2000/06/13 Vol.8 「安吉さんの涙」








ぼくが、恭兵さんの「本格的」ファンになったのは、昭和53年の「姿三四郎」からです。

恭兵さんと沖雅也さん、それと長谷直美さんは、

恭兵さんの初レギュラー「大追跡」から、「姿三四郎」、「俺たちは天使だ!」と、

恭兵さんの成長を見守るような形で、3ドラマ連続で共演します。

そして、「姿三四郎」第10話「父と娘」の中で、ぼくは、この3人から、

「大追跡」では見られなかった衝撃的な感動を与えてもらったのでした。

三四郎(勝野洋さん)と香川安吉(恭兵さん)は、同じ車屋で働いています。

安は、その車屋の娘お吟(長谷直美さん)が好きなのですが、お吟は三四郎のことが好きなのです。

三四郎の宿敵檜垣源之助(沖雅也さん)は、なかなか闘おうとしない三四郎を怒らすため、安を攻撃します。

最初で最後でした(注1)。沖さんと恭兵さんが敵同士になるシーン。これも、ある意味感動です。

檜垣は安の右腕を折り、お吟が看病することに。

布団に横になりながら、熱っぽい顔で元気なくつぶやく安のセリフ。



春、好きですか。昔、春になるたびに、お袋の手・・・・あかぎれ治る・・・

君たちもこれで寒い思いさせないですむな、なんて・・・・

俺、春好きだなあ・・・・お吟さんの手、春みてえだ・・・・



そう言って、目を閉じていた安の目から涙がゆっくりとこぼれ落ちてきます。

 ぼくも、恭兵さんの初めての涙(注2)に感動し、ボロボロ泣いていました。

いや、これこそメロドラマ、ホームドラマの力だと気づきました。

そして同時に、滝もっちゃんとは違う恭兵さんを知り、感動していたのだと思います。








(注1) 「俺たちは天使だ!」12話は、催眠術による闘いなので、関係なし。

(注2) 「大追跡」24話の涙は、悔し涙。

















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