2000/07/19 Vol.13 「明日を切り開け!」








 だが、このまま生きていて、

   だらだら終わりのないような時間の丘を歩き続けて何になる!



オリーブの枝、ラストシーンの浩兵(恭兵さん)のセリフ。

浩兵が10時間しか愛せない理由を、少女(坪田さん)に語ります。

浩兵は、10年前、オリーブの木が生い茂る小豆島に住んでいました。

夕陽が島全体を黄金色に染めます。

ある日、友だちが言いました。

「東京へ行こうぜ。こんな島に一生いたら、何も起きないし、何も起こせない」

浩兵が黙っていると、友だちは、オリーブの枝を折り、それで勇気のない浩兵を殴り続けました。

結局、一緒に東京に出た二人は、何も起こせませんでした。

友だちと別れた浩兵は、5年後その友だちのアパートを訪れます。

そして、友だちにこう言われます。

「お前もそろそろまともな仕事に就いたらどうだ」

浩兵は、そのとき、小豆島でオリーブの枝で打たれた痛みを思い出します。

浩兵は、少女を愛することより、オリーブの枝を折った友だちに復讐することが、

もっとも大切だったのです。



一見、暗い考え方に見える浩兵の心の内。

しかし、浩兵は、しっかりと、自分の明日を考えているとも言えます。

このセリフの前のコーラス「TOMORROW」の一節。



   このままいけば、明日は今日の続きでしかない

   うつろな心を捨て、君の生き様を見せろ

   血と汗と涙が、明日を切り開く 



明日を切り開くためには、時間を待っていてもしようがない。

何も変わらないことは、身にしみて分かっている。

浩兵は、このあと、結局・・・・

















バックナンバーにバック

バックホーム