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「狂言のあらすじ」

「入間川」(いるまがわ)

 訴訟に勝訴した東国の大名は、太郎冠者と共に故郷へ向かいます。途中大きな川に差しかかり、渡り瀬を探しているところへ入間ノ何某が通り掛かります。大名は川の名前と渡り瀬を尋ねると、何某は親切に教えますが、大名はその土地に伝わる「入間様」と言う「逆言葉」と勘違いし、川にはまってずぶ濡れになります。

「伯母ヶ酒」(おばがさけ)

 太郎は、酒屋を営む伯母の家へ何度も足を運びますが、いまだお酒を振る舞われたことがありません。太郎はある秘策を用意して伯母の元へ向かい、いつものように酒をねだりますが、やはり振る舞ってくれません。そこで、近所で恐ろしい鬼が出て、伯母の家の辺りへ逃げて行ったと脅かします。太郎は鬼に化けて思う存分酒を飲もうとします。

「雁大名」(がんだいみょう) 

 京都で土地所有権争いの訴訟に勝訴し、本国に帰る事となった田舎大名は、在京中お世話になった方々に馳走をする事を思い立ち、太郎冠者に肴物を買ってくるよう命じます。太郎冠者は早速市場へ行き、初雁を求めようとしますが、染みの店ではないためツケでは売ってくれません。一旦屋敷へ戻り主人に代金を請求しますが、長年の滞在で大名も一文無し。そこで思いついた太郎冠者の秘策とは…

「狐塚」(きつねづか)

 家来の太郎冠者と次郎冠者に夜中の田の見張りにつかせた主人は二人が寒かろうと酒を持って行きますが、家来は主人が狐の化けた者と思いこんで……

「首引」(くびびき)

 鎮西のゆかりの者が播磨の印南野を通りかかると鬼が現れ、捕らわれます。鬼は娘に「喰い初め」をさせようと娘を呼びます。

「栗焼き」(くりやき)

 貰い物の栗を焼くように命ぜられた太郎冠者。
失敗をしながらもなんとか焼く。ところが栗のみごとさについ手が出てしまい、とうとう全部食べてしまう。
困った冠者がした言い訳とは…。

「膏薬煉」 (こうやくねり)

 それぞれ名人を自認する鎌倉の膏薬煉と都の膏薬煉。
互いに相手との吸い比べをしようと国をたち、途中で出会う。
二人は膏薬の由来や薬種を張り合い、そしてとうとう吸い比べをすることに。

「昆布売」(こぶうり)

 都へ上がる大名が、道中出会った昆布売に太刀を無理矢理持たせて供を強要します。横柄さに怒った昆布売は持たされた太刀を抜き、大名に昆布を売らせこらしめます。

「佐渡狐」(さどぎつね)

 越後と佐渡の百姓が、都へ年貢を納めに行く途中に道連れに。佐渡に狐がいるかいないかを言い争い、小刀を賭け、奏者(役人)に判定をしてもらうことに。
佐渡の百姓は奏者に賄賂を贈って狐の姿形を教えてもらう。
年貢を納め終わり、さて奏者の出した賭けの判定は。

「秀句傘」(しゅうくからかさ)

 大名は、この頃の寄り合いで皆が笑いあっているのを不思議に思い、太郎冠者に尋ます。太郎冠者は、あれは秀句(しゃれ)を言い合っていると説明します。
すると大名は傘の秀句の達人を抱える事にしますが、その秀句がちっとも理解できません。しまいには、なんでも秀句だと勘違いしてしまいます。大名に洒落の解釈を説明するもどかしさ。今も昔も変わらぬ笑いです。

「宗 論」(しゅうろん)

 身延山から京都へ帰る法華僧と、善光寺帰りの浄土僧が道中出会い、互いに相手の宗旨をけなし我が宗旨になれと言い争います。

「鱸包丁」(すすきぼうちょう)

 伯父から「鯉」を買い求めてくれと頼まれた甥は大うそつきな男。「鯉」の事もうそでごまかそうと伯父を訪れますが痛烈なしっぺ返しをくらいます。

「釣 狐」(つりぎつね)

 古狐は猟師に一族が次々と殺されているので、狐狩りを止めさせようと猟師の伯父である伯蔵主に化け、意見に向かいます。那須野の「殺生石」の昔物語を語り、狐は執心の深い恐ろしい生き物なので絶対に狐狩りをしないよう説得し、猟師もやめることを約束します。狐は喜び勇んで帰りますが、道には捨てさせたはずの罠が落ちていました。餌を見てとうとう我慢ならず、狐の本性を現します。

「泣 尼」(なきあま)

 説法を頼まれた僧は説法をした事がなく思慮の末、感激のあまりすぐに泣く「泣尼」と呼ばれる尼に同行を頼みます。

「抜 殻」(ぬけがら)

 主人のお使いをする前には必ず酒を御馳走になる太郎冠者。今日もたっぷり飲ませて もらい出かけますが、途中酔いつぶれて道に寝込んでしまいます。
 様子を見に来た主はこらしめるために冠者に鬼の面をつけ帰宅します。

「禰宜山伏」(ねぎやまぶし)

 旦那廻りへ向かう禰宜が茶屋で一服していると山伏がやってきます。山伏は我が侭を言い、禰宜に対して横柄で無茶なことを言うので、見かねた茶屋は仲裁に入ります。
 茶屋は二人の前に大黒を用意し、互いに御祈祷勝負をさせて、負けた方は勝った者の言うことを聞く事と提案します。禰宜と山伏は納得し、ふたりは大黒に向かって一心に祈ります。
「比丘貞」(びくさだ)
 息子が成人したので、良い名をつけてもらおうおうと、長寿の老尼を訪ねます。
尼は名を授けると、やがて酒宴になり、めでたく祝言の舞を舞います。子方の舞も見所。狂言の大曲【三老曲】のひとつ。上品な狂言です。

「髭櫓」(ひげやぐら)

 大髭自慢の男が、宮中の大嘗会の役に選ばれる。本人は得意だが、妻は装束の準備があるので機嫌が悪い。そのうちに髭を剃ってしまえと夫婦喧嘩になってしまいます。妻は散々に負けてしまいますが、辺りの女衆と共に髭を剃る長刀で武装して反撃にでます。男も大事な髭を守ろうと髭に櫓をつけて防戦します。題名の如く髭に櫓をつけて女衆に挑む、ユーモラスな楽しい狂言です。

「八尾」(やお) 

 めったに上演されない狂言です。えんま様と八尾のお地蔵様との関係が、この物語のキーポイントです。
地獄の鬼が、亡者の持ってきたお地蔵様からの添え状をみて……。

「六地蔵」(ろくじぞう)

 辻堂を建てた田舎者は、安置する六地蔵を作ってもらおうと都へ出掛けます。仏師を捜しているところへ、すっぱ(詐欺師)が声を掛けてきます。すっぱは自分こそ仏師だと言い、六地蔵の製作を請け負います。 翌日、すっぱは仲間と共に約束の因幡堂へ行き、田舎者を騙そうとしますが…


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