Memorandum


6) 利益の配分をめぐって係争中の生物資源 (NHK TVで採りあげられたもの)

1)ドイツの製薬会社の風邪薬~Umckaloabo の原料~ 絶滅危惧 Pelargonium sidoides DC.
  ・・・ 
S. Africa

2)腫瘍の血流を止めてしまう抗がん剤~Combretastatine
  Combretum caffrum (Ecklon et Zeyher) Kuntze. = African Bush Willow, S.Africa
    Zulu族は矢毒として使ってきた。成分はconbretasins

3)画期的な下痢止め薬~Crofelemer~ペルー政府が知的財産として使用料要求
   Croton lechleri Müll. Arg. = Amazonian croton tree, Eupholbiaceae = Dragon’s Blood
   =
Sangre de grado, sangre de drago, dragon’s blood, drago, sangue de drago, sangue de agua

4)エイズの特効薬~Prostratin サモアの民間薬だったもの
  Homalanthus nutans, Eupholbiaceae = Mamala tree

5)ヘロインの効かない末期癌の鎮痛薬
  Conus spp. ヤキイモガイ類の捕食針毒

6)ペルー政府が持ち出し禁止にしている“アンデスの人参”マカ (アブラナ科)
  Maca・・・・macamacamainoayak chichira = Lepidium meyenii Walp.
  10spp. In Peru:多種類のアミノ酸含有・・・滋養食品、催淫作用。インカ時代から栽培
  されていた。フニン県の
4000~5000m alt. が主産地。宇宙食にもなった。


5) Gorteria diffusa の花形態の変異はポリネーターとはかかわりのない進化  AJB 96(4): 793-801 (2009)


4) ラフレシア(Rafflesia arnoldii) の系統学的位置
 ラフレシアは昔から類縁関係がよくわからなくて研究者を悩ませてきた植物の一つです。
 花の構造やあの有名な悪臭などからウマノスズクサ科に近縁ではないかといわれていました。
 近年は葉緑体DNAの塩基配列の比較で系統を決める研究が進んで、ほとんどの植物の類縁関係が明らかにされてきたのですが、寄生植物のラフレシアのそれは極度に退化単純化されていて情報としては使えませんでした。
 そこで、Davisとその共同研究者たちはミトコンドリアDNAを比較することを試み、この植物がトウダイグサ科に最近縁であることを明らかにしました。
 しかし、化石も無く、この巨大な花が小さな地味なトウダイグサ科の花から進化して、いつごろ現れたかについてはまだわかっていません。


3) 花色がブルー系のリコリス
 がスプレンゲリ(L. sprengeri)。特別に青味が強い個体です。
 
がスプレンゲリとキネンシス(L. chinensis)の雑種と推定されるブルー・パール(L.cv. "Blue-Pearl")。
詳しいことはHPの「ヒガンバナ属の分類」をご覧ください。


 

2) 2005/09/28 「悪魔の森」を作ったのは共生するアリたち・・・・・Nature 437: 495-496 (22 Sept. 2005)

 ペルー・アマゾンの原住民たちが’Jardins del diable' (Devil's gardens、悪魔の森)と呼んでいるアカネ科のDuroia hirsuta(写真の植物)の純林はこの木の洞にに共生するアリの1種、Myrmelachista schumanni が他の植物を蟻酸を分泌して殺してしまうことによって成立していることがわかった。
 こうした森の中には800年も存在し続けてきたものもあると推定されている。

Photo by A. Gentry