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女袴のまめ知識

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アイコン 女袴とは?
 
  • 女袴(おんなばかま)とは、女性用の袴で、明治時代に、宮中の衣裳を参考に考案され、女学生や職業婦人に広く用いられたものです。今日、女性に成人式や卒業式などに人気の袴は、これをいいます。明治浪漫・大正浪漫漂う「はいからさん」スタイルで、「すみれ女史」や「海老茶式部」などともよばれていました。
  • 女袴は、通常はスカート状の行灯袴(あんどんはかま)です。これを胸高(むなたか)で身につけます。
  • 女袴は、通常は小袖(こそで)とともに着用するものです。振袖とともに用いるのではありません。また、帯も半幅と呼ばれる細いものを用います。
  • 懐かしくもたいそうモダンで、和服のうちでももっとも実用的で、進化した姿といわれています。かのベルツ博士も袴の着用を推奨していました。
  • 女袴は、武道の袴とは、別物といっていいくらいルーツも構造も着方も違うものです。

アイコン 用意するもの
 
  1. 女袴。襠(まち)のないスカート状の行灯袴で、「後ろ板」が無く、袴の紐が太めなのが特徴です。
  2. 小袖(こそで)。袴を着るときには袖の小さい着物を着ます。単衣(ひとえ)なので、飾り襟をつけて重ね着風の感じを出すことが多いです。裾は膝までの長さくらいです。
  3. 半幅帯。袴の場合、動きやすさや活動性、健康への影響を考え、細い帯となっています。また、帯は袴の内側に締めるので、あまり豪華である必要もありません。
  4. 襦袢(じゅばん)。内側に着る肌着です。裾の長くない物を選びます。
  5. 足袋に草履もしくは靴下にブーツ。昔からハイカラなブーツも用いられてきました。

アイコン 着方は?
 
  1. 襦袢(じゅばん)を着ます。襟のところの胸元を開けすぎないようにします。また、後ろ襟が首に密着してきゅうくつにならないようにも気をつけます。
  2. 小袖(こそで)を着ます。小袖の胸元は襦袢と重ね、重ね着の味を出します。飾り襟をつけて居る場合は、これらがきれいに重なるよう気をつけます。同じく後ろ襟に気をつけます。
  3. 半幅帯を胸高(胸のちょっと下)に締めます。普通の着物より細い帯となっています。あまり結び方にこだわる必要はありません。後ろに少しふくらみと高さが欲しければ、「おたいこ」に結び、帯が短めだったり動きやすさを重視する場合は、「貝の口」で結ぶなどすればよいでしょう。
  4. 袴を着けます。袴の前の部分を「袴前身ごろ」、後ろの部分「袴後身ごろ」と呼びます。袴を床におき、真ん中に入り、袴を持ち上げ、袴前身ごろを胸高(胸のちょっと下)に合わせ、帯を1センチくらい見えるようにして、合わせます。前身ごろについている紐を後ろで結びます。基本的には落ちにくくずれにくければ、結び方に決まりはありません(長い場合は武道の袴の例を参考にします)。袴に「ずれ止めベラ」がついていたら、帯の中へ入れておきます。次に、後ろ身ごろを持ち上げ、帯のより上にのせ、紐を前に持ってきて蝶結びで結びます。紐の長さに応じて結ぶ時や結んだあとまいたりくぐしたり工夫することもあります。結び目はやや自分から見てやや左に寄せて作るのがよいようです。

アイコン その他
 
  1. 普通は買ってもそんなに高くありません。ネット通販などでもかなりの種類と数が出ています。袴は活動的で、気軽にいつまでも着られるものです。是非一つ手許に置いてみてはいかがでしょうか。
  2. 売る側や貸す側も、あるいは身内も着付けの人も意外と袴に慣れていない場合があり、苦労する可能性もあるので注意します。小袖、行灯袴、半幅帯、胸高という4点は確実に押さえておきたいところです。振り袖と組み合わせようとする人はかなりいるようで、卒業式などでは振袖に武道風の腰高の袴という格好の学生さんが居たりしますが、あまり見栄えの良いものではありません。
  3. 袴にはいろいろな髪型がそのままよく合います。リボンやバレッタをするとかわいらしさがさらに引き立ちます。
  4. より活動的にしようと思えば、襷(たすき)をかけるとよいでしょう。実際、袴はかつては学校における体操服としても通用していたのです。
  5. 袴は元々国際儀礼における礼装にはあたりませんが、日本の伝統を伝える華のある衣裳として、様々な場面で使用しても差し支えないと思われます。

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