演劇実験室∴王国 第拾召喚式

ミューズノカガミ

手折られる事が無かったのなら、おまえは極楽の花だったのに……

現身のミューズ、それは脆くも儚い一輪の花……
花に魅せられた男、その男を愛した女、そして花を手折った無垢の魂……
その眼差しは愛故に……

作・演出/野中友博

2005年9月28日〜10月4日

於:「劇」小劇場(下北沢)

〒155-0031
東京都世田谷区北沢2-6-6
tel/03(3466)0020


 表現者の衝動は恋に似ている。それが何処に向かっているかは関係ないのだ。ただただ、表現者はその衝動に向かって、絵筆を動かしたり、楽器を奏でたり、物語を紡いだりする。その根源にある衝動の源をミューズと呼び、美神と呼び、モチベーションという言の葉で語ったりする。

 「恋」とは、多分、誰もが風邪をひくように、人間誰しもが罹る心の病に違いないと思う。これは、麻疹や水疱瘡のように、一度罹ったら免疫が出来るという物ではなく、繰り返し病まねばならない不治の病だ。免疫なんか無い。繰り返し罹る、不治の病なのである。

 そして、その不治の病に罹る事を自ら望み、待っているのが表現者という度し難い人種である。つまり、彼らは自ら病む事を待っているのだ。

 だが、人はきっとこの病を欲するのだと思う。「恋」という病を欲するのだと思う。病んでいるが故に、その生を楽しい物だと感じるのだと思う。

 「恋」はきっと時と共にその姿を変えて行く。その「恋」の変遷の齟齬が、人殺しや自殺やテロリズムまで人を駆り立てるのだと思う。四半世紀程前、私は「恋」故に、その創作によって人殺しがしたいという不埒な想いで戯曲という物を書き始めた。ここ十年程、「恋」について語る事をしないで来たが、今にしてそれを再び書く時が来たと、その予感に震えている。
 これは「恋」の物語です。そして「愛」の物語です。更に「嫉妬」の物語でもあります。貴方の「恋」と「愛」と「嫉妬」……そして「希望」と「絶望」……それを重ねて頂ければ、それにまさる喜びはありません。
紅王

PERFORM

鰍沢ゆき/佐々木べん/鈴木淳

小林達雄/阿野伸八/雛涼子

高橋健二/畠山里美/駒田忍/松岡規子

CREW

作・演出…野中友博/

美術…松木淳三郎(アートパイン)/照明…中川隆一/

舞台監督…小野八着(Jet Stream)/宣伝美術…KIRA/

制作…菊地廣(K企画)


料金 前売.\3,000- 当日.\3,500- 
    入場券は日時指定。当日指定、一部自由席となります。
9/28(水) 9/29(木) 9/30(金) 10/1(土) 10/2(日) 10/ 3(月) 10/ 4(火)
昼の部 14:00 14:00 14:00
夜の部 19:30 19:30 19:30 19:00 19:00 19:30 -

公演は終了致しました。
多数の御来場ありがとう御座いました。



演劇実験室∴紅王国 第拾召喚式

野中友博書き下ろし新作

美神の鏡
(ミューズノカガミ)



2005年  9月28日〜10月4日

於・下北沢 「劇」小劇場

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