熊 公 鍛 冶 工 房


熊公の工房における鍛冶作業の日誌
特別な事柄は印を付け『鍛冶作業記録』にも書き込みます

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2024年01月05日(金)
2024年 鞴始め(初打ち)

 工房着:午前10時10分  作業開始:午前10時30分−作業終了:午後4時10分
 工房の気温:5度

 2024年

  甲辰


 2024年(令和6年)が明けました。今年の三箇日は大変なことが続きましたね・・・。
 1日(月)は『能登半島地震』で震度7が2回も、余震もこれまでに1000回近いということです。もともと群発地震が続いていて、震度6クラスの地震もありましたから、被害は大きく成ったようです。亡くなった方は今日までに94人、安否不明の方は222人ということです。
 東京も1回目の震度7の地震の時は大きくゆっくりとした、長い揺れを感じました。津波による被害も出ていますし、援助していかないといけないですね。輪島の朝市通りは火災でほとんど焼けてしまったようです。素敵な銀杯を見付けて購入した骨董屋さんも火災に遭ったようです。
 2日(火)は羽田空港C滑走路で着陸しようとしていた日本航空の旅客機と離陸しようとしていた海上保安庁の飛行機が衝突炎上する事故でした。幸い日航の乗客乗員は全員脱出できて良かったですが、海保機は5人の隊員が亡くなりました。海保機は『能登半島地震』の支援に向かうところだったということです。
 3日(水)は北九州 小倉の商店街で火災です。2度火災に遭った『旦過市場』の近くということです。
 今年は災厄の多い年に成らなければ良いですが・・・。

 我が家では大晦日の日、長男夫婦がお昼から来て蕎麦打ちの講習、長男が打った蕎麦はお嫁さんのご実家に届けました。戻ってきて長男夫婦と楽しく年越しをしました。戸隠の蕎麦粉で打ちましたがやっぱり甘くて美味いです。
 2日(火)に名古屋の次男夫婦が遊びに来ることになっていたので、長男夫婦と義妹夫婦が合流することになっていました。合計9.5人が狭い我が家に集合しましたから賑やかな一時でした。0.5人は次男のお嫁さんのお腹に赤ちゃんが宿って居るから・・・。今年3月に生まれます。いよいよ熊公もお爺ちゃんになれるようです。o(^o^)o
 オフクロ様・長男・産まれてくる赤ちゃん、そして義弟が『辰年』です。年男・年女が4人も居ます・・・。『辰年』はどんな年なんでしょうか・・・。
 (辰)は『震』・『震』・・・等に使われますね。ふるえるという意味合いがあるようです。また、植物の生長を現す文字でもあるようです。草木の形がととのった様子を現す文字と聞きました。その為、『辰年』は活力旺盛になって大きく成長し、形がととのう年だといわれて居るようです。その通りであって欲しいですが、地面が振るえちゃうのは困ります・・・。

 去年はトルコ・アリューシャン列島・フィリピン・バヌアツ・インドネシア・モロッコ・・・で大きな地震がありました。最近は地下の大鯰の大運動会が開かれているのでしょうか・・・。日本でも南海トラフの地震が心配されています。日本の地下でも大鯰が運動会始めているのでしょうか・・・。('_'?)
 南海トラフの地震だと名古屋はかなりの揺れになるでしょうし、次男は四日市のコンビナートが職場ですから、津波をもろに受けることになります。想像したくないことです・・・。産まれてくる赤ちゃんのためにもずっと静かであって貰いたいです。_(._.)_

 さて、今日は『鍛冶工房 酔鍛磨庵』の『鞴初め』です。荒川を渡るとき綺麗に浅間山を眺めましたし、北関東・上越国境の山々も綺麗に眺められました。良いスタートになりそうでした。

 『鞴始め』の日は神聖な気持ちになります。火起こしは火打ち石で行いました。火打ち金は八海山の行者さんにお作りした火打ち金の試作品を用いました。火花が良く飛んですぐに火を熾すことができました。行者さんはきっと喜んでくれていると思います。

 
火起こしの道具の準備                         今年最初の火   

 三品は『鍵』→『鎌』→『矛』の順に造っていきました。いつもより少し小さめに造るつもりでしたが飾り棚に飾ってみるとほとんど変わっていない感じでした・・・。
 『鞴始め』の日は毎年のように小林 一茶の 『百福のはじまる 鞴はじめ哉』 の句を頭に浮かべながら作業しました。今年で20回目(最初の2年は小柄を造っていました・・・)です。

 
        今年の三品                      三品飾り棚に置いた様子 20年分

 作業は2時半過ぎに終了しました。飾り棚に飾ったあとは火床の掃除をして、ハンマーに注油、そして火口を包むシュロ縄を解したものを造りました。火口もかなり少なくなってきているので近々造ろうと思って居ます。その後、ブロッコリーの脇芽と小松菜を収穫して帰路に着きました。今日の日没は4時41分、一番早かったときと比べて10分以上遅くなりました。嬉しいです!! ( ^ー^)

 9日(火)は風が強ければ作業室の掃除、風が無ければ玉ネギ畑の雑草取りとこれまで溜めてきた雑草の焼却処分をしようかと思って居ます。今年も楽しく鍛冶作業が出来ると良いです。
2024年01月09日(火)
 工房着:午前10時10分  作業開始:午前11時30分−作業終了:午後3時05分
 工房の気温:3度

 『能登半島地震』の被害の状況が次第にハッキリとしてきました。海岸線は3.9m隆起したということで、漁港が陸地になってしまったような所も有るようです。津波は4m位のものが押し寄せたということです。
 亡くなった方は石川県で202名、安否不明者は102名 (14時現在)ということです。

 輪島の朝市通りは倒壊したり、焼失したり、これも大変な状態です。正月一人で『杯』を使う時は輪島の事を祈ることにして、骨董屋さんで購入した『銀杯』を使いました。

 
輪島朝市通りの骨董店で購入した銀杯

 この『銀杯』は梅の形をしています。そして、『小波選  白梅や 世を柳人の 草の庵  蕉風』 と刻まれています。熊公は梅が好きで、加賀前田家の家紋は『梅鉢紋』ですから、旅行の思い出にゲットしました。これからはこの銀杯を使う際には能登半島の方々のことを考えて(祈り)使うことにします。

 前回、最後に「北風が強かったら作業室の掃除・・・」 なんて書きましたが、〔 北風が強い=冬型が強まる=日本海側は大雪 〕と言うことになっちゃいますから、今年は(も)作業室の掃除はしなくても良い事にします。『小寒』を過ぎ寒中です。一年で一番寒い時期、被災された方が少しでも楽になるように、雪があまり降らないこと、寒くならないこと、一日も早いライフラインの復旧を祈りたいと思います。

 さて、今日は発注が入っているわけでも無く、フリーですから雑草類の焼却処分をすることにしました。時間に余裕がありますから、本当に久しぶりに散歩に出ることにしました。散歩に出ると血尿が出る傾向があるので少し心配が有ります。
 暮れに電動アシスト自転車を購入したのですが、どれ位アシストしてくれるかを自宅近くの坂道(かなりの急坂)を登って確かめてみました。パワー標準、ギア 2段(内装3段)でスイスイと登れて、楽しくて3ヶ所くらい登ったり降りたりして帰って来ました。その夜、見事に血尿が出てしまいました。やはり鼠蹊部から膀胱に掛けて力が掛かると出血が起きてしまうようです。幸い一過性のもので大出血にならず助かりますが、それでも確り赤い血尿が出ると緊急入院したことを思い出し緊張します・・・。

 散歩も無理せず歩くことにしましたが4km位歩きました。これからは一週間に2〜3回位にしようと思って居ます。荒川の堤防上からは富士山・浅間山は勿論、上越国境方向の山々も眺めることができました。
 帰って来てのオシッコの状況はなんとか大丈夫のようです・・・。

 
美しい『富士山』                           大好きな『浅間山』

 工房に戻ってきて、早めの昼食を摂り、11時半頃から作業開始しました。まずは横座周りの気になっているところを手入れしました。特にスプリングハンマーのペダルが3cm位床面より下に成りましたからペダルと床の端が少し離れた感じに成っていたので、レンガを割ってペダルギリギリの所まで床を広げることにしました。
 その他、横座の降り口部分の土を少し固めるようにしました。

 この作業は12時頃には終わったので、午後は焼却作業です。まずは畑の師匠にお借りしている畑の雑草の焼却です。続いて法面下の雑草の焼却です。こちらは柚子の枝などがあります。これを確り焼却しないと棘が靴底に刺さり痛い目に遭います。慎重にそして確りと焼却しました。

 
法面下の雑草類の焼却

 山のように積んである雑草や枝が焼却することでほんの少しの灰になります。そして、柚子の棘を気にせず済みます。焼却作業は2時半近くまで掛かりました。ブロッコリーの脇芽・小松菜を収穫して、畑の土がパッサパサ状態になっていますから、簡単に水撒きをして、あわせて雑草類を焼却した所に水を撒き、確り消火しました。

 作業を終えてどうも右足がチクチクすると思い靴を脱いで確認したら、やっぱり棘が刺さっていました。柚子の棘は本当に恐ろしいくらい太く長いです。靴底なんか簡単に突き抜けちゃいます。

 明日はお休みにしようと思って居ます。
 便利に使ってきた信用金庫の支店が6日を持って最寄り駅に近い支店(線路の向こう側)と統合されて、閉店してしまいました。『ATM』を残してくれれば問題無いのですが、それも置かないというなんとも不親切なことか・・・。
 上尾の水道組合の通帳を作ってありますが、これが口座番号変更になるという、これまたやっかいなことに・・・。そのまま通帳・カードは使えるということですが、口座番号が違う通帳・カードを使うのはどんなものか・・・。お金の出し入れは別の信用金庫でもできるので、駅の近くの支店に行かずとも寄り近くにある別の信用金庫を利用しますが、通帳の更新などはどうしても駅近くの支店に行くことになります・・・。
 ちなみに熊公個人の通帳・カードは変更無しです。ネットバンキングを使うので入金確認や振込などで困ることは無いのですが・・・。やっぱり駅の反対側まで行かなければならないときが出てきます。面倒だな・・・。
 そんなこんなで熊公家から統合された支店までは坂があるため、暮れに電動アシスト自転車を購入した次第です。明日は駅近くの支店に行き、上尾の水道組合の通帳・カードを新しくしてこようと思って居ます。
2024年01月11日(木)
 工房着:午前9時55分  作業開始:午前10時15分−作業終了:午後2時15分
 工房の気温:3度

 『能登半島地震』 石川県内安否不明者は随分少なくなってきましたが、亡くなった方の数はジワジワと増えてきています。震災関連死の方も出てきています。早く落ち着いた避難先が確保できると良いですが・・・。
 この災害に便乗した犯罪が起きているということです。日本人は理性を失いつつあるようで、情けないですね。

 昨日は1月10日で『110番の日』でした。ニュースを聞いていて2割は緊急対応が不要なものだったとか、「テレビがつかない」・「息子が起きないので警察官に電話で起こしてもらいたい」・「コロナ対策のため入院中の妻と面会ができない」・・・という、とんでもないものもあったようです。これもまた日本人が馬鹿になりつつある様子を示しているようでこの後の日本が心配になります。

 昨日は水道組合の通帳の更新に統合された駅向こうの信用金庫の支店まで行って来ました。電動アシスト自転車は役立ちました。昨日はパワーモードにして走ってみましたが、坂道は全く気にならずに走れました。歩けば20分近く掛かると思いますが、途中踏切で待つ時間が有りましたが6分くらいで行くことが出来ました。

 3年ほど前に兄貴に買って貰った『鹿角柄のベティーナイフ』の中子が折れてしまったと、暮れに相談されました。中子の折れ口を見ると、鹿角と口金の真鍮の境の部分で綺麗に折れていました。どうも力が真鍮と鹿角の硬さの違いで歪んで中子に加わって、金属疲労を起こした感じでした。そこで今後の対策を考えることにして中子を抜き取る作業をしました。兄貴は「もの凄く便利に使ってきているから再生して欲しい」 と願っていますから良い方法を考えなければ成りません。

 
折れてしまったペティナイフ                     中子の抜き取りに成功

 ブレードを削って中子を作り出す方法が一番簡単ですが、それだとブレードが短くなりすぎますね・・・。中子を溶接することを考えても良いかもしれないです。ただ、素材は『ATS−34』ですから、ステンレスの溶接をしなければ成りませんから、溶接ワイヤーをステンレス用にする必要があります。銀ロウでの鑞付けはどんなでしょうか・・・。これからしばらく再生方法を考えなければ成りません。

 中子抜き取り作業の後、11時過ぎからクリスマス前のアドベント期間の4週間で使った4本のロウソクを使って『キャンドル』作りをすることにしました。過去のものも有るのでそれも使いました。

 
         卓上コンロで蝋を溶かす             瓶にロウを流し込む(赤と緑は昔のロウソクを割った物)

 アルミ缶で蝋を溶かし、瓶に流し込みますが、過去のロウソクで赤と緑のロウソクがあったのでこれを割って瓶に入れ、そこに白のロウを流し込みました。イチゴとマスカットのような感じに成るから面白いかと思いましたが、ロウが冷えて固まっていくと白くなりますから、外側からはハッキリとは見えなくなりました。でも、火を灯してロウが溶けていけば、赤や緑のロウが現れるから良い事にしました。

 去年のロウソクは上の写真の可愛いボール状の瓶にぴったしの量でした。でもまだ古い物が有りますから、これを使って小さいキャンドルも作る事にしました。赤のロウソクがあったのでこれを溶かして作りました。ただ、それだけでは少し足りなかったので、白のロウソクを上からかけてやりました。

 
        4つのキャンドルができました           後ろから光を当てても赤・緑ははっきりしませんでした

 作った『キャンドル』は食事の時なんかに使ったら雰囲気が出て良いかもしれないです。瓶は割れちゃうまで使えるはずだから、今年のアドベント期間で出るロウソクもまた再生できそうです。

 『キャンドル』作りのあとは畑に液肥を撒きました。今日は曇天で寒い一日、そろそろ鳥(ヒヨドリ)が葉っぱを食べに来る時季ですから、防鳥ネットを張らなければならないですが、寒かったので明日以降に回すことにしました。

 今日もブロッコリーの脇芽を収獲、また、ノラボウ菜がもの凄く元気に育ってくれているので、本当はとう立する花茎を収獲するのですが、中心付近から延びてきている若い葉っぱを収獲しました。今晩はノラボウ菜を楽しめそうです。いつもより1ヶ月半早いです。

 今日はここまでで作業終了、早めに帰ってきました。明日は防鳥ネットをノラボウ菜に掛けて、その後は『鉄輪八方手裏剣』の保存用資料を鍛造しようかと考えて居ます。
2024年01月12日(金)
 工房着:午前9時45分  作業開始:午前10時05分−作業終了:午後2時40分
 工房の気温:3度

 今日は今シーズン一番の寒さでした。車のフロントガラスは凍っているし、工房の作業用の水も凍っていました。水道も凍りついていて、しばらく出ない状態でした。

 今日はノラボウ菜に防鳥ネットを張る予定でしたが、寒いので外の仕事は後回しにしました。横座の照明のアームランプ、これは以前職場の事務の先生が使っていたものですが、受け部分が壊れてしまったので廃棄するというので貰ったものです。鉄クランプにステンレスのパイプをアルミロウで鑞付けして使ってきました。最近、少しぐらつきが出てきたので鑞付けをし直すことにしました。そして、念のために少し太めの針金で締め付けました。

 
久しぶりに凍りついた作業用の水                修理したアームランプの受け部分

 鉄パイプの丁度良いサイズの物があれば溶接しようかと思って居ます。今回の修理でまだまだ使えると思います。ランプ自体はこれまでに3回くらい交換しています。現在はLEDのランプです。

 アームランプの受け部分の修理のあとは予定通り『鉄輪八方手裏剣』を資料として手元に置くため鍛造することにしました。火床に火が付けばストーブと同じです。10度くらい気温は上がります。

 素材はS45C 50mm角 厚さ12mmの物を使います。まずは八角柱になるように素材を加工します。此処でできるだけ綺麗な八角形にするのがポイントです。

 
   素材を八角形にする                   八角形にしたものを打ち広げていく

 八角形になったものを打ち広げていきます。厚さは4.7mm位にします。

 
棘部分を打ち延ばすために切り込みを入れる         アルミ型が納まったところで焼き鈍しに掛ける

 次に棘を打ち延ばすために切り込みを入れて、棘部分を打ち延ばしていきます。切り込んだ部分を互い違いに曲げて打ち延ばしていきますがこれが手間です。こうすることで切り捨てる部分を減らしていますが、60mm角の素材を用意してこれを打ち広げ、棘の打ち延ばし作業をカットした方が時間短縮及びコークスの消費節約になって良いかもしれないです。
 棘を打ち延ばしたあとは全体を鍛造して焼き鈍しに備えます。この段階で厚さは4.3mm位に成ります。

 焼き鈍しを終えたのは1時45分頃でした。外の気温は随分上がっていました。しかし、やる気が出てこないで防鳥ネット張りは次回以降にすることにして、火床の掃除・ハンマーへの注油をして作業終了にしました。

 月曜日は手裏剣の成形焼き入れ作業の予定です。

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