1話「青春」
 時は明治。東京は、人を殺すための柔術が乱立していた。修学院の教師である矢野正五郎(露口茂)は、柔術界を新しい目的(「柔道」)で統一するために、鉱道館を設立。柔術に忌み嫌われる存在となった。そんな折、会津から単身東京に柔術を習いに来た姿三四郎(勝野洋)は、心明活殺流の門馬三郎(小松方正)に弟子入りする。しかし、酒に入り浸り、複数で矢野の闇討ちを狙う門馬に疑問を持ってしまう。そして、決行の夜、矢野は、門馬を川に投げ落としたのだった・・・・

2話「出会い」
 鉱道館に入門した三四郎は、雨の日、鼻緒が切れた村井乙美(竹下景子)と運命の出会いをする。そのころ、門馬と掛札兵助(浜田晃)は、道場を作りたいと、椿正太(金子信雄)に金策を申し込んでいたが、断られる。矢野は単身、殺當流に乗り込むが、話し合いをするだけで、立ち合いをしようとする掛札から逃げてしまう・・・・

3話「宿敵」
 喧嘩をして勝った三四郎は、矢野から、「立ち合うだけが柔道ではない」と言われ、頭を冷やすと言って、池に飛び込む。椿は、兵器納入のため、清閑寺静馬(高橋昌也)の息子に早苗(萩尾みどり)を嫁にやることを決意するが、早苗は矢野を愛していた。修学院の理事である清閑寺は、矢野に鉱道館の存続を脅かし、結局矢野は、鉱道館のため、早苗を諦めてしまう。清閑寺の用心棒である檜垣源之助(沖雅也)は、自分の道場を作るため、鉱道館を倒すことを椿と約束する。鉱道館を訪れた檜垣は、まず、入門したばかりの新関虎之助(佐山泰三)を投げ飛ばす。そして、ついに三四郎と運命の対面。三四郎は立ち合おうとするが、隆昌寺住職(大滝秀治)に止められてしまう。

4話「山嵐」
 乙美と境内を歩いていた三四郎は、檜垣と出会う。檜垣は、乙美の父、良移心當流、村井半助(北村和夫)の弟子であり、昔から乙美を愛していた。再び三四郎と立ち合おうとする檜垣だったが、今度は、流れ者の真崎東天(竜雷太)に邪魔をされる。 早苗の体の調子が悪くなったため箱根に出向いた三四郎は、帰り道、政治団体天中党の井沢周造(佐藤慶)に出会うが、その弟子の鬼石左平(横谷雄二)に不意に襲われる・・・・。そして、この対戦で、必殺技「山嵐」が完成する。

5話「わらべ唄」
 起倒流の八谷孫六の仲介で、雪辱に燃える門馬が正式に鉱道館に挑戦してきた。鉱道館は、矢野ではなく三四郎を代表に。試合は、三四郎が、新技山嵐で門馬を破ったが、悲しむ門馬の娘お澄(志穂美悦子)のことが気になった。一方、容態が悪くなった早苗の見舞いに訪れた矢野は、そこで、早苗から、最後のオルガンを聞かされる。そして、それを聞いた椿は、清閑寺との取り引きを見合わせるのだった。清閑寺は、伊藤博文にも兵器納入を断られ、檜垣にも見捨てられ、馬車の中で自殺する。そのころ町では、暴漢に襲われていた南小路家の娘、高子(竹下景子)を三四郎が助けていた。

6話「仇討ち」
 三四郎が助けた高子は、伊藤博文の右腕とも言われる南小路光康(渥美国泰)の娘だった。高子は、お礼にと三四郎を鹿鳴館に誘うが、英国人といちゃつく高子を見て、三四郎は暴れてしまう。運よく谷干城(西村晃)に助けられたが、逆に高子は三四郎にだんだん気を引かれていく。檜垣も南小路の用心棒として新しく働いていた。そのころ、門馬が死んだ。お澄は、仇を討ちに鉱道館に乗り込んできた。三四郎は、手を出さず、投げられ続けることで、お澄の気を晴らすのであった。

7話「慢心」
 三四郎の勤める車屋「たつみ屋」の娘お吟(長谷直美)は、三四郎の強くて優しいところを愛していた。しかし、同じたつみ屋の車夫、香川安吉(柴田恭兵)も、お吟のことを愛していた。そのことを知った安は、酒に酔い、喧嘩をし、ケガをしてしまう。助けに入ろうとした三四郎を安は怒って断る。そのころ、南小路家の側近である津久井譲介(中康次)が、剣道の相手を求めて鉱道館に立ち合いに来た。虎之助が相手になろうとしたとき、三四郎が止めに入った。そして、三四郎が相手をし、譲介に手加減をして勝ってしまう。虎之助は鉱道館をやめていき、安はたつみ屋を飛び出した。譲介は、同じころ、今度は檜垣と立ち合い、容赦なく投げられ、檜垣に弟子入りを決める。三四郎は、矢野から、「優しさも傲慢の一つだ」と言われ、悩んで泣くのだった。それを見ていた安は、虎之助とともに、「自分も弱かった」と、逆に三四郎を励ますのだった。

8話「暗殺」
 鉱道館に井沢が訪れた。井沢は、政治に矢野の力を借りたいという。しかし矢野は、断った。そこで井沢は、掛札に目をつけ、道場主として、殺當流と鉱道館を闘わせる道場を提供した。勝った者に、柔術界連合道場として手渡し、政治的協力を余儀なくさせるつもりである。自分の手で柔術界を統合させるつもりである檜垣も、この井沢のやり方には承伏しかねた。三四郎は、同じく政治に明るい真崎の進言で、井沢の狙いは、伊藤博文の暗殺であることを知る。そして暗殺の日、檜垣が護衛をしていた馬車が襲われた。暗殺者は、天中党と殺當流であった。しかし、駆けつけた三四郎と檜垣が協力し、追い払う。鬼石は檜垣に殺された。そして、連合道場の試合。三四郎は山嵐で勝った。矢野は道場をもらわなかった。そうこうするうちに、警察がやってきて、井沢と掛札を取り押さえた。井沢に、この最期を演出したのは・・・・檜垣。

9話「生きる」
 三四郎の車に乗っていた浪士風情の折口大助(清水紘治)は、気まぐれに三四郎を切ろうとした。しかし、真剣を目の前に怖がろうとしない三四郎の気迫に押されて、切れずに帰った。自信過剰の折口は、谷干城の暗殺をねらう一味に誘われる。たつみ屋では、三四郎と結ばれないお吟を不憫に思った辰が、三四郎に向かって、お吟の前からいなくなってくれ、と三四郎にクビを宣言する。お吟はびっくりして止めるが、三四郎は出ていく。良移心當流では、師弟の間の亀裂がますます広がっていた。弟子の檜垣は、柔術界を統一するためには、実力を示すことが大事で、そのためには、政治の介入もやむを得ないと話す。一方、警視庁の武術世話係を引き受けている師匠の村井は、柔術に権力は必要ないと言い、政治家の用心棒をしている檜垣を厳しく批判する。檜垣は、警視庁の武術世話係のポストも狙っていた。そんなとき、柔術界の真の実力者を見るため、警視庁武術大会が開かれることになった。柔術界代表ということで、良移心當流と鉱道館が選ばれた。鉱道館は、三四郎を代表に出すが、良移心當流は、村井が、檜垣を差し置いて、出ようとする。仕事が無くなった三四郎は、谷の護衛を引き受けるが、そのせいで、再び折口と会うことに。折口は、三四郎に、「初めて、おまえを殺すという生き甲斐が見つかった」と言い、敗れ、死ぬ。一方、三四郎が出ていった理由を知った安は、自分もたつみ屋を出て、お吟から離れることを決意。そんなとき、村井は、三四郎に、試合後も乙美を思う気持ちは変わらないでくれ、と頼む。檜垣は、試合に出れない苛立ちと乙美に対する嫉妬心で、三四郎への闘争心をますます膨らませていた。折口、お吟、乙美、安、源之助・・・・自分が勝つせいで、これ以上人を苦しめたくないと、三四郎は、生きる難しさを一人かみしめるのだった・・・・

10話「父と娘」
 あせる檜垣は、三島警視総監に、村井半助は体の具合が悪いと進言。しかし、村井は相変わらず自分がやると動かない。そこで檜垣は、たつみ屋の仲間の安を狙う。檜垣は安の右腕を折り、三四郎を待った。怒った三四郎は、まず村井の家に行くが、そこで村井に頭を下げられる。「檜垣はもはや柔術家ではない。弟子のしたことはみな、わたしが責任をとる」。一方、待っている間、檜垣は、弟子の津久井に、故郷沖縄で、家畜の餌を食べた話をする。檜垣の家族は、本土の官軍に、家畜以下の扱いを受けていたのだ。檜垣は、権力に対しては、権力で立ち向かうしかなく、権力を得るためには、どんなことでもするという。また、父と愛する三四郎の闘いを間近に控えた乙美は、苦悩していた。それを感じ始めた三四郎も苦悩するのだった。

11話「男の闘い」
 試合前になって、村井は乙美に、「今の地位を守るために、檜垣を出すことも頭によぎった」と話す。村井は、自分の命をかけて闘うことを乙美に知らせた。一方、三四郎は、たつみ屋の(藤岡琢也)から、5歳の時に別れた妹がいたという知らせを聞いて、試合寸前になって、町に出ていた。結局、人違いだった。そのころ、檜垣は、最後の策として、南小路から、「警視庁師範」の称号を手に入れ、三島警視総監に、選手交代を迫っていた。しかし、村井本人がやってきて、結局、村井が試合をすることに。試合は、村井の技「肩車」を返し、山嵐を決めた三四郎が勝ったが、乙美のことを考えると、三四郎は、勝っても悲しくなるばかりだった。

12話「男・その死」
 三四郎は、病床の村井から、乙美は実は南小路家の娘であり、高子の妹であることを知らされる。そして、万が一の場合、三四郎からそのことを伝えてほしいと頼まれる。また、真崎は、西南戦争で政府の捕虜となっていた松元清二郎(片桐竜次)を逃がすため、三四郎に応援を頼んだ。三四郎は、戊辰戦争で会津を攻めた薩摩出身の松元を、最初、助けようとしなかったが、松元にも妹がいることを知り、助けてやることにする。そして、高子に、南小路家の馬車を貸してもらうよう頼むが、高子も一緒について来るという。高子は政府側にもかかわらず、三四郎たちに手を貸そうというのだ。しかし、高子の暴走を止めようとする密告者がいた。高子を連れ戻し、三四郎たちの居場所を教えた。檜垣だった。松元は、三四郎の前で警察の銃弾に撃たれた。そんなことしているとき、村井家では、村井半助が息を引き取った。檜垣は村井の遺書を発見。遺書には、「武術世話係には姿三四郎を推挙する」とあった。三四郎は死に目に間に合わなかった。今までがんばって泣かなかった乙美は、遅れてきた三四郎の背中でついに号泣するのだった。

13話「決闘」
 遺書を読み、その光景を見ていた檜垣の怒りは、ついに頂点に達した。葬式に訪れた矢野と三四郎を追い返し、町では、泥をはねた馬車に乗っていた男を投げ飛ばした。そんなとき、戸塚楊心流の木島太郎(伊沢一郎)が都落ちした。鉱道館が隆盛し、弟子が集まらないからだという。檜垣が投げ飛ばした馬車の男は、時の首相黒田清隆の甥だった。檜垣は、南小路に、正式に三四郎と試合をすることを取りつけていたが、逆に南小路家を追い出される。何もかも失った檜垣は、三四郎に「果し状」を送りつける。檜垣の気持ちを汲んだ三四郎は、それに受けて立つことを決意する。三四郎は、明け方、まず乙美のところへ行った。しかし、乙美は、南小路家には戻らないと言い張った。そして、決戦の場、右京ヶ原へ。三四郎は鉱道館を捨て、乙美を捨て、死ぬ気だった。試合は、・・・・・・・・

14話「宿命」
 檜垣の逆さ十文字を浴び、死ぬ寸前の三四郎は、山嵐を決め、檜垣を倒す。しかしその足で、柔道を捨て山奥に旅に出る。そして、半年が過ぎようとしていた。しかし、逗留先では、三四郎を倒そうとする者たちが続出。迷惑をかけられない三四郎は、転々と移動を繰り返す。そんなとき、九州から檜垣兄弟が源之助の元にやってくる。三四郎が落ち着いていた農家には、内村良作という柔術をたしなむ男がいた。居心地が悪くなった三四郎は、楊心流の木島に出会う。家を出ていこうとする三四郎に、「良作を侮辱しないでくれ。君は最初から良作を相手にしなかった」と木島は言う。良作は、木島の元弟子だったのだ。三四郎は、良作に稽古をつけてやり、東京に戻る決心をする。

15話「出発」
 三四郎は、まず源之助の元を訪れた。源之助は、容体は戻っていたが、無気力で病床に伏していた。三四郎との会話を聞いていた津久井は、源之助に活力がないのを悟り、弟子を辞めて出ていく。そんなとき、源之助が三四郎に敗れたことを聞いて九州から上京してきた檜垣鉄心(沖雅也)・源三郎(石橋正次)兄弟が、三四郎を殺しに、鉱道館にやってきた。そのころ、三四郎は、村井家を訪れ、乙美と1年ぶりの再会をしていた。そのあと、門馬道場へ行き、お澄と話をする。お澄は、鉱道館四天王のひとり壇義麿(片岡五郎)とアメリカに渡るかどうか思案していた。三四郎が門馬道場にいると聞いた檜垣兄弟は、三四郎と立ち合おうとするが、源之助がそれを止めた。乙美は、良移心當流の看板を引き下げ源之助を訪ね、父の意志を継いでもらうよう頼む。源之助は立ち上がり、門馬道場のあとを良移心當流として引き継ぐ決心をした。

16話「スパアラ」
 乙美の勤める料亭「田川」の女将さんのお仙(夏桂子)が借金を抱えてしまった。それを聞いた三四郎は、まず真崎に相談する。真崎は、乙美を南小路に返し、南小路家から借金分を返したらどうかと進言。しかし、三四郎は、乙美のために、破門を承知で、布引好造(江幡高志)の主催する賭け試合「スパアラ」に出る決心をする。源之助は、それを聞き、止めようとするが、結局三四郎は試合を行う。そのころ、三四郎の気持ちを知った乙美は、お金を工面してもらうため、ついに自ら南小路家に出向いてしまう。三四郎は試合には勝ったが、賞金はもらわなかった。

17話「死闘・峰の薬師」
 檜垣流空手をやる檜垣兄弟は、鉱道館の門人をことごとく寺の境内で襲い、三四郎が戻るのを待っていた。再び鉱道館に戻れなくなった三四郎は、源之助の元を訪れるが、源之助は、弟たちを相手にするな、という。檜垣流空手の根底にあるのは「憎悪」であり、殺すのが目的であるという。しかし、今度は境内で安が襲われ、三四郎は、単身、檜垣兄弟と立ち合いに行く。ところが、三四郎と立ち合う直前、源三郎が、うさぎ狩りをしていた狩人に撃たれてしまう。うさぎを助けようとしていたのだ。結局、鉄心と一対一の勝負に。勝負は、山嵐を喰らった鉄心が、滝から落ちてしまい、三四郎が看病することに。小屋に入ると、源三郎が瀕死の状態で、三四郎は、鉄心と源三郎とうさぎの手当をし、おかゆを作った。夜中になり、源三郎が目覚めた。いっしょに寝ていた三四郎の首を斧で叩き切ろうとするが、できずに泣いてしまう。源三郎は、言葉がしゃべれないが、三四郎の優しさに気づいたのだった。

18話「敗北」
 山嵐が破られた。破ったのは、一介の忍者だった。夜道で突然襲われ、負けたのだ。そのころ、矢野は、政治色の強い修学院を辞め、熊本の第五高等学校に異動することになった。また、乙美が妹であることを知らされた高子は、乙美を南小路家に呼び、私も三四郎を愛していると意地悪に言うのだった。

19話「慕情」
 三四郎が敗れた相手は、南蛮のスパイの天洋(張都司)(福本清三)だった。三四郎は、再度スパイと闘うが、今度は、高い屋根からもつれ合って落ちてしまう。危篤となった三四郎は、高子が南小路家に連れて行き、付きっきりで看病する。高子には、伊藤博文から縁談の話が持ち込まれていたが、高子は、南小路にはっきりと三四郎を愛してると言うのだった。乙美も心配して南小路家に向かうが、門前払いをされてしまう。乙美は泣きながら外で祈るしかなかった。結局寝ずの番をした高子だったが、高子の手を握りながら譫言のように発した三四郎の言葉は、「ありがとう・・・・・・・・乙美さん」だった。高子は、看病を乙美にまかし、ロンドンに渡って行った・・・・

20話「友情」
 虎之助が、剣道の北山道場の門人を投げ飛ばし、北山道場が鉱道館に果し状を送りつけてきた。そのころ三四郎は、再びやってきた布引の頼みで、横浜の貿易会社のトラブルに巻き込まれていた。矢野も三四郎もいない鉱道館に源之助がやってきて、この果たし合いを、鉱道館のためにわたしが受ける、と頭を下げて頼み込んだ。三四郎は東京に戻り、源之助の友情を知るのだった。

21話「明暗」
 外務省からの依頼で、たつみ屋が、ロシアの皇太子を車に乗せることになった。辰は、最近、鉄道の普及で車屋の仕事に疑問を抱いていた安に、この大仕事を任せようとする。また、それに先立ち、皇太子のボディガードの視察のため、日系人のサハロフ(団次郎)がたつみ屋にやってきて、三四郎と立ち合いたいと言い出した。サハロフは、サンボというロシア武術をたしなんでおり、柔道に興味があったのだ。政府は、開戦を恐れ、三四郎に、わざと負けてくれと頼んだ。しかし三四郎は勝ってしまう。三四郎が負けたら政府の仕事を任せると約束されていた安も、自然と三四郎を応援しているのだった。負けたサハロフは、三四郎に圧力がかかっていたことを知っており、それでもわざと負けなかった三四郎をほめるのだった。また、矢野が、文部省参事官及び高等学校校長として熊本から戻り、品川弥次郎から、新しい鉱道館の道場をあてがわれた。

22話「ふたり三四郎」
 鉱道館に野津一平(南条弘二)が入門してきた。三四郎は、そのセンスの良さに、山嵐を伝授しようとする。そのころ、源之助の元に、九州から活殺流、山門甚九郎(八名信夫)がやってきた。鉱道館を潰すため、九州出身の源之助の力も借りようとしたのだ。しかし、源之助は断った。山門は、三四郎を装い、夜中に警官を、覚えた山嵐で投げ飛ばし、三四郎を罠にはめる。そんなとき、源三郎が、単身、三四郎の元にやってきて、犯人は山門であることを教える。また、一平は、自分を疑わなかった三四郎の優しさにふれ、実は山門の弟子であることを打ち明ける。

23話「妹」
 源之助が、三四郎の妹が千住の農家にいるという噂話を持ってきた。三四郎は、早速千住に向かったが、そこには、放蕩の兄、秀次郎と妹、そして年老いた婆さんがいた。たしかに、名前、年齢、ホクロの場所が、5歳のとき別れた五月といっしょだった。三四郎は、会津の生まれなら、迷子札を持っていないかと問いただすが、持っていないと言う。しかし、彼女は、三四郎の妹の五月(鈴鹿景子)であった。迷子札は、婆さんがひっそりと持っていたのだ。運命の再会を果たした三四郎と五月だったが、三四郎は、独りぼっちになる婆さんと秀次郎と、今までどおり暮らすよう言う。そして、秀次郎には内緒で、また別れるのであった。

24話「愛」

 京都の武徳殿で、東西対抗の天下分け目の奉納試合が行われることが決まった。これに勝てば、日本全国を統一することになる。東は、鉱道館で決まり、三四郎が出ることが早々と決まった。そのころ、ロンドンから、亭主に死なれた高子と津久井譲介が日本に帰ってきた。津久井は元々、高子のことを愛しており、ロンドンで告白までしていたのだ。そして津久井は、ヨーロッパで修行を積み、帰ってきて早々、九州の柔術家を次々となぎ倒し、九州に道場を建てるまでになっていた。乙美は久しぶりに源之助と昔話をしていた。源之助は、乙美と三四郎の結婚を心より望んでいると言い、実はこの昔話は、源之助の乙美への諦めを意味していた。源之助は今度は高子を訪問。まだ三四郎のことを思っている高子に、身を引くようすすめる。精神不安定になった高子を、南小路は伊豆で静養するようにするが、高子は、乙美といっしょなら行くと言う。それを知った乙美は、姉のため、三四郎をおいて伊豆に行く決心をする。三四郎に決断のときが来た。二人の乗っている馬車を追いかけて、三四郎は走りながら乙美にプロポーズする。そして・・・・高子は、馬車を止めるよう叫ぶ。「行きなさい!!乙美、私の前からいなくなって!!」 乙美は馬車を降り、三四郎と抱き合い、高子は泣きながら、馬車をまた走らせた・・・・。高子の寵愛を得られない津久井は、すべての責任は三四郎にあると考え、ついに果し状を送ってきた。


25話「捨て身」
 梅の台地の闘いでは、三四郎は負けていた。しかし、津久井共々崖から転落。途中、三四郎の握った1本の枝が二人を救った。津久井は、三四郎が手を離さなかったおかげで助かることができた。勝負は決することができなかった。しかし、武徳殿の西側代表が津久井譲介に決まった。源之助は、伊豆の津久井を訪ね、再び師弟関係を取り戻す。一方、峰の薬師の闘いで負った腕の傷が治らなかった鉄心は、西側代表の選考にもれ、怒りがおさまらなかった。腕の代わりに新しい武器「手斧投げ」を用意していたのだ。境内で三四郎と立ち合おうとした檜垣兄弟だったが、乙美が中に入り、立ち合いを止めてしまう。危険を察知した源之助は、武徳殿の試合と結婚を前に、絶対に弟たちと立ち合ってはならないと三四郎に忠告。しかし、諦めきれない檜垣兄弟は、ついに果し状を差し出す。洗濯物をしていた虎之助に果し状を渡し、三四郎を待った。しかし、来たのは虎之助であった。そして虎之助は、鉄心の手斧を胸に受け、死んでしまう。三四郎は、源之助の忠告を破り、檜垣兄弟と闘いに行くのだった。勝浦浜の崖の上での一戦は、鉄心が斧を取り出してから、悲劇に変わる。三四郎めがけて構えていた鉄心を、突然源三郎が襲った。源三郎は斧を浴び、鉄心は崖から転落。源三郎が思い浮かべていたのは、峰の薬師で自分が使えなかった斧(=卑怯)だった。源三郎は、片言で、三四郎に、「お前、強くて優しい」と言い残し、鉄心の後を追って飛び降りた。

26話「嵐の中で」
 西側代表の良移心當流では、高子を気にする津久井に源之助が心構えを語っていた。憎しみ・苦しみは、逃げずに常に持ち合わせていること、自分の感情に勝つこと。源之助が右京ヶ原のあと生き返った軌跡のようでもあった。そんなとき、乙美が倒れた。極度の疲労だった。病床の乙美は、三四郎との新居に、今すぐ連れて行ってほしいと頼む。そして病状は悪化。急性肺炎だった。三四郎は矢野に、試合を辞退し乙美の看病をすることを告げる。矢野は、三四郎の意を汲み、試合の延期を申し込むが受け入れられず、津久井の不戦勝となる。しかし、今度は、源之助が、「勝ち負けが問題ではない。柔道と柔術、互いに競い合うのが本道」と、津久井の出場を辞退する。こうして、試合は延期となった。しかし、この延期で、津久井は九州諸派の怒りを買い、源之助に「旅に出る」と置手紙を残し、立ち合いをし、刺されてしまう。そして、乙美が死んだ。どんな運命であっても、三四郎は柔道家だった。武徳殿の試合が始まった。畳の上には、姿三四郎と檜垣源之助・・・・・・・・(了)