2000/08/02 Vol.15 「敗れざる者たち」








左目をやられ、血が流れ続けた。

  試合は中止になった。 

  初めてのKO負けさ。

  喝采も賞賛も興奮も友達や両親の祝福も失った。



「おしゃべり人物伝 アイラブ・ミッキーウォーカー」のときのミッキーウォーカー(恭兵さん)のセリフ。

試合後の談として、敗戦を語るシーン。

リングの片隅で、感情を込めずに淡々と語っていたのが印象的でした。

敗者の弁も、このように語ればカッコよいのかと・・・・

恭兵さんの読んだ本に、沢木耕太郎さんの「敗れざる者たち」というのがあります。

これは、東さんが最初に読み、恭兵さんに薦めた本。ぼくも読みました。

内容は、「熱風」の言葉を借りれば、



  人間は、燃え尽きる人間と、いつか燃え尽きたいと望み続ける人間、

  そして、どれにもあてはまらない人間、その3つがある。

  望み続け、望み続け、しかしやってこない。

  そんなとき、君ならどうするだろうか。



という、敗者の立場に立って、生き方について考える本です。

目下敵なしだったミッキーウォーカーは、燃え尽きたからこそ、負けてもカッコよかったのでしょう。

では、恭兵さん自身は、燃え尽きる人間、燃え尽きたいと望み続ける人間、どちらなのでしょうか。

どっちがカッコいいと思っているのでしょうか。

恭兵さんは、こう続けています。



  でも、沢木さんが書かなかったタイプ。

  いま燃えている人間。

  それが俺だ。








 








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