青年海外協力隊とは

青年海外協力隊(JOCV:JapanOverseasCooperationVolunteers)は、独立行政法人国際協力機構(JICA※)が実施する国の事業で、「自分の知識や技術を活かし、開発途上国とその人々のために貢献したい」という意欲と情熱を持った日本人の若者達(20〜39歳)を公募し、2年間のボランティアとして開発途上国へ派遣する制度です。
1965年(昭和40年)のラオスへの派遣に始まり、その後、アジア、アフリカ、中近東、中南米、大洋州、東欧など、これまでに73ヶ国へ23000人以上(2002年現在)の隊員を派遣してきました。
協力隊員の活動は「現地の人々とともに」をモットーに、派遣された地域の人々と同じ言葉を話し、同じものを食べ、働き、生活をともにして相互理解を図りながら、彼らの自助努力を促進させる形で開発途上国の人づくり、国づくりに身をもって協力するものです。

※JICAは、政府開発援助(ODA)の技術協力と無償資金協力を中心に、開発途上国の国づくり、人づくりのために幅広い国際協力事業を展開している。(ちなみに理事長は、緒方貞子さんです)

ところで、『ボランティア』と言うと、「奉仕者。自ら進んで社会事業などに無償で参加する人(広辞苑より)」という意味合いがありますよね。
しかし、協力隊の隊員は、現地生活費等の経費については国の支援を受けています。そのため「協力隊は国からお金を貰っているのだからボランティアではない」という意見もたまに耳にします。けれど、それら諸経費は、隊員の活動をスムーズに行うものであって、報酬の性格を持つ対価は受けないことになっています。現地生活費も、その土地の人々平均的な生活とあまりかけはなれないように、日本国内の水準から見れば低く抑えられています。
とは言うものの、国が支援する国家事業ですから、NGO(非政府組織、民間援助団体)とは目的や活動内容などの特色が異なっている部分が多いのは明らかです。
けれど、『熱い心』を持って自発的に参加するという点では、協力隊もNGOも一緒だと思います。たとえ方法は違っても、根底に流れる魂は同じ…ということで、私は協力隊も広義のボランティア活動と解釈しています。

隊員は日本とは歴史や文化が異なり、人々の価値観も異なる環境で生活します。また、多くの活動現場では、人・物・お金など「ないないづくし」の状態であり、隊員はその中で活動しているのが現状です。楽しいことばかりではない、むしろつらいことの方が多いでしょう。けれど、「自発的参加」と「工夫の精神」で困難を克服した先には、何物にも代えがたい素晴らしい体験が待っている…はずです。

※このページは『JICA INFO‐KIT』『青年海外協力隊募集要項』の一部を引用させていただいて作成しています。