア(ルリギク)  Stokesia laevis (Hill.) Greene  2012.07.17

 昨日に引き続き今日も晴れわたって猛暑です。
昼の天気予報では東海地方も今日で梅雨明だそうです。
 オオキツネカミソリが開花した庭の片隅では、まだルリギクStokesia laevis (Hill.) Greene) が咲いていました。

 北米原産でカロライナ州北部からルイジアナ州に亘って分布しています。
 属名は19世紀の英国の植物学者Jonathan Stokesに因んだもので、英語圏ではStokes Asterと呼んでいます。
 日本に渡来したのは大正時代の初めだといわれています。
 最近のフラワーショップではルリギク(瑠璃菊)という古めかしい名ではなく、ストーケシアと呼んでいます。
『野の花便り〜盛夏』白花のナデシコを追加しました。


66) オオハマオモト Crinum asiaticum L. var. sinicum Baker  2012.07.23
 今日は二十四節気の大暑だというのに肌寒く、梅雨が戻ってきたようですね。
庭のカサブランカもヘメロカリスも雨の雫を宿して元気がありません。でも、ガラスの殿堂の中は常夏で、ハマオモトの変種とされる花の大きなオオハマオモトCrinum asiaticum L. var. sinicum Baker)も元気に咲いていました。
 ハマオモト(浜木綿)によく似ていますが、株はずっと大型になる熱帯性のクリナムです。日本では小笠原諸島、与那国島に分布しています。
 中国や台湾では蛇や毒虫に咬まれたときや腫れ物の薬として民間で使われているそうです。
『野の花便り〜盛夏』マサキを追加しました。


67) ビヨウタコノキ Pandanus utilis Bory        2012.07.27

 今日も目くるめく熱さです。地球がお日様に近寄ったのかと心配になるほどです。天井近くは40℃を越しているに違いないガラスの殿堂のなかで、ビヨウタコノキPandanus utilis Bory)が平然としています。
 タコノキの仲間には500種以上が知られていて、すべて旧世界の熱帯に分布していますが、その約85%が東南アジア、14%がマダガスカルで、アフリカには1%ていどしか分布していません。見かけはヤシの仲間に似ていますが、遺伝子レベルではナベワリやヤマノイモ類に近縁だと報告されています。見掛けではわからない例の一つですね。
ビヨウタコノキの原産地はマダガスカルと言われてきましたが、最近の調査では自生ではないことがわかり、多分マスカリン諸島が原産だろうといわれています。ビヨウタコノキ(美容蛸の木)という和名はその姿が美しいことに因んだものだそうです。
『野の花便り〜盛夏』マルバツユクサを追加しました。


68) 白花のユウゲショウ  Oenothera rosea L'Her. ex Ait    2013.07.08
 今年は梅雨入りも早かったのですが梅雨明けも記録的で、6日の関東に続いて東海地方にも真夏の青空が広がりました。 昨日一日降っていた霧雨も止んだ朝、宇藤坂の散歩道に聳える側壁の継ぎ目に、よく目にするピンクではなく、純白の花を咲かせたユウゲショウOenothera rosea L'Her. ex Ait.)が生えていました。
昨夜のうちに紅をさすのを忘れたのですね。
 北米南部から中・南米が原産の多年生帰化植物で関東以西の市街地に分布しています。
以前にも書きましたが日本のほとんどの野草図鑑では、花が開くのは午後遅くから夜にかけてだと書いています。英語名のピンク・イブニングプリムローズに惑わされたのでしょう。実際は朝日が昇るとともに開きます。
 ウエブサイトのSouthearstern Arizona Wildflowersには正しく“朝日とともに咲く”と記述してあります。
「野の花便り〜盛夏」コノテガシワを追加しました。


69) オオバノハブソウ  Cassia floribunda Cavan  2013.07.13
 今年の極寒のさなかボイラーが故障して長年生きながらえてきたマンゴーやザーバオバブをはじめとしてたくさんのものを枯らしてしまいました。
 そんな寒さを乗り切ったオオバノハブソウCassia floribunda Cavan.)が咲き始めました。キダチハブソウという和名もあります。
 10年ほど前にマダガスカルを旅したとき、フォートどーファンの町はずれの道路際に茂っていた株に実っていた鞘から家人が採ってきて鉢で育てたもので、毎年咲いてくれます。
 北アメリカ南部から中米、ブラジルにわたる地域が原産地だといわれていますが、園芸植物として植栽され、いまでは世界中の熱帯〜亜熱帯の人里に逸出帰化しています。
「野の花便り〜盛夏」ツタの花を追加しました。


70) ブラックベリー  Rubus fruticosus L   2013.07.24
 東北地方では連日のように大雨が降って、あちこちで洪水や土砂崩れの被害が報道されていますが、遠州は干天続きでした。でも今日は昼前から霧雨になりました。久しぶりにしっとりと潤った庭で花を探していると、小さなゲートに誘引してあるブラックベリー(Blackberry : Rubus fruticosus L.)の実が熟し始めていました。
 ヨーロッパが原産のキイチゴ属の植物で、セイヨウヤブイチゴの和名があります。
 イギリスではBrambleの名で親しまれ、さまざまな俗信の対象となっています。たとえば、湖水地方では霜が降りた後の果実は“悪魔の実”になっているので食べてはいけないと今でもいわれています。また多くの地方ではハロウィーンが過ぎると悪さをする妖精のプーカが唾を吐きかけてあるので食べられないと伝えられている。ノーサンバランド州などで墓の周りにブラックベリーを植えて死者が墓からよみがえらないように願ったともいいます。
『野の花便り〜盛夏』ヒメヤブランを追加しました。


71) ハルシャギク  Coreopsis tinctoria Nutt    2014.07.09
 数十年後には消滅する自治体が続出するだろうという予想がありますが、この地域でも少子化と老齢化がすすんでいて、街中にも歯が抜けた後のように空き地が目立つようになりました。
 そんな空地には決まったようにハルシャギクCoreopsis tinctoria Nutt.) が咲きます。

 江戸後期の植物愛好家の集い赭鞭会のメンバーであった旗本馬場大助が著した『船上花譜』にこのキクが採りあげられていて、天保14年(1843)に渡来したことになっています。ハルシャギクの漢字表記は波斯菊ですが、波斯はペルシャのことです。しかし実際は北アメリカが原産地で、ハーバード大学の講師もしたことのあるプラントハンターのナットオール(Thomas Nattal)が1819年にアーカンソー地域の草原で発見し記載したものです。
『野の花便り〜盛夏』特攻花を追加しました。


72) マホガニーミジェット Mahogany Midget      2014.07.13
 ハルシャギクの黄金色の花の海の中に、真っ赤な小島のようにマホガニーミジェットが咲いていました。

 実生から選抜された品種で、濃暗赤色の花と30cmどまりの草丈に因んでマホガニーミジェット(マホガニー色のちびさん)と名付けられたそうです。
 写真を撮った場所では、数は少ないものの、典型的なハルシャギクとの中間的な色づきの個体もありました。交雑した結果でしょうか?

『野の花便り〜盛夏』ヤブカンゾウを追加しました。



73) 八重咲ブーゲンビレア  “マハラ Mahara”       2014.07.20
 スーパーの隣の花屋さんで、えっ?これがブーゲンビレアなの?と思った花鉢を見つけました。八重咲きブーゲンビレアというラベルがついていました。

 買って帰って園芸辞典のFLORAでしらべてみると、どうやらテリハイカダカズラとペルービアナイカダカズラの交配から生まれたBougainvillea x buttiana Holltum et Standley の多様な品種のうちの一つの“マハラ Mahara”のようです。
 タイの王女Princess Maha Chakri Sirindhornさんへの献名です。

『野の花便り〜盛夏』クララを追加しました。


74) タチアオイ Alcea rosea L. cv. Maroon       2014.07.27
 今日も関東地方のあちこちが突発的な雷雨に襲われて、冠水や停電が起こっているようですが、遠州地方は相変わらずの干天猛暑です。その陽ざしに負けずと、タチアオイの園芸品種の一つのチャターズダブル・マルーンAlcea rosea L. cv. Maroon) が濃紫黒色の花を咲かせています。
 昨年春に苗を定植したものが、土の中で一冬過ごし、今年しっかりとした花茎をたちあげてたくさんのつぼみを付けてくれました。ラベルには、多年草で年を追って追う大株になる、とありますので来年も楽しめそうです。タチアオイにはさまざまな色と形の品種がありますが、地中海域東部から西アジアにかけてが原産地だといわれています。
 日本に渡来した時期ははっきりしないようですが、江戸時代の中期には八重咲きのものも含めて赤・紫・薄墨色などの品種が知られていました。
『野の花便り〜盛夏』ブタクサを追加しました。

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