ニジェールの保健・福祉に関する指標あれこれ |
ここは、私がニジェールで活動するにあたって学習したニジェールの保健・福祉・教育等に関するデータを集めたものの一部です。 ただ数字を羅列しているだけですが、この数字を通して見えてくるもの…。その事実の重さに私も最初は戸惑い、ショックでした。そして貧しく、子供や女性が生きていくのに厳しい国で、自分の力で何が出来るのであろう?と自信を失いそうになりました。 勿論、数字が全てではありません。ここに幸福や豊かさの価値観・感じ方などが表れているわけでもありません。私が感じた悲惨さも、その地で暮らす人々はそう感じてはいないかもしれませんし…。モノの見方・とらえ方というのはそういうものかもしれません。 ただ、教育等の基本的な権利が受けられないことによってどんな問題が生じるのか、途上国における女性の立場の弱さとはどういうことか等を、考えるきっかけになれば幸いです。 貴方は、このデータから何を感じますか? ※データの出典…『世界子供白書2004』財団法人日本ユニセフ協会(2004年3月20日発行) |
基本統計(特に記載のないものに関しては全て2002年の統計) |
ニジェール | 日本 | |
5歳未満児死亡率の順位 | 2位 | 177位 |
5歳未満児死亡率 | 265 | 5 |
乳児死亡率(1歳未満) | 156 | 3 |
総人口(人) | 11,544,000 | 127,478,000 |
年間出生数(人) | 642,000 | 1,172,000 |
5歳未満児の年間死亡数(人) | 170,000 | 6,000 |
出生時の平均余命(年) | 46 | 81 |
成人の総識字率(%)(2000年) | 16 | ― |
5歳未満児死亡率…出生時から満5歳に達する日までに死亡する確率。出生1000人あたりの死亡数で表す。 乳児死亡率…出生時から満1歳に達する日までに死亡する確率。出生1000人あたりの死亡数で表す。 出生時の平均余命…新生児が、その出生時の人口集団の標準的な死亡の危険のもとで生きられる年数。 成人の識字率…15歳以上で読み書きできる者の比率。 |
人口統計指標 |
ニジェール | 日本 | ||
人口(人)(2002年) | 18歳未満 | 6,535,000 | 22,406,000 |
5歳未満 | 2,452,000 | 6,001,000 | |
人口の年間増加率(%)(1990‐2002年) | 3・4 | 0・3 | |
粗死亡率(2002年) | 19 | 8 | |
粗出生率(2002年) | 56 | 9 | |
平均余命(年)(2002年) | 46 | 81 | |
合計特殊出生率(2002年) | 8・0 | 1・3 |
粗死亡率…人口1000人あたりの年間の死亡数。 粗出生率…人口1000人あたりの年間の出生数。 合計特殊出生率…女性が出産可能年齢の終わりまで生き、年齢ごとに当該年齢の通常の出生率にしたがって子供を産むとして、その女性が一生のあいだに産むことになる子供の人数。 |
保健指標 |
ニジェール | 日本 | ||
改善された水源を利用する人の比率(%) (2000年) |
全国 | 59 | ― |
都市 | 70 | ― | |
農村 | 56 | ― | |
適切な衛生施設を利用する人の比率(%) (2000年) |
全国 | 20 | ― |
都市 | 79 | ― | |
農村 | 5 | ― | |
完全に予防接種を受けた比率(%) (2002年) |
1歳児 結核 | 47 | ― |
1歳児 3種混合 | 23 | 97 | |
1歳児 ポリオ | 25 | 93 | |
1歳児 はしか | 48 | 95 | |
1歳児 B型肝炎 | ― | 98 | |
完全に予防接種を受けた比率(%)(2002年) 妊婦 破傷風 | 36 | ― | |
5歳未満児の急性呼吸器感染症(ARI)の有病率(%) (1998‐2002年) |
12 | ― | |
ARIを発病した5歳未満児のうち適切な保健措置を受けた比率(%) (1998‐2002年) |
27 | ― | |
ORTの使用率(%)(1994‐2002年) | 38 | ― |
3種混合(DPT3)…ジフテリア、百日咳、破傷風の予防接種を3回受けた乳幼児の率。 B型肝炎…B型肝炎の予防接種を3回受けた乳幼児の率。 5歳未満児の急性呼吸器感染症(ARI)の有病率…0〜4歳の子供で過去2週間に急性呼吸器感染症にかかった子供の比率。 ARIを発病した5歳未満児のうち適切な保健措置を受けた比率…過去2週間にARIを発病した0〜4歳の子供のうち適切な保健措置を受けた比率。 ORT使用率…過去2週間のうち下痢をした5歳未満児のうち、発症中に水分補給の増加及び授乳・食事の継続による対応をされた者の比率。 |
栄養指標 |
ニジェール | 日本 | |||
低出生体重児出生率(%)(1998‐2002年) | 17 | 8 | ||
子供の比率(%) (1995‐2002年) |
母乳のみ(6ヶ月未満) | 1 | ― | |
母乳と補助食品(6‐9ヶ月) | 56 | ― | ||
母乳育児継続(20‐23ヶ月) | 61 | ― | ||
栄養不良の5歳未満児の比率(%) (1995‐2002年) |
低体重 | 中・重度 | 40 | ― |
重度 | 14 | ― | ||
消耗症 | 中・重度 | 14 | ― | |
発育阻害 | 中・重度 | 40 | ― | |
ビタミンAの補給率(6‐59ヶ月児)(%)(2001年) | 89 | ― |
低出生体重…出生時の体重が2500グラム未満であること。 低体重:中・重度…年齢相応の体重を持つ基準集団の体重の中央値からの標準偏差がマイナス2未満であること。 低体重:重度…年齢相応の体重を持つ基準集団の体重の中央値からの標準偏差がマイナス3未満であること。 消耗症:中・重度…身長相応の体重を持つ基準集団の中央値からの標準偏差がマイナス2未満であること。 発育阻害:中・重度…年齢相応の身長を持つ基準集団の中央値からの標準偏差がマイナス2未満であること。 ビタミンAの補給率…2001年に高単位のビタミンAカプセルの補給を受けた生後6〜59ヶ月児の比率。 |
HIV/エイズ |
ニジェール | 日本 | |||
成人の有病率(15‐49歳)(2001年末) | ― | <0・1 | ||
HIV/エイズとともに生きている人の推定数(2001年末) | 成人と子供(0‐49歳) | ― | 12,000 | |
子供(0‐14歳) | ― | 110 | ||
HIVの予防率(15‐24歳) (1996‐2002年) |
コンドームがHIVの感染を予防することを知っている比率(%) | 男 | ― | ― |
女 | 30 | ― | ||
健康に見える人もHIVを保有する可能性を知っている比率(%) | 男 | 43 | ― | |
女 | 22 | ― | ||
HIVについて包括的な知識を持つ比率(%) | 女 | 5 | ― | |
エイズにより孤児となった子供の数(0‐14歳)(2001年) | 33,000 | ― |
エイズにより孤児となった子供…2001年末時点で、エイズにより片親もしくは両親を失った0〜14歳の子供の推定数。 |
教育指標 |
ニジェール | 日本 | ||
成人の識字率(%)(2000年) | 男 | 24 | ― |
女 | 9 | ― | |
人口100人当たりの数(2001年) | 電話 | 0 | 117 |
インターネットユーザー | 0 | 38 | |
初等教育総就学率(%)(1997‐2000年) | 男 | 42 | 101 |
女 | 29 | 101 | |
初等教育純出席率(%)(1992‐2002年) | 男 | 36 | ― |
女 | 25 | ― | |
小学校の第1学年に入学した生徒が第5学年に在学する率(%) | 政府データ (1995‐1999年) |
74 | 100 |
調査データ (1995‐2001年) |
89 | ― | |
中等教育総就学率(%)(1997‐2000年) | 男 | 8 | 102 |
女 | 5 | 103 |
初等・中等教育総就学率…年齢に関わらず初等・中等学校に就学する子供の人数を、公式の就学年齢に相当する子供の人口で割ったもの。 初等教育純出席率…公式の就学年齢に相当する子供のうち初等学校に通学する者の比率。データは国別世帯調査で得られたもの。 小学校の第1学年に入学した生徒が第5学年に在学する率…小学校の第1学年に入学した子供のうち第5学年に達した者の比率。 |
女性指標 |
ニジェール | 日本 | ||
出生時の平均余命(対男性比、%)(2002年) | 100 | 109 | |
成人の識字率(対男性比、%)(2000年) | 36 | ― | |
総就学率(対男性比、%) (1997‐2000年) |
初等教育 | 69 | 100 |
中等教育 | 63 | 101 | |
避妊法の普及率(%)(1995‐2000年) | 14 | 59 | |
出産前のケアが行われている率(%)(1995‐2000年) | 41 | ― | |
専門技術者が付き添う出産の比率(1995〜2002年) | 16 | 100 | |
妊産婦死亡率 | 報告値 | 590 | 8 |
調整値 | 1600 | 10 |
総就学率:女性の対男性比…女子総就学率は、男子就学率で割り百分率で示した数値。 避妊法の普及率…男性と婚姻等の関係にある15〜49歳の女性のうち避妊手段を使っている者の比率。 出産前のケアが行われている率…妊娠中に少なくとも1回、専門技能を有する保健従事者(医師、看護師又は助産師)によるケアを受けた15〜49歳の女性の比率。 専門技術者が付き添う出産の比率…専門技能を有する保健従事者(医師、看護師又は助産師)が付き添う出産の比率。 妊産婦死亡率…出生10万人あたり、妊娠関連の原因で死亡する女性の年間人数。「報告値」は各国から報告された数字で、報告漏れ及び分類の誤りを考慮して調整されていないもの。 |
子供の保護 |
ニジェール |
|||
児童労働(5‐14歳)(1999‐2001年) | 全体 | 65 | |
男 | 68 | ||
女 | 62 | ||
都市部 | 42 | ||
農村部 | 69 | ||
教育を受けていない母親 | 67 | ||
教育を受けた母親 | 50 | ||
出生登録(1999‐2001年) | 全体 | 46 | |
都市部 | 85 | ||
農村部 | 40 |
児童労働…調査の時点に児童労働活動に従事した5〜14歳の子供の比率。子供は、以下の分類で児童労働に従事したとみなされる。(a)5〜11歳の子供で調査期間の週に少なくとも1時間の経済活動があるか、もしくは少なくとも28時間の家庭内労働がある。(b)12〜14歳の子供で調査期間の週に少なくとも14時間の経済活動に従事しているか、もしくは経済活動と家庭内労働を合わせて少なくとも42時間従事している。 出生登録…調査期間中に、出生登録されていた5歳未満の子供の比率。この指標は、調査者によって出生証明書を確認された子供や、母親や世話人によって出生登録が確認されている子供を含む。 |