April

庭の花便り  Garden Flora Reports

~ 4月の花  Flowers in March ~


 索引  アーマンド・センニンソウ アイスランドポピー アツミゲシ アルストロエメリア イエロースター 
 イエローチンチャリンチ ウケザキクンシラン ウケザキクンシランー2 エリスロニュウム・パゴタ 
 エロディウム・バリアビレ オキザリス・ペスカプラエ オノエマンテマ オランダイチゴ カラシナ
 カラタネオガタマ カリフォルニア・ブルーベル カリン カロナイナジャスミン キウイ 京舞妓 
 キンレンカ  ギンセンソウ  グリーンネックレス クレロデンドルム・カピタツム ケープチューリップ
 ゲッケイジュ ケマンソウ  コエビソウ  コツラ  コレオステフス・ミコニス  コットンエリカ 
 ゴールデン・ドラムスティック   ゴールドコイン  コモン・ボタンブッシュ  サニー・オステオ・ラザ
 サヤエンドウ 白いジンチョウゲ サンサシア  シジミバナ ジャコウオランダフウロウ ジューンベリー
 ジューンベリー -2 シラユキゲシ シロバナハナズオウ スノージェイド スターフロックス
 セイヨウカマツカ セイヨウスモモ セイヨウマツムシソウ セリバヒエンソウ ソープ・アロエ
 ナローリーフ・ドラムスティック ニラモドキ ニワザクラ ハゴロモジャスミン ハナカイドウ ハナズオウ
 ハナビシソウ ハニーワート-2 ハーレキン・フラワー ヒイラギナンテン ヒイラギモチ
 ヒメハナビシソウ ピレネーフウロ  ピンクボロニア フォーシスターズヒース ブライト・カーマイン
 フリージア ベニカタバミ ベニバナトキワマンサク ベニバナダイコンソウ ベニバナツメクサ
 ベニバナヒョウタンボク ペチコートスイセン ベロニカ・マダムマルシア ホソバオオアマナ
 ホスマリエンセ ボタン マツバウンラン マンゴー マーガレット ミヤマホタルカズラ ムギセンノウ
 モッコウバラ  モンキーフラワー ユスラウメ ライアリーフセージ  リキュウバイ ロイヤルローブ
 ワタボウシ・ラベンダー
 


1) アーマンド・センニンソウ  Clematis armandii           2006.04.03
 時間つぶしに立ち寄った三越のチェルシーガーデンの奥まった一角に大きく育ったアーマンド・センニンソウClematis armandii)がありました。眩しいほどに白い花が風に揺らいでいました。
 この仲間がお好きな方にはクレマティス・アーマンディーという学名の方が通りがよいかもしれませんね。
 中国の南西部が原産地の常緑の蔓植物で、雲南省、四川省、湖南省、広西省などに多いそうです。耐寒性もあり-5℃までは耐えるといいます。
 中国名は小木通ですが、木通はアケビのことですからいささか紛らわしい名前ですね。漢方では利尿薬として処方するそうです。


2) ニラモドキ  Nothoscordum bivalve                 2005.04.04
 ダーウィンの進化論を育んだ4っつの島を訪ねて、人見知りしない動物と初めて出逢う花々を楽しんできました。
 帰り道に立ち寄ったヒューストンのホテルの傍のインターウードの森では、ハコベやスミレやヘビイチゴなど、見慣れた野の花が咲いていて、ほっとしました。
 写真は同じ森の小道に咲いていた、日本でもたまに栽培されているものを目にすることのあるステゴビル属Nothoscordum)ニラモドキN. bivalve) です。
 名前のようにネギ類に似ているのですが、ネギ特有のあの香りはありません。
 北アメリカが原産地です。


3) ライアーリーフ・セージ  Salvia lyrata               2005.04.05
 ヒューストンの野の花をもう一つ紹介させていただきます。
 やはりインターウッドの林床に咲いていた爽やかな色のリラータ・セージSalvia lyrata)です。

 地表近くに広がる葉の形が古代ギリシャの竪琴に似ているというのでライア-リーフ・セージ(Lyer-leaf sage)と言うのだそうです。
 繁殖力が旺盛なのでカンサーウイード(Cancer weed)とも呼ばれています。

 そのうち日本へ帰化するかもしれませんね。


4) ベニバナトキワマンサク  Loropetarum chinense f. rubrum    2005.04.07
庭の片隅のベニバナトキワマンサク(Loropetarum chinense f. rubrum) が咲き始めました。
ドキッとするような赤さです。

 主に中国南部に分布していて、日本では熊本県や三重県伊勢神宮や静岡県の湖西市などで自生株が見つかっているトキワマンサクから育種家が選抜したものだそうです。

薄いクリーム色の花びらの母種からこんな凄い色の子供が生まれたわけですから、発見した人はさぞ驚いたことでしょうね。


5) コレオステフス・ミコニス  Coleostephus myconis        2006.04.05
 懐かしい花に出会えました。
 40年ほども昔のことになりますが、外来の園芸植物がポットで売られ始めた頃、その底抜けに明るい花色に惹かれて花壇にいく株も植え込んだことのあるコレオステフス・ミコニスColeostephus myconis)です。

 イベリア半島より東の地中海域が原産地です。以前はクリサンテムム・ムルティカウレChrysanthemum multicaule)という名で紹介されていましたので、こちらの方がピンと来る方も少なくないのではないでしょうか。
 私はエーゲ海のミコノス島に因んだ種小名をそのまま使ってミコノスコギクと呼ぶことにしています。


6) アルストロエメリア Alstroemeria, HC               2006.04.06
 信州でリンゴ園を経営するかたわら花卉栽培も手がけているMさんが、両腕でも抱え切れないほどのアルストロエメリアAlstroemeria, HC)の花束を送ってきてくれました。
 リリー・オブ・ザ・インカとかペルビアン・リリーなどと呼ばれるようにアンデス山地が原産地で60種ほどが知られています。チリにはマリポッサ・デル・カンポ(田園の胡蝶)や球根に含まれるデンプンが食べられるので”コンセプシオン(地名)のジャガイモ”という名前もあります。
 昔はユリ科に入れたりヒガンバナ科に分類されたりしてユリズイセンという和名も創られましたが、最近の遺伝子の研究からエンレイソウの仲間に近いことがわかりました。現在はアルストロエメリア科としてまとめられています。


7) ベニバナヒョウタンボク  Lonicera maximowiczii var. sacharinensis  2006.04.08
 外来の園芸植物ではないのですが、とても素敵な花に初めて出合えましたので・・・・。
ベニバナヒョウタンボクLonicera maximowiczii var. sacharinensis)です。

 スイカズラの仲間で北海道、南千島、樺太の海岸から低山帯にかけて分布しています。
 中国北部やアムール地方に見られる”紫花忍冬”の変種ということです。

 この写真は鉢植えの栽培品ですが、原産地の北海道などでは6月頃から咲き始めるそうです。



8) ホスマリエンセ  Rhodanthemum hosmariense          2005.04.08
 満開の桜の下では、街角のプランター花園が日に日ににぎやかになっています。
 今日は蕾の色取りがユニークなホスマリエンセに出会えました。
 開いたものは、ちょっとノースポールに似た、白い花びらの可愛い花です。
 ”目玉焼き”にたとえている人もいるようですね。

 モロッコのアトラス山地が故郷なのでモロッコデイジーとも呼ばれます。
 学名は Rhodanthemum hosmariense です。昔は Chrysanthemum 属に入れられていましたが、葉の形が独特なので別属にされたそうです。



9) ホスマリエンセ-2  Rhodanthemum hosmariense        2005.04.08

 ついでですから、咲いたホスマリさんも紹介させていただきます。

 よろしく (*^_^*)


 しかし、蕾のユニークな姿に比べると、いささか平凡な花姿ですね。


10) ハナズオウ  Cercis chinensis                     2005.04.09
 花の色が蘇枋染の紅紫色のようだからとこの名がつけられたというハナズオウCercis chinensis) が咲き始めています。
 あでやかで明るいこの花を見ると何か新しいことを始めてみたような気になります。

 中国原産で江戸時代に渡来したといわれています。
 ハナズオウの仲間は北半球に7種ほどあるそうですが、日本でも目にすることのできる地中海地方原産のセイヨウハナズオウはユダが首を括った木だと伝えられていて、Judas Tree と呼ばれるそうです。


11) リキュウバイ  Exochorda racemosa                2005.04.10

 薄緑色の若葉に抱かれて、白く軟らかなリキュウバイ利休梅Exochorda racemosa) が咲いていました。
 誰が名づけたのか、花心深い茶人の命名でしょうか。

 中国中部地方が原産のバラ科のヤナギザクラ属の植物です。中国名は総花白鵑梅。日本ではウメザキウツギと呼ぶ人もいます。
 ヨーロッパでも好んで庭園に植栽しているようです。英語名は Common Pearl Bush です。


12) シラユキゲシ Eomecon cionantha                  2005.04.10
 直射日光がほとんどあたらない大きな飾り石の陰でシラユキゲシが咲いていました。
 花を見れば納得なのですが、葉の形はケシ科の草らしくありません。
 最初はベゴニアの類かと思ったほどです。

 中国南東部が故郷で、1属1種(Eomecon cionantha)です。
 中国では血水草と呼びます。傷つけると赤褐色の草汁がでるからでしょうね。

 地中に長く這う根茎は黄水芋といい、腰痛に効くそうです。


13) ニワザクラ  Prunus glandulosa var. alboplena        2005.04.11
 直径1cmほどの花ですが、叢生する細い枝が隠れるほどに連なって咲いている姿はみごとです。
 ニワザクラとは庭桜と書くのだろうと思ったのですが、丹葉桜だそうです。とすると、ニハザクラと書くべきなのでしょう。
 小さな幅の狭い葉の色が赤味を帯びているからでしょう。
 カニハザクラ(蟹葉桜)の「カ」が脱落したという説もあるようですが、こちらも葉の色に因んだものと思います。

 中国原産で江戸時代に渡来したもののようで、岩崎灌園の「本草図譜」に美しく描かれています。


14) マツバウンラン  Linaria canadensis              2005.04.11

 猫額家庭菜園の中のマツバウンランLinaria canadensis) が咲き始めています。

 除草をした際に、花を楽しみたいので抜き残しておいたものです。
 フラーワーショップで売っている色とりどりのリナリアの仲間です。

 北アメリカが故郷で、現地ではブルー・タドフラックスとかオールドフィールド・タドフラックスなどと呼ばれています。

 日本で最初に採集された場所は京都で、1941年のことだそうです。

 太平洋戦争が勃発する以前に帰化が始まっていたのでしょうね。



15) ハナカイドウ  Malus halliana                     2005.04.13
 薄紅色のハナカイドウMalus halliana) が咲いていました。
 そっと花びらに触れてみると、絹のような肌触りでした。

 中国原産ですが、野生のものは見つかっていないそうです。
 たぶん交雑によって生まれた栽培品種だろうということです。

 古い株になると樹高は8mにもなります。
 遠州大尾山にはそんな古木があります。


16) ジューンベリー  Amelanchier canadensis           2006.04.10
 6月の花嫁さんが着ている純白のウエディングドレスのような雰囲気のジューンベリーAmelanchier canadensis)の花が咲いています。
 北アメリカが原産地で、ノバ・スコッティアからオンタリオ州西部、アーカンソー、フロリダそしてルイジアナ州などに分布しています。
 花は3月の末から咲き始めますが、6月に赤い甘い実が熟し始めるのでジューンベリーと呼ぶわけです。
 果実を食用するだけでなく、先住民のチェロキー族やチッペワ族の人たちはこの樹皮を煎じて小児病の治療に利用します。またイロコイ族の人々にとってはトウモロコシを播種する季節の到来を告げてくれる花でもあるそうです。
 日本のザイフリボクと近縁で、アメリカザイフリボクと呼ぶ人もいます。


17) ゲッケイジュ  Laurus nobilis                    2006.04.12
 昨年の夏にできてからほとんど大きさの変わらなかったゲッケイジュ(月桂樹、Laurus nobilis)の蕾が急に膨らんできて、今朝見ると直径が6~7mmの小さな薄黄緑の花が開いていました。

 地中海域が原産地で、日本へはフランス経由で1905年頃入り、日露戦争の戦勝記念樹として各地に植栽されたそうです。雌雄異株で、写真は雌花です。

 古代から薬用植物として利用されてきた植物で、ギリシャ神話では色狂いしたアポロンに追い詰められたニンフのダフネの化身ということになっていますね。地味であまり目立たない木だからでしょうか。



18) ユスラウメ  Prunus tomentosa                  2006.04.14
 スモモによく似ているのですが、花柄が短くて若い枝に縮れた短毛があるユスラウメPrunus tomentosa)が咲いていました。

 元禄10年(1697)に刊行された『農業全書』にとりあげられていることから、江戸時代の初めまでには渡来していたと考えられる中国原産の果樹です。
 中国での分布は広く、東は黒龍江省、吉林省、西は雲南省からチベットにわたっていますが、本来の原産地は東北地区だろうということです。毛桜桃、英桃、山桜桃などと呼んでいます。
薬用植物として利用されていて、消化促進や整腸作用があるそうです。

 ”ユスラ”の意味には諸説があるのですが、新井白石の著した『東雅』によると、朝鮮語の移徒楽(yisulat)に由来するとのことです。これが正しいのなら、鳥取地方の里呼び名のイスラメなど、朝鮮語そのままですね。



19) ケマンソウ  Dicentra spectabilis                2005.04.13
 コマクサの親戚のケマンソウDicentra spectabilis) が花盛りです。
 垂れ下がって咲く花のようすを仏殿の飾りの華鬘(けまん)に見立てた名前だそうです。
 最近は覚えやすいタイツリソウの名ほうが主流でしょうか。

 ケマンソウは中国が原産地ですが、仲間は東アジアから北米にかけて15種ほどが分布しています。
 アルカロイドのプロトピンなどが含まれ中国では解毒作用のある薬草としています。
 英語名は bleeding heart (血まみれの心臓)です。わからないでもないのですが・・・・(-_-;)


20) サヤエンドウ  Pisum sativum                   2005.04.13
 街角の花園の一つ、猫額菜園のサヤエンドウが咲き始めています。
 もうすぐ黄緑色の、湯がけば鮮やかな緑色に変わる、若莢が美味しくいただけることでしょう。

 豌豆Pisum sativum)は紀元前8000年頃南西アジアから地中海域東部にかけての地で大麦や小麦などと一緒に栽培され始めたといわれています。
 栽培域は次第に広がり、インドを経て中国に入ったのがAD500年ころで、日本にもAD1000年ころにはもたらされていたようですね。

 古名はノラマメとか。



21) ブライト・カーマイン   Agyranthemum sp.             2005.04.14
冬の間はひっそりと寒そうにしていたアギランテムムAgyranthemum)の園芸品種、ブライト・カーマインが元気になって次々と咲き始めました。
 マーガレットの仲間です。

 この仲間は大西洋に浮かぶカナリー諸島やマデイラ島などの大小の島々が進化の主な舞台で、24種15亜種が記載されています。
 それぞれの島の厳しい環境に適応して、驚くほど姿かたちが多様です。


22) ジャコウオランダフウロウ  Geranium moschatum       2005.04.15
 数年前からわが家の庭だけに生えてくるフウロソウ科の草があります。
 小さなピンクの花はなかなか可憐ですが、結構強靭な草で、踏まれても踏まれてもといった感じで花をつけます。
 花壇に入ったままにしておくと、こんどはパンジーなど押しのけて茂ってきて、ツンと尖った6cm近くなる実をつけるのです。いまのところ、この辺りではわが家以外ではとんと見かけません。
 帰化植物図鑑で調べてみると、ヨーロッパが原産で、今では北半球ばかりかオーストラリア辺りにも帰化しているジャコウオランダフウロGeranium moschatum) と判明しました。
 それで、数年前にパースの郊外でこの草が茂っている野原を歩いたことを思い出しました。靴か衣類に種がついて来たのでしょうか。


23) セイヨウスモモ  Prunus domestica             2006.04.15

 苗を植えてから4年目でやっとセイヨウスモモPrunus domestica)が咲いてくれました。
 直径が2cmほどの清楚な花です。花びらの先端が薄緑で、長いオシベが目立ちます。

 プラムヨーロッパスモモプルーンなどとも呼ばれています。
 栽培の歴史は古く、西アジアから中央アジアが原産地の Prunus cerasifera P. spinosa の交配によって生まれたものだろうといわれています。
 日本へは明治時代の初めに導入されたそうですが、夏期の湿潤気候が苦手のようで、主に東北や長野地方で栽培されています。

 購入するときは知らなかった (-_-;) のですが、自家受粉を嫌うので果実を期待するのなら2本以上を植えておく必要があるそうです。
 綿棒を使って無理やり自家受粉を試みましたが、さて結果は?です。


1花だけ結実し熟しました。濃い葡萄色でした。


24) コモン・ボタンブッシュ (バーゼリア)  Berzelia lanuginosa   2006.04.18
 切花では花瓶に挿しておいてもめったに咲くことのないコモン・ボタンブシュBerzelia lanuginosa)の花を見ることができました。
 丸い花序からたくさんのオシベが突出している様子はまさに飾りボタンですね。

 南アフリカのケープ地方に固有のブルニア科(Bruniaceae)の1種で、クランウイリアムからブレダスドルプ山地のフィンボスという湿度の高い植生帯に分布する常緑性の低木です。

 Berzeliaという属名は元素記号を考案した有名なスウェーデンの科学者Berzeliusを記念したものだそうです。



25) マンゴー  Manghifera indica                   2006.04.19
 夏は外!冬は内!と戸外と温室を行ったり来たりさせられている家のマンゴーManghifera indica)に花が咲きました。
 直径が5mmほどの小さな小さな花ですが、花びらの彩がすてきです。果実と同じで、少し松脂に似た香りがします。
 ウルシ科の高木でときに40mにもなるそうです。インドの東部からミャンマーにかけてが原産地と推定されていますが、今では世界中の熱帯で栽培されています。 マンゴーという名はジャワ島西部のスンダ語 mannga に由来するそうです。マレーシアでは mempelam とも呼びますが、これはサンスクリット語の”偉大な果実”を意味する maha-pahala から来たものといいます。


26) ウケザキクンシラン  Clivaia miniata               2005.04.17
 あちこちのお宅の玄関先でウケザキクンシラン Clivaia miniata) の温かそうな花を目にする季節が来ました。
一般的にはクンシランの名で通っています。

 南アフリカが故郷のヒガンバナ科の植物です。
 DNAの塩基配列を解析した結果、ヒガンバナ科の中では原始的なグループに入ることがわかりました。
 知り合いの育種家の方は、この植物に青い花を咲かせようと、いろいろと研究しています。
 うまく行くとよいのですが。


27) ゴールド・コイン  Asteriscus maritimus             2005.04.19

 「見たことのない鮮やかな黄色の花を売っていましたよ」と家人が買ってきたキク科の花は、私もはじめて見るものでした。
 ラベルにはゴールド・コインとありました。
なるほど、とは思いましたが、ちょっと違和感を覚える名です。

調べてみたところ、地中海沿岸のヨーロッパ側と北アフリカ側に分布する Asteriscus maritimus でした。
英語名は Yellow Sea Aster だそうです。
金貨の実物を見たことない私にはこの名のほうが落ち着きます。


28) ハーレキン・フラワー  Sparaxis tricolor            2005.04.19
 3年前から花壇に直植えしてあるハーレキン・フラワーSparaxis tricolor)が今年も咲いてくれました。
 蛍光色のあでやかな花です。
 にぎやか過ぎると思う方もあることでしょうね。

 南アフリカのケープ半島の北、ボッケフェルト地方を中心に分布するアヤメ科の多年草です。
 園芸植物として人気が高いようで、世界各地の花壇に植えられています。


29) カリフォルニア・ブルーベル  Phacelia campanularis      2005.04.21
 いろいろと珍しい花を栽培されているYさんの庭にカリフォルニア・ブルーベルが咲いていました。
 地表を這うように広がる団扇形の小さな葉の間から、ハッとするほどのディープブルーの花が私を見上げていました。

 南カリフォルニアの乾燥した砂礫地帯が故郷のハゼリソウ科の一年草です。
 デザート・ブルーベルともワイルド・カンタベリー・ベルとも呼ばれています。
 学名は Phacelia campanularis です。

 よく目にするネモフィラ(ルリカラクサ)も同じ科の一年草です。


30) セイヨウカマツカ  Aronia albutifolia             2006.04.23
 開いたばかりの白い花びらに抱かれた真っ赤な葯が印象的なセイヨウカマツカAronia albutifolia)が咲きました。

 カナダからフロリダにかけて3種が知られているバラ科の低木です。
 セイヨウカマツカの名で花市場に出ていますが、アジアに分布するカマツカ属Pourthiaea)とは似て非なるものです。

 アメリカではレッド・チョークベリー(Red Chorkberry)と呼んでいます。チョークベリーというからには息の詰まるほど不味い実なのでしょうか。赤く実ったら試してみまたいと思います。

 そういえば、ソローがコンコルドの森の木の実について記した遺稿の中に黒い実のチョークベリー(A. melanocarpa)は見かけはブルーベリーのようだが美味しくないと書いてありましたね。


31) 京舞妓  Prunus persica cv. "Kyou-maiko         2005.04.21
 たくさんの花木が並べられている植木市場の片隅で京舞妓Prunus persica cv. "Kyou-maiko") を見つけました。

 かなり名の知れた菊咲き花桃の一つだそうですが、私には初めての出会いでした。

 なんとも艶やかな花姿ですね。


32) オキザリス・ペス-カプラエ  Oxalis pes-caprae        2005.04.23
降り注ぐ春の光を思う存分吸い込んで、小さな太陽のように輝いているのはオキザリス・ペス-カプラエOxalis pes-caprae) です。

 南アフリカが原産地ですが、いまでは世界中に広まって、ことに南ヨーロッパなどではまるで土着の花のように咲き誇ります。
 アメリカではバーミューダ・バターカップとも呼んでいます。
 カリブ海の島々に帰化したものがアメリカに持ち込まれたからでしょうか。

 わが家の庭にもなじみ始めています。


33) オランダイチゴ  Fragaria x ananassa              2005.04.23
 いつの間にかプランターから脱走したオランダイチゴ君 (Fragaria x ananassa) が、思いもかけない場所で花ひらいていました。
 ミツバチさんもやってきていましたので、美味しい苺を期待して見守ることにしました。

 北米東部原産の種とチリのチロエ島原産の種を交配して生まれたものが現在の品種の母体になったそうです。
 日本へ最初に持ってきたのがオランダ人だったので、オランダイチゴと呼ばれたそうですが、各地で栽培されるようになった品種は明治時代に新たに移入されたものということです。



34) ソープ・アロエ  Aloe saponaria                 2005.04.24
 赤道直下のキトの旧市街地にある、南米で最古といわれるサン・フランシスコ教会修道院の入り口近くで、ソープ・アロエ (Aloe saponaria)が咲いていました。
 南アフリカ産のアロエで、葉を水の中で潰して泡立てて石鹸代わりに利用するのでこの名で呼ばれます。

 日本にいてもそうなのですが、ことに遠く離れた異国の街角で、その国のものではない、別の遠くの国から運ばれてきた木や草を目にするといつも思うことがあります。
 それは「どうしてヒトという動物は食糧にもならない花を運び歩くのだろう」という疑問です。お仲間のサルたちにもとんとない習性です。なぜ美しいものが好きなのでしょうか? なぜ花に酔うのでしょうか? 奇品所有欲? ???



35) コエビソウ  Jasticia brandegeeana                 2005.04.27
 わが家で3年目を迎えたコエビソウJasticia brandegeeana) が咲き誇っています。
 名前を思い出せない花が多くなった昨今ですが、この花の名だけはすぐに出てきます。
 ネーミングがよいせいでしょうね。

 メキシコ原産のキツネノマゴ科の多年草です。最近は Justicia brandegeeana に分類されていますが、少し前までは Beloperone guttata の名で通っていました。
 よく知られている名を捨て、新たにその存在が判明した最初につけられた名を使うという決まりがあるためです。でも、なんなんだろ~な、という気がしないでもないですね。


36) ハゴロモジャスミン  Jasminum polyanthum           2005.04.27

 引越しの記念にと花友達が分けてくれたハゴロモジャスミンJasminum polyanthum) が咲き始めています。
 雨の通り過ぎた早朝、庭に出るととてもよい香りで迎えてくれます。
 未だ滴が留まっている白い花は少しぼやけて写りました。

 中国の雲南や貴州が故郷のジャスミンです。
 中国名は素興花または多花素馨です。鶏爪花とも呼びます。



37) ヒイラギモチ  Ilex cornuta                     2005.04.29
 冬が来て実が真っ赤に色づくころになると、花の写真を撮り忘れたことに気づかされるのがこの木です。
 でも、今年は葉陰に隠れるようにして咲いているのに気がつきました。
 なかなか趣のある花ですね。
 今年もツグミさんのお腹に納まるまで、少しずつ色づいていくことでしょう。

 ヒイラギモチIlex cornuta) はクリスマスの飾りにされるヨーロッパ生まれのセイヨウヒイラギの仲間ですが、中国が故郷です。
 注意してみれば葉の形で区別が出来ます。
 この株は園芸品種のリディア・モリスだろうと思います。


38) セイヨウマツムシソウ  Scabiosa atropurpurea           2005.04.29
 昨年の夏には気息奄々でしたが、この冬の間に元気になったセイヨウマツムシソウScabiosa atropurpurea) が次々と咲き出しています。
 日本の高原に咲くマツムシソウに比べると、元気はつらつ!の感じです。

 南ヨーロッパが原産地のようですが、「エジプトのバラ」とも呼ばれます。
 「悲しみに沈む未亡人」という名もあるのですが、ヨーロッパの原野に咲く姿からはそんな感じを受けるのでしょうか。


39) モッコウバラ  Rosa banksiae                2005.04.30
 街角の花園でもモッコウバラRosa banksiae) が咲いています。香りも高く、刺がほとんどないのが嬉しいです。

 中国中部から雲南地方にかけて自生するそうですね。
 あちらでは木香花と呼んでいました。


40) フリージア  Freesia Hybrid Cultivar              2006.04.27
 例年なら2月の末から咲き始めていた露地植えのフリージアFreesia Hybrid Cultivar)が4月も末になって咲き始めました。今年の冬の寒さのせいでしょうか。
 日が照ると甘く香ります。

 南アフリカのケープ地方を中心に14種が知られているアヤメ科の植物ですが、栽培されているものはほとんどが原種の交配によって作られた園芸品種です。

 小鳥の爪のように尖った3本のオシベと3X2本に裂けて糸状になったメシベが面白いですね。
 昔は浅黄水仙とも呼ばれていたそうです。


41) ケープ・チューリップ  Moraea sp.                2006.04.28
 師匠が見たことがない花が咲いているが何だろう?と誘ってくれたおかげで、珍しいものに出合えました。
 図鑑やNETで調べたところ、ケープ・チューリップMoraea sp.)の1種でした。

 アフリカ中央部から南アフリカに分布しているアヤメ科の植物ですが、交配による園芸品種が栽培されているようで、正確な種名にはたどり着けませんでした。調べたかぎりでは、M. flaccida によく似ています。
 この属には200種ほども記載されていて、花の姿はアヤメによく似たものもあって、首を傾げさせられることが多いのですが、アヤメの仲間と違って球茎があります。


42) キンレンカ  Tropaeolum majus 'Peach Schnapps'       2006.04.30
 師匠が譲ってくれた斑入りのキンレンカ(金蓮花:Tropaeolum majus 'Peach Schnapps')が咲き始めました。
 オランダガラシ(Nasturitium officianle)に似た辛味があるのでナスタチュームとも呼ばれ食用されます。また以前は花の姿がノウゼンカズラのそれと、葉の形は蓮に似ているためノウゼンハレンとも呼ばれていました。
 南米のコロンビア、ペルー、ボリビアなどが原産地で、いまではたくさんの園芸品種が作出されているようです。
 奇妙な形をした花で5枚の花びらのうち下の3枚には鋸の歯のような切れ込みがあります。吸蜜に来た昆虫をしばし閉じ込める仕組みでしょうか。8本のオシベの捩れ具合も面白いですね。


43) スノージェイド  Sedeveria HC. Snow Jade          2007.04.05

 名前のわからないままに、温室の片隅で大きな鉢の影に隠れてすっかり忘れられていた小さな多肉植物が、細い花茎を伸ばして直径1cm足らずの薄い黄色の星型の花を咲かせていました。
 花の形はマンネングサ属のものによく似ているのですが葉のようすがそれらしくありません。
あれこれ調べた結果、マンネングサ属(Sedum) とエケベリア属(Echeveria) の交配種のセデベリア属Sedeveria)のものとわかりました。スノージェイドと呼ばれているそうです。

野の花便り~仲春~」にカタクリの里・香嵐渓の花々を追加しました。



44) グリーンネックレス Senecio rowleyanus            2007.04.07

 時々立ち寄る小さな喫茶店の入り口に飾られているグリーンネックレス(String of Beads : Senecio rowleyanus)に可愛い花が咲いていました。
 花がないと、サイネリアやノボロギクと同じ仲間だといわれても納得できない姿ですね。
 アフリカ南部、ナミビアが原産地の多肉植物の一つです。
 緑のビーズは一枚の葉です。”緑の鈴”と呼ぶ人もいます。
 大西洋からの海霧を頼りにナミブ砂漠の砂丘の陰に生えているのでしょうか。
 私の故郷を訪ねてくださいとささやかれたような気がしました。



45) コットンエリカ  Erica pezia                      2007.04.09
 一昨日、家人がチェルシーガーデンで真っ白でふわふわした感じの小さな花を群れ咲かせたエリカを見初めて、連れて帰ってきました。
 私も始めて見るエリカで、とても気に入りました。
 南アフリカ、ケープ地方が原産地というコットンエリカErica peziza)でした。
 この名は和製だそうで、英語では Kapokkie Heath (キワタのようなヒース)と呼ぶそうです。 耐寒性はあるようなので可愛がって育てるつもりです。

野の花便り~晩春~」 に イロハモミジ・ハウチワカエデ を追加しました。


46) ベニバナツメクサ Trifolium incarnatum              2007.04.10

 久し振りに歩いた菊川の土手の下に鮮やかな朱色の花穂が群れていました。
 ベニバナツメクサ(Crimson clover : Trifolium incarnatum)でした。

 地中海域から西アジアにかけて分布するクローバーの仲間で、牧草として世界の各地で栽培されています。
 日本へは明治時代の初期に渡来したそうですが、アカツメクサやシロツメクサほどには普及しなかったようです。

 最近は園芸植物とし注目されるようになって、あちこちで野生化したものが見られるようになっています。



47) シジミバナ  Spiraea prunifolia                   2007.04.11
 ユキヤナギと入れ替わるようにシジミバナ(Spiraea prunifolia) が満開になっていました。
 中国原産のバラ科の低木ですが、日本へは長享年間(1487-88)には渡来していたそうです。渡来当時は玉柳と呼ばれていたのですが、江戸時代の明和2年(1765)の『花彙』には玉屑(ぎょくせつ)別名’はぜばな’としてとりあげられています。
 現代でもいろいろな名がありますが、このあたりではコゴメバナと呼ぶ人が多いようです。 シジミバナというのは、ある本によると「八重咲きの花を蜆貝の内臓にみたてたもの」だそうですが、釈然としません。
 個人的にはエクボバナ(靨花)という中国名が好きです。


48) ペチコートスイセン  Narcissus bulbocodium          2007.04.12
 立春のころから次々と咲き次いで私たちの目を楽しませてくれたスイセンの仲間も、桜の花にバトンタッチをするように、その姿は日を追って少なくなっています。
 その数少ないスイセンの一つが今朝であったペチコートスイセン(Hoop-petticoat daffodil : Narcissus bulbocodium)です。

 ポルトガル、スペイン、南フランス、北アフリカが原産地の小型のスイセンです。
 フープペチコートを連想させる発達した副花冠と細い棒状の葉が特徴的です。
 ペチコートからちょっとのぞいているのはメシベの柱頭です。
 正面から見ると、深海のコウモリダコにも似ているような気がするのですが、いかがでしょう。


49) ロイヤルローブ  Solanum rantonnetii               2007.04.14

 歩道に沿って整然と配置されているTさんのプランター花園に鮮やかなブルーの花が咲いていました。
 ロイヤルローブ(Royal Robe)という品種名のラントンネッティー・ナスSolanum rantonnetii)でした。

 アルゼンチンからウルグアイにかけて分布しているナス科の低木で、ブルーボテトブッシュとも呼ばれています。
 花が終われば真っ赤な実がついて、これも美しいそうです。



50) ゴールデン ドラムスティック  Craspedium globosa      2007.04.15
 昨年の秋に買ってきたゴールデン ドラムスティックCraspedium globosa)が咲き始めました。
 真ん丸の少しオレンジ色を帯びた黄色の頭状花は小鳥の羽毛のように切れ込んだガク片に抱かれた5裂した管状花の集まりです。

 オーストラリアの南部からクイーンズランド州とニュージーランドに分布するキク科の植物です。
 この属には6種が記載されていますが、現地ではC. unifloraが最も普通に見られるようです。 園芸植物としては比較的新しいもののようで日本では1980年代から栽培され始めたそうです。
 ドライフラワーにすれば長く楽しめるそうです。


51) アツミゲシ  Papaver setigerum                   2007.04.16
 今日は危ない植物に出合ってしまいました。
 新興住宅地の歩道の際の管理されている気配のない花壇にアツミゲシ(Wild poppy:Papaver setigerum)が咲いていました。

 地中海域が原産地の植物で、ケシ(Opium poppy:P. somniferum)と同じ麻薬成分を含んでいるそうです。
 そのため、ケシの亜種とする説もあります。
 和名は1964年、渥美半島に大量に帰化していることが報告されたことに因んだものだそうです。
保健所による駆除の対象の一つです。


52) モンキーフラワー  Mimurus HC.                  2007.04.17
 ハボタンを処分した後の花壇が寂しくなったので、にぎやかな花色を期待して植えておいたモンキーフラワー(Monkey flower:Mimurus HC)が咲き始めました。 ゴマノハグサ科のミゾホウズキ属の植物です。ほとんどが新大陸に分布していて、花色が美しいものが多いので園芸植物として栽培され、たくさんの交配種が作出されています。この写真もその一つでミスティック・シリーズというそうです。
 ここまで書いて、思い出したのですが、北米のメリーランド州の一億年ほど前の中生代中期の地層から出た花粉の化石がミゾホウズキ属のそれとそっくりだということでした。
 花そのものの化石がみつかると面白いですね。


53) ムギセンノウ  Agrostemma githago                2007.04.18
 師匠から分けていただいたムギセンノウ(Corncockle:Agrostemma githago)が咲きはじめました。
 ムギナデシコと呼ぶこともあります。

 地中海域が原産地のナデシコ科の一年草で、イギリスなどでは選択的除草剤が開発された1950年代まで迷惑がられた穀物畑の雑草だったそうです。
 日本へは明治時代に輸入したムギの種子に混じって進入したようです。大繁殖はしなかったもののときどき野生状態のものがみられます。
 種子には有毒なサポニン配糖体が含まれます。


54) ベニカタバミ  Oxalis brasiliensis                  2007.04.20
 街中を流れる小さな側溝の土手が一冬を通して直径1cmほどの光沢のあるカタバミの葉で覆われていました。
 どんな花が咲くのだろうと思っていたところ、昨日濃い赤紫の派手な花を見ることができました。ベニカタバミOxalis brasiliensis)でした。
 ブラジルが原産のカタバミの1種で、日本に渡来したのは大正時代、1924年だそうです。
 他の植物の生育を抑える物質を分泌してびっしりと地表を覆って茂るのでグランドカバーとしても人気があるようです。

野の花便り~晩春~」に タガラシ を追加しました。


55) ピンクボロニア  Boronia pilosa                  2007.04.22
 近頃はいろいろな種類のボロニア属の植物がフラワーショップで売られていますが、今日は八重咲きのピンクボロニア(Pink Boronia, Hairy Boronia : Boronia pilosa)を見ました。

 オーストラリア西南部、タスマニアの主に亜高山帯に分布するミカン科の低木です。タスマニアのバロー山ではジンチョウゲ科のピメレアやキク科のオレアレア、オゾタムヌスなどの低木と混生しています。

 この八重咲きのものは 'Rose Blossum'という園芸品種だそうです。



56) カロライナジャスミン  Gelsemium sempervirens        2007.04.24
 街角の花園ではあちこちのフェンスやパーゴラでカロライナジャスミン(Carolina jessamine: Gelsemium sempervirens)が花の盛りを迎えています。

 テキサスなど北米南部から中米のグアテマラにかけて分布しています。
 ホウライカズラ科(Loganiaceae)のつる植物で耐寒性があって戸外で冬を越せます。
 香りはかすかですが、明るい黄色の花が溢れるように咲いて目を楽しませてくれます。
 花筒は5枚の花弁に分かれ、オシベも5本ですが、メシベの先が4っつに裂けているのは面白いですね。


57) スターフロックス  Phlox drummondii                 2007.04.27

 今日はちょっとイソギンチャクを連想させる面白い形の花に出逢いました。

 何の仲間かわからず戸惑いましたがドラモンディーフロックスPhlox drummondii)の新しい品種のスターフロックス(’Star phlox')だそうです。
 野生のドラモンディーはテキサス州に広く分布していて花色には変異が多いそうです。
 名前は1834年にこの野生種のタネを集めてイギリスに送ったトーマス・ドラモンドさんにちなんだものです。



58) オノエマンテマ  Gypsophila cerastioides             2007.04.27
 浜松は鰻パイの本舗の直ぐ近くにあるヤマハ音楽教室の前の花園のハンギングバスケットにオノエマンテマGypsophila cerastioides)が咲いていました。

 カスミソウの仲間でヒマラヤ山系が原産地です。主にパキスタンからブータンにかけて分布していて、標高2100m~4700mの川岸や崖の草地で普通に目にするそうです。
 園芸業界ではヒマラヤカスミソウカーペットカスミソウとも呼ばれています。

 オノエマンテマという名の由来はちょっと調べてみたのですがわかりませんでした。


60) コツラ Cotula barbata                          2008.04.02
 Yellow marblesという名のコツラCotula barbata)が咲き始めました。
”黄色の大理石”というよりも”黄色の小石”の名の方が似合っているような気がします。
 細かく切れ込んだやや肉質の黄緑の葉もきれいですね。

 これは南アフリカのケープ地方が原産のキク科の一年草ですが、コツラ属としては約80種が知られていて南半球に広く分布しています。
 花屋さんでは”陽炎草”あるいは”花ほたる”と呼ばれているようです。

野の花便り~仲春」にシバヤナギとモミジイチゴを追加しました。


61) イエロースター  Helichrysum subulifolium           2008.04.04
 明るい春の日差しを浴びてイエロースター(Yellow Star: Helichrysum subulifolium) の黄金細工の星のような花が輝いています。

 西オーストラリア州の南西部、ジェラルトンからパースの南部が原産地のキク科の一年草です。いわゆるエバーラスティングの仲間で、ショウイー・エバーラスティングの名もあります。
 日本の園芸店ではヘリクリサム・ペーパーデェイジーとも呼んでいます。

野の花便り~仲春」にタチツボスミレとニオイタチツボスミレを追加しました。


62) エリスロニュウム “パゴタ” Erythronium HC. Pagoda  2008.04.07

 日本のカタクリと違って一つの花茎に数個の花をつけて黄花のカタクリの1種の、エリスロニュウム”パゴダ”Erythronium HC. Pagoda)が咲いています。
 顔を寄せると甘く香っていました。

 カタクリ属には20種が知られていますが、東アジアに分布するカタクリを除いて残りはすべて北米に分布しています。

 やわらかな黄色の花を咲かせるパゴダは交配によって作出された園芸品種です。
 親は西海岸のバンクーバー島からオレゴン州にかけて分布している、カタクリ同様のピンクの花のピンク フォーン リリー(Pink fawn lily : E. revolutum) とヨセミテ国立公園の北部のトォールミー地方だけに自生する明るい黄花のトォールミー コーン リリー(Tuolume cone lily : E. tuolumnense) だそうです。
 雑種ですが稔性があって種子が採れるそうです。花が咲くまでにはカタクリのように6~7年かかるのでしょうか。



63) イエローチンチャリンチ  Ornithogalum dubium         2008.04.23
 何が植えてあったのかすっかり忘れていた鉢に、いつの間にか伸び上がってきていたイエロー・チンチャリリンチ(Yellow Chincherinchee: Ornithogalum dubium) が黄橙色の花を咲かせていました。
 南アフリカの喜望峰を挟んだ東西のケープ地方が原産地のヒアシンス科の球根植物です。
 上手に育てれば一本の花茎に25個も花がつくそうです。
 原住民のコーサ族(Xhosa)の人たちはこの植物の球根を小児の虫下しに使うということです。

 数年前に花壇に植え込んだ株は3年目には消えてしまいました。このあたりでは霜よけが必要のようです。


64) サンサシア Sansatia                            2008.04.24
 一日おきに雨が降っているような気がするほど雨模様の日が多い晩春ですね。
花壇の花たちも匍匐性のものははねた土で汚れやすいのですが、サンサシア(Sunsatia)は綺麗な笑顔で迎えてくれました。
 このサンサシアは園芸家が南アフリカが原産地の多年草のネメシア・カエルレア(Nemesia caerulea) と一年草のネメシア・ストゥルモサ(Nemesia strumosa)を交配させて作出した園芸品種です。
 ラベルによれば半耐寒性多年草でマイナス5℃までは耐えられるようです。
 しかし霜に当ててはいけないそうですので、花壇の中で冬越しさせるのは難しいかもしれません。


65) エロディウム・バリアビレ Erlodium X variabile         2008.04.25
 今朝は最低気温が10℃までに下がりました。昨日より7℃も下がったわけですから植物たちも戸惑ったことでしょうね。
それでも陽が登ると初夏並みの暖かさになり、花壇のエロディウム バリアビレErlodium X variabile)の直径1.5cmほどの花が次々と開きました。園芸店ではヒメセイヨウフウロソウと呼ぶこともあるようです。

 この地表を覆って広がるエロデュウムはコルシカ島とサルディニア島が原産のアルパインゲラニュウム(E. corsicum) とコルシカ島とマジョルカ島に分布するアルパインゲラニュウム(E. reichardii) とを交配して作出した園芸品種だそうです。


66) ギンセンソウ Lunaria annua                    2008.04.28
 昨年の秋に種を蒔いておいたギンセンソウLunaria annua)が咲きました。
 草丈10cmほどで成長が止まった姿ですが、師匠にうかがったところ本葉が伸び始めた時点で移植しなかったからだということでした。
 南ヨーロッパが原産地ですが、今ではヨーロッパ北部や北アメリカにも帰化しているアブラナ科の2年草です。
ギンセンソウの名は特徴的な膜質で銀色の丸い実の形を銀色の扇に見立てたものです。
 ゴウダソウとも呼ばれますが、これは明治13年に農学研究を志してフランスに留学し帰国時にこの種子を持ち帰った合田清に因んだものです。結局合田は農学ではなく西洋木版を学んで、帰国後は東京美術学校でフランス語の教鞭をとったそうです。


67) ナローリーフ・ドラムスティック Isopogon anethifolius     2009・04・02

 植物園の一隅で、小さな松毬のような球果をつけた低木に出合いました。
 久しぶりに出合ったナローリーフ ドラムスティック(Nalow-Leaf Drumsticks : Isopogon anethifolius)でした。
オーストラリアの東海岸、シドニー近郊の岡やブルーマウンテン山地が原産のヤマモガシ科の植物で3mほどの高さに育ちます。
 私が初めてこの低木に出合ったのはシドニーのクーリンガイチェイス国立公園の中でした。10月のはじめで黄色の花が咲いていました。
 そのときは、花が終わった後にこんな松毬のような実ができるとは知りませんでした。
 最初の出合がこの実のついた株だったら裸子植物と思い込んだかもしれません。
  『野の花便り~仲春』タラノキを追加しました。


68) サニー・オステオ・ザラ Osteospermum sp.         2009・04・08
 昨年2月に小さな鉢苗を買って春になってから路地植えにしたサニー・オステオ・ザラという品種名のオステオスペルムムOsteospermum sp.)が大きく育って花盛りです。
 花弁の基部が筒状に巻くスプーン咲きと呼ばれる花が特徴ですが、栽培していて面白いことに気付きました。
 まだ寒かった3月の始めに咲き出したものはスプーン状にはならないのです。下旬になって気温が上がるにつれスプーン咲きの花が増えてきました。また、咲き始めはみごとなスプーン状でも咲ききると筒が解けてふつうの花形になることも知りました。

「野の花便り~山笑う 火剣山の


69) カラタネオガタマ Michelia figo      2009・04・18 
 まったりとした甘い香りを漂わせてカラタネオガタマMichelia figo)が咲いています。バナナの香りに似ているのでバナナ・ブッシュの名もあります。
 中国の江南地方が原産のモクレン科の低木で、庭木として植栽されています。若枝や若葉の柄には褐色の細かな毛が密生しています。
中国では、髪油の香りつけに利用され、花びらを干してジャスミン茶に代用するそうです。東南アジアで髪飾りや花輪にして香りを楽しむチャンパ(キニコウボク、M. champac)もこの仲間です。
 日本にも自生し、神社などに植えられているオガタマ(M. compressa)は高木にならないと花を咲かせないそうです。
野の花便り~晩春」に オシドリザクラ を追加しました。


70) セリバヒエンソウ Delphinium anthriscifolium        2009・04・26
 久しぶりに新宿御苑に入りました。
 楽羽亭への道で先ず目を奪われたのが、優しく淡い紫色の小さな、よく目立つ長い苣のある花をつけて茂っている下草でした。セリバヒエンソウDelphinium anthriscifolium)でした。

 中国の江南地方から四川省南西部が原産地という、キンポウゲ科の一年草です。
花を見ればわかるようにヒエンソウの仲間です。
 関節痛や湿疹などの皮膚病に処方される薬草で、還亮草・魚灯蘇などと呼ばれています。

HPに「野の花便り~レトロスペクティブ シーナリー:風の止まった風吹隧道」をUPしました。


71) ホソバオオアマナ Ornithogalum tenuifolium Guss.      2009.04.29

 木道で巡るヌマスギの見本林の、蟻塚のような気根が突き出している林床は、まるで雪が積もったようにホソバオオアマナOrnithogalum tenuifolium Guss.)の花で覆われていました。
 ヨーロッパから中央アジアにかけてが原産地といわれているヒヤシンス科の球根植物ですが、園芸植物として導入されたものが世界各地で帰化しています。
 葉の幅がやや広いオオアマナO. umbellatum L.)との外部形態による区別は微妙で、分類学者の間でも意見が分かれるようですが、一般にはまとめて“ベツレヘムの星”と呼ばれます。
 また、O. tenuifoliumという種名は19世紀の初頭にDelarocheさんが南アフリカ産の花穂が長く伸び最大300もの花を咲かせる植物に当てていますので、最近は混乱を避けてホソバオオアマナはO. angustifolium Bor.と呼ぶ研究者もいます。

野の花便り~晩春ヤブデマリを追加しました。


72) シロバナハナズオウ Cercis chinensis Bunge cv. alba   2010.04.04

 近くの丘の満開の桜並木を楽しんだ帰り、とある農家の垣根から顔をのぞかせているシロバナハナズオウCercis chinensis Bunge cv. alba)を見ました。ハナズオウの白花園芸品種です。
 蘇芳色の花を見慣れた目には少しさびしく感じましたが、令夫人といった面持ちの花でした。
 よく知られているようにハナズオウは中国原産で日本へは江戸時代に渡来したと考えられています。
 花を見ればすぐにマメ科だとわかるのですが、カラスノエンドウなどの花とちがって、離生するオシベを抱く舟弁が大きく反対に旗弁が小型です。


73) ベニバナダイコンソウ Geum coccineum Sibth. et Sm. cv. 'Cooky'  2010.04.12

 花散りて花びら帰るところなし  小井寒九郎
 リコリス花壇の中で茂り始めたカラスノエンドウやスズメノエンドウを抜き取ろうと庭にでると、200mほど離れた丘の桜並木から舞ってきたらしい花びらが、二つ三つと散っていました。この庭で土に返って、こんどはどんな花に移ってゆくのでしょうか。

 一片の花びらが乗っていたベニバナダイコンソウGeum coccineum Sibth. et Sm. cv. 'Cooky') には今年最初の花が開いていました。

 バルカン半島からトルコにかけてが原産地といわれるバラ科の多年草です。
 チリとアルゼンチンに分布するチロエダイコンソウ(G. chiloense Balbis ex Ser.) と大変良く似ていてかつては混同されていたそうです。平行進化の一例としてあげている書籍もありました。



74) ヒイラギナンテン Berberis japonica (Thunb.) R.Br.      2010.04.18

 公園の生垣などとして比較的目にすることが多いのですが、花期が短いせいか今までカメラに収めることができなかったメギ属のヒイラギナンテンBerberis japonica (Thunb.) R.Br.)の花を撮りました。
 中国の江南地方から台湾にかけてが原産地のメギ科の低木です。研究者によっては奇数単羽状複葉をもつことを重く見てヒマラヤから北米東部にわたって分布する約70種からなるヒイラギナンテン属(Mahonia) に分類しますが、花の構造や最近のDNA塩基配列の比較からはメギ属(Berberis)に分類されています。 日本に渡来したのは、享保18年(1733)に出版された『地錦抄付録』によると、天和貞享年間(1681-1687)だということです。
 ヒイラギナンテンの仲間は古代から薬用・食用に利用されています。ネパールでは実を食べ樹皮の絞り汁を目薬にし、漢方では解熱・解毒・流感などに処方し、アメリカ原住民は咳止めや風邪薬に利用し、実も食用にしますが、クロウィツやウイントゥーン族は根や樹皮からは黄色染料を採っています。日本でも草木染に使います。
野の花便り~晩春』に シュンラン を追加しました。


75) ハニーワート -2  Cerinthe major L.        2010.04.24

 昨年の5月の初めに入手したハニーワート(Honeywort: )が今年も咲いてくれました。
 キプロスとバレアレス諸島を除く地中海域に広く分布するムラサキ科の一年草です。園芸書にはこぼれ種でよく殖えるとありましたが、そのとおりでした。 耐寒性もあって、この冬の寒さにも負けずに、元気に育ちました。
 ベル形の花を下からのぞいてみると、5本のオシベは花筒の中ほどまで癒着していて爪形のオシベだけが離れていました。緑の蕚で覆われている花筒の下部は黄色です。
野の花便り~晩春」シロバナヤマブキ を追加しました。


76) ヒメハナビシソウ  Eschscholizia caespitosa Benth.    2010.04.30

 ハナビシソウ(カリフォルニアポピー)に良く似ていますが、はるかに草丈が低く花も小さく花色も薄いヒメハナビシソウ(Tufted poppy: Eschscholizia caespitosa Benth.) を花壇に入れました。
 淡黄色のフィルムのような4枚の花びらがかすかな風にも揺らぎます。

 オレゴンからバハカリフォルニアにかけての、チャパラルと呼ばれる乾性植物が優占する植生帯が原産地だそうです。
 ハナビシソウ同様に有毒植物で30種類ものアルカロイドが含まれ、呼吸作用を阻害し、幻覚を引き起こしますが、ケシの仲間と違ってモルヒネは含まれていないそうです。
 西オーストラリアでは厄介な帰化植物となっていますが、羊や牛はめったなことでは食べないそうです。



77) クレロデンドルム・カピタツム
          Clerodendrum capitatum (Willd.) Schum. et Thonn  2011.04.02
 クレロデンドルム・カピタツムClerodendrum capitatum (Willd.) Schum. et Thonn) です。これもダーレム植物園の温室の花です。
 ご覧のとおり、クサギの仲間です。
 西アフリカが原産で、サバンナや森の中に見られる、3m程の高さになる潅木で、細い枝が他の植物に寄りかかるようにして茂ります。
 日がよく当たる環境では、白い花被と赤いオシベのコントラストが美しいそうです。
 原産地ではさまざまに利用されています。
 例えばハウサ族の人々はバンバロ(Bambaro)と呼んで、髄を抜いた茎をパイプやストローとして使います。また、マリ王国の子孫といわれるマンディンカ族は葉に含まれるアルカロイドを矢毒に使うそうです。いろいろな薬効もあるようで、アイボリーコースとでは煎汁を泌尿器系の病の治療に使います。ヨルバ族のシャーマンの呪術にも使われます。イボ族は真鋳製の家具を磨くのにこの葉を利用します。


78) ウケザキクンシラン-2 Clivia minimata Regel      2011.04.10

 7年前に花師匠からいただいた、一般には君子蘭と呼ばれているウケザキクンシランClivia minimata Regel) は5鉢に殖えましたが、その一つが今年はみごとに咲いて、師匠にも喜んでもらえました。
 原産地は南アフリカの東ケープからナタール地方の沿海部で、林中の木漏れ日の散るような場所に多いそうです。この花がクワズーナタールから英国にもたらされたのは1854年で、ビクトリア朝時代には英国だけでなくヨーロッパで広く栽培されるようになりました。
 やはりケープ地方に分布する近縁種にClivia nobilis Lindle.がありますが、こちらは1823年にヨーロッパに導入されていて、おそらくウケザキクンシランより先に日本に渡来し、nobilis (立派な、気品のある)という種小名から君子蘭(クンシラン)と呼ばれたのでしょう。そして遅れて明治の初めに渡来した、より艶やかで栽培し易いウケザキクンシランが、今ではクンシランの名で呼ばれるようになったのでしょうね。


79) ピレネーフウロ Geranium pyrenaicum Burm. fil.     2011.04.20
 地震と津波と暴走原発からの放射能に痛めつけられた東北の地にも桜が咲き始めたそうですね。
遠州はすでに葉桜の季節となり、茶畑の若緑が輝いています。
 花壇では四方に広がるピレネーフウロGeranium pyrenaicum Burm. fil.)の匍匐茎のあちこちに蛍光を放っているように見える深く切れ込んだ5弁の花が咲いています。

 地中海域の山地がふるさとだといわれるフウロソウ科の植物で、ヨーロッパやアメリカに早くから帰化しています。
 イングランドでは1762年に最初の報告がありますが、今では土着の植物かのようにありふれた存在となっています。日本でも北海道に帰化しています。
野の花便り~晩春」にザゼンソウを追加しました。


80) ベロニカ・マダムマルシア Veronica petraea Bieb.,M.  2011.04.22
 家人が「綺麗なイヌノフグリの仲間があったわよ」とライラックブルーの4弁の小花をちりばめたポットを抱えて帰宅しました。
 ラベルにはアルゼンチン原産のベロニカ・マダムマルシアVeronica peduncularis) とありました。
 しかし、しかしです。
 確かに、APGⅡ分類体系ではVeronica(クワガタソウ属)は1600余種が含まれる大きな属ではあるものの、そのなかでもイヌノフグリに近縁のグループはユーラシア大陸がホームグラウンドで、南米には自生していないはずです。
 そこで調べなおしてみると、このイヌノフグリの仲間はコーカサス地方が原産の Veronica petraea Bieb.,M. だとわかりました。花の形は似ているのですが、V. peduncularis とは葉の形が違います。 V. peduncularis の原産地もコーカサス地方です。
「野の花便り~晩春」
ハナノキ を追加しました。


81) ミヤマホタルカズラ Lithodora diffusa (Lag.) I. M. Johnston  2011.04.27
 常葉の岡の雑木林ではキイチゴやシバヤナギの花時が過ぎ、今はナツグミの控えめな花が満開です。
 散歩がてらに、花鉢用の液肥を買いに立ち寄ったフラワーショップで、目の覚めるような青い色の小花を散りばめた鉢を見つけました。
ミヤマホタルカズラLithodora diffusa (Lag.) I. M. Johnston)でした。

 イベリア半島全域とフランス西南部の海浜の松林の中や砂浜などが原産地の、ムラサキ科の亜潅木です。
 英語圏では Scrambling Cromwellなどと呼ばれています。
 早くからロックガーデンなどに植栽され、今ではいくつもの園芸品種が知られています。
「野の花便り~晩春」ゼンマイ を追加しました。



82) ワタボウシ・フレンチラベンダー Lavandula stoechas L.    2012.04.07

 今日も西風が強かったのですが、眩しいほどの春の光の中で、丘のソメイヨシノは満開となり、藪には濃いチョコレート色のミツバアケビの花やキブシの淡い黄色の花房が揺らいでいました。

 そして、立ち寄った小さなカフェのカウンターには可愛らしい綿帽子フレンチラヴェンダーLavandula stoechas L.)の小鉢が置かれていました。

 地中海域が原産地といわれるフレンチラヴェンダーの園芸品種の一つです。

 野生種は古代から頭痛やリュウマチ痛などに効く薬種として利用されてきたそうです。
 濃い紫の小花が集まる花穂の先端の、兎の耳のような形のものは、花びら状に大きくなった苞です。

「野の花便り~仲春」卜伴椿と雨蛙 を追加しました。


83) ボタン Paeonia suffruticosa Andr.      2012.04.20
 こちらに転居して間もないころに花師匠が持ってきてくれたボタンPaeonia suffruticosa Andr.) が始めて咲きました。
 若いころはその艶やか過ぎる花姿に気おされていたのですが、この歳になると素直に見つめることができるようになりました。まさに豪華絢爛という言葉が良く似合う花ですね。
 中国西北部が原産地で、6世紀中頃の北斉時代にはすでに庭園で植栽されていました。日本にはいつ移入されたのか、確かなことわわかっていないそうですが、平安時代以降の文献には頻繁に登場します。『万葉集』にはそれらしきものは詠われていませんので、奈良時代にはまだ稀な存在だったのかもしれません。
 江戸時代、ことに元禄・宝永時代には爆発的に流行し、さまざまな品種が作りだされています。
『野の花便り~晩春』キブシ を追加しました。



84) アイスランドポピー  Papaver nudicaule L.      2012.04.24
 里桜が満開になり、日ごとに初夏らしくなってゆくこの季節ににもかかわらず、庭先ではまだアイスランドポピーPapaver nudicaule L.)が咲いています。

 遠い昔、早春の南房総の花畑でこの花の名を知りましたが、そのとき以来比較的最近までアイスランドが原産地だと思い込んでいました。
 しかし実際は中央アジアから極東、アラスカに掛けての寒帯が原産で、国名とはかかわりなく“氷の大地”に咲くケシということでした。
 そのためシベリアヒナゲシという和名がつけられてはいますが、園芸界ではもっぱらアイスランドポピーと呼ばれています。

 種小名の nudicaule は'裸の茎’を意味しますが、この花の茎には硬い毛が密生していますので、命名者のリンネさんは'葉の無い茎’といいたかったのでしょう。
『野の花便り~晩春』ミツバアケビ を追加しました。


85) カリン  Chaenomeles sinensis Koehne    2012.04.26

 プリンターのインクを買いに行った量販店の帰りに通りかかった、小さなお寺さんの庭に、微笑んでいるようにカリンChaenomeles sinensis Koehne)の花が咲いていました。

 中国原産で江戸時代の初めに渡来したと考えられています。
花だけでなく、黒く光沢のある幹も秋に黄色に色づく大きな芳香を放つ果実も美しいので、庭園に植栽されます。
果実は見かけによらず硬く、酸味も強いので生食には向きませんが、果実酒にしたり砂糖漬けにしたりして咳止めなどに薬用します。
 漢字表記は榠樝ですが、これをカリンと読ませるのは美しい木目が花櫚(かりん=インドシタン Pterocarpus indicum Willd.)のそれとよく似ているからだそうです。



86) ハナビシソウ Eschscholzia californica Cham.     2012.04.28

 昨年の初夏に庭で採れた種子を花師匠が苗までに仕立ててくれました。そのハナビシソウEschscholzia californica Cham.)が咲きはじめています。
 最近はカリフォルニアポピーの名の方が通りのよい、アメリカ西海岸のカリフォルニアからオレゴン州が原産地の一年草です。
 大航海時代、船べりから見晴るかす丘陵一面がこの花で覆われているのを見た船乗りたちは、カリフォルニアを“黄金の西部”と名づけたといいます。やがてその地にゴールドラッシュの波が押し寄せるとは思ってもみなかったでしょうが・・・・・。
 カリフォルニアの先住民は葉や根の搾り汁を歯痛や頭痛の薬とし、コスタノアン族は子供のベッドの下にこの花を敷いておくとよく眠るといいます。毒性は弱いそうですが、妊婦には有害と考えています。
『野の花便り~晩春』ツルナ を追加しました。


87) フォーシスターズヒース
        Four Sisters Heath; Erica fastigiata L.    2013.04.06

 庭ではミモザも散りカワズザクラは若葉を茂らせ、入れ替わってリキュウバイやジューンベリーなどが花の盛りとなりました。
今日は近くに開店した量販店のフラワーコーナーでフォーシスターズヒース(Four Sisters Heath; Erica fastigiata L.) というエリカに初めて出合えました。

 南アフリカ原産で、インド洋に面した雨の多い山地に広く分布していて、ホッテントット・ホランド自然保護区などでは大きな群落がみられるそうです。
 一見した限りではなぜフォーシスターズと呼ばれるのかわからなかったのですが、密集しているように見える花は一本の花茎に4個ずつのセットになっていて、納得しました。
「野の花便り~仲春」アケビを追加しました。


88) カラシナ Brassica juncea (L.) Corn.       2013.04.14
 例年にない速さで初夏になったのかと思った翌朝、目覚めると2月に戻ったような冷たさに驚かされる日々が続いていますね。
 それでもさすがに日中は気温が上がり、雑木山も萌黄色に輝きます。川岸ではカラシナBrassica juncea (L.) Corn.)の花が盛りです。

 今となっては原産の地がどこであったのか知る由もないようですが、カラシナはユーラシアの人里に広く分布していて、古くから野菜として栽培されていました。
 日本でも江戸時代にはすでに導入されていたそうですが、現在各地に帰化しているものは太平洋戦争後に侵入したものと考えられています。
「野の花便り~晩春」 ウワミズザクラ を追加しました。


89) キウイ Kiwifruit : Actinida chinensis Planch.     2013.04.23
 今朝も2月並の低温でしたが、日が昇ればたちまち暖かくなるところはさすがに晩春ですね。
何年か前に茶畑の端に作られたキウイ棚の脇を通りかかると、かすかな甘い香が漂っていました。
キウイ(Kiwifruit : Actinida chinensis Planch.) の花の盛りでした。
 中国南部原産のシナサルナシ(羊桃)が羊の国のニュージーランドへ1904年に導入され、その実生を元に育種家により品種改良されたマタタビ科の雌雄異株のつる植物で、日本のマタタビやサルナシなどの仲間です。
よく知られるように、キウイと呼ばれるのは実の姿が飛べない鳥キーウィ(Kiwi)に似ているからです。

 今では世界中の温帯で栽培できるありふれた果実になりましたが、市場に登場し始めたのは1970年以降のことだそうです。
「野の花便り~晩春」ヘラオオバコ を追加しました。


90) 白いジンチョウゲ Daphne odora Thunb.       2014.04.09
 牧之原台地のカタクリを見ての帰りに、満開のスモモの高木のある大きな農家のわきを通りかかると、生け垣から甘い香りが漂ってきました。
 白いジンチョウゲDaphne odora Thunb.)の花の盛りでした。
 中国江南地域が原産といわれ、宋の時代には既に庭園に植栽されていました。日本に渡来した時期は特定されていないようですが、室町時代以前に入っていたとしても不思議ではありませんね。 ジンチョウゲにDaphne odoraという学名をつけたのはチュンベリーさんですが、ギリシャ神話のニンフのダフネの香りと考えての上での命名だったか否かは、さだかではありません。
「野の花便り~仲春」カタクリを追加しました。
ジンチョウゲについては以前にも書いています。


91) ジューンベリー -2  Amelanchier canadensis (L.) Medik    2014.04.20
 白い花の季節がうつろってゆきます。
オシドリザクラが咲きシラーの空色の花が盛りになりカラタネオガタマの重い香りが漂う庭で画像のような奇妙な花が目に留まりました。
 ほんの先日まで、純白の花びらで目を楽しませてくれていたジューンベリーAmelanchier canadensis (L.) Medik.)の花のあとでした。
 6月に赤く熟して小鳥たちを喜ばせる実の姿は楽しんできたのですが、この白いベールを脱いだ、萼と雄蕊と雌蕊だけの姿には初めて気づきました。
 これはこれでおもしろいですね。
「野の花便り~晩春」ミヤコワスレを追加しました。


92) マーガレット Argyranthemum frutescens (L.) Schultz-Bip.    2014.04.27
 日ごとに昼間の気温が高くなります。
今日は北海道でも夏日を記録したそうですね。
 花壇の花たちもうなだれがちですが、マーガレットArgyranthemum frutescens (L.) Schultz-Bip.)は元気です。
 マーガレットと聞くと地中海域が原産のフランスギクを思い浮かべる方も少なくないと思いますが、このマーガレット(Marguerite)は大西洋のカナリア諸島の西経15度以西の島々の固有種です。
 16世紀の後半にフランスにもたらされたといわれています。この名前は、サン・バルテルミの大虐殺の遠因を作った王女マルグリート・ド・バロアが1600年ごろパリ近郊イッサイの庭園で栽培していたことにに因んだものだそうです。
 木本性で自生地で高さ1mほどにもなります。和名のモクシュンギク(木春菊)はこの性質に由来します。
「野の花便り~晩春」ナシを追加しました。

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